第48回アーカイブ研究会のお知らせ
Collective spirit
Rizo Leong & Memet Jeck
—アーティストトーク&木版画ワークショップ—

本アーカイブ研究会では、アーティスト リゾ・レオン(Rizo Leong)氏 と メメット・ジェック(Memet jeck)氏 をお招きし、アーティストトークと木版画ワークショップを開催します。
お二人は、マレーシア・コタキナバルを拠点に活動するアートコレクティブ Pangrok Sulap(パンクロック・スラップ) のメンバーとしても知られ、木版画を通じて地域社会、教育、環境、先住民文化に関わる実践を行ってきました。活動は、DIYの精神(買わずに、自分たちで作ろう!)を理念として、アートを通してコミュニティの声を伝え、協働の場を生み出しています。
また、かれらが運営するコミュニティアートスペース Ruang Tamu Ekosistem(ルアン・タム・エコシステム) は、人々が集い、物語や技術を共有するハブとして機能しています。併設の Kambai Record Store(カンバイ・レコード・ストア) では、レコードやカセットなどのフィジカルメディアを通して音楽文化を支援し、地域の音楽アーカイブと文化拠点の形成にも取り組んでいます。
今回の研究会では、お二人のこれまでの実践を通じて、「コミュニティの声をいかに伝え、共有し、伝え残していくのか」を伺います。あわせて行うワークショップでは、参加者が木版画を制作し、Pangrok Sulapの足踏み式プリントスタイルを体験しながら、Tシャツに刷ります。身体の動きと協働によって生まれるプリントを通して、DIYの精神が息づく木版表現を体験します。
日 時:2025年12月8日(月)13:00〜17:00
会 場:京都市立芸術大学 版画専攻 (京都市立芸術大学E棟3F)
ワークショップ定員:25名(要予約/対象10歳以上10歳未満は保護者同伴でお越しください)
※アーティストトークのみの参加は予約不要です。 (13:00~14:00)
参加申し込みフォーム
no.48
持ち物:印刷用のTシャツ(黒色インクを使います)、彫刻刀(お持ちの方はご持参ください)、エプロン(木くづやインクが衣類につくことがありますので気になる方はご持参ください)
講師プロフィール
リゾ・レオン(Rizo Leong)
版画家。マレーシア・ボルネオのサバ州を拠点とするコレクティブ「パンクロック・スゥラップ」の創設メンバー。
コミュニティの活性化、アクティビズム、先住民のアイデンティティの精神に深く根ざしながら、木版画や社会参加型の作品を制作。東南アジアを始め国際的に広く展覧会などに参加し、伝統的な版画技法を用いた作品を通して現代の社会問題について問う。
農村部や周縁化された人々の現実と抵抗を反映するこれらの活動は、草の根の協働への強い関心に支えられている。
現在は、地元の植物や有機素材から抽出された天然染料を使用する「エコ・プリント木版画プロジェクト」に取り組み、持続可能なアート実践へのコミットメントと、先祖代々の知識と自然環境との再接続を試みている。
メメット・ジェック(Memeto Jeck)
版画家。マレーシア・ボルネオのサバ州を拠点とするコレクティブ「パンクロック・スゥラップ」のメンバー。
コミュニティ、協働、そして社会意識の精神に基づき、特に芸術を通じたジェンダー平等と女性のエンパワーメントに重点を置き活動する。
ドゥスン族とムルット族のアーティスト、ミュージシャン、アクティビストたちと活動を共にし、木版画を通して農村部の声を広め、特に社会的弱者コミュニティの女性たちの実体験の可視化を目指す。
また、作品を通して、物語、アクティビズム、そして伝統的なモチーフを織り交ぜ、アイデンティティ、ケア、そしてレジリエンス(回復力)に関わる問題を浮き彫りにしている。
※お二人は10月から約3ヶ月間、名古屋市が実施する文化事業「アッセンブリッジ・ナゴヤ」のアーティスト・イン・レジデンスプログラムの招聘アーティストとして名古屋港エリアで滞在中であり、本研究会はアッセンブリッジ・ナゴヤ実行委員会の協力を得ています。12/19(金)には版画のプリントイベントを、12/20(土)にはオープンスタジオや成果発表やアーティストトーク、パフォーマンスの開催が予定されています。
アッセンブリッジ・名古屋
assembridge.nagoya instagram
主催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター
共催:京都市立芸術大学 版画専攻
協力:アッセンブリッジナゴヤ実行委員会
助成:小笠原敏晶記念財団 野村財団
企画:桐月沙樹+芸術資源研究センター
