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【ワークショップ】鳥獣人物戯画の模写に挑戦 ~いきいきとした線を学んでみよう~2012.11.13

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 京都市立芸術大学日本画専攻が,滋賀県にある佐川美術館において,平成24年10月27日,28日に両日それぞれ2回ずつ,計4回,日本画ワークショップを開催いたしました。

 このワークショップは,「学ぶ日本画プロジェクト(※1)」の一環として実施されたもので,日本画専攻の川嶋渉准教授,日影圭准教授,非常勤講師の正垣雅子さん,卒業生の定家亜由子さんの企画のもと,教育の一環として本学の学生及び卒業生も多数参加し,紙工メーカーの株式会社ケーエス様にもご協力いただきました。

 佐川美術館でのワークショップは今回が7回目。今回のテーマは,【鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)の模写に挑戦~いきいきとした線を学んでみよう~】です。「鳥獣人物戯画」(※2)に描かれているのは,うさぎやかえるの取っ組み合いなど,まるで人間のような愉快な動きをしている,愛嬌のある動物たちです。

 参加者は,数種類の手本の中から好きな図柄を選び,その図柄に薄美濃紙(うすみのし)という薄い紙を上から重ねます。そして,巻棒に薄美濃紙を巻きつけ,上下に巻棒を転がしながら,紙を巻き上げて手本を確認し,巻き戻して薄美濃紙に描くという作業を繰り返す「上げ写し」という手法で描きます。透けて見える手本を上からなぞるのではなく,手本を目に焼き付け,その残像を薄美濃紙に写していくことで,線の向きや筆の勢いなど,生き生きとした線を忠実に描くことができます。

 このワークショップでは,準備や当日の実演・指導等を学生が行っています。川嶋准教授の「自分で考え,自分で行動することで,自分の得意なこと・苦手なことを見つけてほしい。」との思いから,現場でも教員が学生に指示することはなく,学生が「自分にできることは何か。」「どうすれば参加者に楽しんでもらえるか。」ということを考えて自発的に行動します。学生達は,参加者がとても集中されていたので,話しかけるタイミングをはかるのに緊張しつつも,「手本は,様々な線で描かれています。作者と同じ目線に立って,『きっとこう思って描いたんじゃないか。』と考えながら自分の線でそれを表すと,線を描く時の心持ちも変わってきますよ。」といったお話をし,日本画の魅力を伝えます。

 巻物は右から左に広げながら物語を進めていきますので,流れに沿って,左端に自身の名前と「写」の字を添えて完成です。描きあがった作品は,学生が巻子(かんす)(巻物)の形に仕立てました。広げながら読み,読み終えたらまたくるくる巻く。参加者は,絵巻物となった自分の作品を見て,ページをめくるのとは違った楽しみを感じていました。

 京都芸大日本画専攻では,長い歴史と伝統の中で構築された教育研究の成果を分かりやすく目に見える形で社会に還元する様々な取組を行っており,その中で生涯学習を主要な目的として実施したのが今回のワークショップです。

 今後も,京都芸大日本画専攻では,京都芸大の魅力・日本画の魅力を広く伝える活動を行っていきます。次回のワークショップは,平成25年2月16日,17日に,今回と同じ佐川美術館において実施する予定ですので,ぜひご参加ください。

※1 学ぶ日本画プロジェクト

 京都市立芸術大学日本画専攻における研究教育の魅力を広く伝えるために,様々な機会で,展示や講義・実技指導等を行う取組。これまでの活動内容については,日本画専攻のページをご覧ください。

日本画専攻

 

※2 鳥獣人物戯画

 京都市右京区の高山寺に伝わる絵巻物。平安時代終わりから鎌倉時代に描かれたとされ,国宝に指定されている。甲・乙・丙・丁の4巻から構成されており,「日本最古の漫画」とも言われている。