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保存修復専攻・日本画専攻が高山祭の祭屋台(天井画・腰彩色図)を復元

2013.03.01

保存修復専攻及び日本画専攻では,京都の祇園祭,埼玉県秩父市の秩父夜祭と並んで日本三大美祭の一つに数えられる岐阜県高山市の高山祭の祭屋台「金鳳台」の天井画「金地雲竜図」と「下段腰彩色図」の復元制作を行いました。

この取組は,日本画専攻の日影圭准教授が岐阜県高山市の出身であることから,高山・祭屋台保存技術協同組合から祭屋台「金鳳台」の修理事業の一環として依頼があり,本学が受諾したものです。

 

復元制作は,両専攻の教員と学生,本学博士課程を修了した特任研究員が一体となって行い,原本を十分に調査研究した上で,材料の自然科学的分析を行うとともに詳細な観察で図柄や制作技術を探り,当初の姿を解明しました。

また,日本画の材料である天然の岩絵具や金泥等の貴重な材料を用い,絵具の美しさや金の輝きによって,素材の持つ魅力を存分に引き出し,往年の文化財の美しい姿を現代に甦らせました。

今回修復を行った祭屋台は,平成25年秋の八幡祭にて披露される予定です。

 

金地雲竜図
修復前 修復後

 

下段腰板彩色図
修復前 修復後

 

担当教員の一人である日影准教授は,「昔の職人さんは,小さい時から命がけで技術の習得に励まれていた。学生とともに,その技術の高さに驚いている。美術の世界は幅広く,現代美術も美しいが,昔から継承されてきた職人技もやはり美しい。」と語られ,修復に携った学生は「修復をすると,地域の方がいかにこの祭屋台を大事にされてきたかがよくわかる。」と地域の方々の思いを実感していました。

この取組は,本学にとっても伝統的絵画技法を扱うことの出来る人材を育成し,技術を伝承する場として大変良い機会となりました。

京都市立芸術大学では,今後も,保存修復専攻を中心に,大学の持つ文化芸術資源を生かして,文化財の調査分析等を研究し復元制作を進めることに積極的に取り組んで参ります。

 

高山祭について

高山祭は,岐阜県高山市で毎年開催される日枝神社の春の山王祭(4月14・15日)と,桜山八幡宮の秋の八幡祭(10月9・10日)の総称です。「高山祭屋台」は1960年に重要有形民俗文化財に指定されています。「金鳳台」は秋の八幡祭の屋台です。

詳細は,高山市観光課ホームページをご覧ください。

高山市観光課ホームページ