第38回アーカイブ研究会のお知らせ

アートと学際研究の幸福な関係
-「ヤングムスリムの窓」を中心に


講師:澤崎賢一(一般社団法人「暮らしのモンタージュ」代表)


近年、アーティストが他領域の研究者等と協働して学際的な研究プロジェクトをおこなう事例が目立つように なりました。本学博士課程(構想設計)を修了したアーティスト/映像作家の澤崎賢一さんは、フランスの庭師 ジル・クレマンの活動を記録したドキュメンタリー映画『動いている庭』(2016 年)以降、研究者や専門家らと の共同研究プロジェクトによる映像作品を続けて制作しており、2018 年には映像メディアを活用した学際研究 のプラットフォームとして一般社団法人「暮らしのモンタージュ」を創設しています。個のアーティストとして の制作を越えて、領域を横断するコラボレイティブな開かれたアート実践を志向する背景にはどのようなビジョ ンがあるのでしょうか。澤崎さんの最新の取り組みである「ヤングムスリムの窓:芸術と学問のクロスワーク」 (文化人類学者の阿毛香絵さん/京都精華大学特任講師、イスラームとジェンダーを専門とする野中葉さん/慶 應義塾大学准教授との共同プロジェクト)など、いくつかの実践についてお話をうかがいます。 https://project-yme.net/


日時:2023 年 3 月 30 日(木)14:00-16:00
会場:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター
定員:10 名
▶︎要予約:申込フォーム
*下記の作品を上映します。
澤崎賢一『#まなざしのかたち ヤングムスリムの窓:撮られているのは、確かにワタシだが、撮っているワタシ はいったい誰だろう?』(30 分 30 秒, 2023)

研究会のお知らせ

芸術資源研究センター 「音と身体の記譜研究」プロジェクト企画
「柴田南雄のシアター・ピース考」
(東洋音楽学会西日本支部第295回定例研究会)


概要:
柴田南雄(1916-1996)は日本の民俗芸能に取材したシアター・ピース作品を残したことで知られる。柴田のシアター・ピースは合唱によって上演されることを意図されているが、一般的な合唱作品とは異なり、多くの作品で不確定性を取り入れた記譜が採用されている。上演にあたっては、楽譜の表面に書かれた事柄に加えて、楽譜に書かれていない事柄をどのように「読むか」(あるいは理解するか)ということが問題となる。

本企画では、柴田南雄のシアター・ピースを研究し自身の作品にも応用している作曲家徳永崇氏を招き、 柴田のシアター・ピース作品のなかでも日本の民俗芸能に取材した《追分節考》(1973)、《念佛踊》(1976)、及び古今東西の恋歌を素材とした《歌垣》(1983)を取り上げ、とくに記譜されていない事柄に注目しながら、上演に内在する様々な問題を考える。(文:竹内直)


日 時:2023年3月4日(土)13:00〜16:00/開場 12:30
会 場:京都市立芸術大学大学会館ホール(京都市西京区大枝沓掛町13-26)
   ご来場は公共の交通機関をご利用ください。
定 員:50名 申し込みはこちらのフォームより申し込みください。
参加料:無料 ※ただし事前予約が必要です。(先着順)

企画主催:京都市立芸術大学芸術資源研究センター「音と身体の記譜研究」プロジェクト
共催:東洋音楽学会西日本支部
▶︎新型コロナウイルス感染防止対策のため,当日受付で検温等に御協力をお願いします。


1.イントロダクション 
「柴田南雄の創作活動とシアター・ピース」
講師:竹内直(音楽学、芸術資源研究センター非常勤研究員)

2.講演
「柴田南雄のシアター・ピースの上演における諸問題——記譜されていない情報に着目して——」
講師:徳永崇(作曲家、広島大学大学院准教授)

3.座談会
司会:滝奈々子(芸術資源研究センター非常勤研究員)

【講師プロフィール】
徳永崇(作曲家)
1973年広島生まれ。広島大学大学院教育学研究科、東京藝術大学音楽学部別科作曲専修及び愛知県立芸術大学大学院音楽研究科博士後期課程修了。柴田南雄のシアター・ピース研究で博士号(音楽)を取得。SCM World Music Days入選(2002/香港、2014/ヴロツワフ)。武生作曲賞受賞(2005)。作曲家グループ「クロノイ・プロトイ」メンバーとして、サントリー芸術財団第9回「佐治敬三賞」受賞(2010)。2021年4月より1年間、タンペレ応用科学大学に交換研究員として在籍。広島大学大学院教育学研究科准教授。

● 企画コーディネーター・進行:竹内直
● 座談会司会:滝奈々子


チラシ(PDF)


プロジェクトページ

シンポジウムのお知らせ

「写真家・井上隆雄の視座を継ぐ ―仏教壁画デジタルライブラリと芸術実践―」
重点研究プロジェクト井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究によるシンポジウムが開催されます。


概要:写真家・井上隆雄は、1970年代にインド・ラダックとミャンマー・バガンを取材し、仏教寺院壁画を中心としてその視座をフィルムにおさめた。それらの写真には、半世紀前の壁画の情報が確かな技術で記録されている。本シンポジウムでは、井上隆雄の眼差しを次世代に継いでいく可能性と意義を考える。


日時:2023年3月12日(土)13:00-17:00
【シンポジウム会場】国立民族学博物館 第4セミナー室(本館2階)
(同日、13:00- 会場:定員50名/オンライン:定員300名)
【企画展示会場】国立民族学博物館 第3セミナー室(本館2階)
(同日、10:00-17:00)
※事前申込制、先着順、参加無料
来場希望の方は下記のフォームよりお申込みください。
▶︎シンポジウム参加申請フォーム

【プログラム】

10:00 展示(第3セミナー室)開室
12:00 会場(第4セミナー室)開室・受付
13:00 開会挨拶 𠮷田憲司(国立民族学博物館長)
13:05 趣旨説明 正垣雅子(京都市立芸術大学准教授)
13:20 発表
「井上隆雄写真資料のデジタルアーカイブ化支援」
  石山俊(国立民族学博物館プロジェクト研究員)
「X-DiPLAS が構築する画像デジタルライブラリの特徴」
  丸川雄三(国立民族学博物館准教授)
「井上隆雄アーカイブ活動の実践と課題」
  岡田真輝(京都市立芸術大学・井上隆雄写真資料アーカイブ研究員)
「井上隆雄撮影のバガン壁画と可能性」
  寺井淳一(東京外国語大学特別研究員)
「井上隆雄写真の活用 模写による壁画表現の再現」
  正垣雅子(京都市立芸術大学准教授)
15:00 展示解説
正垣雅子(京都市立芸術大学准教授) ラダック壁画の模写制作
翟建群(京都市立芸術大学特任准教授) バガン壁画の模写制作
丸川雄三(国立民族学博物館准教授) 仏教壁画デジタルライブラリ
オンライン発表
「概知の素材からどのように未知なる対象を⽐定しうるか―アルチ寺三層堂「成就者肖像集」をめぐる現状と課題」
菊谷竜太(高野山大学准教授)
15:30 ディスカッション
「デジタルライブラリと芸術実践の可能性」
モデレーター 末森薫(国立民族学博物館准教授)
16:30 閉会挨拶 飯田卓(国立民族学博物館教授)


主催:京都市立芸術大学
人間文化研究機構共創先導プロジェクト(共創推進研究)
「学術知デジタルライブラリの構築」
国立民族学博物館拠点 (X-DiPLAS)


チラシPDF


シンポジウム要旨集PDF


プロジェクトページ井上隆雄写真資料に基づいたアーカイブの実践研究

第37回アーカイブ研究会のお知らせ

第37回アーカイブ研究会
沓掛アーカイバル・ナイト〈第1回〉
沓掛時代から平成美術へ:アートと社会システムとわすれたくない作品



講師
松尾 惠(ギャラリスト|ヴォイスギャラリー)
原 久子(アートプロデューサー|大阪電気通信大学教授)


崇仁地区への本学移転まで、残り1年になりました。そこで芸術資源研究センターでは、これからの1年間、1980年から2023年までの「京芸沓掛時代」を多彩なゲストとともにふりかえるトーク·シリーズ「沓掛アーカイバル·ナイト」を開催いたします。

記念すべき第一回のゲストは、本学卒業生であり、1986年に「ヴォイス·ギャラリー」を立ちあげて以来、多くの表現者たちに活動と発表の場を提供しつづけてきた松尾惠さんと、関西を対象とした現代美術批評誌『A&C: art & critic』の創刊(1987年)をはじめ、沓掛時代を通じさまざまなかたちで「アート·マネジメント」にたずさわってきた原久子さんのお二人です。

研究会では、沓掛時代を「美術をめぐる様々なシステム化が進んでいく時代」としてとらえ、お二人がギャラリストあるいはアート·プロデューサーとして、この時代に何を経験し、何を感じ、どうやってサバイブしてこられたのか、そしてこの40年間をふりかえってみたとき忘れがたい作品や出来事について、お話しいただきます。沓掛時代のアートシーンを熟知したお二人ならではの視点から、同時代についての証言と、これからの芸術についてのご意見をうかがっていきます。


2022年10月21日(金)18:00-20:00
会場:京都市立芸術大学 伝音共同研究室1(新研究棟7F)
定員:24名(要予約)
来場希望の方は下記のフォームよりお申込みください。
▶︎申込受付フォーム
研究会記録はYouTubeチャンネルより後日配信予定です。


チラシPDF

レクチャーのお知らせ

歴史的音源で検証するピアノ黄金期の音色
ピアノ黄金期の2大ピアノ産地 「ドイツ」「フランス」の音色聴き比べ!
スタインウェイ、ベヒシュタイン、プレイエル、エラールなど,多くの世界的な銘器を生み出した2つのピアノ大国の個性的な音色を,最高級蓄音器(1930年英国製大型蓄音器 EMG mark Ⅸ)と巨匠達の歴史的名演で紹介するレクチャーを開催します。


解 説:梅岡俊彦(歴史的音源で検証する20世紀ピアノ黄金期の音色 プロジェクトリーダー・古典鍵盤楽器技術者・音楽学部非常勤講師)
松原 聡(ピアニスト・ピアノ研究家)
日 時:2022年10月26日(水)16:30開始(約120分を予定)
会 場:京都市立芸術大学 大学会館ホール アクセス御来場は公共交通機関をご利用ください。
参加費無料・要予約
申込方法:リンク先のフォームに必要事項を記入して送信してください。
▶︎参加申し込みフォーム
一般用
京芸生用


プロジェクト
歴史的音源で検証する20世紀ピアノ黄金期の音色

第36回アーカイブ研究会のお知らせ

「西洋美術史研究と芸術資源 ――目録やテクストが伝える情報――」
 本学の芸術資源研究センター(Archival Research Center)は、日々生み出される芸術作品や各種資料、作品が生み出される環境などを広く「芸術資源」と捉え直し、それらが新たな芸術創造に活かされるための諸条件やあり方などを探求しています。一方で西洋美術史研究においては、狭い意味でのアーカイブが史的研究に活用されてきただけでなく、広義の「芸術資源」を作家たちがどう活用し、次の制作・創造につなげていったのか、その有り様が常に探求されてきました。また、そうした「芸術資源」から作家や研究者が汲み取る「情報」や「内容」についても、決して一律に規定されるものではありません。本センターの打ち出す「芸術資源」の新たな定義は、伝統的な手法を取る美術史研究にとっても有意義なものです。その射程を今一度捉え直し、さらに広げていくためにも、伝統的なアーカイブやその周辺に眠る資料や、制作環境で活用されてきた芸術資源がどのようなもので、それらが制作や美術研究に如何に取り入れられてきたのかを多様な事例研究から知ることも、また意義のある取り組みだと言えるでしょう。
 今回開催する研究会では、アーカイブの蓄積と活用の重厚な歴史を持つ西洋美術史分野において、具体的な作家・作品研究とアーカイブの提供する資料とが如何に結び付けられてきたかということを検証し、それをもとに考え、情報提供する機会となればと思っています。皆様のご参加をお待ちしております。
深谷訓子(美術学部 総合芸術学科 准教授)

日 時:8月5日(金)13:00-15:50
方 式:Zoomオンライン

チラシ

▶︎参加申し込みフォーム
リンク先のフォームに必要事項を記入して送信してください。
研究会前日に参加のためのZoom情報をお送りいたします。


プログラム

開会挨拶:森野彰人(芸術資源研究センター所長・美術学部 教授)
研究会へのイントロダクション:佐藤知久(芸術資源研究センター 教授)


【第1部】財産目録から探る作品のすがた|司会:今井澄子|
研究発表①
13:10-13:30
「財産目録から辿るティツィアーノ作品の来歴 - 展示状況とその変化」
大熊夏実(京都市立芸術大学・博士後期課程)

研究発表②
13:30-13:50
「収集品とアイデンティティ-ネーデルラント総督アルブレヒトとイザベラの美術コレクション」
深谷訓子(美術学部 総合芸術学科 准教授)

13:50-14:10
第1部 質疑応答とディスカッション 


【第2部】テクストとしての芸術資源と美術史研究|司会:深谷訓子|
研究発表③
14:20-14:40
「16・17世紀イタリアにおける芸術家のための図書一覧」
倉持充希(神戸学院大学 講師)

研究発表④
14:40-15:00
「ドラクロワによる『ニコラ・プッサン伝』(1853年)-「芸術家伝」に何を学ぶか」
西嶋亜美(尾道市立大学 准教授)

研究発表⑤
15:00-15:20
「ヤン・ファン・エイク研究と古文書記録」
今井澄子(大阪大谷大学 教授)

15:20-15:50
第2部 質疑応答とディスカッション

(敬称略)


ハニワ引き上げ 動画公開のお知らせ


2022年5月25日。京都市立芸術大学・沓掛キャンパスの中心にある池の中から、二体のハニワが引き上げられました。

ひとつは、美術家の藤浩志さんが1985年の大学院修了制作のデモンストレーションの一環として制作したハニワ*。「大学」のメタファーとして作られたこのハニワは、藤さんの手で沓掛キャンパスの池に沈められ、以来、京都市立芸術大学の一部のように歴代の学生たちに親しまれてきたようです。

もうひとつのハニワは、それから30年後の学生たちが「総合基礎実技」の授業で藤さんのハニワをテーマに選び、リサーチして制作したもの。二体のハニワは池に並んで結婚式を挙げ、その後はずっと池の中に隠れていました。姿が見えない間も、学生たちはハニワを語り継ぎ、新入生でもその存在を知っているといいます。

多くの学生、講師、職員、卒業生たちが見守った二体のハニワ引き上げは、なにか特別なイベントというわけではなく、京芸の日常そのものの光景でした。芸資研のYoutube チャンネルで、その様子の記録映像を公開しています。

芸資研Toutubeチャンネル

動画制作:河原雪花 https://setsukakawahara.com/
写真:清水花菜
企画・撮影:京都市立芸術大学 芸術資源研究センター


* 藤さんのハニワは下記の展覧会に出展されます。
兵庫県立美術館 開館20周年 特別展「関西の80年代」
(会期:2022年6月18日〜8月21日)

『COMPOST』vol.03 発行・販売のお知らせ

芸術資源研究センター紀要
『COMPOST』vol.03 を発行しました


購入を希望される方は下記の注文フォームよりご注文ください。

COMPOST 注文フォーム


◀︎本編目次▶︎ PDF版(本編)

p.005 
巻頭言
井上明彦

p.008
COMPOST vol.03の表紙について
建畠晢

p.014 
論文:アメリカ国立公文書館所蔵写真にみる、接収住宅と「占領」の眼差し
高嶋慈

p.054 
論文:写真的距離-不鮮明画像としての版画は現代美術にならなかったのだろうか[エッセンシャル版]
山本和弘

p.078 
論文:モーションキャプチャーシステムで取得したダンス動作に対する知覚評価と脳活動-躍動感と滑らかさは背反するか?
津崎実・川上央・佐藤直哉・青木敬士

p.104 
研究ノート:バシェの音響彫刻が降りてきた!-修復・創造・教育の日々の記録
岡田加津子

p.129 
研究ノート:新アコースティック鍵盤楽器考−河合小市ミニピアノの解体を通して
砂原悟黒川岳

p.148 
研究ノート:「地の地平《往還のとき》―伝統と創造の奥」定点観測2––地球市民の広場から
中村典子

p.161 
研究ノート:「絵具に問う」プロジェクト報告 京都市立芸術大学芸術資料館所蔵の中国明代絵画に使用された白色顔料––画材の変遷の解明に向けたアーカイブ
王杰高林弘実・竹浪遠・棚橋映水

p.180 
研究ノート:工芸を保証しアーカイブする技術としてのブロックチェーン−B-OWNDが提案する工芸の新しいあり方
前﨑信也

p.190 
研究ノート:國府理「水中エンジン」再制作にあたっての技術仕様書 ––2021年追記:「平成美術」展版
白石晃一

【シンポジウム】過去の現在の未来 キュレーションとコンサベーション2 その原理と倫理
p.210 
開会あいさつ
石原友明

p.211 
第一部 國府理《水中エンジン》とキュラトリアルな実践としての再制作
遠藤水城×白石晃一×高嶋慈

第二部 現代美術の保存修復の責務と倫理
p.219 
『残余』の現代美術│保存修復と再制作のあいだ
田口かおり

p.223 
テセウスの船としての現代美術
加治屋健司

p.227 
美術作品の『再制作』について
中井康之

p.229 
吉村益信《豚・pig lib;》の修復処置と保存の課題について
相澤邦彦

p.233 
ディスカッション
遠藤水城/田口かおり/加治屋健司/中井康之/相澤邦彦

p.239
[重点研究プロジェクト]〈音楽学部・音楽研究科アナログ演奏記録デジタルアーカイブ化〉について
山本毅


◀︎資料編目次▶︎ PDE版(資料編)

p.004
2021年度芸資研の活動について
佐藤知久

p.006
芸術資源研究センター|研究活動一覧
重点研究プロジェクト

p.012
センターとしての研究事業

p.013
芸術資源研究センター|2021年度活動報告
重点研究プロジェクト

p.48
アーカイブ研究会

p.053
よりあいのまとめ

p.057
芸術資源研究センター|スタッフ一覧


2022年3月31日発行

編集:COMPOST編集委員会

発行:京都市立芸術大学芸術資源研究センター

装丁・組版:松本久木+納谷衣美(松本工房)

表紙アートワーク:建畠晳

木版画制作:桐月沙樹

技術協力:鳥居本顕史・水口翔太・ウルトラファクトリー

表紙刷り:荒木帆乃香・大﨑緑・鬼頭謙・桐月沙樹・佐藤知久・高嶋慈・𡌶美智子・平田万葉・村上花織

印刷・製本:株式会社ライブアートブックス(株式会社 大伸社)


「音と身体の記譜研究」ワークショップ

「リュート・タブラチュアの記譜法を考える——鳴ると記すのあわい」


日 時:2022年3月20日(日)開始:13:00/(開場)12:30)
◇ワークショップ:13:00-15:00
◇トーク・セッション:15:15-16:00
会 場:京都市立芸術大学大学会館ホール(京都市西京区大枝沓掛町13-6)ご来場は公共の交通機関をご利用ください。
定 員:50名(一般)一般申し込みはこちらのフォームより申し込みください。(先着順)
参加料:無料・要予約(筆記用具をご持参ください)
主 催:京都市立芸術大学
企 画:京都市立芸術大学芸術資源研究センター 「音と身体の記譜研究」プロジェクト
チラシ(PDF)
▶︎新型コロナウイルス感染防止対策のため,当日受付で検温等に御協力をお願いします。


【概要】
楽譜には、音楽を演奏するにあたっての様々な情報が書き込まれている。この楽譜を書く方法のことを記譜法(ノーテーション)という。
楽譜に書き込まれた情報は演奏をする際に必要なことがらだが、必要なことがらの定義は、地域や文化によって、また同じ地域でも時代によって変わる。
いっけんすると慣習的な読み方で読めるようでも、特定の地域や時代特有の読み方が必要なこともある。また楽譜に書かれていない情報を奏者が読み出すことが必要なことも、奏者によって引き出される情報が異なる場合もある。

ルネサンス期のリュート・タブラチュア(奏法譜)は、文章の句読点に相当する休符が書かれていない。そのため、この時代特有の多声的(ポリフォニック)な音の響き(テクスチュア)も、タブラチュアの表面からすぐには読み取れない。ただ、楽譜に書かれていないことがらを読み出すための読み筋はあり、書かれている情報の背後には、隠されたテクスチュアがある。

記譜法とは、端的に言えば、実際に演奏される音を書き記すための行為であるわけだが、記すという行為と現実に鳴る音とのあいだは、決して直線で結ばれてはいない。
本ワークショップでは、ルネサンス期のリュート・タブラチュアの記譜法を通して、鳴る音と記す行為のあいだを考える。(文:竹内直)

ワークショップ講師:笠原雅仁(古楽器奏者、声楽家)
トークセッション・ゲスト:岡田加津子(作曲家、本学教授)、三島郁(音楽学、本学非常勤講師)


【講師プロフィール】
笠原雅仁(声楽家、古楽器奏者)
武蔵野音楽大学声楽科にて宮本昭太氏に師事。同大学卒業後は有村祐輔氏のもとで声楽、古典音楽理論を学んだ後、1998年に渡英。ロンドンの英国王立音楽大学、大学院古楽科にてN.ロジャース、S.ロバーツの各氏に声楽を、J.リンドベルイ氏にリュートを師事。2002年より仏国のパリ市高等音楽院古楽科にてコルネットをJ.テュベリ氏に師事。2007年にディプロマを取得し、卒業。アンサンブル「エリマ」、「カンパニー・オートルムズュール」など、フランス内外の主要なバロックオーケストラやアンサンブル等と共演、またCDやラジオ・フランス、BBCの為の録音に参加する等、特に初期バロック音楽の専門家として国内外で活躍中。また、パルコ劇場主催の舞台劇「メアリー・ステュアート」にはリュート奏者として出演するなど、様々な分野での活動を拡げている。「アンサンブル・プリンチピ・ヴェネツィアーニ」主宰。

【トークセッション・ゲスト プロフィール】
岡田加津子(作曲家、本学教授)
神戸生まれ。東京藝術大学作曲科卒業、同大学院音楽研究科修了。2003年バロックザール賞、2016年藤堂音楽賞受賞。作曲活動の一方で、楽譜を使わないで音楽する「リズミック・パフォーマンス」のワークショップを全国的に展開。また近年は、バシェの音響彫刻の保存と、音響彫刻を用いた新しい創造活動、教育活動に情熱を注ぐ。京都市立芸術大学教授。京都在住。

三島郁(音楽学、本学非常勤講師)
東京学芸大学大学院修士課程修了後、ケルン大学に留学、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門分野は西洋バロック期から19世紀の鍵盤楽器音楽の演奏・作曲論、数字付きバス文化研究。チェンバロ、通奏低音を亀谷喜久子、岩渕恵美子、C. チェラジの各氏に師事。国内外でバロック期の音楽や音楽修辞学などのレクチャーやコンサートを企画・開催。共著に『音楽文化学のすすめ:いまここにある音楽を理解するために』(2007年、ナカニシヤ出版)、『音楽を考える人のための基本文献34』(2017年、アルテス・パブリッシング)他がある。京都市立芸術大学、同志社女子大学、大阪音楽大学、甲南女子大学、大阪教育大学、各非常勤講師、京都市立芸術大学芸術資源研究センター共同研究員。

【トークセッション司会】:滝奈々子(芸術資源研究センター非常勤研究員)
【コーディネーター・進行】:竹内直(芸術資源研究センター非常勤研究員、プロジェクト・リーダー)

レクチャーのお知らせ

歴史的音源で検証するピアノ黄金期の音色
「ピアノの巨匠達の音色はこんなに多彩だった!」
~ 約百年前のピアノ銘器11種類の音色聴き比べ ~


スタインウェイ,ベヒシュタイン,ベーゼンドルファー,プレイエル,エラール他11種類の世界的銘器で演奏する巨匠達の歴史的名演を,90年前の最高級蓄音器(1930年英国製 EMG markⅨ)を使用し,生々しいサウンドによる検証と解説で紹介します。

チラシPDF


解説:梅岡俊彦|古典鍵盤楽器技術者・本学非常勤講師|
   松原聡 |ピアニスト・ピアノ研究家|


日時:2021年12月17日(金) 16:30開始(約120分を予定)
会場:京都市立芸術大学 大学会館ホール(京都市西京区大枝沓掛町13-26)
   ご来場は公共の交通機関をご利用ください。▶︎アクセス
定員:30名(一般)
参加料:無料
    ただし事前予約が必要です。(先着順) 一般申込はこちらのフォームより申し込みください。
主催:京都市立芸術大学
企画:京都市立芸術大学芸術資源研究センター
  「歴史的音源で検証する20世紀ピアノ黄金期の音色」プロジェクト
▶︎新型コロナウイルス感染防止対策のため,当日受付で検温等に御協力をお願いします。

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