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卒業生インタビュー[art_03] 山本あいみさん 1/4

1. 教員になりたい

教員志望で京都芸大を目指す

interviewerいつ頃教員への道を考えたのでしょうか。

山本 高校生の頃には頭の中に、将来は教員になろうというのがあって、大学を選ぶ時も教育大学か京都芸大かどっちにしようって最後まで迷ったくらいでした。

interviewer京都芸大と教育大学と迷われて、最終的に京都芸大を選ばれたのは、何か決め手がありましたか。

山本 京都で一番の美大は京都芸大だというイメージがあったんです。一番頑張らないと入れないのは京都芸大だと。将来は教員になるにしても、レベルの高いところに身をおいて美術を学ぶことは大事だと考えて、京都芸大を目指すべきだと思ったんです。

interviewer教育だけじゃなくて美術をしっかり4年間やったうえで教員になろうと考えられた。

山本 それが一つあったのと、もう一つ、京都芸大に行ったら面白い人がいっぱいいるだろうという期待がありました。そういう人の中にいると、今までの生活では得られなかった刺激とか人間関係とかが得られるんじゃないかと思いました。

 京都芸大を受けるときも、作家志望でない人間が行っていいものかと悩みました。最初から京都芸大!というわけではなくて、進路を考えるときもいろいろな進路を考えて考えて、考えた末に一番いいのは京都芸大かなと落ち着いたんです。

良い指導者との出会い~高校編

interviewer京都芸大は面白い人がたくさんいそうだということを、選んだ理由にあげられましたけど、興味は絵を描くことだけではなさそうですね。

山本 根本的に、人に興味があるんです。小さいころからそうだったように思います。京都芸大を選んだときも、今までに見たことのない価値観を持った人に会えるかもしれないと考えていましたね。

interviewer教員を意識し始めたきっかけはありましたか。

山本 高校時代に良い先生との出会いがありました。目標を立てる際、私は今までに出会ってきた人の中から、目指すべきモデルを見つけることが多いんです。高校時代に将来こういう感じで教員として生きていけたらいいなっていう先生にお会いできました。

 2人いらっしゃるんですが、一人はクラブ顧問としてお世話になった先生です。「もっとがんばって高いところを目指せ」と懇々と言って聞かせてくださいました。期待していただいている状況に応えようと頑張っていたところがあります。

 もう一人の先生は、学習障害がある生徒や学校にうまくなじめない生徒の支援をされている先生でした。そういう生徒をうまく手助けされている場面を目の当たりにしているうちに、私もそういうことができる教員になりたいなと考えるようになりました。

京都芸大に入学

interviewer新しい世界に入っても、「自分にとってこれはきっと面白い」とか「あの人はいい人だ」というのが直感でわかるタイプだと思いますが、大学に入ってからはどうでしたか。

山本 入ってからは、新歓コンパとかでわーって騒いだりして楽しかったですよ。大学は想像以上に面白かったです。面白かったけれど、大学1回生の時に、これまで自分のなかでできあがっていた価値観がガラガラと崩れた時期がありました。

 きっと自分が知っている選択肢とか、対処方法とかでは太刀打ちできないことがたくさん出てきたんだと思います。それで、モヤモヤってなって、しばらく沈みました。何か、それまでの自分を強く否定されているように感じていました。まわりにも同じような状況になっていた子がいたと思います。

 きっと、美術で何がしたいとか何を学びたいという具体的な考えが何もない状態で大学へ来て、まわりの人との差をすごく感じたりしてダメだなって思ったんでしょうね。作家になろうっていう意識のある人たちの中で、私は最初からそっちの方向を見ていないし、なんでここに来たんだろうと悩みました。

interviewerずいぶん悩まれたのですか。

山本 ちょっと失敗したかも程度に思っていられたこともあったんですけど。ある日、「もうどうしたらいいかわからへん」と限界を感じ、母校の恩師に会いに行ったことがあります。泣きながら「どうしていいかわかりません」って訴えました。(笑)

 先生とお話しているうちに考えが整理できて、気持ちを落ち着けることができました。後にその時のことを振り返り、自分は先生のように生徒に寄り添える存在でありたいと思っているんだなって、自分の中でその思いがなんだかしっくりきたんです。

 しばらくは悩んでいましたが、時間とともに、私が選んだ京都芸大は作家志望の子が多い大学だけど、自分にとっては教員になるために美術を学ぶ場所なんだって、そういう風に大学での美術の勉強に向き合えるようになったんです。それからは大学生活を満喫しました。

インタビュアー:美術学部 総合芸術学専攻2回生 濵野志織

(取材日:2012年3月3日)

Contents

  1. 教員になりたい
  2. 漆工専攻時代
  3. 教員生活
  4. 美術で人間性を育む

Profile:山本あいみ【やまもと・あいみ】高校教諭

2009年3月京都市立芸術大学美術学部工芸科漆工専攻卒業、4月から京都府の北部にある府立高校の美術教諭として勤務。