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創立記念式典及び法人化記念シンポジウムを開催

2012.07.09

京都市立芸術大学は,創立130有余年に亘る今日までの歴史を継承しつつ,一層の発展を目指して,平成24年4月1日をもちまして「公立大学法人 京都市立芸術大学」として新たな第一歩を踏み出すことと致しました。これを記念して,6月29日に,本学の講堂において,創立記念式典及び法人化記念シンポジウムを開催致しました。

 

式典は,増井信貴教授の指揮のもと,本学の音楽学部管弦楽団が,ブラームス作曲の「大学祝典序曲」の記念演奏を披露し,総合芸術大学らしく華やかにオープニングを飾りました。

 

来賓の門川大作京都市長から「震災後,日本が混迷している状況において,芸術がどれだけ人を元気にしてきたかを実感している。京都市の誇りであり,日本の宝である京芸が,この混迷の時代を切り開いてくれると確信している。」と京芸の新たな出発にエールを頂戴しました。

 

法人化記念シンポジウムでは,本学の元学長であり,名誉教授の梅原猛さんに「京都の芸術と伝統」というテーマで講演をいただきました。

講演では,京都芸術や京芸の伝統,学長時代のエピソード,芸術論などについて,笑いを交えながらお話いただき,「私が京芸に赴任した当時はボロボロの校舎であったが,そこには芸術の炎が燃えていた。皆,素晴らしい人間であった。私は京芸でその方達と出会い,芸術がどういうものか分かった。深く感謝している。また,京芸から日本を代表する芸術家が育っていくのは嬉しい。今後も,建畠学長のもと多くの芸術家が育っていくことを期待している。」とのお言葉を頂戴しました。

 

シンポジウムの後半は,財団法人国際高等研究所所長の尾池和夫さん,華道家元次期家元の池坊由紀さん,卒業生で声楽家の菅英三子さん,同じく卒業生で彫刻家の名和晃平さんの4名をパネリストとしてお招きし,建畠晢学長をコーディネーターに,「国際的な芸術文化の都である京都の芸術大学」をテーマに,パネルディスカッションを行いました。

4名のパネリストからそれぞれ京芸に対するエールやご提案をいただきました。

 

尾池和夫さん

「京都は,恵まれた自然環境の中,1300年という長い年月をかけて,文化を育くんできた。京都にある芸術大学として,1000年先を見据えて,大学の未来を考えて欲しい」

 

池坊由紀さん

「京都には,京都ならではの磁場があり,京芸の卒業生は京都で得たことを力に変えて世界で活躍されている。京芸の学生は,京都のメリットに着目し,吸収して欲しい。」

 

菅英三子さん

「先生と学生が密に結びつき,学生同士が切磋琢磨する京芸の環境は,人間形成にとってとても大切。物的環境は十分でないかもしれないが,そういった人的・精神的環境は世界に胸を張れる。法人化後も,人間の根幹に根差した大学であって欲しい。」

 

名和晃平さん

「スピリッツのようなものが京芸を形作っている。そういったものを学生に浸みわたるようにしつつ,学生と社会との“接点”となるプロの工房などで学生が作業を手伝い,現場を体験するプログラムを構築し,導入すれば良いと思う。」

 

最後に尾池和夫さんにまとめていただきました。

「伝統を学び,挑戦し,新しいものを創造する。京都は,そうすることで伝統を発展させてきた。守るべきものは守り,変えるものは変えていく。これは全ての分野において言える。法人化後も,守るもの,変えるものをしっかりと見据えて,大学運営を行っていただきたい。」