第40回アーカイブ研究会のお知らせ

アートと人類学が交わる場所:ブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館(MOA)の取り組み


撮影: Cory Dawson。ブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館提供。


本発表ではブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館(MOA)での取り組みを紹介する。カナダ先住民コレクションで知られている博物館だが、実は全体の約40%の資料がアジアのもの。カナダ先住民とアジアとの繋がりにも視点を置いて、人類学博物館でアーティストとコラボすることの意義を考察する。

ジェイムズ・クリフォードが博物館をコンタクト・ゾーンと呼んだように、博物館は異なる文化や視点が接触、または衝突する場所でもある。異文化交流という単純なものではなく、博物館の歴史を辿ると植民地主義との関係が浮かび上がる。誰が、何をどのように収集し展示してきたのか。コレクション活用を通してコミュティとのつながりを築くことで、博物館を脱植民地化することへの試みも提示する。語りづらい歴史や経験をどう伝えていくのか、博物館、人類学やアートを通して何が出来るのかを一緒に考えたい。
中村冬日


講師:中村冬日(なかむら・ふゆび)
芸術人類学と博物館学を専門にする社会文化人類学者。ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)人類学博物館キュレーター、およびアジア研究学科教員。オックスフォード大学から博士号を取得後、オーストラリア国立大学、アルゼンチン国立東洋美術館、東京大学での勤務を経て2014年より現職。著書に『Asia through Art and Anthropology: Cultural Translation across Borders』、『Traces of Words: Art and Calligraphy from Asia』など。東日本大震災後に長期ボランティアをしたことをきっかけに、2011年以降は東北で調査を行なっている。3.11をテーマとした展覧会『記憶のための未来/A Future for Memory』は博物館人類学分野で名誉あるMichael M. Ames Prize for Innovative Museum Anthropologyを受賞。


日 時:2023 年12月10日(日)14:00-16:00
会 場:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
▶︎アクセス
申込不要・参加無料
チラシ

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