石原友明芸術資源展のお知らせ

令和6年3月をもって退任する美術学部油画専攻の石原友明教授の退任記念企画として「石原友明芸術資源展」を開催いたします。
石原友明展「SELFIES」と併せてご覧ください。

 


概要:美術作家石原友明についての芸術資源を、二種類の言説をまとめた「二冊の本」と、その他の関連資料を用いて展示します。これらの本は〈作家自身による〉言説をまとめたものと、美術批評家ら〈作家以外の書き手による〉言説をまとめたものです。そこから浮かびあがる「さまざまな相貌をもつ(あるいはもたされた)複数の作者像」は、ポストモダニズム期の美術作家にふさわしいとも言えますが、同時にそこには、書き手ーメディアによって意図的に切り出され複数化されていく「作家」の像を認めることも可能です。彼と彼以外の作者による二冊の本を軸に、芸術資源としての「言説」の意味について考察しながら、作家石原友明の思考とその創造活動への接近を試みます。
(佐藤知久/芸術資源研究センター教授)

石原友明芸術資源展
会  期:2024年3月20日(水・祝)〜3月31日(日)
開場時問:11:00 -17:00|入場無料
会  場:京都市立芸術大学C棟5F芸術資源研究センターアーカイビング・ラボ
主  催:京都市立芸術大学
企  画:芸術資源研究センター
協  力:MEM
フライヤーデザイン:水木塁

関連シンポジウム「もうこれで終わりにしよう。」
(第43回アーカイブ研究会として開催)
日 時:2024年3月30日(土)14:30-16:30
会 場:京都市立芸術大学 C棟1F 講義室1
(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
▶︎アクセス
申込不要・参加無料
登壇者:
石原友明(京都市立芸術大学美術学部油画専攻教授)
光田由里(多摩美術大学アートアーカイヴセンター 所 長・大学院教授)
佐藤知久(京都市立芸術大学芸術資源研究センター教授)
岸本光大(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)


石原友明展「SELFIES」
会  期:2024年3月20日(水・祝)〜3月31日(日)
開場時問:11:00 -17:00|入場無料
会  場:京都市立芸術大学C棟7F大学院制作室701-708
主  催:京都市立芸術大学
企  画:石原友明展実行委員会
展示構成:岸本光大
協  力:MEM
フライヤーデザイン:水木塁

概要:1980年代に写真や絵画、彫刻、インスタレーションを織り交ぜた複合的手法による作品で注目を浴びて以降、石原友明は「セルフポートレート」をはじめとした多様な表現形式を用いて、芸術や知覚に関わる根源的な問題を明らかにしてきました。その作品群は、芸術が芸術として成り立つ原理を検証する手段として評価を受けてきた一方で、現代や未来につながる身体観や「個」の在り方をも鋭く予見・示唆しています。
本展では関西初展示の近作や、重要な過去作を含む7つの作品シリーズを紹介。デジクル革新や社会情勢の混迷が進む現代における「わたし」をテーマに、石原の作品世界に内在する新たな意味を探求します。
(岸本光大/京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)


チラシ

シンポジウムのお知らせ

「写真家・井上隆雄の視座を継ぐ ―仏教壁画デジタルライブラリと芸術実践―」
重点研究プロジェクト井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究によるシンポジウムが開催されます。


概要:写真家・井上隆雄は、1970年代にインド・ラダックとミャンマー・バガンを取材し、仏教寺院壁画を中心としてその視座をフィルムにおさめた。それらの写真には、半世紀前の壁画の情報が確かな技術で記録されている。本シンポジウムでは、井上隆雄の眼差しを次世代に継いでいく可能性と意義を考える。


日時:2023年3月12日(土)13:00-17:00
【シンポジウム会場】国立民族学博物館 第4セミナー室(本館2階)
(同日、13:00- 会場:定員50名/オンライン:定員300名)
【企画展示会場】国立民族学博物館 第3セミナー室(本館2階)
(同日、10:00-17:00)
※事前申込制、先着順、参加無料
来場希望の方は下記のフォームよりお申込みください。
▶︎シンポジウム参加申請フォーム

【プログラム】

10:00 展示(第3セミナー室)開室
12:00 会場(第4セミナー室)開室・受付
13:00 開会挨拶 𠮷田憲司(国立民族学博物館長)
13:05 趣旨説明 正垣雅子(京都市立芸術大学准教授)
13:20 発表
「井上隆雄写真資料のデジタルアーカイブ化支援」
  石山俊(国立民族学博物館プロジェクト研究員)
「X-DiPLAS が構築する画像デジタルライブラリの特徴」
  丸川雄三(国立民族学博物館准教授)
「井上隆雄アーカイブ活動の実践と課題」
  岡田真輝(京都市立芸術大学・井上隆雄写真資料アーカイブ研究員)
「井上隆雄撮影のバガン壁画と可能性」
  寺井淳一(東京外国語大学特別研究員)
「井上隆雄写真の活用 模写による壁画表現の再現」
  正垣雅子(京都市立芸術大学准教授)
15:00 展示解説
正垣雅子(京都市立芸術大学准教授) ラダック壁画の模写制作
翟建群(京都市立芸術大学特任准教授) バガン壁画の模写制作
丸川雄三(国立民族学博物館准教授) 仏教壁画デジタルライブラリ
オンライン発表
「概知の素材からどのように未知なる対象を⽐定しうるか―アルチ寺三層堂「成就者肖像集」をめぐる現状と課題」
菊谷竜太(高野山大学准教授)
15:30 ディスカッション
「デジタルライブラリと芸術実践の可能性」
モデレーター 末森薫(国立民族学博物館准教授)
16:30 閉会挨拶 飯田卓(国立民族学博物館教授)


主催:京都市立芸術大学
人間文化研究機構共創先導プロジェクト(共創推進研究)
「学術知デジタルライブラリの構築」
国立民族学博物館拠点 (X-DiPLAS)


チラシPDF


シンポジウム要旨集PDF


プロジェクトページ井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究

2020年度 芸術資源研究センター 研究会・シンポジウム のお知らせ


京都市立芸術大学・芸術資源研究センターでは、この秋から冬にかけ、「芸術」「大学」「記憶機関 memory institutions」を主題とする連続研究会とシンポジウムを開催します。


京都市立芸術大学芸術資源研究センターYou Tubeチャンネルで配信いたします。


▼シンポジウム▼
2020年11月28日(土)14:00-17:00オンライン配信

「デジタル時代の〈記憶機関〉 芸術/大学における図書館・美術館・アーカイブ 」

登壇者:桂英史、佐々木美緒、松山ひとみ、森野彰人(芸術資源研究センター所長・京都市立芸術大学美術学部教授)
司会:佐藤知久

■概要
京都市立芸術大学・芸術資源研究センターでは、この秋から冬にかけ、「芸術」「大学」「記憶機関 memory institutions」を主題とする連続研究会とシンポジウムを開催します。
「記憶機関 memory institutions」とは、過去の出来事に関する記憶や記録を、未来へ向けて継承するための、社会的・文化的な機関や制度を指すことばです。具体的には、〈図書館〉〈ミュージアム(博物館・美術館)〉〈アーカイブ〉、さらには〈ギャラリー〉なども、現在そして過去の活動や経験を現在と未来に伝えるための〈記憶機関〉と見なすことができます。
本企画は、これからの芸術にとって、あるいはこれからの芸術をつくる人材を育てる芸術大学にとって、 記憶機関はどのようなものであるべきか?について、具体的に考えてみようという試みです。
近年あらゆることがらのデジタル化が展開し、記憶機関のあり方だけでなく、私たちの記憶やコミュニケーションのあり方も、大きく変化してきました。新しい技術の実装により、知識を蓄積する基盤としてのインターネットが、ひとつの巨大な記憶機関となりつつあります。図書館や学術資源の電子化がすすみ、オンラインのギャラリーやミュージアムが続々と現れています。
しかし他方では、長期間の保存に耐える物質的記録の価値や、人間が交流し、協働し、共に創造的な活動に従事する物理的空間を再評価する動きもあります。COVID-19の影響下で、ますますデジタル-分散-協働的な生活様式が編み出されていくなか、「手応えのある物質を共有する、開かれた物理的な公共空間」としての図書館、ミュージアム、ギャラリー、アーカイブなどの意義が、あらためて問われています。
記憶を継承し、次世代の創造活動を支えるインフラストラクチャーとしての記憶機関は、今後どのようなものとなっていくのでしょうか。そして人びとは、そこでどのように他者の記憶や経験をたどり、何を経験していくのでしょうか。さまざまな方々とともに考えます。

チラシ(PDF)


過去のオンライン配信の様子は芸術資源研究センターYou Tubeチャンネルでご覧いただけます。

No.29アーカイブ研究会 10月16日(金)18:15-

「デジタル時代の〈記憶機関 memory institutions〉–イントロダクション」

佐藤知久(京都市立芸術大学芸術資源研究センター/文化人類学)


No.30アーカイブ研究会 10月28日(水)18:00-20:00

「プラットフォームとしての図書館の役割
コロナ禍で露呈した物理的な公共空間としての弱さ」

佐々木美緒(京都精華大学人文学部/図書館情報学・図書館員養成)
■概要
「これからの芸術をつくる人材を育てる芸術大学にとって、記憶機関はどのようなものであるべきか?」、芸術大学の図書館の役割をそれぞれの機関における「プラットフォーム」として位置づけ、どのような取組みを展開できるのか考えます。ただ、「手ごたえのある物質を共有する、開かれた公共空間」であった図書館は、コロナ禍においてその弱さも露呈しています。課題を示しながら今後の可能性を探ります。
■プロフィール
佐々木美緒|Mio sasaki
フロリダ州立大学大学院図書館情報学科修了、修士(情報学)
政策研究大学院大学文化政策プログラム修了、修士(文化政策)
政策研究大学院大学公共政策プログラム博士課程(単位取得退学)
これまでアメリカのシアトル公共図書館、民間企業にて日本の公共図書館、大学図書館の管理・運営業務に携わる。
主な研究テーマは大学機関における専門(芸術)図書館員の養成について。


No.31アーカイブ研究会
11月10日(火)18:00-20:00 オンライン配信(参加無料・予約不要)

「美術館の資料コレクションは誰のもの?」

松山ひとみ(大阪中之島美術館/学芸員・アーキビスト)


No.32アーカイブ研究会
11月16日(月)18:0-20:00

「世界劇場モデルを超えて」

桂英史(東京藝術大学大学院映像研究科/メディア研究、図書館情報学)

糸が紡ぐ音の世界 開催のお知らせ 

記譜法研究会企画 シンポジウム&コンサート

糸が紡ぐ音の世界


  • 日時:2019年2月16日(土)14:00~17:00
  • 場所:シンポジウム 京都市立芸術大学 大学会館交流室/コンサート 京都市立芸術大学 大学会館ホール
  • 参加無料(事前申込不要)

チラシ


〈概要〉
織物やその技術は記譜(ノーテーション)の一種として読むことができる。糸や繊維を撚りあわせ,紡ぐという行為は,線を書き込む行為に似ている。それはまた網を縫い合わせ,布を織る技術を生み出し,さらには機織りのために紋紙という記譜法を作り出した。結ぶ行為,織る行為は「記す」という行為と表裏一体である。織物,織る行為,織りの音を身体が媒介する。世界各地の「織り」を通して,織ることと,記すこと,そして音響の世界の関係を探る。


【シンポジウム】
織物・身体・ノーテーション
伊藤悟 |国立民族学博物館外来研究員・文化人類学|
井上航 |国立民族学博物館外来研究員・民族音楽学|
滝奈々子|京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員・民族音楽学|
谷正人 |神戸大学・民族音楽学|
藤野靖子|京都市立芸術大学美術学部教授・織物|
佐藤知久|京都市立芸術大学芸術資源研究センター准教授・文化人類学|[コメンテーター]
柿沼敏江|京都市立芸術大学芸術資源研究センター所長・音楽学|[司会]
谷正人 |サントゥール演奏|

【コンサート】
トーク
藤枝守|九州大学芸術工学研究院教授・作曲家|
藤野靖子
伊藤悟

藤枝守:筝四面による《織・曼荼羅》(委嘱新作)

出演:中川佳代子,丸田美紀,大八木幸恵,渡部志津子(十七弦筝)
録音:山口友寛

柿沼敏江退任記念 フルクサスを語る 開催のお知らせ


京都市立芸術大学音楽学部教授,芸術資源研究センター所長 柿沼敏江退任記念

フルクサスを語る


  • 日時:2019年1月19日(土)14:00~17:00(13:30開場)
  • 場所:シンポジウム 京都市立芸術大学 大学会館交流室/コンサート 京都市立芸術大学 大学会館ホール
  • 参加無料(事前申込不要)

チラシ


〈概要〉
フルクサス
Fluxusという流れはひとつところにとどまることなく,常に動き,変化する。国境を越えて,グローバルに飛び火する。固定した造形の確かさよりも,イヴェントやパフォーマンスによる儚さを選び,唯一無二のオリジナルではなく「マルティプル」という複数性を好む。シンプルな形と戯れ,偶然のなかに息づく。メディア間を自在に行き来し,芸術と日常を混ぜ合わせる柔軟性を武器とする。フルクサスは無定形でとらえどころがない。そのフルクサスをどう理解し,どう語ればいいのか...


【講演】
フルクサスと音
柿沼敏江 (京都市立芸術大学音楽学部教授)

【シンポジウム】
フルクサス––起源・記憶・記録
一柳慧  (作曲家)
塩見允枝子(作曲家)
建畠晢  (美術評論家、多摩美術大学学長)
井上明彦 (京都市立芸術大学美術学部教授)[コメンテーター]
柿沼敏江 (京都市立芸術大学音楽学部教授・司会)

【コンサート】
一柳慧:電気メトロノームのための音楽 (1960)
小杉武久:ミクロ1 (1961)
塩見允枝子:無限の箱から——京都版 (2019)
      
出演:大井卓也、上中あさみ、北村千絵、橋爪皓佐、山根明季子ほか


アーカイブ
研究プロジェクト「フルクサスのオーラル・ヒストリー」

塩見允枝子、一柳慧、靉嘔、エリック・アンデルセン 

Akira Otsubo 「Shadow in the House」展開催のお知らせ

Akira Otsubo 「Shadow in the House」


2018年3月22日(木)~31日(土)10:00 – 17:00

会場|京都市立芸術大学 小ギャラリー

主催|京都市立芸術大学 芸術資源研究センター

企画|高嶋慈

助成|平成29年度 京都市立芸術大学 特別研究助成

チラシ


〈展覧会概要〉

大坪晶の写真作品《Shadow in the House》シリーズは、時代の変遷とともに所有者が入れ替わり、多層的な記憶を持つ家の室内空間を被写体としています。室内に残る歴史の記録であると同時に、ダンサーが動いた身体の軌跡を長時間露光撮影によって「おぼろげな影」として写し込むことで、何かの気配や人がそこにいた痕跡を想像させます。それは、複数の住人の記憶が多重露光的に重なり合い、もはや明確な像を結ぶことのできない記憶の忘却を指し示すとともに、それでもなお困難な想起へと開かれた通路でもあります。

大坪は近年、日本各地に現存する「接収住宅」(第二次世界大戦後のGHQによる占領期に、高級将校とその家族の住居として使用するため、強制的に接収された個人邸宅)を対象とし、精力的なリサーチと撮影を続けています。撮影場所の選定にあたっては、建築史や都市史研究者から提供を受けた論文や資料を参照するとともに、「接収住宅」の所有者の遺族や管理者への聞き取りを行っています。展覧会は、《Shadow in the House》を写真作品、関連資料、資料に基づいた作品、批評テクストからなる複合的なインスタレーションとして構成します。これらを通して、「住宅」という私的空間から大文字の「歴史」や異文化の接触を捉え直す視座を開くとともに、接収の実態や生活様式の変遷が今日の私たちの文化や精神性に与えた影響についても考える機会とします。

また、会期中には、都市史研究者の村上しほり氏と、写真史・視覚文化研究者の林田新氏をお招きしたシンポジウムを開催いたします。


〈関連シンポジウム〉

「記憶⇄記録をつなぐ」Vol.2

2018年3月25日(日)14:00-16:00(参加無料、予約不要)

会場:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター

●第一部

アーティストトーク(大坪晶)

レクチャー

「占領下の都市と接収:その記録と記憶」村上しほり(神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 研究員)

「Sujin Memory Bank Project:柳原銀行記念資料館と地域の記憶」林田新(京都造形芸術大学 アートプロデュース学科専任講師)

●第二部

ディスカッション「記憶⇄記録をつなぐ 」

参加者 : 村上しほり、林田新、大坪晶、高嶋慈(京都市立芸術大学 芸術資源研究センター 研究員)

 

 

 

 

シンポジウムのお知らせ


シンポジウム

「過去の現代の未来2 キュレーションとコンサベーション その原理と倫理」


インディペンデント・キュレーターの遠藤水城の呼びかけにより組織された國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト実行委員会は、2014年に不慮の事故で急逝した國府理による《水中エンジン》(2012)の再制作を試み、これまでに「裏声で歌へ」(栃木・小山市立車屋美術館)、「國府理 水中エンジン redux」(京都・アートスペース虹)での展示を実現しました。この取り組みは、展示を重ねるごとに、現代美術作品の保存・修復や再制作に関連して生じる作品の正当性の根拠、保存対象とすべき物質・現象の理想と現実、再制作過程の記録の重要性とその価値付け、活動記録のアーカイヴの可能性などを問いかける実践ともなり、次第に國府理の《水中エンジン》という具体的で個別の作品の再制作の試みであるのにとどまらない、今日の美術館が取り組むべきより普遍的な課題を明らかにするものともなっています。
本シンポジウムは、國府理の《水中エンジン》ならびにその再制作プロジェクトをモデルケースとして、人類の営みを保存し未来へと伝えていく美術館の役割について問い直すものです。兵庫県立美術館は、阪神・淡路大震災からの復興のシンボルとして2002年に開館しました。当時の日本ではまだ多くはなかった保存・修復部門がおかれたことは、当館に課されたこうした使命を象徴しています。國府の作品が2011年の東日本大震災の経験を踏まえたものであることを考え合わせた時、本シンポジウムを当館で開催することの意義はいっそう重いものとなるでしょう。また、國府の母校である京都市立芸術大学の芸術資源研究センターとも協力し、現代美術の保存・修復の意義と課題を考えるシンポジウムのシリーズ「過去の現在の未来」の第2弾として開催します。第1部では、國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト実行委員会より、企画代表者、再制作担当者、記録担当者の3名が登壇します。第2部では、保存・修復の専門家や美術館学芸員、研究者が登壇し、現代美術の保存・修復をめぐる問題について、それぞれの立場や視点からディスカッションを行います。

    • 日時:2017年11月23日(木・祝)13:30−17:00
    • 場所:兵庫県立美術館 ミュージアムホール(1F)
    • 参加無料(事前申込不要)

タイムスケジュール
13:30~13:40 開会あいさつ 石原友明(京都市立芸術大学 芸術資源研究センター 所長)

13:40~14:40 第1部「國府理《水中エンジン》とキュラトリアルな実践としての再制作」
遠藤水城(インディペンデント・キュレーター)
白石晃一(アーティスト、ファブラボ北加賀屋)
高嶋慈(京都市立芸術大学 芸術資源研究センター 研究員)

15:00~16:50 第2部「現代美術の保存修復の責務と倫理」
相澤邦彦(兵庫県立美術館 保存・修復グループ 学芸員)
加治屋健司(東京大学 大学院総合文化研究科 准教授)
田口かおり(東海大学 創造科学技術研究機構 特任講師)
中井康之(国立国際美術館 学芸課長)
司会:小林公(兵庫県立美術館 学芸員)

16:50~17:00 閉会あいさつ 飯尾由貴子(兵庫県立美術館 企画・学芸部門マネージャー)

関連展示

國府理の《水中エンジン》は、剥き出しにした自動車のエンジンを水槽に沈め、水中で稼働させる作品です。國府は、浸水や漏電、部品の劣化などのトラブルに見舞われるたびに、メンテナンスを施して稼働を試み続けました。
國府の死後、エンジンは廃棄され、水槽のみが遺されていた本作は、國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト実行委員会により、國府と関わりの深いアーティストやエンジン専門のエンジニアらの協力を得て、エンジン部分の再制作が行われました(2016年12月~2017年4月に再制作1台目を、6月~7月に再制作2台目を、京都造形芸術大学ULTRA FACTORYにて制作)。
本シンポジウムの関連展示では、《水中エンジン》および再制作のドキュメント資料をアトリエ1にて展示します。

  • 日時:2017年11月21日(火)~29日(水)10:00~18:00 ※11月27日(月)は休館日
  • 会場:兵庫県立美術館 アトリエ1(1F)
  • チラシ

主催:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター、國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト実行委員会、兵庫県立美術館
協力:アートスペース虹、京都造形芸術大学 ULTRA FACTORY、東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
特別協力:田中恒子
助成:アーツサポート関西、テルモ生命科学芸術財団


シンポジウムのお知らせ

京都市立芸術大学芸術資源研究センター企画展
「Sujin Memory Bank Project #01デラシネ――根無しの記憶たち」関連シンポジウム

「アート/アーカイヴ/ヒストリー」

 柳原銀行記念資料館にて開催中の展覧会「Sujin Memory Bank Project #01 デラシネ――根無しの記憶たち」に併せて,シンポジウム「アート/アーカイヴ/ヒストリー」を開催いたします。近年,歴史学的な観点からのアーカイヴへの関心に加え,現代美術の領域でもアーカイヴを参照した作品が増えています。今回のシンポジウムでは両者を架橋することを試みます。長年,日本各地の地域映像アーカイヴに携わってこられた水島久光氏,美術館にて阪神淡路大震災に関する展覧会を企画してこられた江上ゆか氏をお招きし,従来のアプローチとは異なったやり方で歴史を紡ぎ,過去に触れることについて考えていきたいと思います。


  • 日時:平成29年1月22日(日曜日)14:00~16:00
  • 会場:柳原銀行記念資料館(〒600-8206 京都市下京区下之町6-3)
  • 参加無料(事前申込み不要)
  • 登壇者:水島久光(東海大学教授)
         江上ゆか(兵庫県立美術館学芸員)
         林田 新(京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員/京都造形芸術大学専任講師)
         髙橋耕平(美術家)

  • 企画:林田新,髙橋耕平
  • 主催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター,柳原銀行記念資料館
  • 助成:平成28年度京都市立芸術大学特別研究助成
  • 問い合わせ先:芸術資源研究センター事務局 tel:075-334-2006 mail:arc@kcua.ac.jp
  • チラシ

Sujin Memory Bank Project #01 「デラシネ――根無しの記憶たち」

シンポジウムのお知らせ

symposium1205
文化庁平成27年度メディア芸術連携促進事業 タイムベースト・メディアを用いた美術作品の修復/保存に関するモデル事業 京都市立芸術大学芸術資源研究センター・国立国際美術館共催シンポジウム

「過去の現在の未来 アーティスト,学芸員,研究者が考える現代美術の保存と修復」

 京都市立芸術大学芸術資源研究センター(以下「センター」)は,学内外の芸術作品や各種資料等「芸術資源」のアーカイブ化を通して,将来の新たな芸術創造につなげることを目的に,昨年4 月に発足しました。
 センターでは,文化庁平成27年度メディア芸術連携促進事業「タイムベースト・メディアを用いた美術作品の修復/保存に関するモデル事業」として,古橋悌二《LOVERS》(1994年)の修復と保存をはじめとする,現代美術の修復と保存に関する調査研究を行っています。
 現代美術の作品は,様々な技術や素材を用いて作られています。そのため,最新技術を用いた作品がやがて古色を帯びたり,部品の故障や摩耗によって動作しなくなることもあります。作品の保存では何を重視するべきなのでしょうか。修復において作品の同一性はどのように保たれうるのでしょうか。現代美術の保存と修復は,従来の絵画や彫刻にはなかった様々な問題を提起しています。
 現代美術に携わる人々は,この問題をどのように考えているのでしょうか。それぞれの立場によって,保存と修復に対する考え方は異なるでしょう。今回のシンポジウムは,国際シンポジウム「現代美術をコレクションするとは?」(2014年)など現代美術の保存と修復の考察に取り組んできた国立国際美術館との共催で,アーティスト,学芸員,研究者という3つの異なる立場から,現代美術の保存と修復の意義と課題について考察します。


  • 日時:平成27年12月5日(土曜日)13:30~17:00(13:00 受付開始)
  • 会場:国立国際美術館 B1 講堂 (大阪府大阪市北区中之島4-2-55)
  • 参加無料(事前申込み不要)
  • 問い合わせ先:芸術資源研究センター事務局 tel:075-334-2231 mail:arc@kcua.ac.jp
  • チラシ

次 第
13:30~13:40 開会挨拶 山梨 俊夫(国立国際美術館館長)
13:40~15:00 発表
発表者
石原友明(アーティスト,京都市立芸術大学美術学部教授,同芸術資源研究センター所長)
「ゾンビとフランケンシュタイン 保存と修復」
植松由佳(国立国際美術館主任研究員)
「国立国際美術館におけるタイム・ベースド・メディアの保存修復ケーススタディ 高谷史郎《optical flat / fiber optic type》」
金井直(信州大学人文学部准教授)
「アルテ・ポーヴェラの古色(パティナ)と抗老化(アンチエイジング)」
マルティ・ルイツ(サウンド・アーティスト,バルセロナ大学美術学部研究員)
「バシェの音響彫刻の修復と保存 インタラクティヴな芸術作品の動態保存への挑戦」
15:00~15:20 休憩
15:20~16:30 パネルディスカッション
16:30~16:50 質疑応答
16:50~17:00 閉会挨拶 石原 友明

司会 加治屋 健司 (京都市立芸術大学芸術資源研究センター准教授)


■発表者略歴

石原 友明(いしはら ともあき)
京都市立芸術大学美術学部油画専攻教授。京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。個展に「美術館へのパッサージュ」(栃木県立美術館,1998年),「i [the imaginary number]」(西宮大谷記念美術館,2004年),「アウラとエクトプラズム」(MEM,2014 年)等。グループ展に「彫刻の遠心力」(国立国際美術館,1992年),“Vanishing Points: Contemporary Japanese Art” (National Gallery of Modern Art, New Delhi, 2007),「Trouble in Paradise 生存のエシックス」(京都国立近代美術館,2010年)等。

植松 由佳(うえまつ ゆか)
国立国際美術館主任研究員。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館勤務を経て2008年より現職。企画展に、映像作品によるグループ展「夢か、現か、幻か」、ヴォルフガング・ティルマンス、やなぎみわ、ピピロッティ・リスト、エイヤ=リーサ・アハティラ、マルレーネ・デュマス、マリーナ・アブラモヴィッチ、草間彌生、ヤン・ファーブルの個展等。第54回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナー、第13回バングラデシュ・ビエンナーレ日本参加コミッショナー。京都市立芸術大学非常勤講師。

金井 直(かない ただし)
信州大学人文学部准教授。京都大学大学院文学研究科美学美術史学専攻博士後期課程研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。企画展に「ヴォルフガング・ライプ」(豊田市美術館,2003年),「アルテ・ポーヴェラ」(豊田市美術館,2005年),“Vanishing Points: Contemporary Japanese Art” (National Gallery of Modern Art, New Delhi, 2007)等。あいちトリエンナーレ2016キュレーター。

マルティ・ルイツ(Martí Ruiz)
サウンド・アーティスト,バルセロナ大学美術学部研究員。バルセロナ大学大学院でバシェの音響彫刻に関する博士論文を書く。音楽学校でギターを学ぶとともに,古楽とヴィオラ・ダ・ガンバをサンティアゴ・ミロンに師事。電子音響にも関心を持ち,“Katatsumuri”プロジェクトを行う。カタルーニャのサウンドスケープ録音プロジェクト,環境芸術プロジェクト,カウベルの音を音階に調律しなおし,草を食べている牛たちの間に自動生成的に音を生むプロセスをつくるプロジェクト等を行う。

シンポジウム開催のお知らせ

symposium0919

シンポジウム開催のお知らせ

ほんまのところはどうな ん、「 アーカイブ」~初心者にもわかるアーカイブ論 ~

<概要>
本イベントは,京都市立芸術大学芸術資源研究センターが主催する公開シンポジウムです。本学客員教授であり,本研究センターの特別招聘研究員を務める美術家の森村泰昌氏を迎え,今日の芸術文化において関心が高まっている「アーカイブ」について,教員・研究者がともに話し合います。自らを「アーカイブ初心者」と呼ぶ森村氏が,アーカイブに関して分からないことを研究者に聞いてみるという趣向です。「なぜ、いまの美術でアーカイブが話題となっているのか」を一緒に考えませんか。

  • 日時:平成27年9月19日(土) 午後1時~5時半
  • 会場:京都芸術センター講堂 ※会場がフリースペースから変更になりました
  • 主催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター
  • 共催:京都芸術センター
  • 参加無料(事前申込み不要)
  • 問い合わせ先:芸術資源研究センター事務局 TEL:075-334-2231 MAIL:arc@kcua.ac.jp
  • チラシ(PDF)

登壇者:石原 友明(本センター所長・本学美術学部油画専攻教授)
    加治屋 健司(本センター准教授)
    加須屋 明子(本学美術学部教授)
    佐藤 守弘(京都精華大学デザイン学部教授)
    林田 新(本センター非常勤研究員)
    森村 泰昌(本学客員教授・本センター特別招聘研究員)        (五十音順 敬称略)

タイムスケジュール
13:00~13:30 その0:プロローグ「ボクにもわかるように話してな」(話者:森村 泰昌)
13:30~14:00 その1:「なんでそんなもんが出来てきたん」(話者:林田 新)
14:00~14:30 その2:「なにがおもろいのか教えてください」(話者:佐藤 守弘)
    休憩
14:45~15:15 その3:「アーカイブは病やて言うてる学者がいるらしい」(話者:加治屋 健司)
15:15~15:45 その4:「アーカイブを芸術にする人が増えてきた」(話者:加須屋 明子)
15:45~16:15 その5:「忘れることはよくないことですか」(話者:石原 友明)
    休憩
16:30~17:30 その6:討論「ほんまのところはどうなん、「アーカイブ」」(全員)

1 2

ページトップへ戻る