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  4. 卒業生インタビュー[music_10]浦山瑠衣さん 4/4

卒業生インタビュー[music_10]浦山瑠衣さん 4/4

4.将来の夢

「紀尾井ホールにて(平成26年)」

interviewer_musicアメリカでクラシックを学ぶ良い点はありますか。

浦山 一番良いことは,アメリカにはクラシックだけではなくて,身近に,色々な国からの様々なジャンルの音楽が溢れているから,音楽的視野が広がると思います。主観的な意見かもしれませんが,クラシック音楽離れしつつあるヨーロッパよりも,アメリカの方が,人々が純粋にクラシック音楽に親しんでいる印象を受けます。アメリカと言っても広い国ですが,ボストンは特に,かつて小澤征爾も指揮をしていた素晴らしいボストンシンフォニーがあり,市民はこれを誇りに思っています。他にも,バークリー音楽院はジャズの世界最高峰ですし,ボストン美術館は有名ですし,ボストンバレエやミュージカルやブルースの本場,ニューヨーク,タングルウッド音楽祭も近くにあり,色々な方面の芸術に触れることができます。

interviewer_music今後やりたいことや将来の夢はありますか。

浦山 今の目標は,自分らしさを発揮できる活動の場を探すことです。音楽を通して喜びをシェアできることが私の最終的な夢であって,目指しているコンクールで優勝するという目標もありますが,それは大きな夢への通過点でしかありません。最終的には私にしかできない世界観を発見したいです。アルバニアやリトアニアの小さな村で演奏した時の経験が忘れられません。真夏の暑い日にアイスクリームを食べていたら「アイス買えないの,お願い,ちょうだい」と言って見上げてきた,小さな妹を背負った女の子が,演奏を聴いて素敵な笑顔を見せてくれました。誰かと音楽を通じて分かち合える瞬間が一番幸せです。世界中を回って,生演奏を聴く機会がない子供たちにできるだけ音楽を届けたいです。私の中には,音楽の色々なアイデアがあって,それをどうにか形にしたいと模索しているところです

 今しばらくは,アメリカを拠点にするのがいいかなと思っているんです。アメリカにはいろんな国から人が来ていて,世界的なネットワークが作りやすいので。

interviewer_music先輩の夢をお聞きして私も頑張ろうと思います。今度のコンチェルトの試験のアドバイスをください(笑)。

浦山 コンチェルトでは,自分のパートを知ることと同じくらいオーケストラのメンバーがどこで何をしているか知ることも大事です。普段オーケストラの中で弾く機会のない私たちピアニストは,特に自己中心的な演奏をしがちなので(笑)。たまに私は自分の演奏を録音して,それを聴きながらオーケストラのパートを暗記するくらいまで,自分の演奏に合わせて弾いたり歌ってみたりします。さらに,自分が弾きながら,オーケストラのパートの主要な旋律を歌いながら覚えることもやりました。オーケストラのスコア(※4)を常に横に置いて練習することが大切だと思います。例えば「このフレーズはどういう意味だろう」と疑問に思った時に,すぐにスコアを見てオーケストラがどんな演奏をしているかが確認できたら,音楽を作りあげるためのヒントがもらえることがあります。

※4 演奏に関わるすべてのパートをまとめて記譜した譜表

interviewer_musicありがとうございます。実践してみます。最後に在学生にメッセージをお願いします。

浦山 自分がやりたいと思ったことは,やりたいと思った時に行動に移すのが良いと思います。レパートリーを増やすことはもちろん,例えば「語学を勉強したい」と思ったら,すぐに勉強する,「あの絵が見たいな」と思ったら,躊躇せずにすぐ美術館に行って見る。やりたいと思った時が,一番素直に吸収できる瞬間だと思うので,すぐ行動に移して何でもやってほしいと思います。私自身,今でもすぐ行動に移せるように,毎日をアクティブに過ごすように努力しています。頑張り過ぎてストレスが溜まって,爆発してしまう時もありますが,そうして自分の限界を少し超えたところで常にチャレンジすることが好きなんだと思います(笑)。

 それから,今の時代に音楽家として生きていくのなら,語学力は本当に必要だと思います。音楽の世界では英語を話せるのは当たり前になっています。ヨーロッパには,何か国語も話せる人がいて,私も英語以外にも2・3ヵ国語を話せたらいいなと思っていて,これからの課題です。

interviewer_music京都芸大を志す受験生に一言お願いします。

浦山 京都芸大は本当にアットホームで,みんなが支え合ってやっていく雰囲気があって,私は京都芸大が大好きです。私の学年では,留学している仲間同士とも,日本で頑張っている人たちとも,卒業した今でもよく連絡を取り合っています。出会った人と深く関われるから良い仲間にもなれるし,そこから,さらに新しい出会いもあり輪が広がっていきます。卒業してみて,京都芸大で良かったと思うことは本当にたくさんあります。是非,京都芸大に入学して在学中に多くの人と音楽を楽しみながら,練習に励んでください。

インタビュー後記

インタビュアー:藤本志帆(ピアノ専攻4回生)

(取材日:2013年12月11日)※スカイプでのインタビュー

 浦山先輩とは,私が入学した4年前,4回生の門下の先輩として出会いました。同じ北海道出身で,大学に入る前から先輩の演奏を聴いていた私にとっては,入学前から憧れの先輩でした。今回,そんな憧れの先輩から様々なお話を聞く機会をいただき,とても感謝しています。

お話を伺う中で終始感じたのは,浦山さんの音楽やピアノへの深い愛情でした。聞けば聞くほど,大学生活の中で浦山さんがされてきたこと,向き合ってきたことは,自分には想像できないほど厳しいことです。しかし,そのことを語る浦山さんは,「大変だった」とは言いながらもとても前向きでした。そして,もっと先を見据えて大きな夢を語っていらっしゃいました。

浦山さんのおっしゃっていた,「やりたいと思ったことは,すぐにやる。自分が思う限界の少し先までやってみる。」その行動力の源は,その愛情なのではないかと感じました。

私も音楽が好きだ,ピアノが好きだという気持ちを忘れずに,音楽への愛情を原動力に,先へ先へと進んでいきたいと感じました。

インタビュー後記

インタビュアー:近野剛 (ピアノ専攻3回生)

(取材日:2013年12月11日)※スカイプでのインタビュー

 現在,ご活躍されている浦山さんに初めてお会いし,直接お話しを伺うことが出来,同じ北海道出身の私にとって楽しい時間でした。

 学部在学中には浦山さん自ら,幅広いレパートリーを求めてピアノソロは勿論の事,コンチェルトの作品全てに取り組まれていたそうで,その姿勢に驚きました。

 また,浦山さんは気分転換にボストンの街の人たちとサルサを踊ったりされているそうです。クラシック音楽を勉強していく中で,他のジャンルのものを取り入れることがなかなか無いので,とても毎日を楽しんで過ごされてるような印象でした。

Contents

  1. 幼少から京芸時代
  2. ボストン留学
  3. ピティナピアノコンペティション特級グランプリ受賞
  4. 将来の夢

Profile:浦山 瑠衣【うらやま・るい】ピアニスト

2011年,京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻を京都音楽協会賞を受賞して卒業。在学中,定期演奏会のソリストに抜擢され大学オーケストラと共演。大学卒業後,渡米。現在,ボストン音楽院修士課程に在学中。2004年,第58回全日本学生音楽コンクール北海道大会高校生の部第1位。2005年,ピティナ・ピアノコンペティションG級ベスト4賞,2006年同コンペティション特級ファイナリスト。2007年,2012年ペルージャ音楽祭(イタリア)参加。2012年,ショパン国際コンクール(アメリカ・ハートフォード)第2位。2013年,ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ。これまでに東京ニューシティ管弦楽団,リスト音楽院オーケストラ,ペルージャ管弦楽団,京都市立芸術大学管弦楽団と共演。