発行のお知らせ

芸術資源研究センター紀要

COMPOSTvol.01


この度,紀要『COMPOST』vol.01を発行いたしました。
ウェブ版は現在準備中です,準備ができましたらお知らせいたします。


『COMPOST』の刊行に

 いよいよと、というべきか、やっと、というべきか、京都市立芸術大学芸術資源研究センターから紀要『COMPOST』が発刊される運びになりました。めでたいことです。2014年の芸術資源研究センター(以下〈芸資研〉)のオープンから数えて6年にしてようやくの発行、ということになります。センターの最初の構想案を書いたのがその5年前の2009年のことなので、そこから数えると、10年以上が経過してしまいました。『COMPOST』は芸資研の紀要という位置づけなのですが、この少々変わったネーミングについては説明が必要かもしれません。 
 「アーカイブ」(正確にはアーカイヴズarchivesですが、ここでは「アーカイブ」と表記しています)の概念を説明する時に、「美術館は壁、図書館は書架、アーカイブはキャビネット」というような比喩が使われたりするのですが、「COMPOST=コンポスト」は、私たちの考えるもうひとつの動的なアーカイブ観を表しています。
 コンポストとは、一般的に、生ゴミや排泄物などの有機物を微生物の力を借りて分解、堆肥化すること、またはその容れもののことですが、ゴミ箱とは違って、そこには、廃棄、保存・蓄積と同時に、変化と再生のイメージがあります。なぜ廃棄が保存へと移り変わるのかといえば、そこに変化・再生のプロセスがあるからです。本来の「アーカイヴズ」では対象とされる行政文章について、恣意的な書き換えや紛失を避けるべく、変化の少ない堅牢な保存を旨とするのですが、日々変化していく創造の現場である芸術大学のアーカイブには、その変化のプロセスがあらかじめ組み込まれているはずではないか?と考えてみましょう。そのような芸術としてのアーカイブひとつが「記譜法」です。楽譜は創造されたあたらしい音を記述して、時間を超えて保存継承する技法なのですが、同時に楽譜は、時間を超えて様々な読みと変化を許容し、あたらしく生き生きとした演奏=創造を生み出す可能性に開かれ、創造的に読まれるための開かれた記述(ノート)でもあります。私たちの考える「芸術大学におけるアーカイブ」というのは、例えばそんなイメージで「COMPOST」というメーミングにはそんな意図も込められているのです、実は。
 まずは最初の一巻です。2020年をスタートに年1回の発行で10年を当面の目標にしていきます。できる限り息の長い存在でありますように、温かく見守っていただければ幸いです。

石原友明

(COMPOST vol.01 巻頭言より)

出版のお知らせ

MADE IN KYOTO 京都の匠:世界を変える日本の伝統工芸

研究プロジェクト「京都工芸アーカイブ」成果報告

研究プロジェクト「京都工芸アーカイブ」より,京都の伝統工芸文化を紹介する本が出版されました。
京都工芸アーカイブについて


編集

  • 前﨑 信也(まえざき しんや)
    芸術資源研究センター客員研究員・「京都工芸アーカイブ」プロジェクトリーダー
    滋賀県甲賀市出身。京都女子大学家政学部生活造形学科准教授。専門は工芸文化史・文化情報学。ロンドン大学SOAS大学院博士課程修了(PhD in History of Art)。2008年より立命館大学で海外の美術館・博物館に所蔵されている日本工芸品のデジタル化に従事。2015年から現職。日本の文化芸術に関わる講演、執筆、展覧会監修など幅広く活躍している。
  • 山本 真紗子(やまもと まさこ)
    京都市芸術大学芸術資源センター非常勤研究員
    京都府京都市出身。、立命館大学文学部授業担当講師。専門は日本文化史。立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了(博士・学術)。2009年より立命館大学アート・リサーチセンターにて研究員として京都を中心に工芸の調査に携わる。

崇仁小学校展|記憶のひきだし/見返りすうじん 開催のお知らせ

京都市立芸術大学・崇仁小学校の記録と記憶を継承するプロジェクト

崇仁小学校展|記憶のひきだし/見返りすうじん

2023年度,京都市立芸術大学が崇仁地区に移転します。
この移転に向けて2020年度に,崇仁小学校の建物は解体されます。
けれども,この建物であったことや思い出がなくなるわけではありません。
「崇仁小学校展|記憶のひきだし/見返りすうじん」は,たくさんの人たちが利用した崇仁小を,記憶がいっぱいつまった大きなひきだしに見立て,そのひきだしを引いたり出したりすることで,さまざまな人たちが記憶をひきし,見返しながら,未来に向けて継承していく催しです。

  • 2020年3月20日(金・祝)〜3月31日(火)
  • 3月23日,26日,30日はお休み
  • 会場:元・崇仁小学校(京都市下京区川端町16)
  • 参加無料(事前申込不要)

屋外展示
ミカエルさん
(制作・伊達伸明)
ミカエルさんのTwitter公開中!
日々変化を続けるミカエルさんの動向をチェックできます。
制作過程、校内散歩、バージョン変更企画などを随時発信!


展示
崇仁小学校資料展
「崇仁小学校をわすれないためにセンター」
会場:南校舎1階ギャラリースペース
参加方法:直接会場へお越しください。
入場無料 


参加型展示・展示
校舎のかけら〈ーここでなにがあった?ー〉
会場:元崇仁小学校全体(参加型展示),南校舎1階ギャラリースペース(展示)
参加方法:南校舎西側入り口の受付でシールを受け取ってください。(無料)


写真展
懐かしい崇仁小学校の卒業生・教員の写真展
崇仁自治連合会と共催。歴代の卒業生・教職員集合写真を展示します。
会場:南校舎1階
入場無料


展示
100年後の未来に伝える崇仁地域の今
崇仁発信実行委員会と共催。崇仁地域の現在の姿を住民・学生と共に制作した写真や映像で紹介します。
会場:南校舎1階ギャラリースペース 
入場無料


崇仁小学校アトリエ利用者による展示
劇団三毛猫座
舞台美術・衣装展
京都市立芸術大学出身者を中心に活動している劇団三毛猫座の舞台美術・意匠の展示です。
開催日:3月20日(金・祝日)~22日(月)


ギャラリー崇仁完成見学会
ギャラリー崇仁は、寺岡波瑠により設計され,約2年間京都市立芸術大学に関係のある様々なアーティストにより展覧会を開催してきました
本見学会は、ギャラリー崇仁の最後のイベントです。
開催日:3月14日(土)~29日(日)12:00-17:00 
会場:本館1階 ギャラリー崇仁
コーディネーター¦SCRAPANTISE(黒川岳/寺岡波瑠/平田万葉)


新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、開催期間中は、アルコール消毒液を会場に配備するとともに、状況に応じて開催内容を変更する場合があります。ご了承ください。

チラシ


主催|京都市立芸術大学・崇仁小学校の記録と記憶を継承するプロジェクト共催|崇仁自治連合会 崇仁発信実行委員会
お問合せ|京都市立芸術大学芸術資源研究センター tel /fax 075-334-2217


第28回アーカイブ研究会のお知らせ


第28回アーカイブ研究会

シリーズ:トラウマとアーカイブvol.4
ロマの進行形アーカイブとしてのちぐはぐな住居


    シリーズ第4回目は,岩谷彩子氏にお話いただきます。

  • 日時:2020年2月18日(火)14:30−16:30
  • 場所:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター
  • 参加無料(事前申込不要)

チラシ


 ポスト共産主義期のルーマニアに林立し始めた奇妙な御殿。いつしか人々はそれを「ロマ御殿」と呼ぶようになった。アジア建築にも似た豪奢なその建物に住まうのは、ルーマニアで長らく差別と迫害を受けてきた少数民族ロマであり、その中でも最も移動性が高く、戦前から金属加工にたずさわってきたカルダラリ・ロマである。第二次世界大戦時、彼らの多くはトランスニストリアへの強制連行と強制労働で命を失った。戦後、トランスニストリアから引き揚げマイナスから出発した彼らだったが、金属市場の高騰を受け急速に蓄財をなしとげた。彼らの御殿には異なる建築様式が折衷され富を誇るが、建築途中で放置され剥き出しになった階段やベランダも存在し、敷地の一角にはスクラップが散乱する。家族の遺品が普段使われない部屋にひっそりと納められる一方で、未来の客人や子どもたちのために未使用の部屋もある。本報告では、語られない過去と饒舌なまでの未来の期待を含み、異なる空間的要素が組み合わさる一見ちぐはぐなロマの住居を、彼らの現在進行形のアーカイブとしてとらえてみたい。(岩谷彩子)

■講師プロフィール
岩谷彩子|Iwatani Ayako
 文化人類学。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。インドの商業移動民および世界でロマ、「ジプシー」と呼ばれてきた人々の文化人類学的研究にたずさわる。夢や建築物、音楽や踊りなど、彼らのコミュニティの境界を形成するさまざまな装置を「記憶の媒体」としてとらえ、その特徴について考察している。著書に『夢とミメーシスの人類学―インドを生きぬく商業移動民ヴァギリ』(明石書店)、『映像にやどる宗教、宗教をうつす映像』(せりか書房)、分担執筆に「『移動民族』としてのロマと新人種主義―ヨーロッパ域内の人の移動をめぐるポリティクス」(斉藤綾子・竹沢泰子編『人種神話を解体する 第1巻Invisibility―「見えない人種」の表象』、東京大学出版会)など。


シリーズ:トラウマとアーカイブについて
芸術資源研究センターが行う研究会「アーカイブ研究会」では,今年度〈シリーズ:トラウマとアーカイブ〉と題して,連続的な講演と議論の場をもちます。
公的な歴史や大きな物語からこぼれおち,それゆえ忘れ去られていく出来事とその記憶については,その記憶を聞きとり,引きうけ,わがこととして受けつぐ試みが,近年多くの場面で行われ,論じられています。
今回考えてみたいのは,忘れ去られつつあり,かつ忘れてはならないと思われるにも関わらず,差別や暴力の経験,負の記憶に結びついているために,あるいは今それについて語ることが新たな暴力や差別を引き起こしかねないために,思い出すことや語ること自体が現在でも困難であるような出来事とその記憶―トラウマ的な記憶―についてです。
たとえば,差別の経験や,国と国のあいまにある中間的な場所の記憶などについては,それについて語る・想起する・言及すること自体が,当事者にとってはもちろん,アーティストや研究者にとってもむずかしいという現状があります。しかしながらだからこそ,そうしたことがらについて語り,聞き,話すための場所が必要だとも言えます。
では実際に,こうした経験と記憶については,どのような試みやアプローチが可能でしょうか。本シリーズでは,記憶をアーカイブする装置としての芸術やフィクションの可能性に注目してみます。集団的というよりも個的な記憶,言語的・歴史的史料というよりも,フィクションや視覚的資料,そしてさまざまな「モノ」などに焦点をあてるこうした実践が,いまどのように可能なのか。異なるフィールドを対象に,忘れられるべきではない経験と記憶についての研究や表現活動を実践してこられた方たちをお迎えし,語ること,想起すること,聞きとり・引きうけ・受けつぐことの可能性とその具体案について,考えてみたいと思います。(芸術資源研究センター教授 佐藤知久)


講演会のお知らせ

「詩的な記譜:フルクサスの音楽概念」
講演:ルチャーナ・ガリアーノ Luciana Galliano(音楽学)


    記譜法(ノーテーション)という視座から音と身体の結びつきを考察することを目的とする「音と身体の記譜」プロジェクトでは,研究会を開催しています。当プロジェクトではこの度,イタリアの音楽学者ルチャーナ・ガリアーノ氏をお招きして,1960年代のグローバルな前衛芸術運動であるフルクサスとその記譜法についてお話をしていただくことになりました。ガリアーノ氏は2018年11月に,フルクサスとその中での日本のアーティストの果たした役割に焦点を当てた著書JAPAN FLUXUS (Lexington Books)を出版されています。フルクサスの活動を音楽面から考察した貴重な研究の成果を知る絶好の機会となりますので,ぜひご参加ください。

  • 日時:2019年12月5日(木)15:00−
  • 場所:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター
  • 参加無料(事前申込不要)

【要旨】
 フルクサスはそれまでに前例のないグローバルな広がりをもち,1960年代において最も急進的で,実験的な芸術運動であり,そしてコンセプチュアル・アート,インスタレーション,パフォーマンス,インターメディアといった現代アートの主要な手法の誕生にも深く関わっています。
 フルクサスにとって音楽は活動の根幹といえますが,そこでは日本のアーティストたちが重要な役割を担っていました。フルクサスにおいて「音楽」は,「コンサート」や「ピース」とも呼ばれるイヴェントとして行われます。そこでは音楽が、音で構成されているかどうかには関わりなく,アーティストと観衆が同時的に立ち現れ,両者が等しく共有し,経験する時間の中で構成されており,ユニークな表現のあり方をみせています。フルクサスの「音楽」の記譜法は,図面,図表,画像,処方箋,詩的な言葉という形式をとっており,そのようなフルクサスの記譜の意味=用法は,体験される時間を生成することにあるといえるでしょう。

■講師プロフィール
ルチャーナ・ガリアーノ |Luciana Galliano
音楽学者・音楽美学者。トリノ大学卒業。東京藝術大学修士課程修了。
2004年より2009年まで,CESMEO(国際東アジア高等研究所)取締役会役員。ミラノ音楽院,トリノ大学等にて講師を務めた後,1996年−2011年ヴェネツィア大学 Ca’ Foscari 教授。 2014年,国際日本文化研究センターに外国人研究員として滞在。現代音楽に関する深い知識と才能を兼ね備え,現代音楽,現代芸術関係の著作を数多く発表している。最新の業績は2012年のThe Music of Joji Yuasa(原書はCambridge Scholars Publishingより刊行。2019年9月にアルテスパブリッシングによって日本語訳出版)と2018年のJAPAN FLUXUS (Lexington Books) である。今回はフルクサスと記譜法に関する講演を行う。


プロジェクト:音と身体の記譜研究

第27回アーカイブ研究会のお知らせ


第27回アーカイブ研究会

シリーズ:トラウマとアーカイブvol.3
このまえのドクメンタって結局なんだったのか?!


    シリーズ第三回目は,石谷治寛氏にお話いただきます。

  • 日時:2019年12月17日(火)17:30−
  • 場所:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター
  • 参加無料(事前申込不要)

チラシ


ドクメンタとは5年毎にドイツのカッセルという街で行われている国際芸術展です。今回のアーカイブ研究会では,2017年のドクメンタとは何だったのかをあらためて振り返ります。ドクメンタは,第2次世界大戦中に国が規範にそぐわない近代美術を禁止したことへの反省から,戦後に開始された現代美術展でした。そうした経緯から,表現の自由を象徴する展覧会として,国際的に注目され続けています。2017年に行われた14回目のドクメンタでは,ギリシアのアテネとも共催で,両都市間の連携がなされました。その背景には,ギリシアの文化や思考法が西洋文明にとって重要な規範になってきただけでなく,現在の欧州においても,南と北の経済格差や,地中海を超えて流入する移民など,さまざまな欧州の歴史と現在を照らし出すと考えられたからでした。ドイツーギリシア間とそこから広がる重層的な歴史を主題にした展示物の中には,美術作品や音楽だけでなく,アーカイブ資料の提示も含まれ,パフォーマンスや議論を通して,トラウマ記憶を再演する試みもみられました。本研究会では,さまざまな主題に分けて,全体像を読み解きながら,終了後の論争もふまえて,ドクメンタ14をいま振り返ります。(石谷治寛)

■講師プロフィール
石谷治寛|Ishitani Haruhiro
芸術論・美術史。京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員,非常勤講師。十九世紀フランス美術と視覚文化に関する研究から,外傷記憶の再演を扱う現代アート,メディア芸術の保存とアーカイブなどを考察。京都国際芸術祭パラソフィア2015や,岡山芸術交流2019に関する論考もウェブ媒体に発表している。著書に『幻視とレアリスム―クールベからピサロへ フランス絵画の再考』(人文書院)。共同企画に『MAMリサーチ006:クロニクル京都−ダイアモンズ・アー・フォーエバー,アートスケープ,そして私は誰かと踊る』(森美術館)など。


シリーズ:トラウマとアーカイブについて
芸術資源研究センターが行う研究会「アーカイブ研究会」では,今年度〈シリーズ:トラウマとアーカイブ〉と題して,連続的な講演と議論の場をもちます。
公的な歴史や大きな物語からこぼれおち,それゆえ忘れ去られていく出来事とその記憶については,その記憶を聞きとり,引きうけ,わがこととして受けつぐ試みが,近年多くの場面で行われ,論じられています。
今回考えてみたいのは,忘れ去られつつあり,かつ忘れてはならないと思われるにも関わらず,差別や暴力の経験,負の記憶に結びついているために,あるいは今それについて語ることが新たな暴力や差別を引き起こしかねないために,思い出すことや語ること自体が現在でも困難であるような出来事とその記憶―トラウマ的な記憶―についてです。
たとえば,差別の経験や,国と国のあいまにある中間的な場所の記憶などについては,それについて語る・想起する・言及すること自体が,当事者にとってはもちろん,アーティストや研究者にとってもむずかしいという現状があります。しかしながらだからこそ,そうしたことがらについて語り,聞き,話すための場所が必要だとも言えます。
では実際に,こうした経験と記憶については,どのような試みやアプローチが可能でしょうか。本シリーズでは,記憶をアーカイブする装置としての芸術やフィクションの可能性に注目してみます。集団的というよりも個的な記憶,言語的・歴史的史料というよりも,フィクションや視覚的資料,そしてさまざまな「モノ」などに焦点をあてるこうした実践が,いまどのように可能なのか。異なるフィールドを対象に,忘れられるべきではない経験と記憶についての研究や表現活動を実践してこられた方たちをお迎えし,語ること,想起すること,聞きとり・引きうけ・受けつぐことの可能性とその具体案について,考えてみたいと思います。(芸術資源研究センター教授 佐藤知久)


展覧会のお知らせ

プロジェクト「うつしから読み取る技術的アーカイブ」

「模写を読む-画家は何をうつしてきたのか」


京都市立芸術大学芸術資料館の収蔵品は,来年140年を迎える本学の歴史の中で,様々な機会を得て集められてきました。それは本学にとって歴史の語り部ともいえます。
模写は古くから絵画の学習における一 段や,貴重で実見が難しい本物の代用品などの役割を担ってきました。近代以降はその目的・役割が多様化し,それとともに様式も変化しています。例えば次のような用途が挙げられます。
・美術学校という研究,教育機関の資料
・文化財の現状を正確に記録する資料
・運筆手本に代わる初学者用の手本
・時代による 「さび」を含めて味わう鑑賞絵画
・科学的な分析を活用した復元

これらの用途の違いによって,線一本の描き方も違ってきます。一見,変わらないものの代表のように見える古画の模写ですが,実は極めて歴史的な産物なのです。
本学の資料館には,江戸時代から平成まで,数多くの模写が所蔵されています。これらを読み解くことで,人の手でうつし伝えられてゆくものの可視化を試みます。

【主な展示予定作品】 
 村上華岳《釈迦成道図》(模本)1912年
 林司馬《法隆寺金堂六号壁観音菩薩像》(模本)1948年ほか

本展企画担当
美術学部日本画博士課程/非常勤講師 小林玉雨
美術学部教授 田島達也

  • 会期:2019年10月26日(土)-12月1日(日)9:00−17:00 月曜休館(月曜日が祝日の場合は翌火曜日休館)
  • ギャラリートーク:11月26日(12:15~12:45)
  • 会場:京都市立芸術大学 資料館
  • 入場無料

うつしから読み取る技術的アーカイブ

東九条野外劇場 まちがつくる×まちがめぐる×まちがのこす

2019年11月17日(日曜日)16時45分から,京都市南区の北河原市営住宅跡地(通称マンモス団地)において開催される「東九条野外劇場 まちがつくる×まちがめぐる×まちがのこす」において,本学の客員教授で美術家の森村泰昌氏による新作「野生『能』」が上演されます。また前夜祭として16日(土曜日)には公開リハーサルもが予定されています。

前夜祭を含む開催時間中,彫刻専攻の小山田徹教授による焚き火を囲む共有空間「小さな火床」も登場します。

是非お出かけください。

前夜祭:2019年11月16日(土曜日)16時~20時 ※雨天時は中止
本 番:2019年11月17日(日曜日)12時〜18時30分 ※雨天時は元山王小学校
森村泰昌氏による新作「野生『能』」は16時45分から上演
会 場:北河原市営住宅跡地(通称マンモス団地)(雨天時:元山王小学校)
所在地: 京都市南区東九条北河原町1
入場料:無料
主 催:京都市
問合せ THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)
TEL:075-661-2515(10時〜18時)
mail:info@askyoto.or.jp

チラシ

東九条野外劇場 まちがつくる×まちがめぐる×まちがのこす 一般社団法人アーツシード京都

実演付講演会のお知らせ

プロジェクト「伝統音楽の記譜法からの創造」企画

実演付講演会「古琴の記譜法と奏法の関係性」



講演・演奏 吳釗(Wu Zhao/ゴ ショウ)氏
(国家級非物質文化遺産古琴芸術代表性伝承人)
古琴・中国音楽史研究者、古琴演奏者。1935年蘇州生まれ。查阜西、吳景略より古琴を学ぶ。南開大学卒業後、北京の中央音楽学院民族音楽研究所に入所し、中国音楽史を研究、『中国古代音楽小史』『中国音楽史』等を刊行。1985年に中国芸術研究所に入所、音楽史研究室の主任を務める。北京古琴研究会秘書長、中国琴会会長等を歴任。2008年に国家級非物質文化遺産古琴芸術代表性伝承人に指定される。

通訳:方芳(神戸大学大学院博士後期課程)
司会・企画・構成:武内恵美子(芸術資源研究センター副所長)

  • 日時:2019年11月7日(水)12:00−14:00
  • 会場:京都市立芸術大学 新研究棟2階 大会議室
  • 参加費:無料(未就学児はご遠慮ください)

チラシ


中国の伝統楽器である古琴は,中唐以降現在まで使用されている「減字譜」と呼ばれる固有の楽譜を使用します。これは漢字の一部を記号化した奏法譜です。現在は単に記号としてのみ認識されている減字譜ですが,本来,記号化された漢字と奏法には何らかの関係があったのではないかと考えられます。
 古琴の演奏方法は,特に文化大革命以降変化したとされており,減字譜の記号が持っていた本来の意味と奏法にずれが生じたのではないかと推測されます。
 この文化大革命以前の奏法と記譜法の関係について,古琴研究の第一人者であり,元中国芸術研究員音楽史研究所の主任で,「国家級非物質文化遺産古琴芸術代表性伝承人」(日本の人間国宝に相当)に認定されている吳釗先生をお招きし,講演および演奏をしていただきます。

塩見允枝子特別授業のお知らせ

「時間と空間に分け入る」
~フルクサス作品の演奏をとおして〜


  • 日時:2019年10月30日(水)10:40−12:10
  • 場所:京都市立芸術大学 大学会館ホール
  • 主催:芸術資源研究センター
  • 担当:井上明彦(美術学部教授/造形計画)・砂原悟(音楽学部教授/ピアノ)・岡田加津子(音楽学部教授/作曲) 

チラシ


1960年代以降,さまざまなジャンルとメディアを横断して芸術と日常をつなぐ実験を国際的規模で繰り広げてきたフルクサス。その中心メンバーとして活躍された音楽家・塩見允枝子先生によるフルクサス作品の演奏会を行います。演奏は美術学部,音楽学部の学生と教員,来場者のみなさん,そして塩見允枝子先生ご自身です。
どなたでも来聴できる公開授業です。


1_ジョン・ケージ〈2’47″〉(原題〈4’33″〉)

2_フィリップ・コーナー〈ヘッダー〉

3_フィリップ・コーナー〈時空と距離の調和〉

4_ジュゼッペ・キアリ〈ムシカ・マドゥレ〉

5_小杉武久〈ディスタンス・フォー・ピアノ〉

6_エリック・アンダーセン〈オペラ・インストラクション〉

7_トマス・シュミット〈サニタスNO.35〉

8_エステル・フェラー〈ステージの横断〉

9_塩見允枝子〈ジィージ・マチューナスへの追悼〉

■講師プロフィール
塩見允枝子(しおみみえこ)氏 SHIOMI Mieko
音楽家。1938年,岡山市に生まれる。1961年,東京芸術大学音楽学部楽理科卒業。大学在学中より小杉武久らと「グループ・音楽」を結成,即興演奏やテープ音楽の制作を行う。1963年,ナム・ジュン・パイクを通じてフルクサスを紹介され,翌年ニューヨークに渡る。1965年,メールによるイヴェントシリーズ「スペイシャル・ポエム」を開始。同年帰国。1969年,音楽や映像,美術,舞踊など多様なジャンルの融合の実験として開催されたクロストーク・インターメディアに参加。1970年より大阪を拠点に活動,言葉と音を軸にした室内楽や劇場的な作品を発表。90年代から電子テクノロジーへの関心を持ち,音と視覚的要素を結合したパフォーマンスを編み出す。1995年パリ,1998年ケルンにて個展。その後も国内外で数々のフルクサス展に参加し,各地で演奏会やワークショップを行う。本学では,2005年11月の「アクアプロジェクト」でワークショップ開催,2014年から芸術資源研究センター特別招聘研究員。2015年にも大学会館で大規模なワークショップを行った。著書に『フルクサスとは何か』(フィルムアート社,2005年)。本年6月,フルクサス時代からの作品をまとめた『塩見允枝子パフォーマンス作品集——フルクサスをめぐる50年』ほか。

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