第11回アーカイブ研究会のお知らせ

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第11回アーカイブ研究会

「アーカイブで書き出す複数の歴史」

第十一回は戦後日本前衛美術研究家の黒ダライ児氏をお招きします。

〈概要〉
 「記録をつくること自体が、たたかいの手段である。敵は記録をつくらない。」(竹内好)――モノとして残らず,美術館に収蔵されることも美術市場で売買されることもない「アート」の実践をどのように歴史化するのか。決して「アート」の実践を正確かつ完全に再現することのない様々な記録から,いかにして政治的・制度的・経済的・学術的な価値が立ち現われるのか,あるいは,それらの価値に挑戦し崩壊させるのか。記録が仮にアーカイブされても,アーカイブはそれ自体で価値はなく,別のファイル形式(言説,映像,展示など)に変換されることで既製の価値体系を揺さぶる批評性によって初めて価値をもつ。しかし現代日本社会ではアーカイブは様々な困難に直面している。調査(インタビューと資料収集),データベース化,データの配列と選択,そこからの言説の構築という過程を経て書かれた『肉体のアナーキズム』の成立とその反響,その後の調査のなかで考え・感じたことから,アーカイブと歴史・批評の問題を考察する。

  • 日時:平成28年1月18日(月曜日)午後5時半から
  • 会場:京都市立芸術大学 新研究棟2F 共同ゼミ室
  • 参加無料(事前申込み不要)
  • チラシ

■ 講師プロフィール
黒ダライ児
(くろだ・らいじ)
戦後日本前衛美術研究家。1961年東京生まれ、福岡在住。著書に『肉体のアナーキズム 1960年代・日本美術におけるパフォーマンスの地下水脈』(grambooks、東京、2010年)。最近の論文に“Sound in Two Dimensions: Graphic Scenario of Performances by Zero Jigen in the 1960s,” POST, website of Museum of Modern Art, New York, uploaded June 18, 2015がある。

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