卒業生インタビュー[art_04] 樫木知子さん 1/4

1. 幼少〜京都芸大時代

幼少時代から京都芸大入学前まで



「花」
copyright of Tomoko Kashiki, courtesy of Ota Fine Arts

樫木 幼い頃から、落書帳などに8等身の理想の人物ばかり描いていました。人物がいない絵っていうのはほとんどなかったと思います。幼い女の子はよく、女性の絵を描きますよね。その延長でずっと描いていました。

 私の母は昔、ファッション学校でデザインや縫製を学んでいたので、実家には母の描いたデザイン画がたくさん残っていました。ファッション雑誌も手の届くところにたくさんあったので、私は雑誌を手本にしたり母の作品を真似たりして人物画を描くことを楽しんでいたんです。

interviewer京都芸大を志望したのは何故ですか。

樫木 自分の描いてるお絵かきを本格的な絵にしたくて美大に進学しようと思いました。京都芸大を選んだ理由は、学校の雰囲気ですね。静かな感じが絵を描くには良さそうというか、肌でこの大学がいいと感じました。

学生生活

樫木 実は最初は油画専攻ではなく版画専攻にいたんです。

 高校の美術部などで描画の基礎や油彩の扱いを学んだわけではなく、ずっと一人で、お絵かきの延長で描いていましたので、ハガキや落書き帳のような手の内に納まる小さな紙というものに愛着がありました。だから、版画のスケールとその繊細さに興味を持っていました。しかし、直に描けないことに次第に物足りなさを感じ、自分の手で直接画面にイメージをのせていく油画への転専攻を決めました。

interviewer授業はどんな感じでしたか。

樫木 制作時間をたくさんもらえたのが良かったです。前・後期にそれぞれ3回ほど合評がありました。合評の後には、次の制作へ向けて自分なりの課題や方向性を探るための相談日が用意されていました。生徒一人一人と担当の先生方との面談です。学部における制作時間というのは、午前の学科授業と合評や面談を除いた時間のすべてです。面談を受け、合評へ向けて制作する、そしてまた次の面談を受けて合評へ向けて制作する、というサイクルですね。

 このスタイルは自分に合っていました。合評までの期間が短いと感じることもありましたが、長いとそれだけ使ってしまうので、この頻度がちょうど良かったのだと思います。

 合評までに、自分なりに満足のいく作品群を提出しなければなりません。自分自身で作品について考えつつ、面談で課題の立て方を教えてもらいながら制作を進めていました。また、制作を進めている時にも先生方が学生の制作室を見回ってくださったので、気軽に話しかけることができて色々なアドバイスをいただくことができました。

interviewerクラブ活動は何かされていましたか。

樫木 学部の頃は、ミュージカルグループの大道具をやっていて、相当力を入れていました。特に芸祭前は大道具制作に多くの時間を費やし、部活が本業みたいな感じになっていましたね。制作の進め方が全く分からない一方で、体力と気力だけは溢れていたので、何か没頭できるものが欲しかったんだと思います。

インタビュアー:美術学部 総合芸術学専攻2回生 古田理子

(取材日:2012年2月21日)

Contents

  1. 幼少〜京都芸大時代
  2. 今の作風に至るまで
  3. 良い絵を描きたい
  4. 画家として

Profile:樫木知子【かしき・ともこ】画家

京都市立芸術大学美術研究科博士(後期)課程美術専攻(絵画)修了。
2006年京都市立芸術大学制作展同窓会賞、2009年VOCA展奨励賞、2012年京都市芸術新人賞受賞。
国内外で活躍する注目の若手芸術作家。2012年4月から本学非常勤講師。