THEATRE E9 KYOTO上演作品アーカイブ 2021年度メンバー募集のお知らせ

2020年度より、THEATRE E9 KYOTOと京都市立芸術大学・芸術資源研究センターでは、
THEATRE E9 KYOTOで上演される作品を、基本的に全て記録(アーカイブ)するプロジェクト「THEATRE E9 KYOTO上演作品アーカイブ」を実施しています。
このたび、次年度のプロジェクトに参加していただける、メンバーを募集します。


説明会・研究会

  • 2021年3月11日(木) 19:00〜20:00 募集説明会
  • 2021年3月17日(水) 13:00〜15:00 THEATRE E9 KYOTOアーカイブ 研究会 [ゲスト:Yelena Gluzman氏(実験演劇演出家、映像作家)] 15:15〜16:15 募集説明会
  • ※説明会・研究会はオンラインにて行います。参加される方は以下のフォームよりお申し込みください。申し込み後、当日のURLをご案内します。(説明会は二回とも同じ内容になります)
  • 参加無料

【プロジェクト「THEATRE E9 KYOTO上演作品アーカイブ」とは?】
日本では、小さな劇場で上演された舞台芸術作品を、体系的に記録し、その記録を蓄積していくシステムがほとんど存在しません。記録作業は基本的に各カンパニーに委ねられており、公共的・恒久的に記録を保管し、舞台芸術の豊かさを継承していくためのしくみが不足しています。THEATRE E9 KYOTOでは、京都市立芸術大学・芸術資源研究センターと協働して、本劇場で上演された作品の記録を継続的に保管し、記録を閲覧できる環境を整えることによって、同時代・未来の舞台芸術関係者や研究者たちがより良い作品を制作し、さらなる研究活動と創作活動に活かすことができるような、「舞台芸術の共有資源」をつくることをめざしています。目標は高いのですが、今ある装備は、カメラ1台、パソコン1台です。限られた資源の中ではありますが、メンバーと実践を重ねて行く中で議論を重ねながら、少しづつアーカイブの方法から活用までの仕組みと内容をつくって参りたいと思います。

【参加条件】

  • 年齢・職業は不問です。
  • 「舞台芸術(パフォーミング・アーツ)を記録するのに最適な方法」や、「アーカイブされた舞台芸術資料の活用」「記録をもとにした作品制作や再演」などに、実践者・研究者・マネジメント・鑑賞者など、様々な視点から興味があること。
  • 月に1〜2回程度、上演作品の撮影記録に参加できること(撮影日は公演ごとにスケジュール調整します)
  • ※アーカイブミーティングはアーカイブの手法や芸術を記録することなどについて広く話し合う場となります。オープンな場として、アーカイブメンバーでなくても参加可能です。

    【活動内容】

  • 上演作品の撮影…映像撮影の経験は不問です。機材はこちらで準備します。撮影は 二人一組で行い、データはE9がマスターを、芸資研がバックアップを保管します。
  • ミーティングへの参加…プロジェクトの実務だけでなく、記録や活用の方法などについて、多彩なゲストを交えて話し合う場を設けます。開かれた会として開催し、パフォーミングアーツをめぐる豊かな文化をつくっていくことが目的です。毎月第1火曜日19:00からの実施を予定しています。
  • 【特典!】
    記録部メンバーには、E9サポーターズクラブエリア限定会員証を差し上げます(2021年度のほぼ全てのプログラムが鑑賞可能です)。


    [研究会ゲストYelena Gluzman氏プロフィール]
    実験演劇の演出家で映像作家でもあるイェレナ・グラズマン(Yelena Gluzman)は、認知科学、インタラクション研究、批判的障害学やフェミニストSTS(科学技術社会論)などの諸分野にまたがって活動しています。最近のプロジェクトでは、「他者の心」がどのように上演されるのかを室内実験において調べたり、聴覚障害者や難聴者の学生のためにリアルタイムの書き取りを行なうキャプション担当者たちの分散型コミュニケーションの生態学を分析しています。これまでに出版された仕事は、研究としてのパフォーマンス(PaR)の議論に貢献し、実験的反省性と「演劇としての研究」(RaT)の可能性を考察しています。グラズマンはニューヨークの出版社Ugly Duckling Presseの創設メンバーであり、『Emergency Index: An Annual Compendium of Performance Practice(エマージェンシー・インデックス;パフォーマンス実践の年間記録)』の創設編集者と、「Emergency Playscripts」シリーズの共同創刊者としても知られています。

    【応募先】
    応募の際には、以下のフォームから[氏名、所属、年齢、連絡先(メールアドレスと電話番号)、応募理由]を明記の上、ご応募ください。応募者多数の場合には審査の上、採用不採用のご連絡をします。

    [説明会/研究会 参加申し込みフォーム]
    https://forms.gle/bMXqpSDHLiYAtWki7

    [新規メンバー 応募フォーム]
    https://forms.gle/gaXzUMPZX6JubLvq9

    【募集についてのお問い合わせ】
    芸術資源研究センター:geishiken@gmail.com(担当:村上)

    京都市立芸術大学芸術資源研究センター 
    〒610-1197 京都市西京区大枝沓掛町13-6 TEL/FAX : 075-334-2217 Email : geishiken@gmail.com
    一般社団法人アーツシード京都
    〒601-8013 京都府京都市南区東九条南河原町9-1 TEL:075-661-2515(10:00〜18:00) Email:info@askyoto.or.jp


    THEATRE E9 KYOTO 上演作品アーカイブ

    資料展開催のご案内

    井上隆雄「インド・ラダック仏教壁画」資料展
    —井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究—
    蘇る天空の密教図像



    京都市立芸術大学芸術資源研究センターのプロジェクトの一つ「井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究」では、3月23日(火)より資料展を開催します。
    「井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究」は、2017年4月より本学出身であり写真家として数々の功績を残された井上隆雄氏の膨大な写真関連資料をお預かりし、調査研究を進めています。その中にインド・ラダック地方の写真資料があり、外国人の入域制限が解かれた1974年頃の仏教壁画群に関する1,000点を超えるポジ類、多数の資料類があります。井上隆雄氏の写真資料は、当時の状態を鮮明に記録しており、また壁画の寸法やメモなどの取材記録もあります。
    2018年11月よりアーカイヴ・学術(仏教美術)・実技(日本画)の研究者による共同研究「井上隆雄写真資料のアーカイヴ構築に基づいたラダック仏教壁画のグラフィック的観点からの表現技法研究」を開始しました。これまでにインド・ラダック仏教壁画に関するポジフィルムを15の寺院別に分類し、デジタル化を進めてきました。また高解像度のデジタルデータより、アルチ寺三層堂一階の「般若波羅蜜仏母」壁画に注目し、模写制作を行いました。
    本資料展ではこれらアーカイヴ活動と図像研究の成果を井上隆雄氏の活動の軌跡とともに公開します。是非、この機会にご高覧頂ければ幸いです。


    【アクセス】
    〒610-1197 京都市西京区大枝沓掛町13-6
    京都市立芸術大学小ギャラリー(大学会館内)
    ・桂駅東口:京阪京都交通バス、芸大前(約20分)で下車。バス停から徒歩ですぐ。
    詳しくは、京都市立芸術大学ホームページをご確認ください。 http://www.kcua.ac.jp/access/
    ご来場は、公共交通機関をご利用下さい。

    *ご来館の際はマスクを着用ください。手洗い・手指消毒の感染予防対策にご協力ください。


    【主催】
    共同研究「井上隆雄写真資料のアーカイヴ構築に基づいたラダック仏教壁画のグラフィック的観点からの表現技法研究」
    山下晃平(京都市立芸術大学美術学部非常勤講師、「井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究」プロジェクトリーダー)
    加須屋誠(京都市立芸術大学芸術資源研究センター・客員研究員)
    正垣雅子(京都市立芸術大学・日本画専攻准教授)
    岡田真輝(京都市立芸術大学大学院・芸術学専攻修了生)
    林宏枝(京都市立芸術大学・ビジュアルデザイン専攻卒業生)
    【協力】京都市立芸術大学芸術資源研究センター
    【助成】DNP文化振興財団グラフィック文化に関する学術研究助成

    第33回アーカイブ研究会のお知らせ

    滋賀県の中学校で行った「展覧観測」風景、360°の展覧会アーカイブを美術の授業に応用している。

    第33回アーカイブ研究会

    360°展覧会アーカイブ事業「ART360°」の実践を通した考察


      第33回は,辻勇樹氏にお話いただきます。

    • 日時:2020年12月18日(金)18:00-
    • 場所:オンライン配信(京都市立芸術大学芸術資源研究センターYou Tubeチャンネル)https://youtu.be/EttUHLB3yao
    • 参加無料(事前申込不要)

    360°展覧会アーカイブ事業「ART360°」を構想するきっかけとなった経緯と本事業が描く未来、実践を通した体験のデジタルアーカイビングにおける手法的考察や、PCやスマートフォンといった平面的インタフェースを通して、現在のメディアが人々に無意識下で与えている影響、また記録 / 体験それぞれのフェーズにおける既存のデジタルメディア体験の不完全性について自身の見解を展開します。また、アーカイビングという活動を記録保存のみの活動に限定せず「過去および未来との対話」と捉えることで意識化する社会的役割を俯瞰してみたいと考えています。


    ■講師プロフィール
    辻勇樹|Yuki Tsuji
    Actual Inc. 代表取締役 /ART360° ディレクター
    京都精華大学卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科に進学後は競技用義足のデザイン研究を通して、デザインエンジニアリングを学ぶ。株式会社グランマにて発展途上国でのデザインリサーチに従事。渡米の後、2015年より京都を拠点に活動する。2017-18年 KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 プロジェクトマネージャーとして展示マネジメントを担当。2018年に Actual Inc. を設立し、360°展覧会アーカイブ事業「ART360°」の企画運営、360°配信システム「PLACE」の開発など、バーチャルとアクチュアルの間にグラデーションを作り出す事業を展開する。Actual Inc.: https://actu-al.co


    画像上から
    ・滋賀県の中学校で行った「展覧観測」風景、360°の展覧会アーカイブを美術の授業に応用している。
    ・香港での撮影風景
    ・VR鑑賞会の様子

    2020年度 芸術資源研究センター 研究会・シンポジウム のお知らせ


    京都市立芸術大学・芸術資源研究センターでは、この秋から冬にかけ、「芸術」「大学」「記憶機関 memory institutions」を主題とする連続研究会とシンポジウムを開催します。


    京都市立芸術大学芸術資源研究センターYou Tubeチャンネルで配信いたします。


    ▼シンポジウム▼
    2020年11月28日(土)14:00-17:00オンライン配信

    「デジタル時代の〈記憶機関〉 芸術/大学における図書館・美術館・アーカイブ 」

    登壇者:桂英史、佐々木美緒、松山ひとみ、森野彰人(芸術資源研究センター所長・京都市立芸術大学美術学部教授)
    司会:佐藤知久

    ■概要
    京都市立芸術大学・芸術資源研究センターでは、この秋から冬にかけ、「芸術」「大学」「記憶機関 memory institutions」を主題とする連続研究会とシンポジウムを開催します。
    「記憶機関 memory institutions」とは、過去の出来事に関する記憶や記録を、未来へ向けて継承するための、社会的・文化的な機関や制度を指すことばです。具体的には、〈図書館〉〈ミュージアム(博物館・美術館)〉〈アーカイブ〉、さらには〈ギャラリー〉なども、現在そして過去の活動や経験を現在と未来に伝えるための〈記憶機関〉と見なすことができます。
    本企画は、これからの芸術にとって、あるいはこれからの芸術をつくる人材を育てる芸術大学にとって、 記憶機関はどのようなものであるべきか?について、具体的に考えてみようという試みです。
    近年あらゆることがらのデジタル化が展開し、記憶機関のあり方だけでなく、私たちの記憶やコミュニケーションのあり方も、大きく変化してきました。新しい技術の実装により、知識を蓄積する基盤としてのインターネットが、ひとつの巨大な記憶機関となりつつあります。図書館や学術資源の電子化がすすみ、オンラインのギャラリーやミュージアムが続々と現れています。
    しかし他方では、長期間の保存に耐える物質的記録の価値や、人間が交流し、協働し、共に創造的な活動に従事する物理的空間を再評価する動きもあります。COVID-19の影響下で、ますますデジタル-分散-協働的な生活様式が編み出されていくなか、「手応えのある物質を共有する、開かれた物理的な公共空間」としての図書館、ミュージアム、ギャラリー、アーカイブなどの意義が、あらためて問われています。
    記憶を継承し、次世代の創造活動を支えるインフラストラクチャーとしての記憶機関は、今後どのようなものとなっていくのでしょうか。そして人びとは、そこでどのように他者の記憶や経験をたどり、何を経験していくのでしょうか。さまざまな方々とともに考えます。

    チラシ(PDF)


    過去のオンライン配信の様子は芸術資源研究センターYou Tubeチャンネルでご覧いただけます。

    No.29アーカイブ研究会 10月16日(金)18:15-

    「デジタル時代の〈記憶機関 memory institutions〉–イントロダクション」

    佐藤知久(京都市立芸術大学芸術資源研究センター/文化人類学)


    No.30アーカイブ研究会 10月28日(水)18:00-20:00

    「プラットフォームとしての図書館の役割
    コロナ禍で露呈した物理的な公共空間としての弱さ」

    佐々木美緒(京都精華大学人文学部/図書館情報学・図書館員養成)
    ■概要
    「これからの芸術をつくる人材を育てる芸術大学にとって、記憶機関はどのようなものであるべきか?」、芸術大学の図書館の役割をそれぞれの機関における「プラットフォーム」として位置づけ、どのような取組みを展開できるのか考えます。ただ、「手ごたえのある物質を共有する、開かれた公共空間」であった図書館は、コロナ禍においてその弱さも露呈しています。課題を示しながら今後の可能性を探ります。
    ■プロフィール
    佐々木美緒|Mio sasaki
    フロリダ州立大学大学院図書館情報学科修了、修士(情報学)
    政策研究大学院大学文化政策プログラム修了、修士(文化政策)
    政策研究大学院大学公共政策プログラム博士課程(単位取得退学)
    これまでアメリカのシアトル公共図書館、民間企業にて日本の公共図書館、大学図書館の管理・運営業務に携わる。
    主な研究テーマは大学機関における専門(芸術)図書館員の養成について。


    No.31アーカイブ研究会
    11月10日(火)18:00-20:00 オンライン配信(参加無料・予約不要)

    「美術館の資料コレクションは誰のもの?」

    松山ひとみ(大阪中之島美術館/学芸員・アーキビスト)


    No.32アーカイブ研究会
    11月16日(月)18:0-20:00

    「世界劇場モデルを超えて」

    桂英史(東京藝術大学大学院映像研究科/メディア研究、図書館情報学)

    講演会のお知らせ

    歴史的音源で検証するピアノ黄金期の音色

    「ショパンが弾いたピアノはどんな音色だった?」

    ~直系の弟子達の歴史的録音で検証するショパンの実像~

    ショパン在世時代に生まれたピアニスト,そしてショパンの演奏スタイルを色濃く引き継ぐ,直系のポーランド側,フランス側の孫弟子達による歴史的音源と,その録音に使用された20世紀前半のピアノ黄金期の個性溢れる音色の魅力を,今から約90年前の最高級の大型蓄音器(1930年英国製 EMG markⅨ)を使用し,その生々しいオリジナルのサウンドによる検証と解説で紹介します。


    会 場 :京都市立芸術大学 大学会館ホール
    (京都市西京区大枝沓掛町13-26)ご来場は公共の交通機関をご利用ください。
    日 時 :2020年11月13日(金) 16:30開始(約90分を予定)
    定 員 :20名(一般)
    参加料 :なし。ただし事前予約が必要です。(先着順) 一般申込▶︎URL満席につき予約受付終了いたしました。(10/20)
    主 催 :京都市立芸術大学
    企 画 :京都市立芸術大学芸術資源研究センター
    「歴史的音源で検証する20世紀ピアノ黄金期の音色」プロジェクト

    新型コロナウイルス感染防止対策のため,当日受付で検温等に御協力をお願いします。

    チラシPDF

    展覧会のお知らせ

    《バシェ音響彫刻 特別企画展》

    1970年大阪万博から50年 〜 よみがえる響き ゆらめく身体  〜

    バシェ音響彫刻は耳に響くだけでなく、身体に共振し、心の底の何かをゆり起こす。
    これは古い修復楽器ではなく、新たな発見をもたらす音の未来装置かもしれない。

    「バシェの音響彫刻」とは、ベルナール・バシェ(1917-2015)、フランソワ・バシェ(1920-2014)兄弟によって考案された、音の鳴るオブジェです。1970年大阪万博において鉄鋼館に展示する音響彫刻の製作を依頼されたフランソワ・バシェは、来日して17基の音響彫刻を作りました。しかし万博閉幕後、音響彫刻はすべて解体され、倉庫に保管されたまま世の中から忘れられていきました。2010年、鉄鋼館が「EXPO’70パビリオン」として再開されることとなり、それを機にバシェの音響彫刻を修復・復元する計画が進み始めました。現在までに修復され、音の出せる状態で保管されている音響彫刻6基のうち、2013年に修復された「高木フォーン」「川上フォーン」、2015年京都市立芸大で修復された「桂フォーン」「渡辺フォーン」、2017年東京藝術大学で修復された「勝原フォーン」の5基が、今年11月ギャラリー@KCUAに集います。そして修復に至るまでのアーカイブを展示すると共に、コンサートやパフォーマンス公演、ワークショップなどを行ないます。また、コンサート終了後は、バシェの音響彫刻と教育音具パレット・ソノールに実際に触れて、音を体感することができます。


    会 場 :京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
    展示室 :@KCUA 1, 2
    会 期 :2020年11月7日(土)–2020年12月20日(日)
    開館時間:11:00–19:00
    休館日 :月曜休館(11月23日(月・祝)は開館)
    入場料 :無料
    主 催 :京都市立芸術大学
    共 催 :東京藝術大学ファクトリーラボ
    企 画 :京都市立芸術大学芸術資源研究センター バシェの音響彫刻プロジェクト
    助 成 :2020年度 日本万国博覧会記念基金事業助成
    協 力 :大阪府/万博記念公園マネジメント・パートナーズ(BMP)/バルセロナ大学/「L’association STRUCTURES SONORES BASCHET」(フランスのバシェ協会)/バシェ協会(日本)

    お問い合わせ
    京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

    チラシPDF

    発行のお知らせ

    芸術資源研究センター紀要

    COMPOSTvol.01


    この度,紀要『COMPOST』vol.01を発行いたしました。
    ウェブ版はこちらからご覧ください。

    PDF版


    『COMPOST』の刊行に

     いよいよと、というべきか、やっと、というべきか、京都市立芸術大学芸術資源研究センターから紀要『COMPOST』が発刊される運びになりました。めでたいことです。2014年の芸術資源研究センター(以下〈芸資研〉)のオープンから数えて6年にしてようやくの発行、ということになります。センターの最初の構想案を書いたのがその5年前の2009年のことなので、そこから数えると、10年以上が経過してしまいました。『COMPOST』は芸資研の紀要という位置づけなのですが、この少々変わったネーミングについては説明が必要かもしれません。 
     「アーカイブ」(正確にはアーカイヴズarchivesですが、ここでは「アーカイブ」と表記しています)の概念を説明する時に、「美術館は壁、図書館は書架、アーカイブはキャビネット」というような比喩が使われたりするのですが、「COMPOST=コンポスト」は、私たちの考えるもうひとつの動的なアーカイブ観を表しています。
     コンポストとは、一般的に、生ゴミや排泄物などの有機物を微生物の力を借りて分解、堆肥化すること、またはその容れもののことですが、ゴミ箱とは違って、そこには、廃棄、保存・蓄積と同時に、変化と再生のイメージがあります。なぜ廃棄が保存へと移り変わるのかといえば、そこに変化・再生のプロセスがあるからです。本来の「アーカイヴズ」では対象とされる行政文章について、恣意的な書き換えや紛失を避けるべく、変化の少ない堅牢な保存を旨とするのですが、日々変化していく創造の現場である芸術大学のアーカイブには、その変化のプロセスがあらかじめ組み込まれているはずではないか?と考えてみましょう。そのような芸術としてのアーカイブひとつが「記譜法」です。楽譜は創造されたあたらしい音を記述して、時間を超えて保存継承する技法なのですが、同時に楽譜は、時間を超えて様々な読みと変化を許容し、あたらしく生き生きとした演奏=創造を生み出す可能性に開かれ、創造的に読まれるための開かれた記述(ノート)でもあります。私たちの考える「芸術大学におけるアーカイブ」というのは、例えばそんなイメージで「COMPOST」というメーミングにはそんな意図も込められているのです、実は。
     まずは最初の一巻です。2020年をスタートに年1回の発行で10年を当面の目標にしていきます。できる限り息の長い存在でありますように、温かく見守っていただければ幸いです。

    石原友明

    (COMPOST vol.01 巻頭言より)

    出版のお知らせ

    MADE IN KYOTO 京都の匠:世界を変える日本の伝統工芸

    研究プロジェクト「京都工芸アーカイブ」成果報告

    研究プロジェクト「京都工芸アーカイブ」より,京都の伝統工芸文化を紹介する本が出版されました。
    京都工芸アーカイブについて


    編集

    • 前﨑 信也(まえざき しんや)
      芸術資源研究センター客員研究員・「京都工芸アーカイブ」プロジェクトリーダー
      滋賀県甲賀市出身。京都女子大学家政学部生活造形学科准教授。専門は工芸文化史・文化情報学。ロンドン大学SOAS大学院博士課程修了(PhD in History of Art)。2008年より立命館大学で海外の美術館・博物館に所蔵されている日本工芸品のデジタル化に従事。2015年から現職。日本の文化芸術に関わる講演、執筆、展覧会監修など幅広く活躍している。
    • 山本 真紗子(やまもと まさこ)
      京都市芸術大学芸術資源センター非常勤研究員
      京都府京都市出身。、立命館大学文学部授業担当講師。専門は日本文化史。立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了(博士・学術)。2009年より立命館大学アート・リサーチセンターにて研究員として京都を中心に工芸の調査に携わる。

    崇仁小学校展|記憶のひきだし/見返りすうじん 開催のお知らせ

    京都市立芸術大学・崇仁小学校の記録と記憶を継承するプロジェクト

    崇仁小学校展|記憶のひきだし/見返りすうじん

    2023年度,京都市立芸術大学が崇仁地区に移転します。
    この移転に向けて2020年度に,崇仁小学校の建物は解体されます。
    けれども,この建物であったことや思い出がなくなるわけではありません。
    「崇仁小学校展|記憶のひきだし/見返りすうじん」は,たくさんの人たちが利用した崇仁小を,記憶がいっぱいつまった大きなひきだしに見立て,そのひきだしを引いたり出したりすることで,さまざまな人たちが記憶をひきし,見返しながら,未来に向けて継承していく催しです。

    • 2020年3月20日(金・祝)〜3月31日(火)
    • 3月23日,26日,30日はお休み
    • 会場:元・崇仁小学校(京都市下京区川端町16)
    • 参加無料(事前申込不要)

    屋外展示
    ミカエルさん
    (制作・伊達伸明)
    ミカエルさんのTwitter公開中!
    日々変化を続けるミカエルさんの動向をチェックできます。
    制作過程、校内散歩、バージョン変更企画などを随時発信!


    展示
    崇仁小学校資料展
    「崇仁小学校をわすれないためにセンター」
    会場:南校舎1階ギャラリースペース
    参加方法:直接会場へお越しください。
    入場無料 


    参加型展示・展示
    校舎のかけら〈ーここでなにがあった?ー〉
    会場:元崇仁小学校全体(参加型展示),南校舎1階ギャラリースペース(展示)
    参加方法:南校舎西側入り口の受付でシールを受け取ってください。(無料)


    写真展
    懐かしい崇仁小学校の卒業生・教員の写真展
    崇仁自治連合会と共催。歴代の卒業生・教職員集合写真を展示します。
    会場:南校舎1階
    入場無料


    展示
    100年後の未来に伝える崇仁地域の今
    崇仁発信実行委員会と共催。崇仁地域の現在の姿を住民・学生と共に制作した写真や映像で紹介します。
    会場:南校舎1階ギャラリースペース 
    入場無料


    崇仁小学校アトリエ利用者による展示
    劇団三毛猫座
    舞台美術・衣装展
    京都市立芸術大学出身者を中心に活動している劇団三毛猫座の舞台美術・意匠の展示です。
    開催日:3月20日(金・祝日)~22日(月)


    ギャラリー崇仁完成見学会
    ギャラリー崇仁は、寺岡波瑠により設計され,約2年間京都市立芸術大学に関係のある様々なアーティストにより展覧会を開催してきました
    本見学会は、ギャラリー崇仁の最後のイベントです。
    開催日:3月14日(土)~29日(日)12:00-17:00 
    会場:本館1階 ギャラリー崇仁
    コーディネーター¦SCRAPANTISE(黒川岳/寺岡波瑠/平田万葉)


    新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、開催期間中は、アルコール消毒液を会場に配備するとともに、状況に応じて開催内容を変更する場合があります。ご了承ください。

    チラシ


    主催|京都市立芸術大学・崇仁小学校の記録と記憶を継承するプロジェクト共催|崇仁自治連合会 崇仁発信実行委員会
    お問合せ|京都市立芸術大学芸術資源研究センター tel /fax 075-334-2217


    第28回アーカイブ研究会のお知らせ


    第28回アーカイブ研究会

    シリーズ:トラウマとアーカイブvol.4
    ロマの進行形アーカイブとしてのちぐはぐな住居


      シリーズ第4回目は,岩谷彩子氏にお話いただきます。

    • 日時:2020年2月18日(火)14:30−16:30
    • 場所:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター
    • 参加無料(事前申込不要)

    チラシ


     ポスト共産主義期のルーマニアに林立し始めた奇妙な御殿。いつしか人々はそれを「ロマ御殿」と呼ぶようになった。アジア建築にも似た豪奢なその建物に住まうのは、ルーマニアで長らく差別と迫害を受けてきた少数民族ロマであり、その中でも最も移動性が高く、戦前から金属加工にたずさわってきたカルダラリ・ロマである。第二次世界大戦時、彼らの多くはトランスニストリアへの強制連行と強制労働で命を失った。戦後、トランスニストリアから引き揚げマイナスから出発した彼らだったが、金属市場の高騰を受け急速に蓄財をなしとげた。彼らの御殿には異なる建築様式が折衷され富を誇るが、建築途中で放置され剥き出しになった階段やベランダも存在し、敷地の一角にはスクラップが散乱する。家族の遺品が普段使われない部屋にひっそりと納められる一方で、未来の客人や子どもたちのために未使用の部屋もある。本報告では、語られない過去と饒舌なまでの未来の期待を含み、異なる空間的要素が組み合わさる一見ちぐはぐなロマの住居を、彼らの現在進行形のアーカイブとしてとらえてみたい。(岩谷彩子)

    ■講師プロフィール
    岩谷彩子|Iwatani Ayako
     文化人類学。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。インドの商業移動民および世界でロマ、「ジプシー」と呼ばれてきた人々の文化人類学的研究にたずさわる。夢や建築物、音楽や踊りなど、彼らのコミュニティの境界を形成するさまざまな装置を「記憶の媒体」としてとらえ、その特徴について考察している。著書に『夢とミメーシスの人類学―インドを生きぬく商業移動民ヴァギリ』(明石書店)、『映像にやどる宗教、宗教をうつす映像』(せりか書房)、分担執筆に「『移動民族』としてのロマと新人種主義―ヨーロッパ域内の人の移動をめぐるポリティクス」(斉藤綾子・竹沢泰子編『人種神話を解体する 第1巻Invisibility―「見えない人種」の表象』、東京大学出版会)など。


    シリーズ:トラウマとアーカイブについて
    芸術資源研究センターが行う研究会「アーカイブ研究会」では,今年度〈シリーズ:トラウマとアーカイブ〉と題して,連続的な講演と議論の場をもちます。
    公的な歴史や大きな物語からこぼれおち,それゆえ忘れ去られていく出来事とその記憶については,その記憶を聞きとり,引きうけ,わがこととして受けつぐ試みが,近年多くの場面で行われ,論じられています。
    今回考えてみたいのは,忘れ去られつつあり,かつ忘れてはならないと思われるにも関わらず,差別や暴力の経験,負の記憶に結びついているために,あるいは今それについて語ることが新たな暴力や差別を引き起こしかねないために,思い出すことや語ること自体が現在でも困難であるような出来事とその記憶―トラウマ的な記憶―についてです。
    たとえば,差別の経験や,国と国のあいまにある中間的な場所の記憶などについては,それについて語る・想起する・言及すること自体が,当事者にとってはもちろん,アーティストや研究者にとってもむずかしいという現状があります。しかしながらだからこそ,そうしたことがらについて語り,聞き,話すための場所が必要だとも言えます。
    では実際に,こうした経験と記憶については,どのような試みやアプローチが可能でしょうか。本シリーズでは,記憶をアーカイブする装置としての芸術やフィクションの可能性に注目してみます。集団的というよりも個的な記憶,言語的・歴史的史料というよりも,フィクションや視覚的資料,そしてさまざまな「モノ」などに焦点をあてるこうした実践が,いまどのように可能なのか。異なるフィールドを対象に,忘れられるべきではない経験と記憶についての研究や表現活動を実践してこられた方たちをお迎えし,語ること,想起すること,聞きとり・引きうけ・受けつぐことの可能性とその具体案について,考えてみたいと思います。(芸術資源研究センター教授 佐藤知久)


    1 2 3 4 5 6 7 8 9 14

    ページトップへ戻る