《相対温室》資料展
作家が遺した作品の一部は、「芸術資源」として、未来の創造活動や記憶の共有にどうつながるでしょうか。
國府理(1970-2014、京都市立芸術大学彫刻専攻修了)は、自動車などの乗り物をモチーフに、可動性や強度をそなえた 大型立体作品を制作した美術作家です。遺作の《相対温室》(2014)は、循環する水によって木製プランターから植物の種が芽吹き、生態系への思考をうながす作品です。
國府が制作した木製プランター18個をご遺族より提供いただきました。学生の皆さんに、作品の素材や学内での活動として再活用してもらうことを目的とし、《相対温室》の資料展示と再活用プラン案を募集します。再活用の事例は、成果発表の機会を設ける予定です。
2024年は、國府が事故で急逝してから10年の節目の年にあたります。國府は、自動車やパラボラアンテナなど工業製品を素材に用いつつ、植物や水という自然現象を取り込み、人工と自然の共生関係を考えてきました。都市部に移転した崇仁キャンパスで、隣接する高瀬川など植物や自然との共生を考える上でも、國府作品が示唆を与えてくれるでしょう。
國府自身、自動車のエンジンを水槽の中で稼動させるなど、「自動車」の本来の機能を逸脱・拡張する作品を制作しました。今回の「プランター」の使いみちも、植物生育用に限定されません。絵の支持体にする、版木にする、楽器の素材にする、ボートにして高瀬川に浮かべてみる・・・再活用のアイデアは無限大に開かれています。学生の皆さんからのたくさんの応募をお待ちしています。
日時:2024年12月15日(日)〜23日(月)/12:00~18:00 無休
会場:京都市立芸術大学B棟1階 交流室
主催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター2024年度「現代美術の保存修復/再制作の事例研究―國府理《水中エンジン》再制作プロジェクトのアーカイブ化」
協力:國府克治、青木兼治、ARTCOURT Gallery
フライヤーデザイン:駒井志帆
チラシ(PDF)
説明会
会期中に学生を対象とした説明会を開催します。記録映像の特別上映と《相対温室》についてのミニレクチャー後、再活用のアイデアをブレーンストーミング的に話し合います。
日時:2024年12月19日(木)/15:30~17:00
申込不要・途中参加OK
会場:京都市立芸術大学C棟6階 多目的ギャラリー(601)
木製プランターの再活用プラン案の募集
締め切り:2025年3月15日(土)
結果通知:2025年3月末
制作期間:2025年4月以降~
成果発表:2025年秋頃予定
國府理(1970-2014)
1994年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。自動車などの乗り物をモチーフに「夢の乗り物」を思わせる大型の立体作品を制作。造形表現に加え、実際の機能性も持ち合わせる。野村仁が主宰するソーラーカー・プロジェクトに参加し、技術面で支えた。また、テクノロジーとエコロジーの関係への関心から、植物や水を取り込み、文明社会と自然環境を対比させる作品を発表した。《相対温室》が展示された国際芸術センター青森での個展において、展示作品の点検中の事故で急逝した。
再活用を予定している「木製プランター」
高さ25cm✕横幅35cm✕長さ(奥行き)194cm ×計18個
《相対温室》(2014)
鉄塔に載せられた水槽から、高低差により樋を伝って水が流れ、水は木製プランターの土を潤し、パラボラアンテナの皿に溜まっていく。溜まった水は少しずつ下の水路に落ち、ポンプの作動により再び水槽(=水源)に戻る。プランターでは植物の種が芽吹き、パラボラの皿には苔生した石が盆景をつくる。
「水棲生物を飼育する水槽」「プランター」「盆景」という「自然を人工的に切り取った箱庭的世界(=温室)」を一つのサイクルのもとに提示することで、水の循環や生態系への思考をうながす。
Ladakh in the 1970’s
-Exhibtion of Japanese Photographer TAKAO INOUE-
日本の写真家、井上隆夫(1940-2016)の展覧会がラダックの2会場で同時に開催されます。
日 時:2024年8月23日(金)〜
会 場:
Choskor House in old town of Leh 11:00-1800(日曜閉館/入場無料)
Palay house in Phey village 11:00-18:00(月曜閉館/入場無料)
オープニングイベント
会 場:Palay house 8月23日(金)16:30〜
会 場:Choskor House 8月24日(土)14:00〜
トークイベント
‘Inheriting Ladakh Heritage’
Buddhist wall paintings,pjotography,archives,and conservation
日 時8月24日(土)15:00-18:30
会 場:Chokhang Vihara (Leh Market)
プロジェクトページ
井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究
平野 愛 写真展「moving days in KCUA」関連イベント
「沓掛 1980–2023」プロジェクトアーカイブ展
本学に関わる方々が撮影した沓掛キャンパスの写真を集めて「個々人の記憶の集合体」をつくるデジタルアーカイブのプロジェクト等を紹介します。
会期:2024年6月29日(土)–2024年8月4日(日)
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 2F
開館時間:10:00 am–6:00 pm
休館日 月曜日
※7月15日(月・祝)は開館、翌平日の7月16日(火)を休館
入場料 無料
共催:京都市立芸術大学「沓掛 1980―2023」プロジェクト+芸術資源研究センター
平野 愛 写真展「moving days in KCUA」
会場 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
会期 2024年6月29日(土)–2024年8月4日(日)
開館時間 10:00 am–6:00 pm
休館日 月曜日
※7月15日(月・祝)は開館、翌平日の7月16日(火)を休館
入場料 無料
主催 京都市立芸術大学(2024年度京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA申請展)
企画 谷本天志(本学美術学部油画専攻特任教授)
企画調整 𡌶 美智子(本学芸術資源研究センター非常勤研究員)
制作補助 天羽生悠矢(京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程)
協力 株式会社フォトアンドカラーズ
誠光社
京都大学写真部
京都市立芸術大学「沓掛1980–2023」プロジェクト+芸術資源研究センター
お問い合わせ
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
Tel: 075-585-2010
メールでのお問い合わせは、
お問い合わせフォームからお送りください。
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令和6年3月をもって退任する美術学部油画専攻の石原友明教授の退任記念企画として「石原友明芸術資源展」を開催いたします。
石原友明展「SELFIES」と併せてご覧ください。
概要:美術作家石原友明についての芸術資源を、二種類の言説をまとめた「二冊の本」と、その他の関連資料を用いて展示します。これらの本は〈作家自身による〉言説をまとめたものと、美術批評家ら〈作家以外の書き手による〉言説をまとめたものです。そこから浮かびあがる「さまざまな相貌をもつ(あるいはもたされた)複数の作者像」は、ポストモダニズム期の美術作家にふさわしいとも言えますが、同時にそこには、書き手ーメディアによって意図的に切り出され複数化されていく「作家」の像を認めることも可能です。彼と彼以外の作者による二冊の本を軸に、芸術資源としての「言説」の意味について考察しながら、作家石原友明の思考とその創造活動への接近を試みます。
(佐藤知久/芸術資源研究センター教授)
石原友明芸術資源展
会 期:2024年3月20日(水・祝)〜3月31日(日)
開場時問:11:00 -17:00|入場無料
会 場:京都市立芸術大学C棟5F芸術資源研究センターアーカイビング・ラボ
主 催:京都市立芸術大学
企 画:芸術資源研究センター
協 力:MEM
フライヤーデザイン:水木塁
関連シンポジウム「もうこれで終わりにしよう。」
(第43回アーカイブ研究会として開催)
日 時:2024年3月30日(土)14:30-16:30
会 場:京都市立芸術大学 C棟1F 講義室1
(お越しの際は公共交通機関をご利用ください)
▶︎アクセス
申込不要・参加無料
登壇者:
石原友明(京都市立芸術大学美術学部油画専攻教授)
光田由里(多摩美術大学アートアーカイヴセンター 所 長・大学院教授)
佐藤知久(京都市立芸術大学芸術資源研究センター教授)
岸本光大(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)
石原友明展「SELFIES」
会 期:2024年3月20日(水・祝)〜3月31日(日)
開場時問:11:00 -17:00|入場無料
会 場:京都市立芸術大学C棟7F大学院制作室701-708
主 催:京都市立芸術大学
企 画:石原友明展実行委員会
展示構成:岸本光大
協 力:MEM
フライヤーデザイン:水木塁
概要:1980年代に写真や絵画、彫刻、インスタレーションを織り交ぜた複合的手法による作品で注目を浴びて以降、石原友明は「セルフポートレート」をはじめとした多様な表現形式を用いて、芸術や知覚に関わる根源的な問題を明らかにしてきました。その作品群は、芸術が芸術として成り立つ原理を検証する手段として評価を受けてきた一方で、現代や未来につながる身体観や「個」の在り方をも鋭く予見・示唆しています。
本展では関西初展示の近作や、重要な過去作を含む7つの作品シリーズを紹介。デジクル革新や社会情勢の混迷が進む現代における「わたし」をテーマに、石原の作品世界に内在する新たな意味を探求します。
(岸本光大/京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA学芸員)
チラシ
吉田亮人チェキ日記展と第35回アーカイブ研究会
第35回アーカイブ研究会では、有限会社松本工房と共催で、写真家の吉田亮人氏による対話と展示の実験「チェキ日記展」を開催します。
チラシPDF
写真の日常的な氾濫と、写真が呼び起こしているように思われるさまざまな形の関心のため、《それは=かつて=あった》という[写真の]ノエマは、抑圧されることはないとしても、わかりきった特徴として無関心に生きられるおそれがある。「温室の写真」は、まさにそうした無関心から私の目を覚まさせたところであった。
(ロラン・バルト『明るい部屋』)
このたび芸術資源研究センターでは、有限会社松本工房と共催で、写真家の吉田亮人氏による対話と展示の実験「チェキ日記展」を開催します。
吉田亮人氏は1980年生まれ。京都市在住の写真家で、その作品は国内外で展示・出版されており、高い評価を受けています。
本展では、吉田氏が写真家としてデビューする以前から、現在に至るまで撮り続けている膨大な量の家族写真に着目します。2009年からほぼ毎日、1日1枚「チェキ」フィルムで撮影された写真は、ひとつひとつに日付と短いことばが添えられ、同じ月光荘製のスケッチブックに収められています。ひと月で1冊分になるアルバムは今や百冊以上までに増え、現在もこの活動が続いています。
このアルバムはもともと家族写真なので、発表することも、他人に見せるつもりもなかったと吉田氏は言います。それはいずれ大きくなる子供たちへのプレゼントであり、あくまでプライベートなものでした。けれども、12年間におよぶごく日常的な家族の風景を記録した写真を見ていると、それは徐々に、ある種の普遍性をおびたものとして見えてきます。きわめてプライベートで、私的なコンテキストに埋め込まれた記録である他者の家族写真が、なぜか一枚一枚、この上なく貴重な、いとおしいものとして見えてくるのです。
今回考えてみたいことは、大きく分けてふたつあります。ひとつは、この記録/作品がもつ独特の魅力についてです。写真は《それは=かつて=あった》ことを伝えるものだと言われます。「誰かを写真に撮り、それを後で見る」という行為の連続体である「チェキ日記」には、いま目の前にある光景を忘れないための記憶装置としての写真の本質が、シンプルな形式で凝縮されているように思えてなりません。「チェキ日記」について考えることによって、わたしたちは、デジタルカメラによる写真について、他者の記憶と個々人の関係について、さらには、「記憶を呼び起こす」という行為と記録をアーカイブするメディアとの関係について、多くの示唆を得ることになると思います。
第二に、この記録/作品を広く世に出すための方法についてです。「チェキ日記」は、百冊以上のアルバムに貼られた、それぞれが「此性」をもつ写真によって構成されています。したがって、多数のプリント写真をアルバムをめくりながら見ることによってこそ、鑑賞行為が成立します。しかしこのことは、多くの人が直接手にとって感じるような展示形態がきわめて難しいことを意味します。では「チェキ日記」には、どのような展示-鑑賞形態がふさわしいのでしょうか。今後「チェキ日記」を出版するとしたときにも、数千ページの写真集にすればこの作品の良さは伝わるかもしれませんが、現実的にそれはきわめて困難です。では、どのようなかたちであれば、「チェキ日記」はその魅力を維持した「本」になりうるのでしょうか。この問いは、そもそも「オリジナル・プリント」とは何か、そして「写真集」とは何かという問いに、そして再び「アーカイブするメディア」についての問いに接続されていくでしょう。
本展は、展示と研究会の二部構成になります。まず8月24日から6日間、芸術資源研究センターの横にあるギャラリースペースで、オリジナルのアルバム全冊の展示はもとより、複製・拡大プリント・映像投影・展開掲示などの実験を試みながら、作品を公開します。つぎに、展示の終盤に行われる研究会では、吉田氏の写真集『THE ABSENCE OF TWO』(2019)のブックデザインを担当し、かねてより「チェキ日記」に着目してきた、グラフィックデザイナーで有限会社松本工房を運営している松本久木氏を迎えて、この作品の意味と、この作品を展示/出版するための方法について、対話の場を設けます。
|展示|2021年8月24日(火)~8月29日(日)10:00~17:00
会場:京都市立芸術大学 小ギャラリー
本展は、研究のための展示として、来場者を限定して開催いたします。来場は1日10名までに限定させていただきますので、ご了承ください。
来場希望の方は、下記のGoogle Formよりお申込みください。
▶︎申し込みフォーム
|研究会|8月28日(土)14:00~
オンライン開催
予約不要
芸資研YouTubeチャンネルよりライブ配信いたします。
展示と研究会の様子は、どちらも映像に記録し、芸資研YouTubeチャンネルより、後日配信予定です。
▶︎芸資研YouTubeチャンネル
主催:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター、有限会社松本工房
協力:富士フイルム、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
吉田亮人(よしだ・あきひと)
1980年宮崎県生まれ。京都市在住。滋賀大学教育学部卒業後、タイで日本語教師として1年間勤務。帰国後、小学校教員として6年間勤務した後、退職。2010年より写真家として活動開始。広告や雑誌を中心に活動しながら、「働く人」や「生と死」をテーマに作品制作を行い、国内外で高く評価されている。写真集に『Brick Yard』『Tannery』(以上、私家版)、『THE ABSENCE OF TWO』(青幻舎・Editions Xavier Barral)などがある。2021年、写真家としての10年間の活動を綴った書籍『しゃにむに写真家』(亜紀書房)を刊行。コニカミノルタフォトプレミオ2014年度大賞、日経ナショナルジオグラフィック写真賞2015・ピープル部門最優秀賞など受賞多数。KYOTOGRAPHIE 2017のメインプログラムとして公開された自身の祖母と従兄弟の日常を記録した「Falling Leaves」は、国内外の様々なメディアで取り上げられ大きな反響を呼んだ。
松本久木(まつもと・ひさき)
2007年よりグラフィックデザイン・組版・出版を主軸として活動を開始。クライアントには文化的・芸術的領域の団体や機関が多く、芸術関連施設での展覧会やイベントのデザインワーク、演劇・古典芸能・ダンスなどの舞台芸術の広報デザイン、大学・研究所・文化施設の広報物及び出版物の制作、人文・芸術・アート分野の出版及び装丁などを手がけている。緻密かつ繊細でありながら大胆で強い印象を与えるヴィジュアルイメージの構築と、深いコンテクストを持ちながらも抽象性の高いデザインワークに定評がある。2021年、第54回造本装幀コンクールでは、経済産業大臣賞と審査員奨励賞(京都市立芸術大学 芸術資源研究センター紀要「COMPOST vol.01」にて)を受賞。
井上隆雄「インド・ラダック仏教壁画」資料展
—井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究—
蘇る天空の密教図像
京都市立芸術大学芸術資源研究センターのプロジェクトの一つ「井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究」では、3月23日(火)より資料展を開催します。
「井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究」は、2017年4月より本学出身であり写真家として数々の功績を残された井上隆雄氏の膨大な写真関連資料をお預かりし、調査研究を進めています。その中にインド・ラダック地方の写真資料があり、外国人の入域制限が解かれた1974年頃の仏教壁画群に関する1,000点を超えるポジ類、多数の資料類があります。井上隆雄氏の写真資料は、当時の状態を鮮明に記録しており、また壁画の寸法やメモなどの取材記録もあります。
2018年11月よりアーカイヴ・学術(仏教美術)・実技(日本画)の研究者による共同研究「井上隆雄写真資料のアーカイヴ構築に基づいたラダック仏教壁画のグラフィック的観点からの表現技法研究」を開始しました。これまでにインド・ラダック仏教壁画に関するポジフィルムを15の寺院別に分類し、デジタル化を進めてきました。また高解像度のデジタルデータより、アルチ寺三層堂一階の「般若波羅蜜仏母」壁画に注目し、模写制作を行いました。
本資料展ではこれらアーカイヴ活動と図像研究の成果を井上隆雄氏の活動の軌跡とともに公開します。是非、この機会にご高覧頂ければ幸いです。
【アクセス】
〒610-1197 京都市西京区大枝沓掛町13-6
京都市立芸術大学小ギャラリー(大学会館内)
・桂駅東口:京阪京都交通バス、芸大前(約20分)で下車。バス停から徒歩ですぐ。
詳しくは、京都市立芸術大学ホームページをご確認ください。 http://www.kcua.ac.jp/access/
ご来場は、公共交通機関をご利用下さい。
*ご来館の際はマスクを着用ください。手洗い・手指消毒の感染予防対策にご協力ください。
【主催】
共同研究「井上隆雄写真資料のアーカイヴ構築に基づいたラダック仏教壁画のグラフィック的観点からの表現技法研究」
山下晃平(京都市立芸術大学美術学部非常勤講師、「井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究」プロジェクトリーダー)
加須屋誠(京都市立芸術大学芸術資源研究センター・客員研究員)
正垣雅子(京都市立芸術大学・日本画専攻准教授)
岡田真輝(京都市立芸術大学大学院・芸術学専攻修了生)
林宏枝(京都市立芸術大学・ビジュアルデザイン専攻卒業生)
【協力】京都市立芸術大学芸術資源研究センター
【助成】DNP文化振興財団グラフィック文化に関する学術研究助成
《バシェ音響彫刻 特別企画展》
1970年大阪万博から50年 〜 よみがえる響き ゆらめく身体 〜
バシェ音響彫刻は耳に響くだけでなく、身体に共振し、心の底の何かをゆり起こす。
これは古い修復楽器ではなく、新たな発見をもたらす音の未来装置かもしれない。
「バシェの音響彫刻」とは、ベルナール・バシェ(1917-2015)、フランソワ・バシェ(1920-2014)兄弟によって考案された、音の鳴るオブジェです。1970年大阪万博において鉄鋼館に展示する音響彫刻の製作を依頼されたフランソワ・バシェは、来日して17基の音響彫刻を作りました。しかし万博閉幕後、音響彫刻はすべて解体され、倉庫に保管されたまま世の中から忘れられていきました。2010年、鉄鋼館が「EXPO’70パビリオン」として再開されることとなり、それを機にバシェの音響彫刻を修復・復元する計画が進み始めました。現在までに修復され、音の出せる状態で保管されている音響彫刻6基のうち、2013年に修復された「高木フォーン」「川上フォーン」、2015年京都市立芸大で修復された「桂フォーン」「渡辺フォーン」、2017年東京藝術大学で修復された「勝原フォーン」の5基が、今年11月ギャラリー@KCUAに集います。そして修復に至るまでのアーカイブを展示すると共に、コンサートやパフォーマンス公演、ワークショップなどを行ないます。また、コンサート終了後は、バシェの音響彫刻と教育音具パレット・ソノールに実際に触れて、音を体感することができます。
会 場 :京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
展示室 :@KCUA 1, 2
会 期 :2020年11月7日(土)–2020年12月20日(日)
開館時間:11:00–19:00
休館日 :月曜休館(11月23日(月・祝)は開館)
入場料 :無料
主 催 :京都市立芸術大学
共 催 :東京藝術大学ファクトリーラボ
企 画 :京都市立芸術大学芸術資源研究センター バシェの音響彫刻プロジェクト
助 成 :2020年度 日本万国博覧会記念基金事業助成
協 力 :大阪府/万博記念公園マネジメント・パートナーズ(BMP)/バルセロナ大学/「L’association STRUCTURES SONORES BASCHET」(フランスのバシェ協会)/バシェ協会(日本)
お問い合わせ
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
チラシPDF
京都市立芸術大学・崇仁小学校の記録と記憶を継承するプロジェクト
崇仁小学校展|記憶のひきだし/見返りすうじん
2023年度,京都市立芸術大学が崇仁地区に移転します。
この移転に向けて2020年度に,崇仁小学校の建物は解体されます。
けれども,この建物であったことや思い出がなくなるわけではありません。
「崇仁小学校展|記憶のひきだし/見返りすうじん」は,たくさんの人たちが利用した崇仁小を,記憶がいっぱいつまった大きなひきだしに見立て,そのひきだしを引いたり出したりすることで,さまざまな人たちが記憶をひきし,見返しながら,未来に向けて継承していく催しです。
- 2020年3月20日(金・祝)〜3月31日(火)
- 3月23日,26日,30日はお休み
- 会場:元・崇仁小学校(京都市下京区川端町16)
- 参加無料(事前申込不要)
屋外展示
ミカエルさん
(制作・伊達伸明)
ミカエルさんのTwitter公開中!
日々変化を続けるミカエルさんの動向をチェックできます。
制作過程、校内散歩、バージョン変更企画などを随時発信!
展示
崇仁小学校資料展
「崇仁小学校をわすれないためにセンター」
会場:南校舎1階ギャラリースペース
参加方法:直接会場へお越しください。
入場無料
参加型展示・展示
校舎のかけら〈ーここでなにがあった?ー〉
会場:元崇仁小学校全体(参加型展示),南校舎1階ギャラリースペース(展示)
参加方法:南校舎西側入り口の受付でシールを受け取ってください。(無料)
写真展
懐かしい崇仁小学校の卒業生・教員の写真展
崇仁自治連合会と共催。歴代の卒業生・教職員集合写真を展示します。
会場:南校舎1階
入場無料
展示
100年後の未来に伝える崇仁地域の今
崇仁発信実行委員会と共催。崇仁地域の現在の姿を住民・学生と共に制作した写真や映像で紹介します。
会場:南校舎1階ギャラリースペース
入場無料
崇仁小学校アトリエ利用者による展示
劇団三毛猫座
舞台美術・衣装展
京都市立芸術大学出身者を中心に活動している劇団三毛猫座の舞台美術・意匠の展示です。
開催日:3月20日(金・祝日)~22日(月)
ギャラリー崇仁完成見学会
ギャラリー崇仁は、寺岡波瑠により設計され,約2年間京都市立芸術大学に関係のある様々なアーティストにより展覧会を開催してきました
本見学会は、ギャラリー崇仁の最後のイベントです。
開催日:3月14日(土)~29日(日)12:00-17:00
会場:本館1階 ギャラリー崇仁
コーディネーター¦SCRAPANTISE(黒川岳/寺岡波瑠/平田万葉)
新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、開催期間中は、アルコール消毒液を会場に配備するとともに、状況に応じて開催内容を変更する場合があります。ご了承ください。
チラシ
主催|京都市立芸術大学・崇仁小学校の記録と記憶を継承するプロジェクト共催|崇仁自治連合会 崇仁発信実行委員会
お問合せ|京都市立芸術大学芸術資源研究センター tel /fax 075-334-2217
プロジェクト「うつしから読み取る技術的アーカイブ」
「模写を読む-画家は何をうつしてきたのか」
京都市立芸術大学芸術資料館の収蔵品は,来年140年を迎える本学の歴史の中で,様々な機会を得て集められてきました。それは本学にとって歴史の語り部ともいえます。
模写は古くから絵画の学習における一 段や,貴重で実見が難しい本物の代用品などの役割を担ってきました。近代以降はその目的・役割が多様化し,それとともに様式も変化しています。例えば次のような用途が挙げられます。
・美術学校という研究,教育機関の資料
・文化財の現状を正確に記録する資料
・運筆手本に代わる初学者用の手本
・時代による 「さび」を含めて味わう鑑賞絵画
・科学的な分析を活用した復元
これらの用途の違いによって,線一本の描き方も違ってきます。一見,変わらないものの代表のように見える古画の模写ですが,実は極めて歴史的な産物なのです。
本学の資料館には,江戸時代から平成まで,数多くの模写が所蔵されています。これらを読み解くことで,人の手でうつし伝えられてゆくものの可視化を試みます。
【主な展示予定作品】
村上華岳《釈迦成道図》(模本)1912年
林司馬《法隆寺金堂六号壁観音菩薩像》(模本)1948年ほか
本展企画担当
美術学部日本画博士課程/非常勤講師 小林玉雨
美術学部教授 田島達也
- 会期:2019年10月26日(土)-12月1日(日)9:00−17:00 月曜休館(月曜日が祝日の場合は翌火曜日休館)
- ギャラリートーク:11月26日(12:15~12:45)
- 会場:京都市立芸術大学 資料館
- 入場無料
うつしから読み取る技術的アーカイブ
「クロニクル京都1990s―ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る」
会期|2018年10月6日(土)~1月20(日)10:00~22:00(最終入館 21:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
※ただし2019年1月1日(火・祝)は22:00まで(最終入館 21:30)
会場|森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
主催|森美術館
企画|椿 玲子(森美術館キュレーター)、石谷治寛(京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員)
協力|京都市立芸術大学芸術資源研究センター、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ(アーティスト)、山中 透(ミュージシャン)、シモーヌ深雪(シャンソン歌手、ドラァグクィーン)、佐藤知久(京都市立芸術大学芸術資源研究センター准教授)
料金|一般 1,800円/学生(高校・大学生)1,200円/子供(4歳~中学生)600円/シニア(65歳以上)1,500円※「カタストロフと美術のちから展」チケットで鑑賞可
ウェブサイト|https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamresearch006/index.html
〈展覧会経緯〉
「クロニクル京都1990s―ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る」は森美術館の「MAMリサーチ006」で、芸術資源研究センターの研究員石谷治寛と森美術館のキュレーターの椿玲子の共同企画です。本企画のもととなる調査は、2016年末からアーティスト、ブブ・ド・ラ・マドレーヌさんの協力で旧アートスケープに残された資料調査に端を発します。芸術資源研究センターでは、第17回アーカイブ研究会「エイズ・ポスター・プロジェクトを振り返る」http://www.kcua.ac.jp/arc/2017/05/17/で、当時の主催者たちとのディスカッションを行いました。
その後、関係者の協力を得て、資料の整理、映像テープやスライドのデジタル化、ビデオ・インタビューを行ってきました。
今回の展示では、それらの資料に加えて、マルチメディア・アーティスト集団ダムタイプ制作のポスターやチラシ、コンピレーション映像、本学卒業生も立ち上げに尽力したクラブイベント「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」のフライヤーなども収集し、壁面に複製展示しております。
芸術資源研究センターでは2015年度に古橋悌二『LOVERSー永遠の恋人たち』(1994年)の修復を行い(http://www.kcua.ac.jp/arc/lovers/)、2016年度には、京都芸術センターでの展示に協力しましたが、本作の歴史的文脈を1990年代に焦点をあてて検討する資料展示にもなっています。
12月11日、12月12日には以下の関連プログラムも行われています。
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamresearch006/03/index.html
〈関連イベント〉
ドラァグクィーン・パーティー&フィルム・スクリーニング
「DIAMONDS ARE FOREVER TOKYO」
本イベントの第1部では、ドラァグクィーン・パーティーと『ダイヤモンド・アワー』(1994)の上映が一体となったゴージャスかつ実験的なパフォーマンスが行われます。『ダイヤモンド・アワー』とは、「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」にレギュラー出演していたD・K・ウラヂが、ミス・グロリアス(*1)をヒロインに、当時のレギュラーメンバーであったドラァグクイーンたちを、総出演させて自主制作した映像作品です。1992年にHIV感染を告白したミス・グロリアスの身体がクリスタル・シティに見立てられ、その中で繰り広げられるHIVウイルスとの闘いとその果ての死を、時にスタイリッシュに、時にブラックユーモアたっぷりに描いた、日本初のドラァグクイーン・ムービーです。その映像作品の中で繰り広げられるショーの数々を、当時の出演者と現在「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」に出演中のドラァグクィーンたちが、映像に合わせてパフォーマンスを繰り広げていきます。
第2部では、ドラァグ・スタイルのレヴューショーを、パフォーマー総出演でめくるめく華やかさでお届けします。ダンスタイムは「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」のレギュラーDJであり、山中透名義でダムタイプやオン・ケンセンの音楽を担当したDJ LaLaと、ピチカート・ファイヴの小西康陽をレギュラーゲストに迎え、渋谷系ラウンジパーティーを主催しているDJ korが務めます。オープンからラストまで、エキセントリックな空間の顕現に、誰もが未体験の衝撃を受けることでしょう。
*1 ミス・グロリアス=古橋悌二(故人)
出演:DJ LaLa、DJ kor、シモーヌ深雪、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、マミー・ムー・シャングリラ、フランソワ・アルデンテ、アフリーダ・オー・ブラート、そよ風さん、ショコラ・ド・ショコラ、サナ・サイーダ、オナン・スペルマーメイド、ダイアナ・エクストラバガンザ、エンジェル・ジャスコ、おりいぶぅ、ウラジミール・パウダリーナ ほか
日時|2018年12月11日(火)19:30~0:30(受付開始 19:00)パーティー・スタート 19:30パーティー・クローズ 0:30
1部 飛び出すダイヤモンド・アワー(3D)
2部 Show The Revue on Revue
会場|AiSOTOPE LOUNGE(アイソトープ・ラウンジ)
〒160-0022 東京都新宿区新宿2丁目12-16 セントフォービル1階
問い合わせ|AiSOTOPE LOUNGE Tel: 03-6380-1504
料金|当日3,500円(1ドリンク付き)、フライヤー割引3,000円(1ドリンク付き)※本イベントのフライヤーを当日ご持参ください。
主催|DIAMONDS ARE FOREVER
協力|森美術館