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学長メッセージ

 本学は英語表記Kyoto City University of Artsの頭文字をとって,KCUAと略しています。これに場所や位置を示すatと同音の@(通称アットマーク)をつけて@KCUA(アクア)と読みます。大学ではこの@KCUAをメールアドレスのホスト名や,ギャラリーアクアの表記として使っています。これはラテン語のアクア=水と同音の言葉ですが,そこには京都市立芸術大学が生み育て発信する芸術が,人々の心と体を満たす水,湧き出る豊かな泉のように新鮮で,社会に浸透していく命の源泉としてありたいとの願いが込められています。人類は長い歴史にわたって,それぞれの地域や文化の中で芸術を愛し尊重してきました。それは,芸術という創造活動がいつの世にあっても,人々に自由や刺激,癒し,生き生きとした喜びを与え,深く感じ,考える機会を与える豊かな営みであるからです。その芸術をもって,いまこの時代になにを残し,なにを伝えていくのか,また次世代の芸術を生み出す担い手をどのように育んでいくのかを問い直し確かめ続けていくことが,芸術大学の使命です。

 

 京都市立芸術大学は,明治13年(1880年)に創設された京都府画学校を起源とする公立の芸術系大学としては全国でもっとも長い歴史をもつ大学です。戦後誕生した市立音楽短期大学を音楽学部として統合し, 文字通り市立の京都芸術大学となってからも,50年が経過しようとしています。近年,日本伝統音楽研究センターや芸術資源研究センター,また学外サテライトとしてギャラリー@KCUA(アクア)の設置と,次々に研究機関や附属施設を増やし,大学は文字通り大きく発展を遂げました。現在は,2023年度に予定されるキャンパス移転に向けて,様々な作業の途上にあります。

 

 京都は日本においても世界からみてもユニークな都市であり,世界に誇る文化を持っています。継承すべき優れた伝統がありながら,新しいものの摂取にも前向きで,そうした本来混ざりにくいものが出会うときに起こる化学反応が,京都の独自性を作ってきた要素のひとつだと言えるでしょう。古くから多くの文化とそれを支える人々の交差点としてある京都,そこに芸術の新たな息吹をもたらし,人々が集い,交換し,結びつく,そんな創造の現場であり続けること。これこそが本学の役割です。卒業生たちは世界的にも評価される優れた芸術家,演奏家,デザイナー,作曲家,工芸家,研究者はもちろんのこと,それぞれの立場から社会に影響を与える活動をしています。本学で培った創造する力と豊かな発想力,思考力を拠り所に,社会と関わり,独自の道を開き,新しい生き方を社会に提示しています。

 

 大学はまた,様々な背景と違った力を持つ人々の集まりです。ジェンダーやセクシャリティ,国籍や文化的背景等の違いを障壁とせず,多様な価値観を互いに尊重し合うコミュニティを築くことには,これまで以上に積極的かつ自覚的でありたいと思います。真に多様な価値観を認め合う寛容な大学においてなされる芸術,研究,教育こそが,京都芸大が社会に還元できる最も大きな果実であると考えています。

 

 学生にとって,大学で過ごす時間は,長い人生のほんの短い期間ですが,その後の生き方を探る重要な時期です。京都市立芸術大学は,未来に向かって羽ばたく多様でユニークな志を持った学生たちが,その大切な時間を過ごす場所として,常に「創造する現場」でありたいと願っています。

        

 

 

赤松 玉女(あかまつ・たまめ)

略歴

画家 昭和34年兵庫県尼崎市生まれ。昭和59年に本学大学院美術研究科修士課程絵画専攻(油画)修了後,国内外の美術館やギャラリーでの展覧会を中心に活動。油彩,水彩,フレスコ技法等,画材や技法を組み合わせた絵画表現の可能性を研究。イタリアでの創作活動等を経て,平成5年に本学美術学部美術科油画専攻教員に着任。平成30年度から本学美術学部長。学外の組織と連携して,知的障害児・者のアート活動支援の分野に取り組んでいる。

受賞歴

昭和59年 第2回京都府美術工芸選抜展 京都府買上げ
昭和61年 第33回全関西美術展 全関賞一席
平成11年  京都市芸術新人賞