京都市立芸術大学主催 拡張された場におけるアートマネジメント人材育成事業

状況のアーキテクチャー 2017

お知らせ

2017年度の情報を公開しました

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「状況のアーキテクチャー」について

育成目標

京都市立芸術大学は1880年の開学より日本の芸術文化の火床として世界への発信基地であり続けてきました。そしていま、2023年に予定された郊外から都市部への移転を控え、あらためて「芸術であること」「地域にあること」「大学であること」の意味を問い直しています。それは隕石のように法外なアートの視点から大学や地域を捉える作業であると同時に、大学や地域の視点から、独りよがりなアートを捉え返す作業でもあります。本学が主催するプログラム「状況のアーキテクチャー」では、ひとつの方向からではなく、多方向からモノゴトを捉え、その視差から世界を多元化する状況の発振に携わる人材の育成を目指します。

テーマ

「状況のアーキテクチャー」では芸術・大学・地域とアートマネジメントの可能性を探るために《物質》《生命》《社会》というテーマを補助線とした7つのプロジェクトを展開します。

獲得する技術

受講者はそれぞれのプロジェクトを通じて2つの技術を獲得します。

1
多様な知と技術を身体や集団を通じて結びつける 横断技術
2
社会の生な現場に巻き込まれながら渦を作る 臨場技術

これら水平と垂直の二軸が交差するクリティカルな場所から創造的なビジョンを発振する実験場が「状況のアーキテクチャー」なのです。

《物質》《生命》《社会》の3つのテーマについて

「状況のアーキテクチャー」における《物質》とは、製品として作られた物質でもなければ、素粒子や原子などの科学に基づいた物質でもなく、生の感触で捉えられる「もの」を指します。

また、《生命》は、生命科学の観点から捉えた私たちの身体が、持ち主である自分には全てを理解しきれない次元のものとなっている中で、生きている身体、命の論理、作法、仕組みを、ナマモノとして捉え直すことを提言したものです。

最後に《社会》ですが、これも同じです。社会を組織として論じる前の段階、つまり自分の存在は自分一人のものではない、あるいは一人で担いきれるものではなく、社会の中にある生身の存在である、という感覚の社会に戻るということです。

「アート」に携わろうとする人は、まずそういった生の感触のレベルまで、感覚を見つめ直して欲しいと思っています。

京都市立芸術大学 学長 鷲田清一

(「状況のアーキテクチャー」2016年度事業報告書より抜粋して再編集)

Transfer=転移する、Trace=辿る、Trade=交換する

受講対象者

芸術に関わる仕事をはじめ、多様な専門職に従事されている方や、それらの仕事への就業を目標とされている方、共に考え活動することに意欲的な方を対象とします。→ 詳しくはこちら

チラシ

チラシをダウンロードする(PDF, 744 KB)

*チラシは2017年6月時点の情報です。最新の情報は本サイトをご確認ください。

実施要項

各プロジェクトとも、初回オリエンテーション以降は、参加者の予定を考慮しながら、実施日を調整します。

2016年度からの継続プロジェクトの受講生についても、新規プロジェクトと同様に、新たに申込が必要です。

※講師名は姓の50音順

テーマ1
Transferring Matter: 創造的アーカイブ

プロジェクト1 物質+感覚民族誌(2017年度新規プロジェクト)

作品・資料・アーカイブの新たな活用方法を探るべく、本学芸術資料館に収蔵されている世界の諸地域の民族資料を、感覚民族誌学の視点から再検証します。民族芸術学や感覚民族誌学についての知見を深めるレクチャーや展示見学ツアーに参加しながら、当館の民族資料を用いた展覧会(2018年2月、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAにて)を立案し、広報や展示、記録など一連のプロセスを体験します。

なお、受講希望者には、パイロットプログラムとして京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで開催する、京都市立芸術大学芸術資料館収蔵品展「移動する物質——ニューギニア民族資料」の鑑賞と、関連イベントのレクチャーシリーズの聴講をお勧めします。

初回オリエンテーション

実施期間
募集人数 5名
実施会場 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、京都市立芸術大学芸術資料館ほか
講師 佐藤知久(文化人類学者/京都市立芸術大学准教授/芸術資源研究センター専任研究員)
藤田瑞穂(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)
ゲスト講師 川瀬 慈(映像人類学者/国立民族学博物館准教授)

gallery.kcua.ac.jp/exhibitions/20170610_id=10306#ja

京都市立芸術大学芸術資料館収蔵品展「移動する物質——ニューギニア民族資料」//京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

www.kcua.ac.jp/art-m/#project1 ※個別リンクは変更することがあります。ご注意ください。

プロジェクト2 Still Moving: The ’80s(2016年度から継続)

西京区大枝沓掛町の本学キャンパスは、1980年に東山区今熊野から移転してできたものです。そして今、この校舎から京都駅東側への移転計画(2023年予定)が進んでいます。次の移転を前に、本プロジェクトでは、前回の移転、すなわち1980年前後の状況についてのアーカイブを編纂します。アーティストなど当時を知る人々へのインタビュー、資料収集、研究会、フィールドワークなどを行いながら、成果発表として資料展示(2018年2月、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAにて)を企画します。

初回オリエンテーション

実施期間
募集人数 5名
実施会場 京都市立芸術大学大学会館、京都市立芸術大学芸術資源研究センター、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAほか
講師 石谷治寛(京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員)
原 久子(アートプロデューサー/大阪電気通信大学教授)
藤田瑞穂(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)

www.kcua.ac.jp/art-m/2016.html#eighties 京都を中心とした80年代の美術について、本学と東京藝術大学の学生による交流展「フジヤマゲイシャ」をめぐる活動を中心として調査し、その可能性について改めて探る機会を創出しました。また、活動の途中経過は資料展示の形で公開しました。

gallery.kcua.ac.jp/exhibitions/20180217_id=10390#ja 京都市立芸術大学美術学部同窓会展(タイトル未定)会場内にて実施予定//京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

www.kcua.ac.jp/art-m/#project2 ※個別リンクは変更することがあります。ご注意ください。

プロジェクト3 うつしから学ぶ(2016年度から継続)

本学芸術資料館が収蔵している資料や伝統音楽の譜面を用いて、「うつす」行為によって別の形態や様式が発露するさまを、3つのワークショップによって体感します。また、その「うつし」の教育現場での活用法の会得を目標とします。受講生は下記3つのワークショップから各対象に合うものを選んで参加し、その成果を展示・発表します(2017年12月、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAにて)。

※「山水画のジオラマをつくろう」、「レゴブロックでうつす」で制作した作品は展示終了後、お持ち帰りいただきます。

実施期間
実施会場 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(①、②、③とも)
①「山水画のジオラマをつくろう」

中国にルーツをもつ山水画は、広大な山河を平面に如何に表現するかを追求することで発達した絵画です。高々とそびえる山岳や彼方までつづく平原などの印象深い絵画空間を立体に「うつす」とどうなるか、ジオラマ制作を通して山水画の本質を考察します。

実施日時
対象 15才以上
定員 5名
参加費 1000円
講師 竹浪 遠(東洋美術史/京都市立芸術大学美術学部准教授)
②「レゴブロックでうつす」

レゴブロックを使って本学芸術資料館に収蔵されている地域固有の民芸品を「うつし」ます。素材を置き換える事により、作品制作のプロセスや、作品スケールが変換されます。素材の変換は、単純に作品を「うつす」「まねる」ことが出来ず、エラーを引き起こします。どのようにそのエラーを取り入れながらレゴ作品を完成させていくのか。また、このエラーを通して「うつす」行為を考え直しましょう。

実施日時
対象 大学生以上
定員 5名
参加費 3000円
講師 森野彰人(陶磁器作家/京都市立芸術大学美術学部准教授)
③「能楽の五人囃子を体にうつしとる」

ひな人形の五人囃子は、どんな声を出しているのでしょうか?また、どんな音を出しているのでしょうか?五人囃子の声と音を体の中に「うつし」とって、五人囃子になりきるという試みを行います。さらに、植物になったり、動物になったりしながら、五人囃子の声と音で遊び、伝統音楽の演奏の多様性を体感します。

実施日時
対象 学齢児童、保護者
定員 10名
参加費 無料
講師 藤田隆則(伝統音楽研究/京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター教授)

www.kcua.ac.jp/art-m/2016.html#utsushi
2つのワークショップのマネジメント体験プロジェクトとして実施。1日目は博物館芸術資源、学芸員業務的観点から、本学芸術資料館収蔵品を利用した学芸員体験のワークショップを、2日目は伝統芸能保存、邦楽理論的観点から能楽での声調・リズムをトレースする体験のワークショップを行いました。

gallery.kcua.ac.jp/exhibitions/20171202_id=10952#ja 「うつしから学ぶ」//京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

www.kcua.ac.jp/art-m/#project2 ※個別リンクは変更することがあります。ご注意ください。

テーマ2
Tracing Life: 生存の技法——ケア×アート

プロジェクト4 Tracing Bodies: ダンス×ケア×臨床哲学(2016年度から継続)

「集団のカラダ」をテーマにしたワークショップと協働創作を行います。ダンス、音楽、ケア、哲学のワークショップを出発点に、そこから参加者の方々と共に、「新しい集団芸術」を発明し発表することをゴールに作業を進めていきます。

初回オリエンテーション(プロジェクト4、5合同)

実施期間
募集人数 10名
実施会場 京都市立芸術大学大学会館ほか
講師 砂連尾 理(振付家・ダンサー)
高橋 悟(美術家/京都市立芸術大学美術学部教授)+倉智敬子(美術家/京都市立芸術大学美術学部非常勤講師)
たんぽぽの家
鷲田清一(哲学/京都市立芸術大学学長)
ゲスト講師 contact Gonzo(アーティストユニット)
藤 浩志(美術家/秋田公立美術大学教授)

www.kcua.ac.jp/art-m/2016.html#tracing-bodies
ある状況や身体感覚を言語化することの(不)可能性を検証する過程を通じ、人同士あるいは人と対象との理想的な関わり方について探究しました。個々と対象の間に存在する「差異」に深く留意しながら支え合うことで、将来の在るべき社会の形をも示唆する意義深い機会となりました。

gallery.kcua.ac.jp/exhibitions/20171202_id=10952#ja 「うつしから学ぶ」//京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

www.kcua.ac.jp/art-m/#project4 ※個別リンクは変更することがあります。ご注意ください。

プロジェクト5 Tracing Voices: ラップ×ケア×アート(2016年度から継続)

「生きたコトバ」をテーマにしたワークショップと協働創作を行います。異なる感性、思考、リズムを持つ人達からなるチームを作り、講師らと共に「新しいコミュニケーション」の方法を考案していきます。さらにこれらの活動を生の文脈に接続する為に、従来にはない「記録・ドキュメンテーションアーツ」の制作に関わります。

初回オリエンテーション(プロジェクト4、5合同)

実施期間
募集人数 5名
実施会場 京都市立芸術大学大学会館ほか
講師 Shing02(ヒップホップMC
高橋 悟(美術家/京都市立芸術大学美術学部教授)+倉智敬子(美術家/京都市立芸術大学美術学部非常勤講師)
たんぽぽの家
鷲田清一(哲学/京都市立芸術大学学長)
ゲスト講師 石橋義正(美術家・映画監督/京都市立芸術大学美術学部准教授)
川瀬 慈(映像人類学者/国立民族学博物館准教授)

www.kcua.ac.jp/art-m/2016.html#tracing-memories
www.kcua.ac.jp/art-m/2016.html#rap-care-art
「ほんとうに思っていることを誰かに伝える」というコミュニケーションの基本行動は、自らの苦境や訴えを声に乗せるラップの起源と接続していますが、ケアにおいてもそれは重要な要素です。生の声を発し、聴くということが困難になっている現在において、創作の原点そのものに立ち返る試みとなりました。

www.kcua.ac.jp/art-m/#project5 ※個別リンクは変更することがあります。ご注意ください。

テーマ3
Trading Communities: 制度を使った多文化共生

プロジェクト6 Moving Terrace Works(2016年度から継続)

受講生は、プロジェクト6「Moving Terrace Works」とプロジェクト7Far Away/So Close: 開かれた共同体」の2つのプロジェクトのもとに行われる活動のうち、関心のあるものを選んで参加することができます(複数に参加することが望ましい)。

崇仁地域の京都市立芸術大学新キャンパスを、「京都の市民文化の新たな火床」(床=テラス)として位置づける京都市立芸術大学移転整備コンセプト《terrace》の実現に向けた実験を行うプロジェクト。《terrace》は、内から外に張り出して、人と人々、人と自然とを触れ合わせる共有空間と定義しています。本プロジェクトではキャンパスの移転に先駆け、この理念を運ぶものとして作られた荷台付き三輪自転車「Moving Terrace」を用いて公共圏と相互に作用し対話空間を作り出すことを目指します。まち歩きや路上での実験などを通して「Moving Terrace」による人の動きや風景の変化などに着目しながら、建築物によらず共有空間を作り出すことを試みます。

初回オリエンテーション(プロジェクト6、7合同)

実施期間
募集人数 プロジェクト7と併せて20名
実施会場 崇仁地域周辺ほか
講師 坂東幸輔(建築家/京都市立芸術大学美術学部講師)
藤田瑞穂(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)
ゲスト講師 RAD – Research for Architectural Domain

www.kcua.ac.jp/art-m/2016.html#moving-terrace
Moving Terrace」を持ち出して崇仁地域やその周辺のまち歩きを行い、道で出会った人々の反応について、またどのような状況下で共有空間の創出が可能かなどを話し合う場を設けました。

2017年4月9日(日) 崇仁地域と鴨川(七条から九条)のまち歩き

2017年5月14日(日) 洛市楽座春祭りでの船鉾巡行への参列

www.kcua.ac.jp/art-m/#project6 ※個別リンクは変更することがあります。ご注意ください。

プロジェクト7 Far Away/So Close: 開かれた共同体(2017年度新規プロジェクト)

京都市立芸術大学と崇仁地域との間のモノ・ヒト・コトの「移動」を軸とする実験を通して、この「移動」がそれぞれにもたらすものを探るプロジェクト。元崇仁小学校を中心とした本学移転予定地を中心に、高瀬川や東九条などその周辺も活動領域に含めます。受講生は各講師とともにいくつかのチームに分かれ、同時多発的にフィールドワーク、さまざまなモノの運搬、研究会、実験、パフォーマンスなどを行います。

初回オリエンテーション(プロジェクト6、7合同)

実施期間
募集人数 プロジェクト8と併せて20名
実施会場 元崇仁小学校、崇仁地域周辺ほか
講師 石橋義正(美術家・映画監督/京都市立芸術大学美術学部准教授)
井上明彦(美術家/京都市立芸術大学美術学部教授)
金氏徹平(美術家/京都市立芸術大学美術学部講師)
倉智敬子(美術家/京都市立芸術大学美術学部非常勤講師)
小山田徹(美術家/京都市立芸術大学美術学部教授)
佐藤知久(文化人類学/京都市立芸術大学准教授/芸術資源研究センター専任研究員)
杉山雅之(美術家/京都市立芸術大学美術学部非常勤講師)
高橋 悟(美術家/京都市立芸術大学美術学部教授)
畑中英二(陶磁史・考古学/京都市立芸術大学美術学部准教授)
坂東幸輔(建築家/京都市立芸術大学美術学部講師)
藤田瑞穂(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 学芸員)
ゲスト講師 未定

gallery.kcua.ac.jp/exhibitions/20170923_id=10625#ja still moving 2017: 距離へのパトス——far away/so close//京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

www.kcua.ac.jp/art-m/#project7 ※個別リンクは変更することがあります。ご注意ください。

申し込む

受講を希望される方は、下記の受講条件等をご確認のうえお申し込みください。

受講対象者

芸術に関わる仕事(インターンを含む、ジャンル不問)をはじめ、多様な専門職(地域創造、介護、都市計画、教育、看護、行財政など)に従事されている方や、それらの仕事への就業を目標とされている方、共に考え活動することに意欲的な方(18才以上、学生も可)。

受講料

プロジェクト3「うつしから学ぶ」を除き無料

申込方法

下記申込フォームまたはEメールにて

を明記の上(Eメールの場合は件名を「状況のアーキテクチャー受講申込」と記入して)お申し込みください。

※必要に応じ、面談などの審査を行う場合があります。予めご了承ください。

申込締切

各プロジェクト初回オリエンテーションの1週間前まで

※応募書類は締切を待たずその都度選考し、結果と初回オリエンテーション実施会場を通知します。定員になり次第、募集を打ち切ります。定員に空きがある場合は締切以降でも途中参加が可能です。詳しくはお問合せください。

注意事項

お問合せ

Eメール art-m@kcua.ac.jp
電話 075-334-2006
京都市立芸術大学 教務学生課
*受付時間:平日9:00–17:00
Facebook www.facebook.com/kcua.artm

運営体制ほか

主催 公立大学法人 京都市立芸術大学
助成 文化庁 平成29年度 文化庁「大学を活用した文化推進事業」
事業統括 高橋 悟(美術家/京都市立芸術大学美術学部教授)
運営体制 プログラムコーディネーター:岸本光大、熊野陽平、中田有美
シニアプログラムコーディネーター:西尾咲子
プロジェクトマネジメント:藤田瑞穂(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)