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美術学部の学生が大船鉾の裾幕を制作しました2013.11.26

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 京都市立芸術大学の学生が,公益財団法人大船鉾保存会からの依頼に基づき,来夏の祇園祭で,150年ぶりの山鉾巡行への復帰を目指して復興中の大船鉾の裾幕の制作を行いました。

 ※ この取組は,美術学部の専攻横断的な授業である「テーマ演習」において行っており,経過の詳細については,前回のお知らせ「大船鉾の裾幕,音頭取りの衣装に, 京都市立芸術大学の学生が提案したデザインが採用されました」(9月11日掲載)をご覧ください。

 

制作の様子

 制作するのは,裾幕をデザインした学生6名,佐藤 花音さん,三富 翔太さん(以上,日本画専攻3回生),東穂 愛子さん(日本画専攻4回生),覺野 真規子さん,木塚 奈津子さん,花岡 ゆうさん(以上,油画専攻3回生)です。デザインの原画を原寸にコンピュータで引き伸ばして,幅6.5m,縦90cmの長い布地2枚に,下絵を描くことから始まりました。

 

  

 下絵を描き終わると,染織棟の制作現場の一画に布地が張られました。染織専攻と異なる専攻の6人は,布に絵を描くという,普段の制作とは異なる素材と手法で制作しなければなりません。また,複数人が集まっての共同作業は,日頃一人で自分自身と向き合いながら行っている制作とは,大きく違う状況です。

 制作は3日間かけて行い,最終日は,覺野さん,佐藤さん,三富さん,東穂さんが仕上げに向って刷毛を動かしていました。真っ白な生地に,鉄紺色の反応性染料で,伝統的な模様である青海波(せいがいは)が描かれると,次第に躍動感あふれる波が布地に広がっていきます。

 

 本学の学生とともに裾幕の制作に携わっている京都の染色会社,スギシタ有限会社の代表取締役,杉下永次さんは,「連日,長時間の作業なので,学生さんに「休憩したら」と声をかけるのですが,黙々と描き続けているんです。」と,学生の熱意と制作時の集中力に驚かれたようです。杉下さんは,学生に染料の使い方をアドバイスしたり,ご自身の染色のお話をして学生の緊張をほぐしたりしながら,連日,作業を見守ってくださいました。

 

制作を終えて

 大船鉾にふさわしい勢いのある波は,すべて手書きです。裾幕に,最後の刷毛が走り終えると,学生たちの顔には安堵の笑顔が広がります。「お疲れ様!」という声とともに,自然と拍手で喜びを分かち合います。

 

 リーダーの覺野さんは,「伝統ある祇園祭の鉾につけられる裾幕を制作するというプレッシャーや不安もありましたが,班のメンバーと協力してデザインした青海波を,呼吸を合わせて描きました。描ききったと思うと,とても感慨深いです。」と,喜びを語りました。

 「みんなのアイデアを集めた裾幕が,形になったことがうれしくて信じられない気持ちです。」(三富さん),「このような機会に関われて光栄です。早く多くの方に見てもらいたいです。」(東穂さん),「日本画で使う刷毛と毛の硬さも違うし,染料も岩絵具よりトロっとしていて,はじめは波のきわがかすれないように描くのが難しかったです。大きな作品をみんなで作る経験ができたのは,この授業ならではだと思います。」(佐藤さん)と,それぞれ描き終えた気持ちを率直に話してくれました。

 出来上がった裾幕を前に,学生を指導した教員は,「学生たちは,高い水準で仕上げることに情熱を持って,本当によく頑張ってくれた。」(吉田准教授),「染織専攻ではない学生達が,異なる素材に見事に対応してくれた。その適応力はすばらしい。」(三橋教授)と,学生の制作に取り組む姿勢,能力を評価していました。

 学生が制作した裾幕は,スギシタ有限会社において大船鉾に取り付けられるように縫製等を整えたのち,大船鉾保存会に寄贈される予定です。

 

 

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