第36回アーカイブ研究会のお知らせ

「西洋美術史研究と芸術資源 ――目録やテクストが伝える情報――」
 本学の芸術資源研究センター(Archival Research Center)は、日々生み出される芸術作品や各種資料、作品が生み出される環境などを広く「芸術資源」と捉え直し、それらが新たな芸術創造に活かされるための諸条件やあり方などを探求しています。一方で西洋美術史研究においては、狭い意味でのアーカイブが史的研究に活用されてきただけでなく、広義の「芸術資源」を作家たちがどう活用し、次の制作・創造につなげていったのか、その有り様が常に探求されてきました。また、そうした「芸術資源」から作家や研究者が汲み取る「情報」や「内容」についても、決して一律に規定されるものではありません。本センターの打ち出す「芸術資源」の新たな定義は、伝統的な手法を取る美術史研究にとっても有意義なものです。その射程を今一度捉え直し、さらに広げていくためにも、伝統的なアーカイブやその周辺に眠る資料や、制作環境で活用されてきた芸術資源がどのようなもので、それらが制作や美術研究に如何に取り入れられてきたのかを多様な事例研究から知ることも、また意義のある取り組みだと言えるでしょう。
 今回開催する研究会では、アーカイブの蓄積と活用の重厚な歴史を持つ西洋美術史分野において、具体的な作家・作品研究とアーカイブの提供する資料とが如何に結び付けられてきたかということを検証し、それをもとに考え、情報提供する機会となればと思っています。皆様のご参加をお待ちしております。
深谷訓子(美術学部 総合芸術学科 准教授)

日 時:8月5日(金)13:00-15:50
方 式:Zoomオンライン

チラシ

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リンク先のフォームに必要事項を記入して送信してください。
研究会前日に参加のためのZoom情報をお送りいたします。


プログラム

開会挨拶:森野彰人(芸術資源研究センター所長・美術学部 教授)
研究会へのイントロダクション:佐藤知久(芸術資源研究センター 教授)


【第1部】財産目録から探る作品のすがた|司会:今井澄子|
研究発表①
13:10-13:30
「財産目録から辿るティツィアーノ作品の来歴 - 展示状況とその変化」
大熊夏実(京都市立芸術大学・博士後期課程)

研究発表②
13:30-13:50
「収集品とアイデンティティ-ネーデルラント総督アルブレヒトとイザベラの美術コレクション」
深谷訓子(美術学部 総合芸術学科 准教授)

13:50-14:10
第1部 質疑応答とディスカッション 


【第2部】テクストとしての芸術資源と美術史研究|司会:深谷訓子|
研究発表③
14:20-14:40
「16・17世紀イタリアにおける芸術家のための図書一覧」
倉持充希(神戸学院大学 講師)

研究発表④
14:40-15:00
「ドラクロワによる『ニコラ・プッサン伝』(1853年)-「芸術家伝」に何を学ぶか」
西嶋亜美(尾道市立大学 准教授)

研究発表⑤
15:00-15:20
「ヤン・ファン・エイク研究と古文書記録」
今井澄子(大阪大谷大学 教授)

15:20-15:50
第2部 質疑応答とディスカッション

(敬称略)


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