第49回アーカイブ研究会のお知らせ
《‘moon’score》の誕生―野村仁と美術・音楽の交差点―

彫刻を軸としながら、写真や音楽などの領域を横断する実践により 独自の表現を展開した美術家・野村仁(1945–2023)。1988年からは本学美術学部彫刻科で教鞭を執り、教育にも大きな足跡を残しました。芸術資源研究センタースタートアッププロジェクト「野村仁関連 資料研究(美術関連資料のアーカイブ構築と活用)」(2025–)では、 野村が遺した資料の整理・調査を進め、将来的な公開を見据えた アーカイブ基盤の構築に取り組んでいます。
本研究会では、野村の代表作《‘moon’score》(1975‒)を取り上げ、 美術と音楽が交差するその成立背景をひもときます。五線譜を写し 込んだフィルムで月を撮影した本作は、1980年代以降、本学美術・ 音楽両学部の教員や学生との協働を通じて展開し、野村のライフワークとして発展していきました。本会では、譜面の実演を交えて、制作に携わった方々からお話を伺います。あわせて、音楽に深い造詣をもっていた野村の旧蔵資料を紹介し、美術史・音楽史の識者とともに〈score〉の構想がいかに育まれたのかを読みときます。
第1部《‘moon’score》の誕生と〈score〉の全体像
第1期《‘moon’score》の始まり―LP盤発表まで
第2 期 音楽性の追求
第3 期 視覚から数値データに移行して
お 話:吹田哲二郎(サウンドアーティスト/京都市立芸術大学美術学部非常勤講師)
演 奏:北村千絵(声楽家/ヴォイス パフォーマー/京都市立芸術大学音楽学部非常勤講師)
聞き手:岡田加津子(京都市立芸術大学音楽学部教授)
第2部クロス・トーク「野村仁の〈score〉再考」
司 会:菊川亜騎 (同プロジェクト研究者/京都市立芸術大学芸術資料館 学芸員)
登壇者:岡田加津子、金氏徹平 (同プロジェクト研究者/京都市立芸術大学美術学部准教授)
北村千絵、吹田哲二郎、髙木 遊 (金沢21世紀美術館アシスタント・キュレーター)
藪前知子 (東京都現代美術館学芸員) 〈五十音順、敬称略〉
日時 2026年2月14日|土|13:00–17:00(開場12:30)
会場 京都市立芸術大学 C棟3階 講義室5
*C棟入口よりエレベーターでお越しください
定員 50名程度(参加費無料・予約不要)
主催:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター・京都市立芸術大学 芸術資料館
企画:芸術資源研究センター スタートアッププロジェクト野村仁関連資料研究
協力:有限会社野村研究室・アートコートギャラリー
フライヤーデザイン:南 琢也
ギャラリー@KCUAにて開催中の金氏徹平とthe constructionsによる展覧会「tower (UNIVERSITY)」 の会場では、野村仁旧蔵のレコード・コレクションをご紹介しています。あわせてご覧ください。
北村千絵
京都市立芸術大学音楽学部を卒業後、ロンドンに留学。1991年より京都市立 芸術大学音楽学部非常勤講師(英語)。ルネサンスから現代まで、主に英語を テキストに持つ作品を歌い、朗読でも好評を得る。また、20年以上のキャリアを 持つ声の即興演奏では、幅広い音域、ノイズともとれる「音」としての声を駆使し、 多くのミュージシャン、ダンサーとの共演を果たしている。
吹田哲二郎
1986年より音響彫刻の研究を始める。1989年に《‘moon’ score》の実音化に 取り組み、同年より野村仁の〈score〉シリーズの制作・演奏に継続的に関わる。 1993年からソーラーカープロジェクトに参加。現在は京都市立芸術大学にて サウンド・エデュケーションを行う傍ら、京都の伝統芸能の保存継承にも取り組んでいる。
髙木 遊
金沢21世紀美術館 アシスタント・キュレーター。ホワイトキューブにとらわれない場での実践を通して、共感の場としての展覧会のあり方を模索している。主な企画展覧会として「生きられた庭 / Le Jardin Convivial」(京都、2019)、「二羽のウサギ / Between two stools」(東京、2020)、「Standing Ovation / 四肢の向かう先」(静岡、2021)のほか、金沢21世紀美術館では「アペルト17 SCAN THE WORLD 」(2022)、「コレクション展 2:電気-音」(2023)、「Everything is a Museum」(2024)、「SIDE CORE:Living road, Living space / 生きている道、生きるための場所」(2025)などがある。
藪前知子
東京都現代美術館学芸員。企画担当した展覧会に「大竹伸朗 全景 1955-2006」(2006)、「山口小夜子 未来を着る人」(2015)、「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」(2015)、「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」(2020)、「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」(2021)、「日本現代美術私観 高橋龍太郎コレクション」(2024)、「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジコ Time Unfolding Here」(2025、以上、東京都現代美術館)など。
