柿沼敏江退任記念 フルクサスを語る 開催のお知らせ


京都市立芸術大学音楽学部教授,芸術資源研究センター所長 柿沼敏江退任記念

フルクサスを語る


  • 日時:2019年1月19日(土)14:00~17:00(13:30開場)
  • 場所:シンポジウム 京都市立芸術大学 大学会館交流室/コンサート 京都市立芸術大学 大学会館ホール
  • 参加無料(事前申込不要)

チラシ


〈概要〉
フルクサス
Fluxusという流れはひとつところにとどまることなく,常に動き,変化する。国境を越えて,グローバルに飛び火する。固定した造形の確かさよりも,イヴェントやパフォーマンスによる儚さを選び,唯一無二のオリジナルではなく「マルティプル」という複数性を好む。シンプルな形と戯れ,偶然のなかに息づく。メディア間を自在に行き来し,芸術と日常を混ぜ合わせる柔軟性を武器とする。フルクサスは無定形でとらえどころがない。そのフルクサスをどう理解し,どう語ればいいのか...


【講演】
フルクサスと音
柿沼敏江 (京都市立芸術大学音楽学部教授)

【シンポジウム】
フルクサス––起源・記憶・記録
一柳慧  (作曲家)
塩見允枝子(作曲家)
建畠晢  (美術評論家、多摩美術大学学長)
井上明彦 (京都市立芸術大学美術学部教授)[コメンテーター]
柿沼敏江 (京都市立芸術大学音楽学部教授・司会)

【コンサート】
一柳慧:電気メトロノームのための音楽 (1960)
小杉武久:ミクロ1 (1961)
塩見允枝子:無限の箱から——京都版 (2019)
      
出演:大井卓也、上中あさみ、北村千絵、橋爪皓佐、山根明季子ほか


アーカイブ
研究プロジェクト「フルクサスのオーラル・ヒストリー」

塩見允枝子、一柳慧、靉嘔、エリック・アンデルセン 

第24回アーカイブ研究会のお知らせ

第24回アーカイブ研究会

特集展示「鈴木昭男 音と場の探究」をめぐって


  • 日時:2018年12月16日(日)14:00−
  • 場所:京都市立芸術大学 大学会館ホール
  • 参加無料(事前申込不要)

チラシ


〈概要〉

第24回アーカイブ研究会では、和歌山県立近代美術館で開催された特集展示「鈴木昭男 音と場の探究」(2018年8月4日~10月21日)を企画された奥村一郎氏を講師にお招きします。同展は日本におけるサウンドアートの先駆者である鈴木昭男氏の、1960年代から今日に到る足跡を辿る内容で、チラシやポスター、リーフレットといった印刷物、写真、映像、パフォーマンスで使用した音具などを主要な展示物として構成しました。展示を振り返りながら、今後進める鈴木昭男氏所蔵資料のアーカイブ計画についてもお話いただきます。また、トークとともに鈴木昭男氏によるパフォーマンスをおこないます。


■講師プロフィール
奥村一郎
和歌山県立近代美術館学芸員
近年担当した展覧会は,「アメリカへ渡った二人 国吉康雄と石垣栄太郎」(2017),「なつやすみの美術館6 きろくときおく」(2016)など。鈴木昭男氏に関しては,2005年に「鈴木昭男:点音 in 和歌山 2005」を開催。また2015年には,その10周年記念イベントをゲストに梅田哲也氏を招いて行った。

鈴木昭男
1941年生まれ。60年代より「自修イベント」の形で「音」の世界に目覚め,70年代には「アナラポス」その他の創作楽器による演奏を開始し,南画廊・東京で個展(1976)。80年代は,素材そのものから音を探る「コンセプチャル・サウンドワーク」を創始,ドクメンタ 8・カッセルに出場した。〈1日の自然に耳を澄ます〉音のプロジェクト「日向ぼっこの空間」を遂行(1988)。90年代からインスタレーションを手がけ,べルリンでのソナンビエンテ・フェスティバル(1996)で発表の「点 音(おとだて)」(60年代の自修イベントの公共板としての〈巷に耳を澄ます〉ポイントのマーキング作品)を各地で行ってきている。今年は、KUNST MUSEUM BONNにて新作を発表したほか,熊野古道なかへち美術館では,開館20周年記念特別展「鈴木昭男 ー内 在ー」を,和歌山県立近代美術館との連携企画として開催している。

展覧会のお知らせ

「クロニクル京都1990s―ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る」


会期|2018年10月6日(土)~1月20(日)10:00~22:00(最終入館 21:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
※ただし2019年1月1日(火・祝)は22:00まで(最終入館 21:30)
会場|森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
主催|森美術館
企画|椿 玲子(森美術館キュレーター)、石谷治寛(京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員)
協力|京都市立芸術大学芸術資源研究センター、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ(アーティスト)、山中 透(ミュージシャン)、シモーヌ深雪(シャンソン歌手、ドラァグクィーン)、佐藤知久(京都市立芸術大学芸術資源研究センター准教授)
料金|一般 1,800円/学生(高校・大学生)1,200円/子供(4歳~中学生)600円/シニア(65歳以上)1,500円※「カタストロフと美術のちから展」チケットで鑑賞可
ウェブサイト|https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamresearch006/index.html


〈展覧会経緯〉

「クロニクル京都1990s―ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る」は森美術館の「MAMリサーチ006」で、芸術資源研究センターの研究員石谷治寛と森美術館のキュレーターの椿玲子の共同企画です。本企画のもととなる調査は、2016年末からアーティスト、ブブ・ド・ラ・マドレーヌさんの協力で旧アートスケープに残された資料調査に端を発します。芸術資源研究センターでは、第17回アーカイブ研究会「エイズ・ポスター・プロジェクトを振り返る」http://www.kcua.ac.jp/arc/2017/05/17/で、当時の主催者たちとのディスカッションを行いました。
その後、関係者の協力を得て、資料の整理、映像テープやスライドのデジタル化、ビデオ・インタビューを行ってきました。
今回の展示では、それらの資料に加えて、マルチメディア・アーティスト集団ダムタイプ制作のポスターやチラシ、コンピレーション映像、本学卒業生も立ち上げに尽力したクラブイベント「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」のフライヤーなども収集し、壁面に複製展示しております。
芸術資源研究センターでは2015年度に古橋悌二『LOVERSー永遠の恋人たち』(1994年)の修復を行い(http://www.kcua.ac.jp/arc/lovers/)、2016年度には、京都芸術センターでの展示に協力しましたが、本作の歴史的文脈を1990年代に焦点をあてて検討する資料展示にもなっています。
12月11日、12月12日には以下の関連プログラムも行われています。
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamresearch006/03/index.html


〈関連イベント〉

ドラァグクィーン・パーティー&フィルム・スクリーニング
「DIAMONDS ARE FOREVER TOKYO」
本イベントの第1部では、ドラァグクィーン・パーティーと『ダイヤモンド・アワー』(1994)の上映が一体となったゴージャスかつ実験的なパフォーマンスが行われます。『ダイヤモンド・アワー』とは、「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」にレギュラー出演していたD・K・ウラヂが、ミス・グロリアス(*1)をヒロインに、当時のレギュラーメンバーであったドラァグクイーンたちを、総出演させて自主制作した映像作品です。1992年にHIV感染を告白したミス・グロリアスの身体がクリスタル・シティに見立てられ、その中で繰り広げられるHIVウイルスとの闘いとその果ての死を、時にスタイリッシュに、時にブラックユーモアたっぷりに描いた、日本初のドラァグクイーン・ムービーです。その映像作品の中で繰り広げられるショーの数々を、当時の出演者と現在「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」に出演中のドラァグクィーンたちが、映像に合わせてパフォーマンスを繰り広げていきます。
第2部では、ドラァグ・スタイルのレヴューショーを、パフォーマー総出演でめくるめく華やかさでお届けします。ダンスタイムは「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」のレギュラーDJであり、山中透名義でダムタイプやオン・ケンセンの音楽を担当したDJ LaLaと、ピチカート・ファイヴの小西康陽をレギュラーゲストに迎え、渋谷系ラウンジパーティーを主催しているDJ korが務めます。オープンからラストまで、エキセントリックな空間の顕現に、誰もが未体験の衝撃を受けることでしょう。
*1 ミス・グロリアス=古橋悌二(故人)

出演:DJ LaLa、DJ kor、シモーヌ深雪、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、マミー・ムー・シャングリラ、フランソワ・アルデンテ、アフリーダ・オー・ブラート、そよ風さん、ショコラ・ド・ショコラ、サナ・サイーダ、オナン・スペルマーメイド、ダイアナ・エクストラバガンザ、エンジェル・ジャスコ、おりいぶぅ、ウラジミール・パウダリーナ ほか

日時|2018年12月11日(火)19:30~0:30(受付開始 19:00)パーティー・スタート 19:30パーティー・クローズ 0:30
1部 飛び出すダイヤモンド・アワー(3D)
2部 Show The Revue on Revue
会場|AiSOTOPE LOUNGE(アイソトープ・ラウンジ)
〒160-0022 東京都新宿区新宿2丁目12-16 セントフォービル1階
問い合わせ|AiSOTOPE LOUNGE Tel: 03-6380-1504
料金|当日3,500円(1ドリンク付き)、フライヤー割引3,000円(1ドリンク付き)※本イベントのフライヤーを当日ご持参ください。
主催|DIAMONDS ARE FOREVER
協力|森美術館

第23回アーカイブ研究会のお知らせ


第23回アーカイブ研究会

「日本の録音史(1860年代~1920年代)」

第23回は,音楽学者の細川周平氏をお招きします。


  • 日時:2018年10月11日(木)17:30−19:00
  • 場所:京都市立芸術大学芸術資源研究センター
  • 参加無料(事前申込不要)

チラシ


〈概要〉

講師は以前、国立民族学博物館にて「植民地主義と録音産業―日本コロムビア外地録音資料の研究」(平成17~18年度科研費)に参加して、録音のアーカイブ化に携わった経験、日本最初の円盤禄音として知られるフレッド・ガイスバーグ録音のCDボックス制作に関わった経験を持つ。今回は日本の初期録音史を振り返り、アーカイブ化の意義について考えます。


■講師プロフィール
細川周平
音楽学者。国際日本文化研究センター教授
主な著書:『日系ブラジル移民文学 2 ―日本語の長い旅 [歴史]』2013、『日系ブラジル移民文学 1 ―日本語の長い旅 [評論]』2012、『民謡からみた世界音楽 うたの地脈を探る』2012、『遠きにありてつくるもの―日系ブラジル人の思い・ことば・芸能』2008、Karaoke Around the World: Global Technology, Local Singing (三井徹共編) 2001、『シネマ屋ブラジルを行く』1998、『サンバの国に演歌は流れる』1995、『レコードの美学』1990など。

第22回アーカイブ研究会のお知らせ


第22回アーカイブ研究会

NETTING AIR FROM THE LOW LAND
空を編むー低い土地から

第22回は,アーティストの渡部睦子氏をお招きします。


  • 日時:2018年10月4日(木)17:30−19:30
  • 場所:京都市立芸術大学芸術資源研究センター
  • 参加無料(事前申込不要)
  • Special Performance by MAMIUMUートークの後にMAMIUMUによるパファオーマンスを予定しております。

チラシ


〈概要〉

約20年に及びオランダをベースにさまざまな土地を移動し、また人に出会いながら「そこにあるもの」を取り込み、独自のユニークな視点で再構成し作品制作を続けてきた渡部睦子。
今年の6月にアムステルダムのハウス・マルセイユ写真美術館で発表した新作、同時に出版された自身の本” NETTING AIRFROM THE LOW LAND”、さまざまな場所での制作プロセスなどについて、アーカイブという視点も含めつつお話ししていただきます。


■講師プロフィール
渡部睦子
1969年愛知県刈谷市生まれ。1992年京都市立芸術大学美術学部工芸専攻(陶磁器)卒業、1994年同大学大学院美術研究科工芸専攻(陶磁器)修了。1988年サンドベルグ・インスティテュート、2002年ライクスアカデミー、アムステルダム修了。1995年よりオランダを拠点に、アートを介し異なる国や文化、コミュニティーを訪れ「地元の人に何かを教えてもらう」ということをキーワードに様々な形態を用いて作品の制作を試みている。

第21回アーカイブ研究会のお知らせ


第21回アーカイブ研究会

コミュニティ・アーカイブをつくろう! 
せんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」奮闘記


  • 日時:2018年9月28日(金)17:30−19:30
  • 場所:京都市立芸術大学芸術資源研究センター
  • 参加無料(事前申込不要)

チラシ


〈概要〉

今年はじめに刊行された、『コミュニティ・アーカイブをつくろう! せんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」奮闘記』(晶文社)の著者3名によるトークイベントを開催します。

「3がつ11にちをわすれないためにセンター(わすれン!)」は、せんだいメディアテークが2011年に開設した、市民・専門家・メディアテークスタッフの協働による、東日本大震災とその復興のプロセスを、独自に発信・記録するためのプラットフォームです。

個々人による災害の記録は、近年twitterなどでも注目されています。けれども、こうした記録がマスメディアに利用されるだけでなく、つぎの災害にまで届く「声」になるためには、工夫が必要です。

この本では、「個別的で微細な手ざわりをもつ出来事を、さまざまな技術と道具をつかって、自分たちで記録し共有する」ための活動を、コミュニティ・アーカイブと呼んでいます。本書には、わすれン!に蓄積された、コミュニティ・アーカイブづくりのノウハウと成果、これからの課題をまとめました。

トークイベントでは、本書の背景と内容、そこに書ききれなかったことを紹介するとともに、本書刊行後に著者3人が続けているそれぞれの活動について、社会活動とアート、建築と展示とデザイン、記録とアーカイブと人類学など、さまざまなトピックについてお話します。


■講師プロフィール
甲斐賢治
1963年大阪府生まれ。せんだいメディアテーク アーティスティック・ディレクター。[remo]記録と表現とメディアのための組織や、[recip]地域文化に関する情報とプロジェクトなどを通じて、社会活動としてのアートに取組んでいる。

北野央
1980年北海道生まれ。公益財団法人仙台市市民文化事業団 主事。2011年からせんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」を担当、「レコーディング イン プログレス」(2015)「震災と暮らし」(2016)などの展覧会を行う。

佐藤知久
京都市立芸術大学芸術資源研究センター専任研究員/准教授。

イベントのお知らせ


空間との協働 ー サウンドアートの現在:ヨハネス・ジスターマンス氏を迎えて

ドイツから来日中のサウンドアーティスト、ヨハネス・ジスターマンス氏をお招きして、サウンド・アートについてのレクチャーとパフォーマンスを行います。終了後には、Q&Aの時間も設けます。どなたでも、ふるってご参加ください。


日時:2018年4月16日(月) 17:30〜19:30
場所:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター カフェスペース
参加無料・事前申し込み不要
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<タイムスケジュール>
17:30
レクチャー「サウンド・アートって何?」
中川真(大阪市立大学特任教授)

18:00
アーティストトーク
ヨハネス・ジスターマンス

18:30 休憩

18:45
パフォーマンス
ヨハネス・ジスターマンス

19:15 質疑応答


ヨハネス・ジスターマンス氏 | Johannes S. Sistermanns
作曲、パフォーマンス、サウンドアート。ケルン音楽大学にてマウリチオ・カーゲルに師事。

ジスターマンスの作品は音響彫刻のインスタレーション(音響造形)、ラジオアート、エレクトロ・アコースティック作品、インターネット活用の音響ライブ、パフォーマンス、グラフィック記譜、通常の楽器のための作曲など、極めて多岐にわたっている。
これまでに、全ヨーロッパ、オーストラリア、日本、中国、USAから招聘され、主要機会としてKnitting Factory 1995、Melbourne Festival 1997, EXPO 2000 World Exhibition Hannover, Goethe-Institut Tokyo, Kyoto, Osaka 1998-2005, Donaueschinger Musiktage 1996/1999/2005/ 2016, World Music Days Stuttgart, 2006/ Sydney 2010、’International Summercourses’ Darmstadt 2004/2006 などが挙げられる。
ラジオ音響作品は、ドイツのSWR/HR/WDR/SR/DLR/DLF、オーストラリアのthe ABC Radio FM Sydney / Melbourne、オランダの VPRO Radio Hilversum、オーストリアのORF Kunstradio Vienna から委嘱されている。Karl-Sczuka-Advancement Award (SWR) 1997、 German Sound Art Prize (WDR Cologne, Marl Sculpture Museum) 2008、Prix PRESQUE RIEN [Honorary Mention] Paris (Luc Ferrari) 2015、first prize at the 2016 International Composition Competition “Leibniz Harmonies” Hanover を受賞。
ジスターマンスの表現方法は、テープ、楽器、玄武岩溶岩、インド製・中国製の鈴、一絃琴、声、文、ノイズ、音響ボウル、コンピュター音響、空間共鳴などを用いて、空間のもつ潜在性に働きかける。素材としての楽器や空間のもつ境界を越えて、個々人の知覚にどう働きかけるのか、というところに焦点をあてている。
http://www.sistermanns.eu/

中川真
大阪市立大学特任教授
サウンドスケープ、アートマネジメント、アジアの音楽を研究。
主著に『平安京 音の宇宙』『サウンドアートのトポス』『アートの力』など。サントリー学芸賞、京都音楽賞など受賞多数。

Akira Otsubo 「Shadow in the House」展開催のお知らせ

Akira Otsubo 「Shadow in the House」


2018年3月22日(木)~31日(土)10:00 – 17:00

会場|京都市立芸術大学 小ギャラリー

主催|京都市立芸術大学 芸術資源研究センター

企画|高嶋慈

助成|平成29年度 京都市立芸術大学 特別研究助成

チラシ


〈展覧会概要〉

大坪晶の写真作品《Shadow in the House》シリーズは、時代の変遷とともに所有者が入れ替わり、多層的な記憶を持つ家の室内空間を被写体としています。室内に残る歴史の記録であると同時に、ダンサーが動いた身体の軌跡を長時間露光撮影によって「おぼろげな影」として写し込むことで、何かの気配や人がそこにいた痕跡を想像させます。それは、複数の住人の記憶が多重露光的に重なり合い、もはや明確な像を結ぶことのできない記憶の忘却を指し示すとともに、それでもなお困難な想起へと開かれた通路でもあります。

大坪は近年、日本各地に現存する「接収住宅」(第二次世界大戦後のGHQによる占領期に、高級将校とその家族の住居として使用するため、強制的に接収された個人邸宅)を対象とし、精力的なリサーチと撮影を続けています。撮影場所の選定にあたっては、建築史や都市史研究者から提供を受けた論文や資料を参照するとともに、「接収住宅」の所有者の遺族や管理者への聞き取りを行っています。展覧会は、《Shadow in the House》を写真作品、関連資料、資料に基づいた作品、批評テクストからなる複合的なインスタレーションとして構成します。これらを通して、「住宅」という私的空間から大文字の「歴史」や異文化の接触を捉え直す視座を開くとともに、接収の実態や生活様式の変遷が今日の私たちの文化や精神性に与えた影響についても考える機会とします。

また、会期中には、都市史研究者の村上しほり氏と、写真史・視覚文化研究者の林田新氏をお招きしたシンポジウムを開催いたします。


〈関連シンポジウム〉

「記憶⇄記録をつなぐ」Vol.2

2018年3月25日(日)14:00-16:00(参加無料、予約不要)

会場:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター

●第一部

アーティストトーク(大坪晶)

レクチャー

「占領下の都市と接収:その記録と記憶」村上しほり(神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 研究員)

「Sujin Memory Bank Project:柳原銀行記念資料館と地域の記憶」林田新(京都造形芸術大学 アートプロデュース学科専任講師)

●第二部

ディスカッション「記憶⇄記録をつなぐ 」

参加者 : 村上しほり、林田新、大坪晶、高嶋慈(京都市立芸術大学 芸術資源研究センター 研究員)

 

 

 

 

「Memory Bank Project #02  BANK――映画『東九条』でつなぐこと――」開催のお知らせ

 

「Memory Bank Project #02  BANK――映画『東九条』でつなぐこと――」

明治32年に柳原町(崇仁地域)の町長であった明石民蔵らによって設立された柳原銀行。柳原銀行記念資料館は,その建物を移築・復元したもので,1997年の開館以来,地域の歴史,文化,生活資料を収集・展示してきました。かつて銀行であった建物には,現在,この地域にまつわる多様な記録資料が蓄えられています。「Sujin Memory Bank Project」とは,銀行に貯蓄されている地域の「記憶」をひとときの間お借りし,アーカイブ/ドキュメントについて,地域の歴史について実践的に考察していこうというプロジェクトです。2016年に開催した「Sujin Memory Bank Project #01 デラシネ――根無しの記憶たち」では,資料館所蔵の私的な写真を取り上げて展示を行いました。第二回目となる今回は資料館所蔵の映画「東九条」を取り上げ,上映展示を行います。

1969年に公開された映画「東九条」は,差別や貧困といった当時の東九条の厳しい現実を告発すべく制作された自主制作映画です。映画が映し出すのは1968年の東九条。2004年公開の映画「パッチギ!」と同じ時代と場所を描いています。手持ちの8mmカメラが東九条で営まれる人々の暮らしに深く分け入っていきます。監督を務めたのは山内政夫。現在の柳原銀行記念資料館事務局長です。

東九条が大きく様変わりした現在,この映画がかつて持っていた告発のリアリティは後景に退いています。さらに,資料館が保存するこの映画には当時あったはずの音声トラックがありません。1968年に撮影されてから時を経て,声を失ったこの映画は私たちに何を語りかけてくるのでしょうか。映画の冒頭では,1960年代の鴨川沿いの土手=bankに密集して立ち並ぶ家々が映し出されます。その少し上流,崇仁に建つかつての銀行=bankでこの映画は,過去と現在を,東九条と崇仁をゆるやかに結び合わせていくことでしょう。

会期:2018年3月1日〜4月22日
会場:柳原銀行記念資料館
企画:林田新、髙橋耕平、見増勇介
主催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター、柳原銀行記念資料館
助成:平成29年度京都市立芸術大学特別研究助成
チラシ

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