展覧会のお知らせ

「クロニクル京都1990s―ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る」


会期|2018年10月6日(土)~1月20(日)10:00~22:00(最終入館 21:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
※ただし2019年1月1日(火・祝)は22:00まで(最終入館 21:30)
会場|森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
主催|森美術館
企画|椿 玲子(森美術館キュレーター)、石谷治寛(京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員)
協力|京都市立芸術大学芸術資源研究センター、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ(アーティスト)、山中 透(ミュージシャン)、シモーヌ深雪(シャンソン歌手、ドラァグクィーン)、佐藤知久(京都市立芸術大学芸術資源研究センター准教授)
料金|一般 1,800円/学生(高校・大学生)1,200円/子供(4歳~中学生)600円/シニア(65歳以上)1,500円※「カタストロフと美術のちから展」チケットで鑑賞可
ウェブサイト|https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamresearch006/index.html


〈展覧会経緯〉

「クロニクル京都1990s―ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る」は森美術館の「MAMリサーチ006」で、芸術資源研究センターの研究員石谷治寛と森美術館のキュレーターの椿玲子の共同企画です。本企画のもととなる調査は、2016年末からアーティスト、ブブ・ド・ラ・マドレーヌさんの協力で旧アートスケープに残された資料調査に端を発します。芸術資源研究センターでは、第17回アーカイブ研究会「エイズ・ポスター・プロジェクトを振り返る」http://www.kcua.ac.jp/arc/2017/05/17/で、当時の主催者たちとのディスカッションを行いました。
その後、関係者の協力を得て、資料の整理、映像テープやスライドのデジタル化、ビデオ・インタビューを行ってきました。
今回の展示では、それらの資料に加えて、マルチメディア・アーティスト集団ダムタイプ制作のポスターやチラシ、コンピレーション映像、本学卒業生も立ち上げに尽力したクラブイベント「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」のフライヤーなども収集し、壁面に複製展示しております。
芸術資源研究センターでは2015年度に古橋悌二『LOVERSー永遠の恋人たち』(1994年)の修復を行い(http://www.kcua.ac.jp/arc/lovers/)、2016年度には、京都芸術センターでの展示に協力しましたが、本作の歴史的文脈を1990年代に焦点をあてて検討する資料展示にもなっています。
12月11日、12月12日には以下の関連プログラムも行われています。
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamresearch006/03/index.html


〈関連イベント〉

ドラァグクィーン・パーティー&フィルム・スクリーニング
「DIAMONDS ARE FOREVER TOKYO」
本イベントの第1部では、ドラァグクィーン・パーティーと『ダイヤモンド・アワー』(1994)の上映が一体となったゴージャスかつ実験的なパフォーマンスが行われます。『ダイヤモンド・アワー』とは、「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」にレギュラー出演していたD・K・ウラヂが、ミス・グロリアス(*1)をヒロインに、当時のレギュラーメンバーであったドラァグクイーンたちを、総出演させて自主制作した映像作品です。1992年にHIV感染を告白したミス・グロリアスの身体がクリスタル・シティに見立てられ、その中で繰り広げられるHIVウイルスとの闘いとその果ての死を、時にスタイリッシュに、時にブラックユーモアたっぷりに描いた、日本初のドラァグクイーン・ムービーです。その映像作品の中で繰り広げられるショーの数々を、当時の出演者と現在「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」に出演中のドラァグクィーンたちが、映像に合わせてパフォーマンスを繰り広げていきます。
第2部では、ドラァグ・スタイルのレヴューショーを、パフォーマー総出演でめくるめく華やかさでお届けします。ダンスタイムは「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」のレギュラーDJであり、山中透名義でダムタイプやオン・ケンセンの音楽を担当したDJ LaLaと、ピチカート・ファイヴの小西康陽をレギュラーゲストに迎え、渋谷系ラウンジパーティーを主催しているDJ korが務めます。オープンからラストまで、エキセントリックな空間の顕現に、誰もが未体験の衝撃を受けることでしょう。
*1 ミス・グロリアス=古橋悌二(故人)

出演:DJ LaLa、DJ kor、シモーヌ深雪、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、マミー・ムー・シャングリラ、フランソワ・アルデンテ、アフリーダ・オー・ブラート、そよ風さん、ショコラ・ド・ショコラ、サナ・サイーダ、オナン・スペルマーメイド、ダイアナ・エクストラバガンザ、エンジェル・ジャスコ、おりいぶぅ、ウラジミール・パウダリーナ ほか

日時|2018年12月11日(火)19:30~0:30(受付開始 19:00)パーティー・スタート 19:30パーティー・クローズ 0:30
1部 飛び出すダイヤモンド・アワー(3D)
2部 Show The Revue on Revue
会場|AiSOTOPE LOUNGE(アイソトープ・ラウンジ)
〒160-0022 東京都新宿区新宿2丁目12-16 セントフォービル1階
問い合わせ|AiSOTOPE LOUNGE Tel: 03-6380-1504
料金|当日3,500円(1ドリンク付き)、フライヤー割引3,000円(1ドリンク付き)※本イベントのフライヤーを当日ご持参ください。
主催|DIAMONDS ARE FOREVER
協力|森美術館

Akira Otsubo 「Shadow in the House」展開催のお知らせ

Akira Otsubo 「Shadow in the House」


2018年3月22日(木)~31日(土)10:00 – 17:00

会場|京都市立芸術大学 小ギャラリー

主催|京都市立芸術大学 芸術資源研究センター

企画|高嶋慈

助成|平成29年度 京都市立芸術大学 特別研究助成

チラシ


〈展覧会概要〉

大坪晶の写真作品《Shadow in the House》シリーズは、時代の変遷とともに所有者が入れ替わり、多層的な記憶を持つ家の室内空間を被写体としています。室内に残る歴史の記録であると同時に、ダンサーが動いた身体の軌跡を長時間露光撮影によって「おぼろげな影」として写し込むことで、何かの気配や人がそこにいた痕跡を想像させます。それは、複数の住人の記憶が多重露光的に重なり合い、もはや明確な像を結ぶことのできない記憶の忘却を指し示すとともに、それでもなお困難な想起へと開かれた通路でもあります。

大坪は近年、日本各地に現存する「接収住宅」(第二次世界大戦後のGHQによる占領期に、高級将校とその家族の住居として使用するため、強制的に接収された個人邸宅)を対象とし、精力的なリサーチと撮影を続けています。撮影場所の選定にあたっては、建築史や都市史研究者から提供を受けた論文や資料を参照するとともに、「接収住宅」の所有者の遺族や管理者への聞き取りを行っています。展覧会は、《Shadow in the House》を写真作品、関連資料、資料に基づいた作品、批評テクストからなる複合的なインスタレーションとして構成します。これらを通して、「住宅」という私的空間から大文字の「歴史」や異文化の接触を捉え直す視座を開くとともに、接収の実態や生活様式の変遷が今日の私たちの文化や精神性に与えた影響についても考える機会とします。

また、会期中には、都市史研究者の村上しほり氏と、写真史・視覚文化研究者の林田新氏をお招きしたシンポジウムを開催いたします。


〈関連シンポジウム〉

「記憶⇄記録をつなぐ」Vol.2

2018年3月25日(日)14:00-16:00(参加無料、予約不要)

会場:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター

●第一部

アーティストトーク(大坪晶)

レクチャー

「占領下の都市と接収:その記録と記憶」村上しほり(神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 研究員)

「Sujin Memory Bank Project:柳原銀行記念資料館と地域の記憶」林田新(京都造形芸術大学 アートプロデュース学科専任講師)

●第二部

ディスカッション「記憶⇄記録をつなぐ 」

参加者 : 村上しほり、林田新、大坪晶、高嶋慈(京都市立芸術大学 芸術資源研究センター 研究員)

 

 

 

 

「Memory Bank Project #02  BANK――映画『東九条』でつなぐこと――」開催のお知らせ

 

「Memory Bank Project #02  BANK――映画『東九条』でつなぐこと――」

明治32年に柳原町(崇仁地域)の町長であった明石民蔵らによって設立された柳原銀行。柳原銀行記念資料館は,その建物を移築・復元したもので,1997年の開館以来,地域の歴史,文化,生活資料を収集・展示してきました。かつて銀行であった建物には,現在,この地域にまつわる多様な記録資料が蓄えられています。「Sujin Memory Bank Project」とは,銀行に貯蓄されている地域の「記憶」をひとときの間お借りし,アーカイブ/ドキュメントについて,地域の歴史について実践的に考察していこうというプロジェクトです。2016年に開催した「Sujin Memory Bank Project #01 デラシネ――根無しの記憶たち」では,資料館所蔵の私的な写真を取り上げて展示を行いました。第二回目となる今回は資料館所蔵の映画「東九条」を取り上げ,上映展示を行います。

1969年に公開された映画「東九条」は,差別や貧困といった当時の東九条の厳しい現実を告発すべく制作された自主制作映画です。映画が映し出すのは1968年の東九条。2004年公開の映画「パッチギ!」と同じ時代と場所を描いています。手持ちの8mmカメラが東九条で営まれる人々の暮らしに深く分け入っていきます。監督を務めたのは山内政夫。現在の柳原銀行記念資料館事務局長です。

東九条が大きく様変わりした現在,この映画がかつて持っていた告発のリアリティは後景に退いています。さらに,資料館が保存するこの映画には当時あったはずの音声トラックがありません。1968年に撮影されてから時を経て,声を失ったこの映画は私たちに何を語りかけてくるのでしょうか。映画の冒頭では,1960年代の鴨川沿いの土手=bankに密集して立ち並ぶ家々が映し出されます。その少し上流,崇仁に建つかつての銀行=bankでこの映画は,過去と現在を,東九条と崇仁をゆるやかに結び合わせていくことでしょう。

会期:2018年3月1日〜4月22日
会場:柳原銀行記念資料館
企画:林田新、髙橋耕平、見増勇介
主催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター、柳原銀行記念資料館
助成:平成29年度京都市立芸術大学特別研究助成
チラシ

京都芸大「今熊野・岡崎学舎」井上隆雄写真展のお知らせ


京都芸大「今熊野・岡崎学舎」井上隆雄写真展

—もう一つの『描き歌い伝えて』—
井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブ実践研究


  • 日時:2018年2月7日(水)ー2月11日(日)13:00-17:00、会期中無休
  • 場所:元・崇仁小学校 南校舎2F
  • 企画:山下晃平(「井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究」プロジェクトリーダー)、  入澤聖明(京都市立芸術大学大学院博士後期課程、近現代工芸史)、岡崎藍(日本画専攻4回生)、   西尾友希(ビジュアルデザイン専攻4回生)、林宏枝(ビジュアルデザイン専攻4回生)
  • 主催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター
  • 協力:小牧徳満(美術家)
  • 助成:平成29年度京都市立芸術大学特別研究助成
  • チラシ

    〈展覧会概要〉

    2017年4月より京都市立芸術大学芸術資源研究センターでは、本学出身であり写真家として数々の功績を残された井上隆雄さんの膨大な写真関連資料をお預かりし、調査研究を進めています。今年の資料調査で、京都市立芸術大学が現在の沓掛に移転する前の「今熊野・岡崎学舎」(1926年から1980年まで)の写真プリントが多数保管されていることを確認しました。調査の結果、その中には1980年に刊行された今熊野・岡崎学舎の記録集『描き歌い伝えて』には掲載されていない写真も含まれています。

    そこで本展では、井上隆雄さんが残したこの京都芸大今熊野・岡崎学舎の写真プリントやポジ・ネガ、記録集作成のための資料を展示するとともに、本プロジェクト「井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブ実践研究」の活動紹介を行います。

    そのため本展は単なる写真展ではありません。書籍・プリント・ネガ・ポジ・メモ類等、関連資料を併置することで、表現の多様化やデジタルメディアの発展とともにその動向が注視されているアーカイブ、すなわち資料の分類・調査・管理・利活用の意義を検証します。また現在、京都市立芸術大学は沓掛からこの崇仁地区への移転を計画しています。この元・崇仁小学校を舞台に、「今熊野・岡崎学舎」の写真を展示し、今熊野・岡崎→沓掛→崇仁地区という長い年月を一つに重ね合せることで、移転や歴史について考えるささやかな場となるでしょう。

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