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【参加報告】芸術系大学 女性教育・研究者シンポジウム(東京藝術大学ダイバーシティ推進室主催)

5月26日(土)に、東京藝術大学上野校地で開催された、芸術系大学 女性教育・研究者シンポジウム「女性のアーティスト・研究者はどのようにキャリアを築いていけばよいのか?」に当センター美術担当アドバイザーが参加してきました。
本シンポジウムは、東京藝術大学ダイバーシティ推進室の主催により開催されました。芸術系大学に携わる女性のキャリア構築をテーマに、芸術系大学の現役教員の方々によるパネルディスカッションが行われました。開催の背景として主催者は、大学の扱う芸術においては「男性主導の伝統が根強い分野」も多く、女性の学生数に対して女性上位職者(教授・准教授・講師といった専任教員)が少ないという「アンバランス」が生じている点と、芸術以外の他分野に比べ、女性リーダーや上位職者育成の取組みや議論が見えにくく「学生や若手教員にとってのロールモデルやキャリアパスが十分に可視化されていない状況」にある点を挙げています*。こうした中、芸術系大学に携わる学生や、女性教員・研究者が、「どのようにキャリアを築いていけばよいのか?」ということは、いまだ明確な答えのない問いであると言わざるを得ません。このような問いに対して本シンポジウムは、芸術系大学に携わる女性が、個人のまた大学運営側の目線から、性急に答えを求めるのではなく、まずは語り合うための機会として位置づけられていたようです。
シンポジウムの中では、芸術系大学に所属する女性上位職者によるさまざまな報告や議論がなされました。最終的に具体的な対策の提案に至ったわけではありませんでしたが、現状でできることとして、現在の女性上位職者が、学内の女性学生たちのキャリアに関心をもち、草の根的ではあっても、情報発信や小さなことでも活動を続けていくしかないということが共有され、シンポジウムは終了しました。
本シンポジウムで語られたことは、京都の芸術大学に携わる私たちにとって無関係とはいえません。本学においても、在籍する学生の過半数が女性だからです。そもそもキャリア構築は女性に限らず誰にとっても難しいことであり、それ自体に性差はありません。しかし女性であるがゆえに、評価の可能性が狭められることがあるとすれば、その要因となるものについて注意深く見極めていかなければなりません。当センターでは、女性を含めた様々な立場から発せられる声をしっかりと聴き、本学の学生や卒業生たちが今後、それぞれのキャリア構築に希望を持ち続けられるように、取り組みを続けていきたいと思います。

* 東京藝術大学ダイバーシティ推進室ウェブサイト シンポジウム開催案内ページ参照

『芸術系大学 女性教育・研究者シンポジウム「女性のアーティスト・研究者はどのようにキャリアを築いていけばよいのか?」』 http://diversity.geidai.ac.jp/2018/04/sympo2018/
[日時]開催日時 2018年5月26日(土) 15:00-17:00
[会場]東京藝術大学 上野校地
東京藝術大学ダイバーシティ推進室ウェブサイト http://diversity.geidai.ac.jp/

(松井 沙都子/美術担当アドバイザー)

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