国際展とキュレーション~今年のヴェネチア・ビエンナーレをふまえて
本校の客員教授である建畠晢氏にお話いただきます。
<概要>
ヴェネチア・ビエンナーレ日本館のコミッショナー(1990年、1993年)や、横浜トリエンナーレ(2001年)とあいちトリエンナーレ(2010年)のアーティステイック・ディレクターとしての経験をもとに、国際展のキュレーションについてお話しいただきます。今年のヴェネチア・ビエンナーレを振り返りつつ、今日の国際展のあり方についても論じる予定です。
- 日時:平成27年7月23日(木) 午後1時~午後2時半
- 会場:京都市立芸術大学 大学会館交流室
- 主催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター
- 参加無料(事前申込み不要)
- チラシ
■ 講師プロフィール
建畠晢
(たてはたあきら)
1947年京都生まれ。1972年に早稲田大学文学部卒業後、多摩美術大学教授、国立国際美術館館長などを経て、2011年から2015年3月まで京都市立芸術大学学長。専門は近現代美術。1990年、1993年のヴェネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナー、横浜トリ エンナーレ2001、あいちトリエンナーレ2010のアーティステイック・ディレクターなどを務める。アジアの近現代美術の企画にも多数参画。詩人としても活躍し、1991年に歴程新鋭賞、2005年に高見順賞、2013年に萩原朔太郎賞を受賞。2015年4月から多摩美術大学学長、京都市立芸術大学客員教授。
延期になっておりました第9回アーカイブ研究会の開催日が決まりましたのでお知らせいたします。
第9回アーカイブ研究会
文化の領野と作品の領野―アーティファクトとしての視覚文化
第9回は批評家の石岡良治さんをお迎えいたします。
〈概要〉
『視覚文化「超」講義』(2014)は、現代を「情報過多時代」と捉え、そうした条件のもとでの視覚文化について考察している。そこでとりわけ注目したのは、YouTubeなどの「動画サイト」の存在などによって、膨大な情報が「イメージ」として可視化されていく傾向性である。このとき、「アーカイヴ」と「展示の空間」といった区別についての従来のイメージは大きく変容を被るように思われる。暗がりにあった資料に光を照らす、というイメージから、事物やデータの水平的な移動というイメージへの移行が何をもたらすのかを考察する。(講師談)
- 日時:平成27年10月23日(金曜日)午後3時から4時半まで
- 会場:京都市立芸術大学 アトリエ棟3F 構想設計ゼミ室
- 参加無料(事前申込み不要)
- チラシ
■ 講師プロフィール
石岡良治
(いしおか・よしはる)
批評家・表象文化論。青山学院大学ほかで非常勤講師。著書に『視覚文化「超」講義』(フィルムアート社、2014年)『「超」批評 視覚文化×マンガ』(青土社、2015年)ほか。
特別授業のお知らせ
3.11後に企画した展覧会とプロジェクト~あいちトリエンナーレ2013を中心に
建築史・建築批評家である,五十嵐太郎氏をお招きし,3.11後に企画した展覧会とプロジェクトについてお話しいただきます。
<概要>
東日本大震災の後,3つの展覧会を企画しました。また被災地において,建築と美術を横断するプロジェクトにも関わりました。そこで芸術監督をつとめた,あいちトリエンナーレ2013を中心に,アーティストや建築家がどのように向き合ったかについて振り返りたいと思います。(五十嵐太郎)
- 日時:平成27年6月8日(月) 午後3時~(5時終了予定)
- 会場:京都市立芸術大学 大学会館交流室
- 主催:京都市立芸術大学美術学部
- 共催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター
- 参加無料(事前申込み不要)
- チラシ
■ 講師プロフィール
五十嵐 太郎
(いがらし たろう)
1967年生まれ。建築史・建築批評家。1992年、東京大学大学院修士課程修了。博士(工学)。
現在、東北大学教授。あいちトリエンナーレ2013芸術監督、第11回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展日本館コミッショナーを務める。第64回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。『現代日本建築家列伝』(河出書房新社)、『被災地を歩きながら考えたこと』(みすず書房)ほか著書多数。
研修会のお知らせ
著作権の基礎知識
創作活動や論文作成に欠かせない著作権の基礎知識を学ぶ研修会です。
本学の顧問弁護士で、知的財産権問題の第一人者である弁護士の伊原先生を講師にお迎えし、
質疑をまじえ講義をしていただきます。ぜひご参加ください。
- 日時:平成27年6月3日(水曜日)午後5時から90分程度
- 会場:京都市立芸術大学 大学会館交流室
- 対象:学生・教職員
- 主催:京都市立芸術大学リポジトリ運営会議
- 共催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター
- 参加無料(事前申込み不要)
- チラシ
■ 講師プロフィール
伊原 友己
(いはら ともき)
弁護士・弁理士。昭和59年京都産業大学法学部卒業。平成2年弁護士登録。同年,京都産業大学法学部講師となる。以降,弁護士活動に加え,立命館大学・龍谷大学・関西大学・京都大学医学部でも教鞭をとる。平成26年度日本弁護士連合会知的財産センター委員長。現在,弁護士知財ネット理事を務めるほか,立命館大学(大学院・法務研究科)非常勤講師。近著(分担執筆)に「知的財産訴訟実務体系Ⅰ〜Ⅲ」「最新判例知財法」「実践知財ビジネス法務」など。
塩見允枝子特別授業
フルクサス パフォーマンス・ワークショップ
〜実演を通してフルクサスを体験しよう〜
特別招聘研究員塩見允枝子氏によるフルクサス パフォーマンス・ワークショップを行います。
- 日時:平成27年6月16日(火曜日)午後3時半から5時半
- 会場:京都市立芸術大学 大学会館ホール
- 参加無料(事前申込み不要)
- チラシ
*FLUXUS(フルクサス)とは,1960年代以降,音楽,美術,演劇など,さまざまなジャンルとメディアを横断する芸術実験を国際的規模で繰り広げた前衛芸術運動。ジョージ・マチューナス,ヨーゼフ・ボイス,ナム・ジュン・パイクらに加え,日本からも塩見允枝子や小杉武久,ハイ・レッド・センターなどが参加した。
当日は,参加者の皆さまの中からパフォーマーを募って行いますので,どうぞ奮ってご出演ください。なお,音の出る小物体や簡易楽器をお持ちの方はご持参ください。
■ 講師プロフィール
塩見允枝子
(しおみ みえこ)
音楽家。1938年、岡山市に生まれる。1961年、東京芸術大学音楽学部楽理科を卒業。大学在学中より小杉武久らと「グループ・音楽」を結成、即興演奏やテープ音楽の制作を行う。1963年、ナム・ジュン・パイクを通じてフルクサスを紹介され、翌年ニューヨークに渡る。1965年、メールによるイヴェントシリーズ「スペイシャル・ポエム」を開始。同年帰国。1969年、音楽や映像、美術、舞踊など多様なジャンルの融合の実験として開催されたクロストーク・インターメディアに参加。1970年より活動の拠点を大阪に移し、言葉と音を軸にした室内楽や劇場的な作品を発表。90年代から電子テクノロジーへの関心を持ち、詩的な発想と独自の方法論で、音と視覚的要素を結合したパフォーマンスを編み出す。1995年パリ、1998年ケルンにて個展。その後も国内外で数々のフルクサス展に参加し、マルチプルの作品や出版物を出品、また各地で演奏会やワークショップを行う。本学との関係では、2005年11月大学会館にて大規模なワークショップ開催、2014年から芸術資源研究センター特別招聘研究員。
芸術資源研究センターニューズレター創刊号
目次
- ロゴデザインについて 舟越一郎 01
- 芸術資源研究センター概要 加治屋健司 02
- プロジェクト 04
- 研究活動 10
- ささやかにして、壮大なー 建畠晢
2015年3月31日発行
PDF版をこちらでご覧いただけます。
第8回アーカイブ研究会/still moving関連イベント「Trans-it プログラム」part3
唯一のひとつを集積すること
第8回は,作家の笠原恵実子さんをお迎えいたします。
〈概要〉
リサーチやフィールドワークを通して作品を作り上げていく近年の制作方法は、どのように導かれたのか。初期作品から現在に至る笠原作品の展開プロセスと思考方法を探る。
- 日時:平成27年4月24日(金曜日)午後2時から
- 会場:元・崇仁小学校 和室
- 参加無料(事前申込み不要)
- チラシ
■ 講師プロフィール
笠原 恵実子
(かさはら・えみこ)
1963年1月20日東京生まれ。
1988年多摩美術大学大学院を修了、前後して美術作品の発表を始める。
ニューヨーク美術財団(2003年)、POLA芸術振興財団(1997年)、文化庁芸術家在外研修(1994年)、カルティエ現代美術財団(1991年)、アジア文化カウンシル(1990年)より助成金を得て、1995年より2013年まで日本とアメリカ合衆国の双方で制作を行っていた。
作品は日本、アメリカはもとより、イギリス、ドイツ、スウェーデン、オーストリア、メキシコ、カナダ、韓国、インド、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドと世界各国で催された数々の国際展覧会で紹介され、日本の東京都現代美術館、京都国立近代美術館、栃木県立美術館、アメリカのフォッグ美術館、カントー美術館、バークレー美術館などに所蔵されている。
1994年より美術制作と共に数多くのレクチャー、ワークショップも行い、2014年より多摩美術大学美術学部教授を務める。
ヨコハマトリエンナーレ2014では、10年間に渡り世界85カ国にある教会の献金箱を撮影した写真と、その記録を元に自らつくり出した彫刻作品で構成されるインスタレーション《Offering》を出品した。現在京都で開催中のPARASOPHIAでは京都市美術館の帝冠様式の建築と第二次世界大戦中に製造された陶製手榴弾の遺物からインスピレーションを得た作品と、近代化における越境をテーマにした新作2点を発表している。ミニマルな形状に還元されない多義な解釈が可能な作品である。
第7回アーカイブ研究会
映画『ASAHIZA 人間は、どこへ行く』上映+トーク
第七回は,映画監督・美術家である藤井光氏をお招きします。
<作品概要>
「ASAHIZA 人間は、どこへ行く」 2013年/74分/カラー/ブルーレイ
南相馬の閉館した古い映画館「朝日座」をめぐる人々のドキュメンタリー。震災以降も街に残り暮らし続ける人,街を離れて暮らす人などへ「朝日座を知ってい ますか」と問いかけるインタビュー,また、インタビューを受けた人々,東京からエキストラとして参加した人々が,往年の賑わいを取り戻した映画館の中で,この映画をみる一日を記録した。映画館が繋ぎ続ける映画の記憶,街の記憶,人の記憶が甦る。
監督:藤井光
音楽:大友良英
製作:ASAHIZA 制作委員会(文化なしごと人コンソーシアム[一般社団法人コミュニティシネマセンター / 合同会社tecoLLC / NPO法人20世紀アーカイブ仙台 / 有限会社コンテンツ計画 / ジャパン・フィルムコミッション]),朝日座を楽しむ会
配給:一般社団法人コミュニティシネマセンター
支援:公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団
映画「ASAHIZA 人間は、どこへ行く」オフィシャルサイト
- 日時:平成27年1月19日(月曜日)午後5時半から7時半
- 会場:京都市立芸術大学 中央棟3F講義室L1
- 参加無料(事前申込み不要)
- チラシ(PDF)
■ 講師プロフィール
藤井光
(ふじい・ひかる)
1976年東京生まれ。映画監督・美術家。パリ第8大学美学・芸術第三博士課程DEA卒。自然災害を含む,政治的,経済的,精神的な痛みを被る人間の危機的な状況において,芸術表現は何処へ向かうかを問い続けている。その多くは固定カメラで撮影される静的な映像で,映画と現代美術の区分を無効にする活動を国内外の美術館・映画館で発表している。前作『プロジェクトFUKUSHIMA!』(2012年)は国立近代美術館に所蔵されている。
第6回アーカイブ研究会
チェルノブイリ・ダークツーリズムの実践から
第六回は,思想家・作家である東浩紀さんをお招きします。
<概要>
福島第一原発事故の風化がますます進むなか,その記憶を後世に伝えるためになにができるのか。筆者はその回答のひとつとして,昨年,1週間の取材を経て『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』を出版,そのあとも筆者が経営する会社(ゲンロン)でチェルノブイリへの一般観光客へのツアーを公募し実現している。福島第一原発事故跡地への取材も敢行した。記憶の継承とはなにか,観光の効能とはなにか,「現場」とはなにを意味するのか,そもそもなにかが「伝達」されるとはなにを意味するのか,筆者の経験と哲学を交差して語る。
- 日時:平成26年12月17日(水曜日)午後5時から6時半
- 会場:京都市立芸術大学 中央棟3F講義室1
- 参加無料(事前申込み不要)
- チラシ
■ 講師プロフィール
東浩紀
(あずま ひろき)
1971年生。作家・思想家。ゲンロン代表取締役。ゲンロンカフェオーナー。専門は現代思想、情報社会論、表象文化論。メディア出演多数。主著に『存在論的、郵便的』(1998、サントリー学芸賞受賞)『動物化するポストモダン』(2001)『クォンタム・ファミリーズ』(2009、三島由紀夫賞受賞)『一般意志2.0』(2011)。編著に『福島第一原発観光地化計画』(2013)など。
研究会のお知らせ
研究会のお知らせ[/caption]
第5回アーカイブ研究会
アーティストはいつしか作品を作るのをやめ、資料を作り始めている
第五回はアーティストの田中功起さんをお招きします。
<概要>
そもそもアーティストはもはや文脈に限定されない,普遍的で純粋であると思われてきたような「作品」を作ることはできない。「作品」は文脈(時間や場所)に依存し,出来事や行為の記録として存在する。このトークでは,近年の自身の実践の中にある美術史を参照するもの,歴史を参照するもの,過去の自作を参照するもの,それら三つの参照点を再考し,ひとつのケーススタディとして描き直す。
- 日時:平成26年12月8日(月曜日)午後5時から6時半
- 会場:京都市立芸術大学大学会館交流室
- 参加無料(事前申込み不要)
- チラシ
■ 講師プロフィール
田中功起
(たなか・こおき)
アーティスト。
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ウェブサイト:www.kktnk.com