研究会のお知らせ

「音と身体の記譜研究」企画
「タブラチュアを考える〜動作が導く音の世界」


日 時:2024年3月23日(土)14:00-17:00
(1)話題提供:岡田正樹、重森三果、橋爪皓佐、三島郁
(2)座談会

会 場:京都市立芸術大学B棟1階専門講義室2 ▶︎ご来場は公共の交通機関をご利用ください。
定 員:50名
参加料:無料・要予約 ▶︎予約フォーム
主 催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター「音と身体の記譜研究」プロジェクト
チラシ


【概要】
楽譜とは音楽を表し、記録するためのメディアである。この楽譜を書く方法のことを記譜法(ノーテーション)という。ノーテーションの方法は千差万別で、音楽文化が違えばやり方も異なる。また同じようなシステムによっているように見えても、しばしば時代や地域によって特有の方法がとられており、常に慣習的な読み方が通用するとは限らない。それは、楽譜の書き方(ノーテーション)が、その時代の、あるいはその文化における音楽に対する考え方を反映しているからだと言えるかもしれない。
ノーテーションの手法の一つにタブラチュア(奏法譜・タブ譜)がある。タブラチュアは、演奏にあたっての動作を表現することによって音楽を記す(「ノーテーションする」)方法である。五線譜のように音の高さを示すのではなく、楽器のどの部分をどのように扱うかを指示するような楽譜の書き方がタブラチュアの基本的なあり様である。言い換えれば、タブラチュアとは、身体がどのように動作するかを記すことに重きを置いたノーテーションである。
タブラチュアが現在もギターや三味線などで使われていることは、比較的知られているかもしれない。だが歴史的に見れば、ヨーロッパの鍵盤楽器では、五線譜ではなくタブラチュアが使われていた時代があった。また20世紀以降の、いわゆる現代音楽においても、タブラチュアは様々なやり方で装いも新たに用いられている。
本企画は、専門やジャンルの違う4名の講師を招き、そうしたタブラチュアを用いる音楽について色々と考えてみようというものである。前半は4名の講師が各自の専門領域からポピュラー音楽におけるギタータブ譜(岡田正樹)、伝統邦楽の世界を背景とする新作創作と三味線譜の作成(重森三果)、映像的な記譜に内在する身体性とタブラチュア的な特質(橋爪皓佐)、バロック時代の鍵盤タブラチュアの記譜上の特性(三島郁)といった話題を提供し、後半は互いに意見を交換し合う場として座談会を行う。
タブラチュアの世界について考えることを通して、音楽と身体の結びつきやそのあり方の様々を捉えることができるのではないか、それが本企画の主旨である。
(文責:竹内直)


【講師プロフィール】
三島郁(音楽学、本学非常勤講師)
東京学芸大学大学院修士課程修了後、ケルン大学に留学、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門分野は西洋バロック期から19世紀の鍵盤楽器音楽の演奏・作曲論、数字付きバス文化研究。チェンバロ、通奏低音を亀谷喜久子、岩渕恵美子、C. チェラジの各氏に師事。国内外でバロック期の音楽や音楽修辞学などのレクチャーやコンサートを企画・開催。共著に『音楽文化学のすすめ:いまここにある音楽を理解するために』(2007年、ナカニシヤ出版)、『音楽を考える人のための基本文献34』(2017年、アルテス・パブリッシング)他がある。京都市立芸術大学、同志社女子大学、大阪音楽大学、甲南女子大学、大阪教育大学、各非常勤講師、京都市立芸術大学芸術資源研究センター共同研究員。

重森三果/新内志賀(邦楽家、本学非常勤講師)
京都市生まれ。幼少期より江戸浄瑠璃新内節を研進派初代家元・新内志賀大掾及び新派家元・富士松菊三郎に師事。小唄を里園派宗家・里園志寿栄及び里園志寿華に師事。2012年研進派家元、並びに新内志賀の襲名を果たし、現在は一門の指導・育成に献身している。本名の重森三果名義では、さまざまな文学をもとに脚色した作品や自ら書き下ろした楽曲を、新しい試みをもって精力的に発表している。また数多くの映画・テレビ・舞台などに於いて邦楽指導、演奏出演するなど多岐にわたって活動をしている。2014年文化庁芸術祭音楽部門優秀賞受賞。NHK邦楽オーデイション合格。京都市立芸術大学にて非常勤講師や京都産業大学、佛教大学、同志社女子大学、大阪大学、大学コンソーシアム京都などでゲストスピーカーを勤める。

橋爪皓佐(作曲家、芸術資源研究センター非常勤研究員)
ブリュッセル王立音楽院学士課程修了、京都市立芸術大学大学院音楽研究科修士課程(作曲)修了。英国王立音楽大学へ派遣交換留学。作曲家・ギター奏者として活動するほか、ロゼッタ(音楽コレクティブ)を主宰。「のせでんアートライン2021」に公募作家として参加、国際芸術祭「あいち2022」への出演、子供向け創作ワークショップ企画など、領域横断的に活動している。作曲作品は現代ギター社などから出版されている。京都市立芸術大学芸術資源研究センター非常勤研究員。京都女子大学非常勤講師。2023年度ロームシアター京都リサーチプログラムリサーチャー。

岡田正樹(音楽学、芸術資源研究センター共同研究員)
大阪市立大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専攻はポピュラー音楽研究、音楽学。近年は主に、アマチュアミュージシャンの音楽実践におけるタブ譜の意味・機能についての研究、楽器小売店の機能をメディア文化理論的観点から検討する研究、1990年代ヴィジュアル系ミュージシャンの活動に注目した日本ポピュラー音楽史の再考などのテーマに取り組んでいる。訳書に『ソニック・ユース』(デイヴィッド・ブラウン著、2019年、水声社)、主な論文に「メディア・ハブとしての楽器店」(『音楽表現学』vol.20、2022年)など。DJ(PCDJ)をDJ YASUに師事。

座談会司会
▶︎岡田正樹(芸術資源研究センター共同研究員)

企画コーディネーター・進行
▶︎竹内直(芸術資源研究センター非常勤研究員、プロジェクト・リーダー)

石原友明芸術資源展のお知らせ

令和6年3月をもって退任する美術学部油画専攻の石原友明教授の退任記念企画として「石原友明芸術資源展」を開催いたします。
石原友明展「SELFIES」と併せてご覧ください。

 


概要:美術作家石原友明についての芸術資源を、二種類の言説をまとめた「二冊の本」と、その他の関連資料を用いて展示します。これらの本は〈作家自身による〉言説をまとめたものと、美術批評家ら〈作家以外の書き手による〉言説をまとめたものです。そこから浮かびあがる「さまざまな相貌をもつ(あるいはもたされた)複数の作者像」は、ポストモダニズム期の美術作家にふさわしいとも言えますが、同時にそこには、書き手ーメディアによって意図的に切り出され複数化されていく「作家」の像を認めることも可能です。彼と彼以外の作者による二冊の本を軸に、芸術資源としての「言説」の意味について考察しながら、作家石原友明の思考とその創造活動への接近を試みます。
(佐藤知久/芸術資源研究センター教授)

石原友明芸術資源展
会  期:2024年3月20日(水・祝)〜3月31日(日)
開場時問:11:00 -17:00|入場無料
会  場:京都市立芸術大学C棟5F芸術資源研究センターアーカイビング・ラボ
主  催:京都市立芸術大学
企  画:芸術資源研究センター
協  力:MEM
フライヤーデザイン:水木塁

関連シンポジウム「もうこれで終わりにしよう。」
(第43回アーカイブ研究会として開催)
日 時:2024年3月30日(土)14:30-16:30
会 場:京都市立芸術大学 C棟1F 講義室1
(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
▶︎アクセス
申込不要・参加無料
登壇者:
石原友明(京都市立芸術大学美術学部油画専攻教授)
光田由里(多摩美術大学アートアーカイヴセンター 所 長・大学院教授)
佐藤知久(京都市立芸術大学芸術資源研究センター教授)
岸本光大(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)


石原友明展「SELFIES」
会  期:2024年3月20日(水・祝)〜3月31日(日)
開場時問:11:00 -17:00|入場無料
会  場:京都市立芸術大学C棟7F大学院制作室701-708
主  催:京都市立芸術大学
企  画:石原友明展実行委員会
展示構成:岸本光大
協  力:MEM
フライヤーデザイン:水木塁

概要:1980年代に写真や絵画、彫刻、インスタレーションを織り交ぜた複合的手法による作品で注目を浴びて以降、石原友明は「セルフポートレート」をはじめとした多様な表現形式を用いて、芸術や知覚に関わる根源的な問題を明らかにしてきました。その作品群は、芸術が芸術として成り立つ原理を検証する手段として評価を受けてきた一方で、現代や未来につながる身体観や「個」の在り方をも鋭く予見・示唆しています。
本展では関西初展示の近作や、重要な過去作を含む7つの作品シリーズを紹介。デジクル革新や社会情勢の混迷が進む現代における「わたし」をテーマに、石原の作品世界に内在する新たな意味を探求します。
(岸本光大/京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)


チラシ

第42回アーカイブ研究会のお知らせ

沓掛アーカイバル・ナイト〈第2回〉
芸術センターのあるとき:2000年以後の京都のアート状況を振り返る


 2023年10月、本学は1980年から2023年までを過ごした洛西・沓掛地域から京都駅東・崇仁地域へとキャンパスを移転しました。43年間の「京芸・沓掛時代」を多彩なゲストとともにふりかえるトーク・シリーズ「沓掛アーカイバル・ナイト」を2022年度より開催しています。
 1980〜90年代を「美術をめぐる様々なシステム化が進んでいく時代」として振り返った第1回に続き、第2回では「沓掛時代」後半の2000年以降を振り返ります。2000年は、ちょうど京都芸術センターがオープンしたタイミングです。この後、京都のアートシーンはどのように変わったのでしょうか。
 今回のゲストは、京都芸術センター開設当時のアート・コーディネーターであり、現在は同センター副館長も務められる山本麻友美さんと、京都市職員として文化行政に継続的に携わりながら、個人として京都のアート情報を発信されている原智治さんのお二人です。ひとりの若者としてシーンに身を投じてから、長年にわたって京都市の文化政策を支えてきたお二人それぞれのお話を通じ、現代にいたる約20年間に起きた「美術をめぐるシステム」の激動の変化をローカルな視点で追っていきます。
 コロナ禍を経て、本学においてはキャンパス移転という断絶を経験したいま、現代の私たちを取り巻くアートの状況をとらえる視座が求められています。お二人から、これからのアートを考えるヒントを教えていただきましょう。


講師:
山本 麻友美(京都芸術センター 副館長/京都市文化政策コーディネーター)
原 智治(京都市 文化市民局 文化芸術都市推進室 文化芸術企画課 担当課長)


日 時:2024 年2月15日(木)19:00-21:00
会 場:京都市立芸術大学 C地区B棟3F 講義室3(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
▶︎アクセス
申込不要・参加無料
チラシ

第37回アーカイブ研究会「沓掛アーカイバル・ナイト〈第1回〉」実施報告

第41回アーカイブ研究会のお知らせ

映像をアーカイブする〜その方法と可能性〜


 映像(動画)はいま、撮影・編集・共有が手軽にできるようになりました。写真よりも映像で記録されることすらあります。では、アーカイブの観点から映像を考えた場合、どうでしょうか。

 映像をアーカイブする。それはこれまで記録媒体の保存を意味してきました。問題は二つあります。一つは、映像の場合、写真以上に「記録媒体を見ただけでは何もわからない」こと。昔のフィルムはもちろん、YouTube でもサムネイル画像しか見れません。もう一つは、映像を保存したところで、「視聴する以外にほとんど使い道がなかった」ことです。

 今回はこの状況を逆手にとって、アーカイブとしての映像の可能性と展望を考えてみたいと思います。秋田公立美術大学の石山准教授をお招きし、秋田市の家庭に長年眠っていたアナログ8mmフィルム(その数、200以上)を収集・デジタル化から始まった活動実践と、将来の展開についてお話いただきます。映画監督でもある石山さんの活動は本業の映像制作とはまた別の、とてもユニークなものです。つねに映像の地域性を念頭に置いていて、単なる集積から、地域文化活動、はては地域医療現場にまで広がります。

 映像をアーカイブして何になるのか。そんなことを改めて考えるきっかけになるかもしれません。


講師:石山友美(映画監督・秋田公立美術大学准教授)
1979年生まれ。日本女子大学家政学部住居学科卒業。磯崎新アトリエ勤務を経て、カリフォルニア大学バークレイ校大学院、ニューヨーク市立大学大学院で建築、芸術論、社会理論を学ぶ。ニューヨーク市立大学大学院都市デザイン学研究科修士課程修了。在米中に映画制作に興味を持つようになる。映画監督作に《少女と夏の終わり》(2012)、《だれも知らない建築のはなし》(2015)。現在秋田在住。秋田で8ミリフィルムを収集するプロジェクト「秋田8ミリフィルム・アンソロジー」代表。


日 時:2024 年2月7日(水)14:00-16:00
会 場:京都市立芸術大学 C地区B棟3F 講義室4(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
▶︎アクセス
申込不要・参加無料
チラシ

第40回アーカイブ研究会のお知らせ

アートと人類学が交わる場所:ブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館(MOA)の取り組み


撮影: Cory Dawson。ブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館提供。


本発表ではブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館(MOA)での取り組みを紹介する。カナダ先住民コレクションで知られている博物館だが、実は全体の約40%の資料がアジアのもの。カナダ先住民とアジアとの繋がりにも視点を置いて、人類学博物館でアーティストとコラボすることの意義を考察する。

ジェイムズ・クリフォードが博物館をコンタクト・ゾーンと呼んだように、博物館は異なる文化や視点が接触、または衝突する場所でもある。異文化交流という単純なものではなく、博物館の歴史を辿ると植民地主義との関係が浮かび上がる。誰が、何をどのように収集し展示してきたのか。コレクション活用を通してコミュティとのつながりを築くことで、博物館を脱植民地化することへの試みも提示する。語りづらい歴史や経験をどう伝えていくのか、博物館、人類学やアートを通して何が出来るのかを一緒に考えたい。
中村冬日


講師:中村冬日(なかむら・ふゆび)
芸術人類学と博物館学を専門にする社会文化人類学者。ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)人類学博物館キュレーター、およびアジア研究学科教員。オックスフォード大学から博士号を取得後、オーストラリア国立大学、アルゼンチン国立東洋美術館、東京大学での勤務を経て2014年より現職。著書に『Asia through Art and Anthropology: Cultural Translation across Borders』、『Traces of Words: Art and Calligraphy from Asia』など。東日本大震災後に長期ボランティアをしたことをきっかけに、2011年以降は東北で調査を行なっている。3.11をテーマとした展覧会『記憶のための未来/A Future for Memory』は博物館人類学分野で名誉あるMichael M. Ames Prize for Innovative Museum Anthropologyを受賞。


日 時:2023 年12月10日(日)14:00-16:00
会 場:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
▶︎アクセス
申込不要・参加無料
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第39回アーカイブ研究会のお知らせ

「静謐なモダン」沓掛キャンパスの設計者「富家宏泰」の人と作品


今「沓掛から崇仁へ」まさに移転するタイミングです。同じように去る昭和55(1980)年に、美術は東山智積院隣地より、音楽は左京岡崎より統合移転を果たしましたが、その際のキャンパスプランを含めた校舎設計のすべて(のちに追加された大学会館と新研究棟を除く)を手掛けたのが富家宏泰(1919-2007)とその建築事務所スタッフでした。
富家はこの前後に三重県立美術館、石川県立美術館などの美術館建築を立て続けに設計していますが、京都でも府立文化芸術会館、府立資料館(旧館)市立歴史資料館などの公共建築を数多く設計しています。富家の作品は一貫して意図的に地味で控えめ。若い頃の作品を除き、建築ジャーナリズム的には注目されることなく世を去りましたが、とかくデザインの新奇性にばかり耳目の集まる風潮にあって、建物のユーザーに寄り添い、非常に静かで控えめなモダニズムとも言える独自の価値観を貫いた富家の作品とその意味を沓掛キャンパス以外の作品も事例にこの移転のタイミングで振り返る機会を持ちたいと思っています。


講 師:富家大器 (とみいえたいき)
新日本デザイン研究所代表、神明舎オーナー、環境デザイナー、総合デザインプロデューサー。
大阪芸術大学(環境デザイン)卒業、京都市立芸術大学大学院美術研究家(環境デザイン)修了。
GK京都勤務を経てフリーランスののち四天王寺大学准教授、京都美術工芸大学特任准教授を歴任。 京都府景観アドバイザー。
建築家・富家宏泰(とみいえひろやす)の作品研究及び図面資料等のアーカイブ化を進めている


日 時:2023 年7月19日(水)18:00-
会 場:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター(お越しの際は公共交通機関をご利用ください ▶︎アクセス
定 員:40名
▶︎要申し込み:申込フォームより参加申し込みをお願いします。
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第38回アーカイブ研究会のお知らせ

アートと学際研究の幸福な関係
-「ヤングムスリムの窓」を中心に


講師:澤崎賢一(一般社団法人「暮らしのモンタージュ」代表)


近年、アーティストが他領域の研究者等と協働して学際的な研究プロジェクトをおこなう事例が目立つように なりました。本学博士課程(構想設計)を修了したアーティスト/映像作家の澤崎賢一さんは、フランスの庭師 ジル・クレマンの活動を記録したドキュメンタリー映画『動いている庭』(2016 年)以降、研究者や専門家らと の共同研究プロジェクトによる映像作品を続けて制作しており、2018 年には映像メディアを活用した学際研究 のプラットフォームとして一般社団法人「暮らしのモンタージュ」を創設しています。個のアーティストとして の制作を越えて、領域を横断するコラボレイティブな開かれたアート実践を志向する背景にはどのようなビジョ ンがあるのでしょうか。澤崎さんの最新の取り組みである「ヤングムスリムの窓:芸術と学問のクロスワーク」 (文化人類学者の阿毛香絵さん/京都精華大学特任講師、イスラームとジェンダーを専門とする野中葉さん/慶 應義塾大学准教授との共同プロジェクト)など、いくつかの実践についてお話をうかがいます。 https://project-yme.net/


日時:2023 年 3 月 30 日(木)14:00-16:00
会場:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター
定員:10 名
▶︎要予約:申込フォーム
*下記の作品を上映します。
澤崎賢一『#まなざしのかたち ヤングムスリムの窓:撮られているのは、確かにワタシだが、撮っているワタシ はいったい誰だろう?』(30 分 30 秒, 2023)

研究会のお知らせ

芸術資源研究センター 「音と身体の記譜研究」プロジェクト企画
「柴田南雄のシアター・ピース考」
(東洋音楽学会西日本支部第295回定例研究会)


概要:
柴田南雄(1916-1996)は日本の民俗芸能に取材したシアター・ピース作品を残したことで知られる。柴田のシアター・ピースは合唱によって上演されることを意図されているが、一般的な合唱作品とは異なり、多くの作品で不確定性を取り入れた記譜が採用されている。上演にあたっては、楽譜の表面に書かれた事柄に加えて、楽譜に書かれていない事柄をどのように「読むか」(あるいは理解するか)ということが問題となる。

本企画では、柴田南雄のシアター・ピースを研究し自身の作品にも応用している作曲家徳永崇氏を招き、 柴田のシアター・ピース作品のなかでも日本の民俗芸能に取材した《追分節考》(1973)、《念佛踊》(1976)、及び古今東西の恋歌を素材とした《歌垣》(1983)を取り上げ、とくに記譜されていない事柄に注目しながら、上演に内在する様々な問題を考える。(文:竹内直)


日 時:2023年3月4日(土)13:00〜16:00/開場 12:30
会 場:京都市立芸術大学大学会館ホール(京都市西京区大枝沓掛町13-26)
   ご来場は公共の交通機関をご利用ください。
定 員:50名 申し込みはこちらのフォームより申し込みください。
参加料:無料 ※ただし事前予約が必要です。(先着順)

企画主催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター「音と身体の記譜研究」プロジェクト
共催:東洋音楽学会西日本支部
▶︎新型コロナウイルス感染防止対策のため,当日受付で検温等に御協力をお願いします。


1.イントロダクション 
「柴田南雄の創作活動とシアター・ピース」
講師:竹内直(音楽学、芸術資源研究センター非常勤研究員)

2.講演
「柴田南雄のシアター・ピースの上演における諸問題——記譜されていない情報に着目して——」
講師:徳永崇(作曲家、広島大学大学院准教授)

3.座談会
司会:滝奈々子(芸術資源研究センター非常勤研究員)

【講師プロフィール】
徳永崇(作曲家)
1973年広島生まれ。広島大学大学院教育学研究科、東京藝術大学音楽学部別科作曲専修及び愛知県立芸術大学大学院音楽研究科博士後期課程修了。柴田南雄のシアター・ピース研究で博士号(音楽)を取得。SCM World Music Days入選(2002/香港、2014/ヴロツワフ)。武生作曲賞受賞(2005)。作曲家グループ「クロノイ・プロトイ」メンバーとして、サントリー芸術財団第9回「佐治敬三賞」受賞(2010)。2021年4月より1年間、タンペレ応用科学大学に交換研究員として在籍。広島大学大学院教育学研究科准教授。

● 企画コーディネーター・進行:竹内直
● 座談会司会:滝奈々子


チラシ(PDF)


プロジェクトページ

第37回アーカイブ研究会のお知らせ

第37回アーカイブ研究会
沓掛アーカイバル・ナイト〈第1回〉
沓掛時代から平成美術へ:アートと社会システムとわすれたくない作品



講師
松尾 惠(ギャラリスト|ヴォイスギャラリー)
原 久子(アートプロデューサー|大阪電気通信大学教授)


崇仁地区への本学移転まで、残り1年になりました。そこで芸術資源研究センターでは、これからの1年間、1980年から2023年までの「京芸沓掛時代」を多彩なゲストとともにふりかえるトーク·シリーズ「沓掛アーカイバル·ナイト」を開催いたします。

記念すべき第一回のゲストは、本学卒業生であり、1986年に「ヴォイス·ギャラリー」を立ちあげて以来、多くの表現者たちに活動と発表の場を提供しつづけてきた松尾惠さんと、関西を対象とした現代美術批評誌『A&C: art & critic』の創刊(1987年)をはじめ、沓掛時代を通じさまざまなかたちで「アート·マネジメント」にたずさわってきた原久子さんのお二人です。

研究会では、沓掛時代を「美術をめぐる様々なシステム化が進んでいく時代」としてとらえ、お二人がギャラリストあるいはアート·プロデューサーとして、この時代に何を経験し、何を感じ、どうやってサバイブしてこられたのか、そしてこの40年間をふりかえってみたとき忘れがたい作品や出来事について、お話しいただきます。沓掛時代のアートシーンを熟知したお二人ならではの視点から、同時代についての証言と、これからの芸術についてのご意見をうかがっていきます。


2022年10月21日(金)18:00-20:00
会場:京都市立芸術大学 伝音共同研究室1(新研究棟7F)
定員:24名(要予約)
来場希望の方は下記のフォームよりお申込みください。
▶︎申込受付フォーム
研究会記録はYouTubeチャンネルより後日配信予定です。


チラシPDF

第36回アーカイブ研究会のお知らせ

「西洋美術史研究と芸術資源 ――目録やテクストが伝える情報――」
 本学の芸術資源研究センター(Archival Research Center)は、日々生み出される芸術作品や各種資料、作品が生み出される環境などを広く「芸術資源」と捉え直し、それらが新たな芸術創造に活かされるための諸条件やあり方などを探求しています。一方で西洋美術史研究においては、狭い意味でのアーカイブが史的研究に活用されてきただけでなく、広義の「芸術資源」を作家たちがどう活用し、次の制作・創造につなげていったのか、その有り様が常に探求されてきました。また、そうした「芸術資源」から作家や研究者が汲み取る「情報」や「内容」についても、決して一律に規定されるものではありません。本センターの打ち出す「芸術資源」の新たな定義は、伝統的な手法を取る美術史研究にとっても有意義なものです。その射程を今一度捉え直し、さらに広げていくためにも、伝統的なアーカイブやその周辺に眠る資料や、制作環境で活用されてきた芸術資源がどのようなもので、それらが制作や美術研究に如何に取り入れられてきたのかを多様な事例研究から知ることも、また意義のある取り組みだと言えるでしょう。
 今回開催する研究会では、アーカイブの蓄積と活用の重厚な歴史を持つ西洋美術史分野において、具体的な作家・作品研究とアーカイブの提供する資料とが如何に結び付けられてきたかということを検証し、それをもとに考え、情報提供する機会となればと思っています。皆様のご参加をお待ちしております。
深谷訓子(美術学部 総合芸術学科 准教授)

日 時:8月5日(金)13:00-15:50
方 式:Zoomオンライン

チラシ

▶︎参加申し込みフォーム
リンク先のフォームに必要事項を記入して送信してください。
研究会前日に参加のためのZoom情報をお送りいたします。


プログラム

開会挨拶:森野彰人(芸術資源研究センター所長・美術学部 教授)
研究会へのイントロダクション:佐藤知久(芸術資源研究センター 教授)


【第1部】財産目録から探る作品のすがた|司会:今井澄子|
研究発表①
13:10-13:30
「財産目録から辿るティツィアーノ作品の来歴 - 展示状況とその変化」
大熊夏実(京都市立芸術大学・博士後期課程)

研究発表②
13:30-13:50
「収集品とアイデンティティ-ネーデルラント総督アルブレヒトとイザベラの美術コレクション」
深谷訓子(美術学部 総合芸術学科 准教授)

13:50-14:10
第1部 質疑応答とディスカッション 


【第2部】テクストとしての芸術資源と美術史研究|司会:深谷訓子|
研究発表③
14:20-14:40
「16・17世紀イタリアにおける芸術家のための図書一覧」
倉持充希(神戸学院大学 講師)

研究発表④
14:40-15:00
「ドラクロワによる『ニコラ・プッサン伝』(1853年)-「芸術家伝」に何を学ぶか」
西嶋亜美(尾道市立大学 准教授)

研究発表⑤
15:00-15:20
「ヤン・ファン・エイク研究と古文書記録」
今井澄子(大阪大谷大学 教授)

15:20-15:50
第2部 質疑応答とディスカッション

(敬称略)


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