音楽学部・音楽研究科アナログ演奏記録デジタル・アーカイブ化

プロジェクト・リーダー:山本 毅(音楽学部教授,音楽研究科長)
竹内 直(芸術資源研究センター非常勤研究員)

 本学音楽学部は発足時から活発に演奏活動を行なってきた。なぜなら、音楽家育成のためには実際の演奏会で実地体験を重ねることが必要不可欠であるからである。
音楽学部発足60年を超える今、重ねてきた演奏会の数は膨大であると同時に、その記録となる録音や録画も膨大な量が蓄積されている。現在日本のみならず世界各地で活躍する本学出身の音楽家たちの若き日の貴重な録音・録画を含む膨大な資料が本学図書館には眠ってきたというわけである。
今日まで眠ったままであったその貴重かつ膨大な資料を、有効利用可能なアーカイブとして構築するためには、計画的な調査、整備が必要であろう。何よりも、アナログ録音が過去の歴史的手法として忘れ去られる危機に瀕する今、オープンリール式テープ(以下オープンリールと略す)を始めとするアナログ音源のデジタル化は焦眉の急である。
以上の理由から、本年は予備調査として「何があるのか」、「どれだけあるのか」を中心に調査を行なった。この調査は、次年度からのアーカイブ作成への道備えといえる。
(1)現存資料の所在確認について
調査開始にあたり、学内各所に散在している演奏記録の所在の有無と総量の概算を出すことを最初の課題としたが、付属図書館内に現存する資料だけで総量が1000本を超えている現状を知り、今回は主として、付属図書館に現存する資料のデータ作成を行なった。
付属図書館に保管されている演奏記録資料(定期演奏会、卒業演奏会、大学主催の公演など)は1073点であった。その多くはオープンリールであり、そのほかにカセットテープ、DATなどがある。
保管資料のうち、最も古いものは1963年11月6日・弦楽合奏研究所第1回演奏会を記録したテープであり、定期演奏会を記録したものでは1963年12月8日・第15回定期演奏会が最古の演奏記録資料である。
(2)現存資料の状態について
今回の調査ではそれぞれの資料に記載されている情報の確認のみを行ない、録音状態の劣化度などの精査は今後の課題とした。ただし、オープンリールについては、メディアを梱包する箱自体の傷みが激しく、物理的な保全の困難さも考えれば、早急かつ適切なメディア変換(デジタル変換)などの処置が必要であると思われる。
(3)今後の作業方針について
次年度以降については、まずはオープンリール資料から優先順位を決定してデジタル化作業を順次実施するとともに、場合によっては修復作業も緊急な課題であると思われる。また、演奏曲目や出演者、演奏会場などの情報を現存するプログラム冊子などと対照する作業も重要である。今後、音楽学部演奏記録のアーカイブの構築を目指すにあたっては、本学に保存されていない演奏会プログラムもあることから、演奏会実施当時の卒業生への聞き取り調査など多くの労力が必要となってくると思われる。
なお、付属図書館には2004年7月11日の第117回定期演奏会までの記録しか現存しないため、それ以降の演奏会記録にも調査を広げていかねばならない。

 

・音楽学部演奏記録

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