大学概要

学長メッセージ

学長 建畠 晢

 京都市立芸術大学は開学以来133年という日本の芸術系大学としてはもっとも長い歴史を誇っており、文字通り近代美術の屋台骨を支え、海外からも高く評価される美術家たちを数多く世に送り出してきました。昨年、創設60周年という記念すべき年を迎えた音楽学部も国際的な舞台で脚光を浴びる輝かしい才能を輩出するようになってきています。これから本学に身を置こうとする若い諸君も、そうした燦然たる伝統に新たなペイジを付け加えるのだという意欲と自負心をもって勉学に取り組んでほしいものです。本学の優れた教授陣やスタッフによる充実した少人数教育は、芸術の道を志す者にとっての理想的な環境であり、そこで学ぶことは必ずや皆さんの成長に大きく寄与することでしょう。

 本学が京都という街に位置していることもまた、本学の学生の大いなる特権であるに違いありません。周知のように京都は世界有数の素晴らしい文化財の数々と重厚な歴史で知られる都市ですが、単に過去の遺産に安住するだけではなく、新たな文化の潮流や独創的な芸術の発信基地としての活気にも満ち溢れています。この傑出した伝統と革新の息吹に触れながら青春の日々を過ごすということもまた本学に学ぶ者ならではの恵まれた環境というべきでしょう。

 ところで、本学は昨年から公立大学法人という新しい運営体制に移行しました。京都の市民の方々に支えられた大学であるという点に変わりはありませんが、運営の方法においてより自主的な取組が可能になり、教育研究のさらなる発展を目指して様々な方針を打ち出しているところです。グローバリズムの時代に呼応した欧米やアジアの大学との積極的な相互交流、在学生・卒業生のキャリア形成のサポート、大学院の拡充、学内外の文化資源を活用するためのアーカイバル・リサーチ・センターの構想の検討など、次々とスタートしている新機軸に御期待下さい。また、平成25年3月28日には本学の更なる発展を目指し、門川大作京都市長に、本学のキャンパスを京都駅の東側の地区に移転させたいという要望書をお渡しし、前向きに検討するという御返事をいただきました。この構想の実現に向けても、市民の皆様の一層の御支援をお願い申し上げます。

 大学とはまた、志を同じくする者同士の出会いと交友の場でもあります。お互いに啓発し合い、またライバルでもあるような仲間たちが身近にいることは、時には悩み、くじけそうになることもあるであろう勉学と創造の日々の支えとなり、勇気づけてもくれることでしょう。本学の先生方も学生にとって教育者であり、またアーティストとしての敬愛する目標であると同時に、喜びや悩みを分かち合うことのできる同志でもあるのです。  本学は、大いなる決意をもってアートの道を選んだ者同士が集う親密なる共同体です。文化芸術の伝承と創造の拠点として一層の飛躍を目指す本学の活動への御理解を願いつつ、私からのごあいさつとさせていただきます。

 建畠 晢

 

建畠 晢(たてはた・あきら)略歴

1947年京都生まれ。

1972年に早稲田大学文学部卒業後,多摩美術大学教授,国立国際美術館長などを経て,2011年より現職。専門は近現代美術。

1990年,1993年のヴェネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナー,横浜トリエンナーレ2001,あいちトリエンナーレ2010のアーティステイック・ディレクターなどを務める。アジアの近現代美術の企画にも多数参画。詩人としても活躍し,1991年に歴程新鋭賞,2005年に高見順賞を受賞。