ワークショップのお知らせ

定員に達しましたので申し込みは終了させていただきました(2016/02/09)。

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文化庁平成27年度メディア芸術連携促進事業 タイムベースト・メディアを用いた美術作品の修復/保存に関するモデル事業 京都市立芸術大学芸術資源研究センターワークショップ

「メディアアートの生と転生――保存修復とアーカイブの諸問題を中心に」

京都市立芸術大学芸術資源研究センター(以下「センター」)は,学内外の芸術作品や各種資料等「芸術資源」のアーカイブ化を通して,将来の新たな芸術創造につなげることを目的に,2014年4月に発足しました。
センターでは,文化庁平成27年度メディア芸術連携促進事業「タイムベースト・メディアを用いた美術作品の修復/保存に関するモデル事業」として,古橋悌二《LOVERS》(1994年)の修復と保存をはじめとする,メディアアートの修復と保存に関する調査研究を行っています。
メディアアートは,従来の絵画や彫刻と異なります。様々な技術や素材を用いて作られているため,最新技術を用いた作品がやがて古色を帯びたり,部品の故障や摩耗によって動作しなくなることもあります。裏を返せば,メディアアートは,私たちと同じように生きていると言えないでしょうか。だからこそ,たえざるケアとメンテナンスを必要としているのです。メディアアートにおいて,何をどのように保存修復し,そのためにどんな情報をアーカイブ化するのかという問題は,このメディアアートの生と密接に関係しています。
メディアアートは,保存修復によって,制作時とは異なるものになる場合もあります。また,動作しなくなって,アーカイブの情報の中に生き続ける場合もあるでしょう。それは,ドイツの思想家ヴァルター・ベンヤミンが翻訳論で述べた「死後の生」というよりは,存在の構成を変えて,生を転じて生きているようにも思えます。今回のワークショップでは,こうしたメディアアートの生と転生について,メディアアートの保存修復やアーカイブ事業に取り組んでいるアーティスト,学芸員,研究者を招いて考察します。


  • 日時:平成28年2月14日(日曜日)13:30~16:45(13:00 受付開始)
    11:00~13:00 修復された《LOVERS》の公開(申込不要。修復作業の設置状態での鑑賞ですので、通常の作品の鑑賞とは異なります)
  • 会場:元・崇仁小学校(京都市下京区川端町16)
  • 要事前申込(先着50名)
  • 事前申込方法:メールで受け付けています。
    ①参加をご希望される方の氏名,②人数をご明記の上 arc@kcua.ac.jp へメールを送信してください。(メールでのお申込みが困難な方は,往復ハガキまたはFAXでお申込みください。)
    ※事前申込みをされてから1週間経っても返信メールが届かない場合は,お手数ですが当事務局までお問い合わせください。
  • 問い合わせ先:芸術資源研究センター事務局 tel:075-334-2231 mail:arc@kcua.ac.jp
  • チラシ

第1部 「古橋悌二《LOVERS》とその修復」(13:30~14:15)
13:30~14:15 「古橋悌二《LOVERS》とその修復について」(高谷史郎、聞き手=石原友明)
休憩(14:15~14:30)
第2部 共同討議「メディアアートの保存修復とアーカイブの諸問題」(14:25〜16:45)
14:30~14:35 趣旨説明(加治屋健司)
14:35~14:50 発表(久保田晃弘)「保存修復から飼育成長,そして進化へ」
14:50~15:05 発表(畠中実)「ICCにおける作品および展覧会のアーカイヴ化」
15:05~15:20 発表(松井茂)「IAMASメディア表現アーカイブ・プロジェクトについて」
15:20~15:30 コメント(佐藤守弘)
15:35~16:30 ディスカッション
16:30~16:45 質疑応答
16:45閉会


■登壇者略歴

石原 友明(いしはら ともあき)
アーティスト,京都市立芸術大学美術学部教授,同芸術資源研究センター所長。個展に「美術館へのパッサージュ」(栃木県立美術館,1998年),「i [the imaginary number]」(西宮大谷記念美術館,2004年)等。

加治屋 健司(かじや けんじ)
京都市立芸術大学芸術資源研究センター准教授。共編にFrom Postwar to Postmodern, Art in Japan 1945-1989: Primary Documents (New York: Museum of Modern Art, 2012),『中原佑介美術批評選集』全12巻(現代企画室+BankART出版,2011年―)。

久保田 晃弘(くぼた あきひろ)
多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース教授,同メディアセンター所長。世界初の芸術衛星と深宇宙彫刻の打ち上げに成功した衛星芸術プロジェクト(ARTSAT.JP)をはじめ,バイオアート(BIOART.JP),ライブ・コーディングと自作楽器によるライブ・パフォーマンスなど,さまざまな領域を横断・結合するハイブリッドな創作の世界を開拓中。

佐藤 守弘(さとう もりひろ)
京都精華大学デザイン学部教授。著書に『トポグラフィの日本近代』(青弓社,2011年)。共訳にジェフリー・バッチェン『写真のアルケオロジー』(青弓社,2010年)等。平成23年度 芸術選奨文部科学大臣新人賞(評論等部門)。

高谷 史郎(たかたに しろう)
アーティスト,個展「明るい部屋」(東京都写真美術館,2013年),パフォーマンス『ST/LL』(初演 2015年,ル・ヴォルカン国立舞台)等。平成14年度 京都市芸術新人賞。平成26年度 芸術選奨文部科学大臣賞(メディア芸術部門)。

畠中 実(はたなか みのる)
NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 主任学芸員。主な企画展に「サウンド・アート」(2000年),「サウンディング・スペース」(2003年),「サイレント・ダイアローグ」(2007年),「みえないちから」(2010年)など。ダムタイプ,明和電機,ローリー・アンダーソン,八谷和彦,ライゾマティクス,磯崎新,大友良英の個展も行なっている。

松井 茂(まつい しげる)
情報科学芸術大学院大学(IAMAS)准教授。共編に『虚像の時代 東野芳明美術批評選』(河出書房新社,2013年),『日本の電子音楽 続 インタビュー編』(engine books,2013年)。上映プログラムに「テレビジョン再検証・中継の思想」(東京藝術大学芸術情報センター,2013年),「おくりもの 藤幡正樹 Expanded Animation Works」(恵比寿映像祭,2014年)等。展覧会監修に「磯崎新 12×5=60」(ワタリウム美術館,2014─15年)。

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