コンピュータと制御ロジック

ここでは、コンピュータ・アート,マルチメディアインスタレーション,サウンドインスタレーション,エクスパンデッドシネマ,インタラクティブアート,デバイスアート,インターネットアート,など,コンピュータを媒介として乱数生成リモート制御アクチュエータセンサーフィードバックシステム,などを行なう作品の変遷を,大きく3つに分けて、時代毎の技術的特徴を述べる。

初期のコンピュータ(60年−)

電子的な処理によって数字を操作し演算を実行するデジタルコンピュータの開発は,主に軍事利用を目的として1940年代に始まるが,60年代頃より,あらゆる用途を目的として,様々な領域の研究機関で扱われはじめた。この時代における,アーティストやエンジニアたちの先駆的な試みにより,コンピュータによって描かれるイメージは,新たな視覚表現の可能性を拓いた。

パーソナルコンピュータの登場(80年−)

80年以降,コンピュータの発達と民生化,GUI OS(グラフィックユーザーインターフェース・オペレーティング・システム)を配したパーソナルコンピュータの登場にともない,画像・音声・映像・テキストなどあらゆるメディアを容易に扱うことができるようになる。それにつれ,多くのアーティストがコンピュータを作品制作に持ち込むようになる。この時代の作品には,主にインタラクティブな映像作品が見られる。

windows 95以後(95年−)

windows95の登場など,80年から続くコンピュータの民生化はさらに加速する。90年代中盤からのインターネットの普及によって牽引された情報共有文化を背景として,情報の民主化が進み,デジタルテクノロジーは社会を形成する基盤の一つとして数えられるようになる。そのような中,オープンソースのプログラミング環境や廉価なI/Oモジュールなどが登場し,その取り扱い方法がインターネットで共有されるようになる。このことによって,アーティスト自身がデジタルエンジニアリングを行うことが容易になり,電子工作,デジタルデバイスを導入した作品制作が現れるようになる。

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