フルクサスのオーラル・ヒストリー

プロジェクトリーダー:柿沼敏江(音楽学部教授)
担当(協力者を含む):竹内直(音楽学部、伝統音楽研究センター非常勤講師、音楽学者)、ヤリタ・ミサコ(詩人、インタヴュー協力者)

●研究の目的(背景、範囲)

 本研究の目的は二つある。
(1)オーラル・ヒストリーの手法を用いて,フルクサスに関わったアーティストに聞き取り調査を行ない,「フルクサス」についての基礎資料をつくることを目的とする。フルクサスについてはこれまでにも欧米を中心として多くの資料が出ているが,活動の実態は十分に捉えられているとはいえない。フルクサスの活動のなかには,その場かぎりで終わってしまい,作品として記録されないものも多い。いわば資料化(アーカイブ化)を拒んでいるともいえるフルクサスの活動の実態について,直接アーティストから話を聞き,資料化(アーカイブ化)するとともに,英語に翻訳して世界に発信していきたい。インタヴューの対象は日本人を中心とするものの,日本人に限定するのではなく,機会をとらえて可能性のあるアーティストから行なっていく予定である。
(2)もうひとつの目的は,こうした基礎資料をもとに,フルクサスという運動において,「音」が果たした役割や意味を考察,研究することである。フルクサスの運動には音楽家や作曲家,また元々音楽に携わっていたアーティストが数多く参加しており,「音」はひじょうに重要な役割を果たしていた。このオーラル・ヒストリーのプロジェクトでも,「音」に関わることを含めてインタヴューを行なっており,例えばEric Andersenが若い頃に作曲家を目指しており,音楽や音に関心を持っていたことがすでに明らかになっている。フルクサスの運動を「音」という視座から捉え,この前衛運動の意味を考察し直してみたい。
 これまでEric Andersen(デンマーク),靉嘔(日本),塩見允枝子(日本),Philip Corner(アメリカ合衆国出身,イタリア在住),一柳慧(日本),といった各氏へのインタヴューは完了しており,さらに継続してインタヴューと調査を行なう予定である。
 インタヴューは録音の書き起こしを行ない,インタヴュー対象者の内容確認を経て,芸資研ホームページ上で公開している。日本語でのインタヴューには英訳を,英語のインタヴューには日本語訳をつけ,日英二カ国語で読むことができる。フルクサスについてこれまでにあまり知られてこなかった内容をネット上で公開し,活動の実態を広く発信していきたい。とくに,これまで美術の運動として捉えられてきたフルクサスに,音楽関係のアーティストが大きく関わっていることを知ってもらう意義は大きいと考えている。

平成26年度
平成27年度
フルクサスのオーラル・ヒストリーアーカイブ

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・Eric Andersen,靉嘔,塩見允枝子各氏への聞き取り

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