第四回研究会のお知らせ。
第4回アーカイブ研究会
ダイアグラムと発見の論理──アーカイヴに眠る「思考のイメージ」
第四回は東京大学大学院総合文化研究科の田中純教授をお招きします。
<発表内容>
近年のイメージ論や美術史研究では,必ずしも図像表現と直接の関係をもたない哲学,神学,自然科学などの分野における,学術的言語表現と図像との中間的存在である「ダイアグラム」の果たしてきた役割への関心が高まっています。そこでとりわけ注目されているのは,思想家や科学者たちが知的発見の過程で活用した視覚的イメージとしてのダイアグラムです。たとえばドイツ文学アーカイヴなどは,作家や思想家たちの遺稿に見出されるダイアグラム的図像をテーマにした展覧会を開催しています。この発表では、発見法的な機能をもつダイアグラムの諸相を概観し,走り書きのような断片的イメージだからこそ創造的な思考を喚起する,いわば「ダイアグラム的知」と呼ぶべきものについて議論したいと思います。
日時:平成26年10月31日(金曜日)午後5時から6時半
会場:京都市立芸術大学大学会館交流室
参加無料(事前申込み不要)
チラシ(PDF)
■ 講師プロフィール
田中 純
東京大学大学院総合文化研究科教授。博士(学術,東京大学)。専門は表象文化論,思想史。おもな著書:『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』(青土社),『都市の詩学─場所の記憶と徴候』,『政治の美学─権力と表象』(いずれも東京大学出版会),『イメージの自然史─天使から貝殻まで』(羽鳥書店),『冥府の建築家─ジルベール・クラヴェル伝』(みすず書房)など。
2014/10/30
芸術資源研究センター総合基礎実技アーカイブ・プロジェクト公開講習会
情報技術の視点から見たアーカイブの可能性と展望
膨大な素材がデジタル環境下でアーカイブとなって利用できるようになった現在,それらを適切に探し出す検索技術が重要になります。と同時に,たまたま目に付いたという出会いとそれがもたらす創造性は,検索技術だけでは支援しきれません。本講習会では,資料のアーカイブ化の要点と問題,そして創造的な活動を支援するための取り組みについて,海外での事例や新たに開発されているソフトウェアを紹介しながら,いっしょに考えたく思います。
講師:三分一信之氏(東大特任教授)
日時:10月22日(水)、16:00~17:30
場所:芸術資源研究センター共同研究室
一般来聴可
主催:芸術資源研究センター(総合基礎実技アーカイブ・プロジェクト)
チラシ(PDF)
■ 講師プロフィール
三分一 信之(さんぶいち のぶゆき) http://www.sambuichi.jp/
1956年 広島生れ
1979年 京都大学工学部(原子核工学)卒業
1982年 同大学院工学研究科(原子核工学専攻)
1982年 日立コンピュータコンサルタント(現 日立ソリューションズ)入社
1986~1987年 米国スティーブンス工科大学コンピュータサイエンスMSCS取得
1999年 研究開発センタ長
2006年 主管技師長
2010年 東大情報学環 特任研究員
2012年 東大情報学環 特任教授
東京大学との共同研究「知のコンシェルジェ」(百科事典の参照項目の関連を視覚的に辿ることで知識を提供するサービス)、ポンピドーセンターIRIと共同して映像アーカイブ構築を支援するソフト”Lignes de temps”の開発、東アジア出版人会議での「東アジア文化地図」の設計などに従事している。
2014/10/20
現在,日本伝統音楽研究センター展観ギャラリー(新研究棟7階)では,展示「図形楽譜 -日本音楽と西洋音楽-」を開催中です。本展は,当センター重点研究「記譜プロジェクト」の藤田隆則教授(日本伝統音楽研究センター教授),竹内直(日本伝統音楽研究センター非常勤講師)が企画に携わっているものです。
日本において伝統音楽を伝承するにあたり,口承による方法の他,音の形を表現した図形楽譜が用いられてきました。対して,五線譜などの規範的な楽譜を発達させてきた西洋音楽の世界では,20世紀以降に五線譜以外の様々な記譜法が作曲家たちにより試みられるようになりました。本展では,日本と西洋の様々な図形楽譜を紹介しています。
なお,お手持ちのスマートフォン等で展示についての音声案内(楽譜の音等 ※一部のみ)や補足情報を視聴することもできます。
この機会にぜひ,多様な記譜の世界をお楽しみください。
皆様のご来場をお待ちしております。
・展示 「図形楽譜 -日本音楽と西洋音楽-」
・会場 日本伝統音楽研究センター展観ギャラリー(新研究棟7階)
・会期 平成26年11月下旬まで(予定)
・利用できる時間 水曜日~金曜日の午前9時~午後5時
〇日本伝統音楽研究センターホームページ
〇日本伝統音楽研究センターfacebook
2014/10/10
「富本憲吉とバーナード・リーチ往復書簡の研究 ―京都市立芸術大学所蔵資料を中心に―」
この度,立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点キックオフシンポジウムにて,本学美術学部森野彰人准教授が共同研究として採択された標記プロジェクトを紹介します。
日時:平成26年9月27日(土曜日)午後1時から午後5時
会場:立命館大学 衣笠キャンパス アート・リサーチセンター 多目的ルーム
参加無料(事前予約制)※情報交換会:会費制 1,000円
立命館大学アート・リサーチセンター
2014/09/26
第3回アーカイブ研究会
「記憶/記録/価値 ミュージアムとアーカイヴの狭間で」
第三回は京都工芸繊維大学美術工芸資料館の平芳幸浩准教授をお招きします。平芳氏が所属する美術工芸資料館は、英語でMuseum and Archivesと表記します。美術、デザイン、建築、染織の様々な資料(作品)を収蔵していますが、ミュージアム・コレクションとアーカイヴ資料との境界は限りなくグレーです。近年のアーカイヴへの注目の高まりは、非物質化した戦後アートの担い手たちが世を去り、再演/再制作が不可能となってきた実情のもと、記録を記憶と接続することで価値化する回路の設定が求められたことも大きな要因ではなかったでしょうか。記憶/記録/価値、ミュージアムとアーカイヴにまとわりつくこれらの問題を、美術工芸資料館のポスター・コレクションからデュシャンの箱まで見渡しつつ議論できればと考えています。
日時:平成26年9月30日(火曜日)午後5時から6時半
会場:京都市立芸術大学芸術資源研究センター(京都市立芸術大学中央棟2階)
参加無料(事前申込み不要)
チラシ(PDF)
■ 講師プロフィール
平芳 幸浩
京都工芸繊維大学美術工芸資料館准教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。国立国際美術館学芸員を経て2008年より現職。最近の論文:「瀧口修造の1930年代」(『美学』第64巻第2号)、「要望とイデオロギー」(『美術フォーラム21』27号)、「複製(複数化)技術とポップ・アート」(『アメリカン・ポップ・アート展』カタログ)など。
2014/09/11
芸術資源研究センター関連企画のお知らせ
「法と星座 − Turn Coat / Turn Court」関連企画
横浜トライアル
概要
国内外の優れた音楽家,科学者,哲学者,文学者と共同で「横浜トライアル」という催しを期間中に開催します。演劇でも,講義でも,パフォーマンスでもない,「その他の新しいケース」という意味で,この催しには「CASE」という名称がついています。Caseとは「訴訟」の意味を含みますが,今回は裁判のスタイルを借りて,陪審員(事前に公募した中から選ばれた方とこちらで指名した方の合計11名が陪審員として参加します。),傍聴人(Caseが開かれる当日に整理券を発行し,先着20名の方が傍聴できます。)として観客の方々に参加していただきます。これらのCase開催中は「審議中」の札が赤い法廷の入り口に掲示され,法廷内への入室は禁止となります。審議中は,他の観客は入室出来ない事が重要なポイントですが,「排除と選別」のシステムを「可視化」し,「排除されることにおいて,観客はこのゲームに参加している 」という事です。
■CASE-1:「非人称の光」 建畠晢・加治屋健司
8月6日水曜 午後3時30分-5時
芸術資源研究センター関連企画
Case Worker: 高橋悟(京都市立芸術大学美術学部教授)
■CASE BY CASE: 日本国憲法をラップする by Shing02
8月15日金曜 午後3時-3時30分、午後4時-4時30分、5時-5時30分
助成:JSPS科研費 24320043「未完の記譜法」
■CASE-2:「自由意志は存在するか」 下條信輔
9月11日木曜 午後3時30分-5時
Case Worker : 高橋悟(京都市立芸術大学美術学部教授)
(さらに…)
2014/07/25
第2回アーカイブ研究会「それってテクノロジーと何の関係があるの?」
第二回はキュレーターのバーバラ・ロンドン氏をお招きし,美術館が「今日の芸術」を展示・収集するときに直面する困難についてお話しいただきます。学際的なアプローチが一般的になり,音声を用いた作品も標準的となった今日,現代美術館は概念上,運営上の再編成を強いられています。ニューヨーク近代美術館でのキュレーションの経験から事例を挙げながら,アナログからデジタルへのテクノロジーの移行が,パフォーマンスとインスタレーションが交差する地点で作品に与えた影響について考察していただきます。アーティストがいかに音の可能性と政治的な理想を表現する戦略を発展させてきたかを探求するために,スタイナ・ヴァスルカ,ジョーン・ジョナス,ローリー・アンダーソン,ピピロッティ・リスト,ヤナ・ヴィンデレンといったメディア・アーティストを取り上げる予定です。
■ 講師プロフィール
バーバラ・ロンドン
キュレーター。1973年から2013年までニューヨーク近代美術館に勤務し,ビデオおよびメディア部門のキュレーターを務める。ナム・ジュン・パイク,ビル・ヴィオラ,スタイナ・ヴァスルカ,ジョーン・ジョナス,久保田成子,ピーター・キャンパス,ゲイリー・ヒル,ヴァリー・エクスポート,ローリー・アンダーソン等の個展を手がける。宋冬,古橋悌二, 馮夢波,楊福東等のアジアの作家を初めてアメリカに紹介。イェール大学,ニューヨーク大学,スクール・オブ・ビジュアル・アーツ等で教鞭をとる。Stir-fry(1997年),dot.jp(1999年)等,早くからインターネットをキュレーションに取り入れたことでも知られる。近年の展覧会に「Soundings: A Contemporary Score」(MoMA,2013年)がある。
2014/07/15
森村泰昌特別授業「横盗り物語/ヨコハマトリエンナーレに託すもの」
本学客員教授であり,ヨコハマトリエンナーレ2014でアーティスティック・ディレクターを務める森村泰昌氏による特別授業を行います。今回は,いよいよ開催目前に迫ったヨコハマトリエンナーレについてお話しいただきます。この特別授業は,一般の方もご参加いただけますので,興味のある方はぜひお越しください。
■ 問い合せ先
京都市立芸術大学 教務学生課 美術教務担当
電話 075-334-2220
2014/07/02
前﨑信也 編
「大正時代の工芸教育 京都市立陶磁器試験場附属伝習所の記録」
非常勤研究員 前﨑信也編集の新刊が,このたび宮帯出版社より出版されました。
詳細については,宮帯出版社ホームページ をご覧ください。
前﨑信也(まえざき しんや)
1978年生まれ。龍谷大学文学部卒業,ロンドン大学SOAS修士課程(美術史)修了後,米国クラーク日本芸術研究所勤務,中国留学などを経て,2008年SOAS博士課程修了。2009年より立命館大学立命館グローバル・イノベーション研究機構ポストドクトラルフェロー。学術博士。編著に,『松林靏之助 九州地方陶業見学記』(宮帯出版社、2013),主要論文に,「伝統と科学の狭間で──イギリスでの松林靏之助の活動を中心に」(『近代工芸運動とデザイン史』思文閣出版、2008),「工芸研究に求められるイメージ・データベースとは」(『日本文化研究とイメージ・データベース』(ナカニシヤ出版,2010)など多数が。
2014/06/27
特別展示「能•狂言を描く」のお知らせ
特別展示「能・狂言を描く」
7月1日(火)開催のARC開設記念事業 の第2部ワークショップ「舞と謡の過去・現在・未来 -記譜法と身体伝承-」関連企画として,日本伝統音楽研究センター(伝音)展観ギャラリーにて特別展示「能・狂言を描く」を行います。
京都市立芸術大学芸術資料館は,能や狂言を描いた写生などの絵画資料を多数所蔵しています。
その中から,一部をご紹介します。
絵画資料が描きとろうとしたものから,現代の舞台をとらえなおすことができるのではないでしょうか。
また現代の舞台,演出や作り物などとの違いもわかり,歴史資料としても価値のあるものです。
過去に能や狂言がどのように描かれたのか,現代の能・狂言と比較してみてください。
開設記念事業とあわせて,ぜひこちらの特別展示もご覧ください。
会期:平成26年7月1日(火)~8月11日(月)
※土日祝日はご利用いただけません。また,会期中の月曜日と火曜日は展示ケースのライトが点いていない場合もございますが,ご覧いただくことは可能です。
時間:午前9時~午後5時
場所:京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター展観ギャラリー(新研究棟7階)
入場料:無料
日本伝統音楽研究センターホームページ
2014/06/25