大学概要
学長メッセージ

京都市立芸術大学は開学以来132年という日本の芸術系大学としては最も長い歴史を誇っており、文字通り我が国の近現代美術の屋台骨を支える美術家たちを輩出してきました。また今年で創設60周年という記念すべき年を迎えた音楽学部も、国際的に注目されている数々の輝かしい才能を世に送り出すようになっています。これから本学に身を置こうとする若者たちもまた、そうした燦然たる芸術の歴史に自らもまた加わるのだという意欲とプライドをもって勉学にいそしんでほしいものです。本学のすぐれた教授陣やスタッフによる充実した少人数教育は、芸術の道を志す者にとっての理想的な環境であり、そこでの勉学や研究は必ずや学生諸君の成長に大きく寄与することでしょう。
大学が京都という街に位置していることもまた、本学に学ぶ者の大いなる特権であるといわなければなりません。周知のように京都は世界有数の卓越した文化財と重厚な伝統で知られる都市ですが、単に過去の遺産だけに安住するのではなく、新たな文化、独創的な芸術の発信基地としての活気にも満ちています。この素晴らしい街の伝統と革新の息吹に触れながら青春の日々を送るということ。それは他にかけがえのない本学ならではの経験であるに違いありません。
ところで本学は今年の4月から公立大学法人という新しい運営体制に移行しました。京都の市民の方々に支えられる大学であるという点に変わりはありませんが、これからは運営の全般にわたってより自主的な取り組みが可能になります。この大きな変革を機会に,誰からも親しまれる京都の文化芸術のシンボルとしてのさらなる発展を目指そうと決意を新たにしているところです。芸術の王道を行くという伝統を維持しつつも、教育研究の成果の学外への発信機能の充実、在学生、卒業生へのキャリア形成のサポート、大学院の拡充、アーカイバル・リサーチ・センター構想、入試方法の改善など、本学が打ち出そうとしているさまざまな新機軸に、市民の皆様の一層のご理解とご支援をいただくようお願い申し上げます。
大学とはまた、志を同じくする仲間たちとの出会いの場でもあります。お互いに啓発しあい、またライバルでもあるようなアーティストの卵たちに囲まれた環境は、時に悩み、またくじけそうになることもあるであろう勉学と創造の日々の支えとなり、勇気づけてくれることでしょう。本学の先生方も学生にとって教育者であり、またアーティストとしての敬愛する目標であると同時に、喜びや悩みを分かち合うことのできる同志でもあるのです。
本学は、そのようなアートの力を信じる者同士が集う親密な共同体です。公立大学法人化を機会に文化芸術の創造拠点としての一層の飛躍を目指す本学のエネルギーにあふれた活動にご期待下さることを願いつつ、私からのごあいさつとさせていただきます。

略歴
1947年京都生まれ。
1972年に早稲田大学文学部卒業後,多摩美術大学教授,国立国際美術館長などを経て,2011年より現職。専門は近現代美術。
1990年,1993年のヴェネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナー,横浜トリエンナーレ2001,あいちトリエンナーレ2010のアーティステイック・ディレクターなどを務める。アジアの近現代美術の企画にも多数参画。詩人としても活躍し,1991年に歴程新鋭賞,2005年に高見順賞を受賞。

