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【特別研究】境谷小学校における竹細工教室「竹族,見ぃつけた!」

2011.11.15

 10月の土曜日,境谷小学校の図工室に親子の楽しげな笑い声が響きます。
 今回,京都市立芸術大学美術学部の教員4名と学生5名が,境谷小学校において土曜学習の一環で,生徒・保護者との交流を目的に実施している「チャレンジ土曜教室」で,竹細工教室を行いました。

 この取組は,京都芸大と境谷小学校との連携事業であるとともに,「ものづくりを子ども達にどう伝えるか」というテーマの大学の授業の一環でもあります。  京都芸大や境谷小学校の教員の指導を受けながらではありますが,企画から準備,当日の指導まで全てを学生自身が考え,行いました。  企画内容についても,学生の思いが詰め込まれています。  「工芸の魅力を感じてもらうのはもちろんのこと,洛西は竹の名産地なので,竹を素材に使うことで,身近なところにある物に親しんでほしい。また,竹は地中で繋がっているので,竹を使ってお互いに家族の顔を作ってもらい,家族の繋がりの大切さも学んでほしい。」

 教室当日,まず,学生は自らが作った「竹族(竹で作った家族)」で,劇(喧嘩をする「子ども竹」を「お父さん竹」が「竹はみんな繋がっているんだよ。」と諭す内容)をします。子ども達は「竹族」の劇を真剣に見入っていました。  この劇も,子ども達に工芸の魅力と家族の繋がりの大切さをわかりやすく伝えるための学生の工夫です。

 次に,参加者が,自分の好きな竹を選んで,ボタンや紐,レース,綿などで家族の顔を作っていきます。  竹を切る作業や穴をあける作業などは,芸大の教員が行ったのですが,竹を切る作業一つをとっても子ども達にとっては珍しいのか,興味津々で見つめていました。  子どもも保護者も夢中になって,家族を思い浮かべながら「竹族」を作り上げていきます。

 最後に,参加者全員で発表会を行い,子ども達から楽しかった点や難しかった点の発表を行いました。

 教室終了後に,辻境谷小学校校長にお話をお伺いしました。 「子ども達の顔を見ていると嬉しく思う。質の高い芸術に触れることは子ども達にとって貴重な経験であり,今後大きな力になる。出会いなくせっかく持っている芽が出ないこともある。子ども達には色んな人と出会う機会を設け,色んな経験をさせたい。」

 今後も,芸術大学が持つ様々な情報や知識を,地域の文化芸術振興や美術教育の充実に生かす取組の1つとして,小学校との連携事業を進めてまいります。

※ 境谷小学校との連携事業は,本学独自の「特別研究助成」制度で採択された研究です。  「特別研究助成」制度とは,教員の自発的な特別研究を積極的に推進し,研究教育水準の向上を図るため,学長の定めるテーマに基づく研究内容を教員から募集し,学長を委員長とする委員会において提出された研究内容を審査し,採択された研究に対して,研究費を助成する制度です。