鼎談のお知らせ

Anthro-film Laboratory 36

鼎談 『芸術と人類学の交差点で書き、創り、教えるとき』

日時:2019年7月9日 (火)17:30ー
会場: 京都市立芸術大学芸術資源研究センター
※参加予約等、必要なし

■話す人

池内須摩(シカゴ美術館附属美術大学 )
川瀬慈 (国立民族学博物館/総合研究大学院大学)
佐藤知久(京都市立芸術大学)

■要旨

アメリカの作家カート・ヴォネガットが、「自然科学のようなふりをしている詩を学んでみてはどうか」という指導教授の誘いに惹かれて文化人類学の世界に足を踏み入れたという話があります。マヤ・デレン、ウルスラ・ル・グイン、グレゴリー・ベイトソンなど、芸術と人類学の境界を自由に生きた面白い人たちというのはけっこうたくさんいますが、一方で学問的、科学的な人類学がこの種の領域横断的な思想のほとばしりを押さえてしまうことも多いです。かくいうヴォネガットの修士論文も型破りであったことからシカゴ大学に受理されず、数十年後に大学が彼の小説に修士号を与えると言いだすまで、学位は授与されませんでした。
今でこそ全く別々の分野と見られがちな芸術と人類学ですが、その接点から噴き出す創造力は、ふたつの領域の原点が酷似していることを示唆してはいないでしょうか。では、学問的な枠組みの中に身をおきながらも、芸術と人類学の交差点で書き創り教えることには、今日いったいどんな意味があるのでしょうか。池内須摩による話題提供、問題提起を中心に「芸」と「学」の境界にて活動する三人が鼎談を行います。

■Profile

池内須摩(いけうちすま)
文化人類学者。兵庫県出身。北海道大学卒業後に渡米、米国のエモリー大学人類学部より博士号を取得。シカゴ美術館附属美術大学(School of the Art Institute of Chicago)教養学部助教。
著書には日本における日系ブラジル人還流移民と南米宗教の伸長についてのエスノグラフィー『Jesus Loves Japan: Return Migration and Global Pentecostalism in a Brazilian Diaspora』(スタンフォード大学出版)があり、映像作品では全米人類学会の映像人類学分科会映画祭で発表した『In Leila’s Room』がある。日本の移民や宗教について研究しつつ、アメリカの美大の学生に人類学・宗教学・移民学を教えており、芸術と人類学の交差点について模索中。www.sumaikeuchi.com/

川瀬慈(かわせいつし)
映像人類学者、国立民族学博物館/総合研究大学院大学准教授
www.itsushikawase.com/japanese

佐藤知久(さとうともひさ)
文化人類学者、京都市立芸術大学教授

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