この度,京都市立芸術大学では,3つのワークショップ「うつしから学ぶ」を下記のとおり開催します。
近年まで,大学美術教育の場では「ゼロから創造する」ということが重視され,かつての美術教育で行われていた臨画(模写)などに代表される「うつす」というプロセスは創造性の低い手段として認識されてきました。しかし,本学では,あらゆる表現が出尽くしたともいえる現在,創作活動における「うつす」という行為の重要性を見直す動きが高まっており,この度,専門領域の異なる3名の教員による,3つの視点から「うつす」という概念を多角的に捉えるワークショップを実施する運びとなりました。
皆様の御参加をお待ちしております。
タイトル | 3つのワークショップ 「うつしから学ぶ」 |
---|---|
概要 | 「うつし」の概念は,人それぞれの関心に転用可能なものであり,これを捉え直し,考えを深める契機となることを目指す今回のワークショップは,芸術活動に関わる方のみに限らず,多くの方にとっても有意義な試みです。また,ワークショップの一部は小学生のお子様を対象としておりますが,今回のテーマである「うつし」は,子どもの成長過程において欠かせない「真似をし,学び取る」ことに通じるものです。参加者の皆様には,具体的な実践を通して「うつし」と学びの関係性について体感いただけます。 |
企画内容 |
(1) 「山水画のジオラマをつくろう」 粘土や枯れ木などを用いて,東洋絵画独特の矛盾した奥行きをはらむ山河風景をジオラマ状に再現します。ジオラマ制作を通して,山水画の持つ多視点構造や,作者の筆運びの意図,作品内にひそやかに語られる画題の物語を読み解き,受講者自身による自律的な東洋絵画鑑賞の手だてを提示します。
(2) 「レゴブロックでうつす」 簡便性を持ちながら,不自由な素材でもあるレゴブロックを制作の媒体として使用し,パブロ・ピカソの絵画における虚数的な絵画空間を現実空間での立体物に変換します。不自由な素材を使用することにより,作品のスケールやプロセスが組み替えられ,創造に有用なエラーが引き起こされるさまを体感します。
(3) 「能楽の五人囃子を体にうつしとる」 小学生のお子様と保護者の方を対象として,伝統音楽教育で継承されている譜面を美術領域から独自に解釈し,五感を活用して,リトミック(音楽に合わせて体を動かすこと等により表現を学ぶ,音楽教育法の一種。)のように体感的に五人囃子を習得する試みを行います。また,そこからさらに発展して,ごっこ遊びや音の出る玩具を用いて自由に譜面をアレンジしながら,伝統音楽の演奏の多様性について学びます。
※ (1)及び(2)のワークショップで制作した作品は,12月2日(土曜日)~10日(日曜日)にギャラリー@KCUA(アクア)において展示いたします。(開館時間:午前11時~午後7時(月曜休館)) |
日時 |
(1)「山水画のジオラマをつくろう」 2017年12月2日(土曜日) 午後1時~午後4時30分 講師:竹浪 遠(東洋美術史/京都市立芸術大学美術学部准教授) (2)「レゴブロックでうつす」 2017年12月3日(日曜日) 午後1時~午後4時30分 講師:森野彰人(陶磁器作家/京都市立芸術大学美術学部准教授) (3)「能楽の五人囃子を体にうつしとる」 2017年12月10日(日曜日) 午後1時~午後4時30分 講師:藤田隆則(伝統音楽研究/京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター教授) |
会場 | 京都市立芸術大学 ギャラリー@KCUA |
所在地 | 〒604-0052 京都市中京区押油小路町238-1 |
交通・アクセス |
地下鉄東西線「二条城前」駅2番出入口を南にすぐ |
対象者 |
(1)「山水画のジオラマをつくろう」 15歳以上 (2)「レゴブロックでうつす」 18歳以上 (3)「能楽の五人囃子を体にうつしとる」 小学生(保護者同伴) |
定員 |
(1)「山水画のジオラマをつくろう」 5名 (2)「レゴブロックでうつす」 5名 (3)「能楽の五人囃子を体にうつしとる」 10組 (全て先着順) |
参加費 |
11月20日(月)から,いずれの事業も参加費を無料としました。ご参加をお待ちしております。 |
申込方法 |
2017年11月30日(木曜日)までにEメールによりお申し込みください。 〔Eメール〕art-m@kcua.ac.jp お申し込みの際は,メールに下記項目を全て御記載ください。 参加希望ワークショップ名,氏名,年齢,住所・電話番号・Eメールアドレス ※ (3)については,同伴者名,学校名,学年も必要となります。 |
主催 | 京都市立芸術大学 |
助成 |
平成29年度 文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業 |
問合せ先 | 京都市立芸術大学 事務局 教務学生課
|
参考 |
〇文化庁「大学を活用した文化芸術推進事業」とは 多彩な芸術文化活動を支える高度な専門性を有したアートマネジメント(文化芸術経営)人材について実践的能力の向上等を含めた養成を推進するため,芸術系大学等による公演・展示等の企画・開催も含めた実践的なカリキュラムの開発・実施を支援し,開発されたカリキュラムを広く他大学等に周知・普及させることを目的とした文化庁の補助事業です。 |