「沓掛 1980–2023」プロジェクトアーカイブ展 のお知らせ

平野 愛 写真展「moving days in KCUA」関連イベント

「沓掛 1980–2023」プロジェクトアーカイブ展
本学に関わる方々が撮影した沓掛キャンパスの写真を集めて「個々人の記憶の集合体」をつくるデジタルアーカイブのプロジェクト等を紹介します。
会期:2024年6月29日(土)–2024年8月4日(日)
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 2F
開館時間:10:00 am–6:00 pm
休館日 月曜日
※7月15日(月・祝)は開館、翌平日の7月16日(火)を休館
入場料 無料
共催:京都市立芸術大学「沓掛 1980―2023」プロジェクト+芸術資源研究センター


平野 愛 写真展「moving days in KCUA」
会場 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
会期  2024年6月29日(土)–2024年8月4日(日)
開館時間 10:00 am–6:00 pm
休館日 月曜日
※7月15日(月・祝)は開館、翌平日の7月16日(火)を休館
入場料 無料
主催 京都市立芸術大学(2024年度京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA申請展)
企画 谷本天志(本学美術学部油画専攻特任教授)
企画調整 𡌶 美智子(本学芸術資源研究センター非常勤研究員)
制作補助 天羽生悠矢(京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程)
協力 株式会社フォトアンドカラーズ
誠光社
京都大学写真部
京都市立芸術大学「沓掛1980–2023」プロジェクト+芸術資源研究センター
お問い合わせ
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
Tel: 075-585-2010
メールでのお問い合わせは、
お問い合わせフォームからお送りください。
▶︎問い合わせフォーム

第45回アーカイブ研究会のお知らせ

「劇場のアーカイブ資料ってどう使うんだろう? ~THEATRE E9 KYOTO最初の5年を振り返る~


京都市立芸術大学芸術資源研究センターとTHEATRE E9 KYOTOは、およそ5年間、共同研究プロジェクトとして、E9で上演された諸作品について、アーティストより許可を頂いたものを、動画、戯曲や図面、広告物など様々な資料をデジタル形式でアーカイブしてまいりました。
この度は、その研究成果の一端を公表すべく、作品やアーカイブに関わる様々なゲストとともにアーカイブ資料の活用法についてどんな可能性があるのかを語り合います。


日 時:
2024年6月21日(金)18:00〜20:00 記録撮影をしている人の回 / 研究者の回
2024年6月22日(土)13:00〜15:00 スタッフの回 / 劇場の人の回
※トークは各回40分程度を予定、全てのトーク終了後、来場者が会場に展示しているアーカイブ資料を手に取って閲覧できる時間とします。
会 場:THEATRE E9 KYOTO ▶︎アクセス
入場無料(予約不要・出入り自由)
▶︎チラシ


○記録撮影をしている人の回 登壇者
井上嘉和(カメラマン)
竹崎博人(ビデオグラファー)
中谷利明(ビデオグラファー/フォトグラファー)
駒 優梨香(作家/演出家/カメラマン)★

○研究者の回 登壇者
柴田惇朗(立命館大学大学院 先端総合学術研究科博士後期課程)
高嶋 慈(美術・舞台芸術批評家/京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員)
新里直之(京都芸術大学舞台芸術研究センター研究職員)
𡌶 美智子(アートメディエーター/京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員)
佐藤知久(京都市立芸術大学芸術資源研究センター専任研究員・教授)★

○スタッフの回 登壇者
大川貴啓 (THEATRE E9 KYOTOスタッフルーム/照明)
北方こだち(THEATRE E9 KYOTOスタッフルーム/舞台)
林実菜(THEATRE E9 KYOTOスタッフルーム/音響)
neco(演出家/劇団三毛猫座主宰)★

○劇場の人の回 登壇者
重田龍佑(扇町ミュージアムキューブ チーフプロデューサー)
谷 竜一(京都芸術センター プログラムディレクター)
福森美紗子(プロジェクトマネージャー/元THEATRE E9 KYOTO事務局)
奥山愛菜(THEATRE E9 KYOTO事務局)★

★…THEATRE E9 KYOTO上演作品アーカイブ プロジェクトメンバー
主催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター、THEATRE E9 KYOTO

デジタルライブラリ公開のお知らせ

井上隆雄「ラダック・ビルマ仏教壁画」写真コレクション

本学出身(工芸家塗装専攻)の写真家・井上隆雄雄氏(1940-2016)が遺した写真のフィルムや関連資料について、2017年度から重点プロジェクト「井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究」として、アーカイブに取り組んできました。この度、井上隆雄氏が1970年代後半に取材したインド・ラダック地方と、ビルマ(現ミャンマー)の仏教壁画について、国立民族学博物館DiPLAS、X-DiPLASの研究支援を受け、データベースを構築し、デジタルライブラリとして一般公開の運びとなりました。フィルム写真をデジタル化することによって、フィルムの経年劣化によって褪色が進行してしまう画像を、現時点の状況で保存することに加え、褪色した画像の色補正についても試行してきました。1970年代後半のラダックとビルマの仏教壁画と関連写真から、当時の状況を再認識すること、また芸術資源として再発見や今後の活用が期待されます。
下記のサイトから、ぜひご覧ください。(一部英語対応)

『井上隆雄「ラダック・ビルマ仏教壁画」写真コレクション』
2024.03.31 公開開始(全2,060件)

X-DiPLAS| 公開されたデータベース

これまでのプロジェクトの活動につきましては「井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究」をご覧ください。



また、これまでのアーカイブの活動のこと、2023年3月国立民族学博物館で開催されたシンピジウムの記録集(130ページ、A4短辺スクエア、カラー)が刊行されました。ご興味のある方は、芸資研までメールにてarc@kcua.ac.jpお問い合わせください。(残部わずか)

コンサートのお知らせ

>変異するノーテーション Notation:Mutation
京都市立芸術大学移転記念事業

西洋音楽においては、長らく五線譜が主なノーテーションとして用いられてきましたが、並行して、動作を記録したタブラチュアのような楽譜や、定量的もしくは概念的な図形楽譜、そのほか紙以外のメディアに記録されるビデオ・ノーテーションなど、多様な手法が存在しています。
ノーテーションによって記される「楽譜」は、創作された音楽を記録し、伝達する技法としてのみではなく、創作を展開するためのメディアとしても機能しています。

1960年代から展開されたFluxusの活動では、音楽家を含む様々なジャンルの芸術家によってテキストを中心としたノーテーションによる指示書的なスコアが積極的に用いられました。主に美術の文脈で高い評価を得ているこの活動は、西洋音楽にとっては、突然変異(Mutation)のようなものだったのかもしれません。
そんな突然変異から連鎖的に広まっていったFluxusのようなインパクトを、「ノーテーション」という視点から再度巻き起こすことを期待し、このテーマのもと事前に作品公募を行い、世界中から57の作品応募を受けました。

本演奏会では、ゲスト作曲家の塩見允枝子氏(Fluxusメンバー)と寺内大輔氏による新作と、ロゼッタ、野営地、ゲスト作曲家によって選出された7作品、合わせて9作品を初演します。


会場:京都市立芸術大学 多目的ギャラリー (C棟6階)
日時:2024年5月12日(日) 14時開演 (13時開場)
出演:ロゼッタ + 野営地
定員:100名(予定・先着順)
入場無料 (要事前予約・未就学児入場不可)

現在申し込み者数が定員を超えておりますが、増席が可能か検討中です。 ご来場ご希望の方は下記のウェイティングリストに登録してください。 5/10までにお席がご用意できるかをご連絡いたします。
ウェイティングリスト

チラシ


プログラム(全曲世界初演)
▶︎ゲスト作曲家による新作
塩見允枝子《春の夜の天宮》3手のピアノ、バリトン、ギター、マンドリン、打楽器のために
寺内大輔《ルールズ》2~7名のパフォーマーと 1 名の指揮者のために

︎▶︎公募作品
Max Wanderman《Erosion Study》for ensemble
Francesc Llompart Pons《No Time Too Loose》
Milan Guštar《Attraction for Four》
Daria Baiocchi《Open》
矢野かおる《訥》 for four voices
(*矢野かおるは小栗舞花・熊谷ひろたか・鈴木南音のアート・コレクティブ)
John Franek《Sorry!Sorry!Sorry!Sorry!》
M.A. Tiesenga《shape(dream)》


出演/Performers

ロゼッタ
2017年に作曲家・ギタリストの橋爪皓佐によって結成されたロゼッタは、作品の公募を通して世界最新鋭の音楽作品を発表すること、その表現のあり方を更新していくことを主な活動としています。ギター、マンドリン、左手ピアノ、サクソフォンという編成でスタートし、現在は声楽、クラリネット、打楽器のメンバーも参加しています。前身活動を含め、過去に4回の作品公募公演を行なってきました。近年は公募に際してユニークなルール(始まりと終わりがない音楽、編成が分割可能な音楽など)を設定し、作曲家に対して新たな視点から作曲行為を行うことを提案しています。これまで世界各地から 200作品以上の応募を受け、欧州、南北アメリカ、アジア、オーストラリアの作曲家による作品を数多く初演。2022年には香港作曲家ギルドからビデオ公演の製作委嘱を受けるなど、活動の範囲を徐々に広げています。

橋爪 皓佐 guitar/composer_Kosuke Hashizume
有馬 圭亮 left hand piano_Keisuke Arima
柴田 高明 mandolin_Takaaki Shibata
佐古 季暢子 mandolin_Kyoko Sako
日下部 任良 saxophone_Tadayoshi Kusakabe
大井 卓也 voice_Takuya Oi
西岡 美恵子 percussion_Mieko Nishioka

野営地(ゲストパフォーマンス)
身体をつかったアート、音楽、パフォーマンスをするためのプラットフォームです。 ひとりではできないことをできるようにするための、つながりをつくります。

倉本 高弘 performer_Takahiro Kuramoto
塩地 加奈子 piano_Kanako Shioji
髙橋 真理子 peformer_Mariko Takahashi
高松 志奈 voice_Shina Takamatsu
橋本 玲子 performer_Reiko Hashimoto
増野 敦子 performer_Atsuko Mashino
三宅 珠穂 performer_Tamaho Miyake


ゲスト奏者
上田希 clarinet_Nozomi Ueda
上中あさみ percussion_Asami Kaminaka


主催:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター
企画・協力:ロゼッタ
協力:塩見允枝子(京都市立芸術大学芸術資源研究センター特別招聘研究員)
問い合わせ:芸術資源研究センター
MAIL:arc@kcua.ac.jp
TEL:075-585-2086

このコンサートはサントリー芸術財団佐治敬三賞推薦コンサートです

第44回アーカイブ研究会のお知らせ

座談会: 今語るリチ先生のこと

日生ビルレストラン〈アクトレス〉壁画制作を中心に

 


上野リチ晩年の作品、銀地に鳥や草花、果物を配した日生劇場のレストラン〈アクトレス〉(1963年竣工)の壁画は、リチの集大成ともいうべき大作として昨今広く紹介されていますが、リチはデザインの一部を示すのみで、実際の制作は当時の教え子京都市立美術大学の学生4名を選び委ねています。本座談会では、制作に当たってかなりの自由裁量も認められたという担当4氏に現場の詳細やこの作品についてのそれぞれの思いを話し合っていただきます。


座談会メンバー:1965年京都市立美術大学工芸科デザイン専攻卒業生

河原林裕二氏
元広告代理店電通勤務
木村英輝氏
キーヤンスタジオ主宰
越田英喜氏
コシダ・アート主宰
細見保彦氏
元広告代理店電通勤務
(50音順)


日 時:2024年4月13日(土)13:00-16:00
会 場:京都市立芸術大学 D棟3F 講義室8(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
▶︎アクセス
定員30名 要申込 下記の申し込みフォームより申し込みください
▶︎申し込みフォーム
▶︎チラシ


上野リチ・リックス略歴
 1893年ウィーンの富裕な実業家の長女として生まれたフェリース・リックスは、1913年、ウィーン工芸学校に入学、1917年6月卒業と同時にヨーゼフ・ホフマンから誘われ、ウィーン工房に参加、ガラス製品・アクセサリー・小間物など多くのデザインを展開していますが、特にファッションとテキスタイル部で、マリア・リカルツらとともに頭角を現し、彼女のテキスタイルは「リックス文様」として、ウィーン工房最高の売れ行きを示し一世を風靡しました。当時はほとんどすべての部員がプリント布地のためのデザインを制作しており、その評判はダゴベルト・ぺッヒェのもとで最高潮に達し新時代を画していました。1925年にはパリのアール・デコ展で受賞し、秋には日本人留学生で建築家の上野伊三郎と結婚、1926年にかねてから憧れの日本に移住し、ほぼ隔年ごとに渡欧を繰り返して、日本の伝統意匠を自在に取り入れた作品をジャポニスムの影響を強く内包したウィーン工房からリリース、1928年には能装束意匠を強く意識した代表作ザルブラ社製壁紙デザイン4点を発表しています。一方日本では伊三郎との協働で多くの室内装飾デザインを展開しました。
 またウィーン工房解散(1932年)後の1935年には京都市染織試験場に技術嘱託として着任、1944年の退職まで当時国家的プロジェクトであった繊維輸出振興に貢献し多くの輸出向けデザインを考案・制作しています。これと並行して1936年から39年までは建築家ブルーノ・タウトとの関係で群馬県工芸所所長となった伊三郎とともに同所嘱託として、地場の材料と加工技術を生かした工芸品の改良・育成・振興に尽力しました。
 1945年敗戦の混乱期を経て、1951年京都市立美術大学(現京都市立芸術大学)美術学部工芸科図案専攻講師となり、1960年からは教授に昇任、非常に独自な教育を展開し、また1963年の定年退職と同時に伊三郎とともに設立したインターナショナルデザイン研究所などで戦後新興の企業に多くの人材を輩出しました。
 戦後の代表作として1963年竣工の村野藤吾設計による東京・日本生命日比谷ビル内の日生劇場地下レストラン〈アクトレス〉の壁画デザインがあります。1967年京都で逝去。

上野伊三郎・リチ夫妻

レストラン〈アクトレス〉壁画
 レストラン〈アクトレス〉壁画は1963年9月16日完成した日本生命日比谷ビルの地下一階にあり1995年に分離保存されるまでの30余年独特の空間をつくっていました。
 この日本生命日比谷ビルは日本生命保険相互会社創業70周年記念事業の一つとして構想されたもので、文化に貢献し社会に寄与する施設として世界屈指の設備を持つ日生劇場が付設されました。設計は村野藤吾です。上野伊三郎、上野リチ夫妻は村野からこの劇場の大食堂の壁画の依頼を受けていました。
 このビルは1959年から4年1ヶ月を経て1963年8月に竣功しましたが、仕上げの工事に入ったのは1963年の春になってからで相当厳しい条件であったと思われます。
 ここで注目したいのは、床面積300㎡のレストランの壁面(襖紙約350枚分)を実際に手掛けたの今回の座談会メンバーで、リチは各所の見本を残して一年間のウィーン帰国のため7月10日には船上の人となっています。本会はこの壁画制作の詳しい経緯を実際に描かれた方々からじかにお聞きできる貴重な機会となります。

(文責牧田)

研究会のお知らせ

「音と身体の記譜研究」企画
「タブラチュアを考える〜動作が導く音の世界」


日 時:2024年3月23日(土)14:00-17:00
(1)話題提供:岡田正樹、重森三果、橋爪皓佐、三島郁
(2)座談会

会 場:京都市立芸術大学B棟1階専門講義室2 ▶︎ご来場は公共の交通機関をご利用ください。
定 員:50名
参加料:無料・要予約 ▶︎予約フォーム
主 催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター「音と身体の記譜研究」プロジェクト
チラシ


【概要】
楽譜とは音楽を表し、記録するためのメディアである。この楽譜を書く方法のことを記譜法(ノーテーション)という。ノーテーションの方法は千差万別で、音楽文化が違えばやり方も異なる。また同じようなシステムによっているように見えても、しばしば時代や地域によって特有の方法がとられており、常に慣習的な読み方が通用するとは限らない。それは、楽譜の書き方(ノーテーション)が、その時代の、あるいはその文化における音楽に対する考え方を反映しているからだと言えるかもしれない。
ノーテーションの手法の一つにタブラチュア(奏法譜・タブ譜)がある。タブラチュアは、演奏にあたっての動作を表現することによって音楽を記す(「ノーテーションする」)方法である。五線譜のように音の高さを示すのではなく、楽器のどの部分をどのように扱うかを指示するような楽譜の書き方がタブラチュアの基本的なあり様である。言い換えれば、タブラチュアとは、身体がどのように動作するかを記すことに重きを置いたノーテーションである。
タブラチュアが現在もギターや三味線などで使われていることは、比較的知られているかもしれない。だが歴史的に見れば、ヨーロッパの鍵盤楽器では、五線譜ではなくタブラチュアが使われていた時代があった。また20世紀以降の、いわゆる現代音楽においても、タブラチュアは様々なやり方で装いも新たに用いられている。
本企画は、専門やジャンルの違う4名の講師を招き、そうしたタブラチュアを用いる音楽について色々と考えてみようというものである。前半は4名の講師が各自の専門領域からポピュラー音楽におけるギタータブ譜(岡田正樹)、伝統邦楽の世界を背景とする新作創作と三味線譜の作成(重森三果)、映像的な記譜に内在する身体性とタブラチュア的な特質(橋爪皓佐)、バロック時代の鍵盤タブラチュアの記譜上の特性(三島郁)といった話題を提供し、後半は互いに意見を交換し合う場として座談会を行う。
タブラチュアの世界について考えることを通して、音楽と身体の結びつきやそのあり方の様々を捉えることができるのではないか、それが本企画の主旨である。
(文責:竹内直)


【講師プロフィール】
三島郁(音楽学、本学非常勤講師)
東京学芸大学大学院修士課程修了後、ケルン大学に留学、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門分野は西洋バロック期から19世紀の鍵盤楽器音楽の演奏・作曲論、数字付きバス文化研究。チェンバロ、通奏低音を亀谷喜久子、岩渕恵美子、C. チェラジの各氏に師事。国内外でバロック期の音楽や音楽修辞学などのレクチャーやコンサートを企画・開催。共著に『音楽文化学のすすめ:いまここにある音楽を理解するために』(2007年、ナカニシヤ出版)、『音楽を考える人のための基本文献34』(2017年、アルテス・パブリッシング)他がある。京都市立芸術大学、同志社女子大学、大阪音楽大学、甲南女子大学、大阪教育大学、各非常勤講師、京都市立芸術大学芸術資源研究センター共同研究員。

重森三果/新内志賀(邦楽家、本学非常勤講師)
京都市生まれ。幼少期より江戸浄瑠璃新内節を研進派初代家元・新内志賀大掾及び新派家元・富士松菊三郎に師事。小唄を里園派宗家・里園志寿栄及び里園志寿華に師事。2012年研進派家元、並びに新内志賀の襲名を果たし、現在は一門の指導・育成に献身している。本名の重森三果名義では、さまざまな文学をもとに脚色した作品や自ら書き下ろした楽曲を、新しい試みをもって精力的に発表している。また数多くの映画・テレビ・舞台などに於いて邦楽指導、演奏出演するなど多岐にわたって活動をしている。2014年文化庁芸術祭音楽部門優秀賞受賞。NHK邦楽オーデイション合格。京都市立芸術大学にて非常勤講師や京都産業大学、佛教大学、同志社女子大学、大阪大学、大学コンソーシアム京都などでゲストスピーカーを勤める。

橋爪皓佐(作曲家、芸術資源研究センター非常勤研究員)
ブリュッセル王立音楽院学士課程修了、京都市立芸術大学大学院音楽研究科修士課程(作曲)修了。英国王立音楽大学へ派遣交換留学。作曲家・ギター奏者として活動するほか、ロゼッタ(音楽コレクティブ)を主宰。「のせでんアートライン2021」に公募作家として参加、国際芸術祭「あいち2022」への出演、子供向け創作ワークショップ企画など、領域横断的に活動している。作曲作品は現代ギター社などから出版されている。京都市立芸術大学芸術資源研究センター非常勤研究員。京都女子大学非常勤講師。2023年度ロームシアター京都リサーチプログラムリサーチャー。

岡田正樹(音楽学、芸術資源研究センター共同研究員)
大阪市立大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専攻はポピュラー音楽研究、音楽学。近年は主に、アマチュアミュージシャンの音楽実践におけるタブ譜の意味・機能についての研究、楽器小売店の機能をメディア文化理論的観点から検討する研究、1990年代ヴィジュアル系ミュージシャンの活動に注目した日本ポピュラー音楽史の再考などのテーマに取り組んでいる。訳書に『ソニック・ユース』(デイヴィッド・ブラウン著、2019年、水声社)、主な論文に「メディア・ハブとしての楽器店」(『音楽表現学』vol.20、2022年)など。DJ(PCDJ)をDJ YASUに師事。

座談会司会
▶︎岡田正樹(芸術資源研究センター共同研究員)

企画コーディネーター・進行
▶︎竹内直(芸術資源研究センター非常勤研究員、プロジェクト・リーダー)

石原友明芸術資源展のお知らせ

令和6年3月をもって退任する美術学部油画専攻の石原友明教授の退任記念企画として「石原友明芸術資源展」を開催いたします。
石原友明展「SELFIES」と併せてご覧ください。

 


概要:美術作家石原友明についての芸術資源を、二種類の言説をまとめた「二冊の本」と、その他の関連資料を用いて展示します。これらの本は〈作家自身による〉言説をまとめたものと、美術批評家ら〈作家以外の書き手による〉言説をまとめたものです。そこから浮かびあがる「さまざまな相貌をもつ(あるいはもたされた)複数の作者像」は、ポストモダニズム期の美術作家にふさわしいとも言えますが、同時にそこには、書き手ーメディアによって意図的に切り出され複数化されていく「作家」の像を認めることも可能です。彼と彼以外の作者による二冊の本を軸に、芸術資源としての「言説」の意味について考察しながら、作家石原友明の思考とその創造活動への接近を試みます。
(佐藤知久/芸術資源研究センター教授)

石原友明芸術資源展
会  期:2024年3月20日(水・祝)〜3月31日(日)
開場時問:11:00 -17:00|入場無料
会  場:京都市立芸術大学C棟5F芸術資源研究センターアーカイビング・ラボ
主  催:京都市立芸術大学
企  画:芸術資源研究センター
協  力:MEM
フライヤーデザイン:水木塁

関連シンポジウム「もうこれで終わりにしよう。」
(第43回アーカイブ研究会として開催)
日 時:2024年3月30日(土)14:30-16:30
会 場:京都市立芸術大学 C棟1F 講義室1
(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
▶︎アクセス
申込不要・参加無料
登壇者:
石原友明(京都市立芸術大学美術学部油画専攻教授)
光田由里(多摩美術大学アートアーカイヴセンター 所 長・大学院教授)
佐藤知久(京都市立芸術大学芸術資源研究センター教授)
岸本光大(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)


石原友明展「SELFIES」
会  期:2024年3月20日(水・祝)〜3月31日(日)
開場時問:11:00 -17:00|入場無料
会  場:京都市立芸術大学C棟7F大学院制作室701-708
主  催:京都市立芸術大学
企  画:石原友明展実行委員会
展示構成:岸本光大
協  力:MEM
フライヤーデザイン:水木塁

概要:1980年代に写真や絵画、彫刻、インスタレーションを織り交ぜた複合的手法による作品で注目を浴びて以降、石原友明は「セルフポートレート」をはじめとした多様な表現形式を用いて、芸術や知覚に関わる根源的な問題を明らかにしてきました。その作品群は、芸術が芸術として成り立つ原理を検証する手段として評価を受けてきた一方で、現代や未来につながる身体観や「個」の在り方をも鋭く予見・示唆しています。
本展では関西初展示の近作や、重要な過去作を含む7つの作品シリーズを紹介。デジクル革新や社会情勢の混迷が進む現代における「わたし」をテーマに、石原の作品世界に内在する新たな意味を探求します。
(岸本光大/京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)


チラシ

第42回アーカイブ研究会のお知らせ

沓掛アーカイバル・ナイト〈第2回〉
芸術センターのあるとき:2000年以後の京都のアート状況を振り返る


 2023年10月、本学は1980年から2023年までを過ごした洛西・沓掛地域から京都駅東・崇仁地域へとキャンパスを移転しました。43年間の「京芸・沓掛時代」を多彩なゲストとともにふりかえるトーク・シリーズ「沓掛アーカイバル・ナイト」を2022年度より開催しています。
 1980〜90年代を「美術をめぐる様々なシステム化が進んでいく時代」として振り返った第1回に続き、第2回では「沓掛時代」後半の2000年以降を振り返ります。2000年は、ちょうど京都芸術センターがオープンしたタイミングです。この後、京都のアートシーンはどのように変わったのでしょうか。
 今回のゲストは、京都芸術センター開設当時のアート・コーディネーターであり、現在は同センター副館長も務められる山本麻友美さんと、京都市職員として文化行政に継続的に携わりながら、個人として京都のアート情報を発信されている原智治さんのお二人です。ひとりの若者としてシーンに身を投じてから、長年にわたって京都市の文化政策を支えてきたお二人それぞれのお話を通じ、現代にいたる約20年間に起きた「美術をめぐるシステム」の激動の変化をローカルな視点で追っていきます。
 コロナ禍を経て、本学においてはキャンパス移転という断絶を経験したいま、現代の私たちを取り巻くアートの状況をとらえる視座が求められています。お二人から、これからのアートを考えるヒントを教えていただきましょう。


講師:
山本 麻友美(京都芸術センター 副館長/京都市文化政策コーディネーター)
原 智治(京都市 文化市民局 文化芸術都市推進室 文化芸術企画課 担当課長)


日 時:2024 年2月15日(木)19:00-21:00
会 場:京都市立芸術大学 C地区B棟3F 講義室3(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
▶︎アクセス
申込不要・参加無料
チラシ

第37回アーカイブ研究会「沓掛アーカイバル・ナイト〈第1回〉」実施報告

第41回アーカイブ研究会のお知らせ

映像をアーカイブする〜その方法と可能性〜


 映像(動画)はいま、撮影・編集・共有が手軽にできるようになりました。写真よりも映像で記録されることすらあります。では、アーカイブの観点から映像を考えた場合、どうでしょうか。

 映像をアーカイブする。それはこれまで記録媒体の保存を意味してきました。問題は二つあります。一つは、映像の場合、写真以上に「記録媒体を見ただけでは何もわからない」こと。昔のフィルムはもちろん、YouTube でもサムネイル画像しか見れません。もう一つは、映像を保存したところで、「視聴する以外にほとんど使い道がなかった」ことです。

 今回はこの状況を逆手にとって、アーカイブとしての映像の可能性と展望を考えてみたいと思います。秋田公立美術大学の石山准教授をお招きし、秋田市の家庭に長年眠っていたアナログ8mmフィルム(その数、200以上)を収集・デジタル化から始まった活動実践と、将来の展開についてお話いただきます。映画監督でもある石山さんの活動は本業の映像制作とはまた別の、とてもユニークなものです。つねに映像の地域性を念頭に置いていて、単なる集積から、地域文化活動、はては地域医療現場にまで広がります。

 映像をアーカイブして何になるのか。そんなことを改めて考えるきっかけになるかもしれません。


講師:石山友美(映画監督・秋田公立美術大学准教授)
1979年生まれ。日本女子大学家政学部住居学科卒業。磯崎新アトリエ勤務を経て、カリフォルニア大学バークレイ校大学院、ニューヨーク市立大学大学院で建築、芸術論、社会理論を学ぶ。ニューヨーク市立大学大学院都市デザイン学研究科修士課程修了。在米中に映画制作に興味を持つようになる。映画監督作に《少女と夏の終わり》(2012)、《だれも知らない建築のはなし》(2015)。現在秋田在住。秋田で8ミリフィルムを収集するプロジェクト「秋田8ミリフィルム・アンソロジー」代表。


日 時:2024 年2月7日(水)14:00-16:00
会 場:京都市立芸術大学 C地区B棟3F 講義室4(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
▶︎アクセス
申込不要・参加無料
チラシ

第40回アーカイブ研究会のお知らせ

アートと人類学が交わる場所:ブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館(MOA)の取り組み


撮影: Cory Dawson。ブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館提供。


本発表ではブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館(MOA)での取り組みを紹介する。カナダ先住民コレクションで知られている博物館だが、実は全体の約40%の資料がアジアのもの。カナダ先住民とアジアとの繋がりにも視点を置いて、人類学博物館でアーティストとコラボすることの意義を考察する。

ジェイムズ・クリフォードが博物館をコンタクト・ゾーンと呼んだように、博物館は異なる文化や視点が接触、または衝突する場所でもある。異文化交流という単純なものではなく、博物館の歴史を辿ると植民地主義との関係が浮かび上がる。誰が、何をどのように収集し展示してきたのか。コレクション活用を通してコミュティとのつながりを築くことで、博物館を脱植民地化することへの試みも提示する。語りづらい歴史や経験をどう伝えていくのか、博物館、人類学やアートを通して何が出来るのかを一緒に考えたい。
中村冬日


講師:中村冬日(なかむら・ふゆび)
芸術人類学と博物館学を専門にする社会文化人類学者。ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)人類学博物館キュレーター、およびアジア研究学科教員。オックスフォード大学から博士号を取得後、オーストラリア国立大学、アルゼンチン国立東洋美術館、東京大学での勤務を経て2014年より現職。著書に『Asia through Art and Anthropology: Cultural Translation across Borders』、『Traces of Words: Art and Calligraphy from Asia』など。東日本大震災後に長期ボランティアをしたことをきっかけに、2011年以降は東北で調査を行なっている。3.11をテーマとした展覧会『記憶のための未来/A Future for Memory』は博物館人類学分野で名誉あるMichael M. Ames Prize for Innovative Museum Anthropologyを受賞。


日 時:2023 年12月10日(日)14:00-16:00
会 場:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
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申込不要・参加無料
チラシ

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