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卒業生インタビュー[music_09] 次田心平さん 1/4

1.武貞先生,呉先生に導かれて

次田心平さん(写真左)と恩師,武貞茂夫先生

次田 小さい頃は,けっこうヤンチャな方だったと思います。小学生の頃に,友達と授業をサボって体育館裏で遊んでいて,先生と大勢の同級生に追いかけられたことがありました。

 両親は,音楽家ではなく,父が趣味でピアノをやっていたくらいだったのですが,僕は,三人兄弟の末っ子で,兄二人が吹奏楽部に所属していた影響で,僕も中学校で吹奏楽部に入りました。兄が家で,エチュードを繰り返し練習していて,自然と,その時に聞いていたものが頭に入っていました。

 中学校は,吹奏楽部が盛んな学校で,僕の時で150人くらいの部員が所属していました。吹奏楽部では,ジャンケンで負けてチューバを担当することになりました。

 吹奏楽部の顧問の先生が,京都芸大出身で,その先生に紹介していただいた個人レッスンの先生も京都芸大出身で週1回2時間くらいのレッスンをしていただきました。

 兄達が,京都市立堀川音楽高校に進学したので,その影響で,僕も堀川音楽高校に進学して,当時,京都芸大と堀川音楽高校で教鞭を取られていた武貞茂夫先生に師事することになりました。

 今考えてみれば,指導してくれた先生は,京都芸大の関係者ばかりでしたね。

interviewer_musicその時に思い描いていた夢はありますか。

次田 中学の時には,本当に漠然とした夢で,自分の持っていたCDを聞いて,自分もこんなCDが出せたらなぁと思っていました。

 高校の時は,音楽高校だったこともあり,周りはみんな音楽家を目指していて,自分も音楽家になろうと思っていました。

interviewer_music京都芸大を志望された理由は何ですか。

次田 高校3年生の時にアメリカのインディアナ州立大学のダニエル・ペラントウーニ教授に指導してもらう機会があり,ペラントウーニさんに「アメリカに来ないか。」と誘っていただいたので,アメリカに行こうと思っていました。

 しかし,周りに「高校卒業後すぐにアメリカに行くのもいいけど,大学を出てからでもよいのではないか。」と言われ,高校時代の恩師である武貞先生が教えておられる京都芸大を受験し,幸運にも合格することができました。

 一つ残念だったのが,当時,音楽高校は京都芸大の隣にあり,高校から合格発表を見に行くときに,先に発表を見て高校へ戻ってきた声楽の先生が,笑顔で頭の上に両手で丸を作っていたんです。嬉しかったのですが,合格発表の看板を見て喜びたかったので,複雑な心境でした(笑)。

interviewer_music京都芸大の授業はどのような感じでしたか。

次田 大学の授業では,エチュードを武貞先生が歌ってくれたので,どんどん頭に入っていきましたし,実際に先生が横で吹いてくれました。あとは,僕が,先生のマネをして吹くということを繰り返していました。学校だけでなく家に帰っても,「先生は,どうやって吹いているんだろう」と考えながら練習していました。

 武貞先生には高校と大学の7年間指導していただいたのですが,最初に武貞先生の音を聴いた時に,その音色に衝撃を受けたんですよ。オーケストラで吹いている人の音ってこんな音がするのかって。先生に近づきたくて,それからはひたすら先生のマネですね。そのおかげで,今でも,演奏が武貞先生に似ていると言われるんですよ。

 武貞先生はアンサンブルもされていましたし,京都市交響楽団に所属されていて,先生が出演される演奏会は,よく聴きに行っていました。先生は,本番前や休憩中にも吹かれていて,それを聴いているのが好きでした。

interviewer_music先生にどのような指導を受けましたか。

次田 武貞先生には何度も,「単なる伴奏ではなく,人が歌うように吹きなさい。」と指導されました。チューバは伴奏楽器なのですが,伴奏を伴奏っぽく吹くと面白くなくなりますし,伴奏にもちゃんとメロディというか歌う場面がいっぱいあるんですね。それは,レッスンの中でも一番大きかったですし,今でも心掛けています。

 京都芸大では,呉信一先生にも指導していただきました。先生のお人柄だと思うのですが,呉先生の前では,不思議とのびのびと吹くことができました。自然と成長させてもらったような気がします。

 また,呉先生からは「一つ一つの音を長めに吹く」ことを指導されました。京都芸大を卒業した金管楽器の人はみんな言われていると思います。普段から長めに吹くことを意識することで自分が思っている以上に息を楽器に長く入れ続けられるようになっていきます。そうしたら,自然と音が伸びていくようになるんですね。指揮者からの指示で長く吹いていたものを短くすることは比較的簡単なのですが,短いものを長くすることは非常に難しいのです。呉先生の指導はいまだに役にたっていますね。

インタビュアー:三角顕史(管・打楽専攻修士課程2回生)
取材日:2013年11月7日)※日生劇場にて

Contents

  1. 武貞先生,呉先生に導かれて
  2. コンクールはチャンスにつながる
  3. 幅広い音楽活動
  4. 夢をみる

Profile:次田心平【つぎた・しんぺい】読売日本交響楽団 チューバ奏者 

京都市立芸術大学音楽学部管・打楽専攻卒業。

1999年PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)にジュニアフェローで参加し,ケネス・エイミス氏に学ぶ。2000年カナダにて国際テューバコンクールのセミファイナルに出場。その後,インディアナ州立大学の教授ダニエル・ペラントウーニ氏の自宅にて数週間教えを受ける。2001年PMFに正式メンバーとして参加。同年,第18回日本管打楽器コンクールテューバ部門第4位,第21回同コンクール3位と続けて入賞。2002年,大学を首席で卒業し音楽学部賞,京都音楽協会賞を受賞。読売新人演奏会に出演。2003年~2008年,日本フィルハーモニー交響楽団に在籍。第24回日本管打楽器コンクール,テューバ部門において満場一致の1位となる。日本フィルハーモニー交響楽団をバックに協奏曲を共演。侍ブラス,ジャパンテューバソロイスツ,Break Throughのメンバーとして,演奏活動を展開するほか,関東の大学,高校で後進の育成にも力を注いでいる。