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瓦版web:09|阪口楓|就職・結婚・出産・そして歌い続けること

阪口楓(ソプラノ歌手、株式会社ヤンマービジネスサービス)
京都市立芸術大学卒業後、神戸大学大学院に進学。休学中及び単位取得退学後、2社でフルタイム勤務経験 (派遣)。2018年より現職 (正社員)。国内外約1000名の案内業務を経て、社員研修の事務及び講師を担当。仕事の傍ら2020年度初のソロリサイタル開催、関西二期会オペラ研修所修了。2022年度神戸新人音楽賞コンクール最優秀賞、芦屋音楽コンクール第3位受賞。2021年第一子出産、2023年職場復帰。同年9月、12月リサイタル出演。



阪口さんは2023年度の「10年後の京芸生」に登壇していただきましたが、時間内にお話しが収まらなかったため、後日あらためてインタビューをさせていただきました。「10年後の京芸生」の様子をまとめた瓦版増刊号も合わせてご覧ください。

インタビュー:柳楽正人(京都市立芸術大学キャリアデザインセンター音楽アドバイザー)



■視野を広げるために選んだ神戸大学大学院

―先日の「10年後の京芸生」でお話ししていただいたことも振り返りながらお伺いしたいんですが、そもそも歌を続けていくためにはお金がかかるんだという思いがあったんですよね?

阪口:特に声楽は、例えばオペラ1本出演するにしてもチケットノルマがあったりとかしてお金が必要なんです。特に大学時代はお金がないのが精神的に負担だったので、その負担を減らしたいという意味でも何かしら仕事はしたいなと思っていました。歌の実力があったらまだ考えようがあるんですけど、自分は特に自信がなかったので、続けていきたいという思いはあるけれど、続けていくにはお金も必要だと感じていました。

 大学を卒業したら大学院に進学したいと思っていました。できるのであれば、本当は歌をもっと極めたいと思っていたんですけれども、自分の実技に自信がなかったので、もしダメだったときには仕事を探さなければいけない。でもずっと音楽しかやってこなかったのに就職なんてできるのかとすごく悩んでいました。京芸の大学院に上がるのか、将来のことも踏まえて視野が広がる大学院にするのか、どこかないかなと探したときに、神戸大学の大学院(人間発達環境学研究科・表現系)を見つけたんです。神戸大学は論文に力をいれているけれど、声楽専攻の先生もいらっしゃったので実技が全くできなくもない。あとは安易な考えなんですけど、神戸大学というネームバリューで何かあったときに就職もしやすいのかなとも考えました。本当は京芸の大学院に進学したいという気持ちはあったんですけど、将来のことを考えるともしかしたら神大の方が安泰なのかなと思ったんです。

―神戸大学には芸術系の専攻があるんですよね。そこから演奏家になったり音楽関係のお仕事をされたりしている方を何人か知っています。音楽に軸足を置きながら視野を広げるという意味で、神大はひとつの選択肢かもしれませんね。

阪口:視野が広がるかなと思って神大進学を決意したんですけど、実際のところ想像以上に論文が大変でした。先生には「あなたは放っておいたらずっと演奏のことしか考えていないから、しばらく演奏活動は辞めなさい」と言われて、結構制限されてしまったんです。もちろん覚悟はしていたんですけど、本来自分がやりたかったことができなくなってしまいました。

 学校の環境も京芸とはまるで違っていました。京芸では実技を中心にみんなで受ける授業が多いんですけど、神大では専攻の中に、私のように音楽をやっている方もいたり、美術の方がいたり、舞踏をやっている方、ソーシャルメディアをやっている方、いろんな方がいて、それはそれで面白いんですけど、授業もばらばらなので基本はひとりで大学院生活を送っている感じで、すごく孤独でした。とにかくあまりにも学部時代とギャップがありすぎて、なかなか馴染めなくてすごく悩んだんです。大学院での活動に力が入らない感じで、神大に進んだことをすごく後悔しました。失敗してもいいから、やっぱり自分が思うように道を進めばよかったと思いました。


■初めての就活、休学中に始めた派遣の仕事

阪口:そうこうしているうちに大学院の2回生になって、新卒の就活を始めたんですけど、すごく苦戦しました。このまま就職していいのかなぁともやもやしたままで就活をしていて、結局内定をいただいたところはありませんでした。

 ただ、音楽しかやったことがないのにそこから就職できるのかという、京芸の卒業間際の頃に思っていた不安は、この就職活動を通して払拭されたという思いはあります。一部の企業では一般採用ではなくて、特殊な採用方法があるところがあります。京セラさんには「オンリーワンコース」という方式で応募しました。今まで頑張ってきたひとつのことに関して、どういう活動をしてきたのか、どういうことを頑張ってきたのかをアピールしました。富士通さんに応募したときも、頑張ってきたことに対して、どういう成果が出せたのかというところをプレゼンするような選考方法でした。中には「こんなことをやりました」って作り話を作る人とかもいるぐらい、皆さん結構必死に考えるらしいんですけど、自分はそれを持っているんだと思いました。

―音大生・芸大生にとっては普通のことだから気づきにくいけど、実はひとつのことを突き詰めて努力するというのは、特別な能力なんですよね。採用には至らなかったけど、その強みを客観的に認識できる機会になったんですね。

阪口:面接を通じて、ひとつのことを続けているということはすごく強みなんだなと思いました。でも、もやもやしながら大学院に通っていたこともあって、結局論文がうまく進められずに提出できなかったので、大学院は休学することにしました。どこかのタイミングであと半年通おうと思って、その間の学費は自分で払うことにしたので、1年間休学してお金を稼ぐことにしました。せっかく1年休むんだったら、どこか企業で働いてみたいなと思いました。企業で働くということがどういうことなのか、将来の参考のために知っておきたいなと思ったんです。それで派遣社員としてNTTスマートコネクトに入社しました。

―企業というのは、たとえば飲食店などの接客業のアルバイトとかではなく、会社で働きたいと思われたってことですね。

阪口:ただ、採用に至るまでにはすごく苦労したんです。まず「どうやって仕事をもらえばいいんだろう?」というところからのスタートだったんですけど、私は何社も派遣登録をして、最初はインターネットに載っている求人を見てそのまま応募していました。でも実はその時点ではもう手遅れなんです。基本的には派遣会社の人に直接紹介してもらうのが一番早かったです。派遣会社に赴いて勤務地や条件などの希望を伝えて、その希望に沿った仕事を直に紹介していただくんです。そこに気づくまでにとても時間がかかりました。

 紹介してもらった後に企業の方とお話しをするんですが、業務の流れを説明していただき、オフィスの雰囲気を見てお互いにマッチングしたら決定という感じで、特に込み入ったことを聞かれることはありませんでした。ただし応募が多い場合は「今まで何をしてきましたか?」みたいなことは聞かれましたね。この当時、仕事経験はほとんどなかったんですけど、まだ若いということもあって、そういうところで採用していただけたのは大きかったかもしれないですね。もし派遣の仕事を検討されている方がいらっしゃったら、派遣会社から直接紹介していただくのが一番ですよ!って言いたいです。

―こうした体験談は、知らなかったらなかなかイメージできないことなので、とても勉強になります。



■就活で音楽での経験をアピール

阪口:それから大学院に半年ほど復学したんですけど、担当の先生が変わられたというのもあって色々上手くいかなくて、論文を出したんですけど通らなくて、退学することになってしまいました。そのあと、派遣会社は違うんですけど、NTTスマートコネクトと同じような流れで、関西大学の梅田キャンパスを紹介していただいて入社することになりました。梅田キャンパスは学生が行くようなところではなくて、貸し教室をしているようなキャンパスです。他に一般の方向けに異業種サロンなどを展開したり、講演会などをしたりしているようなところでした。私は貸し教室の予約の受付とか、見学に来られた方にご案内をしたりとか、イベントの運営や当日のお手伝いをしたりしていました。

 大学院には4月から10月まで復学して、退学した10月から3月までの半年間、関西大学で働いたんですけど、2月ぐらいには契約が更新されないことがわかったので、また仕事を探さないといけなくなりました。それで、たまたま梅田のハローワークに行ったときにふと目に止まったのが、今の会社の会社見学案内の仕事でした。「面白そう、やってみる!」と思いました。もともと、受付業務とかそういう職種にすごく憧れを抱いていたんです。これは受付業務ではなかったんですけど、会社の窓口に立って接客する仕事でしたし、今までも色んな部門の人と関わりがある仕事をしていて、それがすごく楽しくかったので、色んなお客さんと関わることができる仕事をやってみたいと思っていました。それで面白そうだと思ってダメ元で応募したんです。30人ぐらい受けていたのかな?本当にただただ運がよかったんですけど、採用していただきました。

―今の会社はハローワークで見つけられたんですね。当時の阪口さんのお仕事ぶりを一度テレビか何かで拝見したことがありますが、とてもぴったりだなと思っていました。

阪口:その時の面接が「今まで何をしてきましたか?」という質問だったんですが、業務内容が会社受付案内だったので、企業の窓口に立つことと音楽活動とを結びつけて「おもてなし」というお話しをしました。例えば演奏会を開くためには、お客様の層に合わせて曲を選んだり、その曲に合った衣装を選んだりとかしますよね。大学での経験でいうと、京芸では毎年「4回生オペラ」があって、1回生から3回生のうちは裏方をするじゃないですか。そこでは4回生の先輩方が気持ちよく舞台に集中できるようにこういうことに気をつけてきましたとか、そういう経験談をお話したんです。

 あとは企業で働くマインドと通じる部分として、音楽の世界では自分の演奏に対して常に課題意識を持っていて、目標に向かって自ら解決方法を導き出し、そして解決していくということを長年やり続けていますというお話しをさせていただき、会社でも目標を持って働き続けたいと思いますとお伝えしました。大学などでのそうした経験は、その時の募集案件の仕事に通じるものがあったようで、あとで当時の人事担当の方に「満場一致だったよ」と言われてすごく嬉しかった覚えがあります。あらためて、大学での経験が生かされているなと思いました。

―めちゃくちゃいいお話じゃないですか!音楽家や音大生の中には、阪口さんのように上手に表現できない人がたくさんいると思いますよ。みんなも本当は小さい頃から当たり前にやっていることなんだけど、あらためて言葉にして上手く言えなかったり、そもそもそれが当たり前の環境にずっといるから、自分の強みとして認識できてなかったりするので。

阪口:そうなんです、実はすごい強みなんです!


■音楽・仕事・家事・育児の四足のわらじ

―ここからは、仕事と音楽活動の両立についてお伺いできればと思います。阪口さんは関西二期会に行かれていたんですよね?

阪口:入社2年目から4年目にかけて、仕事をしながら関西二期会のオペラ研修所に通いました。入社1年目に結婚したこともあって、家事もやらないといけない状況だったので、お家に帰ったらできる限り家事を早く済ませてご飯とかも早く作って、その後に歌うという感じでした。入社2年目は4月ぐらいからコロナが流行して、テレワーク勤務が始まったという時期でした。結婚当初は2時間ぐらい練習時間が取れていたと思います。テレワークが始まってからは通勤の時間がなくなるので、3時間ぐらいは練習できたかな。入社2年目の11月にはソロリサイタルも開催することができました。会場を予約するところから始まって、企画を考えてプログラムやチラシを作ってと、全部を自分でやりました。どういった会社で働くかにもよるとは思うんですけど、私は仕事をしながらでもこうした演奏活動をやることができました。そして昨年(2022年)の10月に出産しました。復帰最初の舞台は3か月後ぐらいの1月でした。

―出産後3ヶ月はすごく早い復帰ですね!

阪口:これはたまたま既に決まっていた本番だったんです。そして育休中にコンクールを受けました。普通に考えたら、産後すぐにコンクールを受けるなんておかしな話なんですけど、でも自分は企業務めをしているので、育休が終わって復帰したらいつ練習できるんだろうという想像がつかなかったんです。だから受けるなら今しかないと思い、師匠の反対を押し切って受けました。

 先生は産後にオペラとかを掛け持ちされて、無理をして体を悪くされた過去があったので、私のことも心配していただいたというところもあったんですけど、仕事を始めて1年目からずっとコンクールは受けたいと思っていたんです。でも、一般の仕事と両立しながらは無理だとか、その次の年も、仕事と二期会の両方でさえ大変なのにコンクールなんて無理だとか、事あるごとに反対されていました。それを素直に受け取る必要もなかったのかもしれないんですけれど。それまで1日3時間練習していたのが、出産してからは週に数分みたいなレベルになってしまい、もっと前に受けておけばよかったと、これも心の底から後悔しました。実力もどんどん落ちているのが自分でもよくわかっているので、もっと前にコンクールを受けていたらきっといい成績が取れていただろうなと思いますし。ただ、今回こうやって反対を押し切って受けたことに関しては、自分で決めたことなので、たとえ失敗したとしてもやってよかったなと思います。やっぱり自分がやりたいと思ったことは素直に、失敗してもいいから挑戦することはすごく大事だなって、コンクールを通じてもすごく思いました。

―そういう葛藤があったんですね。子育てをしながら積極的にコンクールを受けられていて、そしてしっかり結果を出しておられるので、すごいなと思いながらいつも拝見していました。仕事にはもう復帰されているんでしたよね。

阪口:今年の4月に復帰しました。今は時間軸が自分中心ではないので、練習時間が取れなくて、今は本当に0分なんですよね。声楽って体が資本じゃないですか。自分の精神状態や健康状態がもろに出てしまうので影響がすごくて、このままじゃいけないなと思っています。仕事を続けるにしろ辞めるにしろ、少しセーブはしないといけないと考えています。もし歌い続けるのであれば、やり方を色々と考えていかないといけないなというのが現状ですね。今は仕事、家事、育児、音楽の四足のわらじを履いているので、やっぱりちょっと無理があるなって感じています。子供ともっとゆっくり過ごしたいなという思いもあります。

―もし今の生活の中に音楽活動がなかったら、もう少し楽ですか?それとも、大変なのは大変ですか?

阪口:大変ですね!平日は下手したら自分の時間が本当に1分もない。仕事が終わったら息子を迎えに行って30分ぐらい公園で遊んで、帰ってきて授乳をしてご飯をあげて、絵本を読んだりしてお風呂に入って、なんだかんだしてから寝かしつけをするんですけど、息子も体力がついてきて寝るのが遅くなってきて、最近は寝るのが10時前後ぐらいなんですよね。私も疲れ切っているので、たまに一緒に寝ちゃったりして、起きたら深夜1時とかで「あぁ、寝なきゃ」みたいな感じです。リアルに自分の時間がないし、そんな状態でいい歌は歌えないなというのは最近すごく感じるんです。だから、歌うことと子供と一緒にいたいということを両立させるために、どうしたら後悔しない道を選べるか考えたとき、仕事を辞めるという選択肢はありますね。


■仕事と音楽活動を両立させるために

―仕事と音楽活動を両立させるための、阪口さんが考える理想の環境というのはありますか?

阪口:色んな意見があるとは思いますけど、もし芸術活動と仕事を両立するのであれば、就職先はBtoB企業がおすすめです。比較的休みを取りやすい企業が多いからです。それにBtoC企業は、対お客様になるのでクレーム対応などの精神的負担が大きい。BtoB企業の方がどちらかというと負担は少ないかなというところもありますね。

 今こうして何とか仕事と一緒に歌の活動をできているのは、職場の理解なしでは本当にありえなかったと思います。今ちょうど職場に相談して練習時間を確保させていただいたんです。普段は朝9時から4時10分までが就業時間なんですけど、朝は主人が息子を保育園に送りに行っているので、30~45分ぐらい早く仕事を始めることができるんです。だから例えば朝8時15分から、45分だけ早く仕事を始めさせてもらって、その分を就業時間のどこかで練習させてもらえませんかという相談をしたんです。歌の練習ができないという壁にぶち当たって主人と相談したとき、主人が今の案を出してくれて、会社に相談したところ「いいですよ」って言ってくださいました。

―フレックスタイム制度みたいなことですよね?

阪口:そうです。こんなに私的なことだけど、こうやって理解してくださる会社ってなかなかないと思うんです。二期会の研修所に通っていたときも修了公演というのがあって、最後の方にその練習が詰まっていて、早く練習に参加しなければいけないというのも結構あったんですけど、朝7時から就業して3時に終わらせていただいていました。ちょうどコロナが拡大してテレワークになったこともあって、時間の融通が効くようになったところはあります。他の方も育児と両立させるためにフレックスを使ってらっしゃる方とかもいらっしゃったので、部署の理解というのはすごく大きいかもしれないですね。

―そうした従業員の事情に対応できるかどうかは、会社の規模にもよるかもしれないですね。

阪口:そうですね。特に大きな企業さんに関しては、今はどこもワークライフバランスを大事にされているところが多いので、就職先としてそういう会社を目指すのもありかなと思いますね。入ってみないとわからないところもありますけど。今はどこの会社も中途採用がすごく多いです。うちの会社もほとんど中途採用です。

―両立させるためには自分の努力はもちろんですが、周りの応援という部分も大きいと思います。

阪口:結婚相手は芸術活動に理解のある旦那さんだといいです。これは本当に重要です。二期会の試験前の1週間は毎日お弁当とかで、本当にごめんねって言いながらやっていたんですけど、やっぱりそういうところも主人の理解がないと難しかったです。今でもレッスンを受けに行くだけでも育児をお願いしなきゃいけない。子供ができたらより誰かの助けが必要になるので、旦那さんの理解は必要不可欠です。本当は音楽活動を続けたかったけど、家族に理解してもらえなくてセーブされてしまったという人の話も聞いたことがあるので、本当に大事なところだなと思います。

 育児と芸術を両立するには、頼れるものに頼ること。実家が隣にあるとか頼れる方がすぐそばにいたらそれに越したことはないんですけど、主人の実家は東京で、私の実家は遠くではないんですけど、そもそも両親は共働きで日中はいないので、身近に頼れるところがない。住んでいるところの近くに一時預かりができるところがあったので、そういうところをフルに活用して何とか練習時間を確保していました。自分が体調を崩してしまったら意味がないので、そういった面でも頼れるものにはぜひ頼ってください。あとは手を抜けるところでは抜くこと。


■これから先のイメージとは

―仕事をして、結婚して、子供を産んで、という人生プランのようなものを、どの程度までイメージされていたんでしょうか?

阪口:まずは結婚するところまでだったかもしれないです。とりあえず仕事を見つけて、仕事をしながら歌う。結婚はまあしたいですけど、できたらいいな、くらいに思っていました。

―じゃあ今は「こんなに大変とは!」という思いはありますか?

阪口:逆に、仕事をしながらこれだけ演奏活動ができるとは思ってなかったので、ある意味で理想の形でできてきたのは、本当に主人と職場の理解のおかげだなと感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、ここに来て物理的にちょっと難しいなと感じているので、今後仕事を辞めるかもしれません。もし辞めたとしたら、息子が小学校の中学年ぐらいになるまで専業主婦をしようかなと考えています。その間に歌を活かせるような資格を取ったりしたいなと思っています。漠然と思っているだけですけど。

 今、息子に絵本を読んだり童謡を毎日聞かせたりしているんですが、そういうのをより多くの人にやってみたいなと思っています。童謡って日本語がきれいじゃないですか。そういうところが子育てにいいと言われることもあるそうで、童謡コンサートをやってみてもいいなぁと思ったりしています。今は教科書でも昔歌われていたような曲がどんどん減っているので、そういう歌を小さな子にも知ってほしいですし、逆にお年寄りの方とかにも聞いてほしい。今後もしかしたら、そういう歌の道でもうちょっと視野が広がるのかなとか思っています。全然そうならないのかもしれないですけど。そういう活動とかできたらいいなぁと漠然と思っていますが、今後どうしていくのかはよくよく考えなきゃなと思っています。

―阪口さんの童謡コンサート、ぜひ聞いてみたいです!外から見ているだけではわからない貴重なお話しをたくさん聞かせていただき、ありがとうございました!


【追記】このインタビューの時点では会社を辞めることも考えておられましたが、より柔軟に活用できるフレックス制度ができたそうで、しばらくは四足のわらじで音楽活動を続けていかれるそうです。

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