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令和4年度京都市立芸術大学入学式を挙行しました。

2022.04.11

 令和4年4月8日,令和4年度京都市立芸術大学入学式を執り行いました。

 美術学部135名,音楽学部65名,美術研究科修士課程58名,音楽研究科修士課程23名,美術研究科博士後期課程10名,音楽研究科博士後期課程1名の総計292名が,門川大作京都市長をはじめご来賓の皆様,ご家族の皆様,教職員に温かく見守られ,入学式に参加しました。

取組の様子 取組の様子 取組の様子 取組の様子

また,開式にあたって,音楽学部・研究科在学生が歓迎演奏を行いました。新入生はそれぞれの思いを胸に抱き,期待に満ちた表情が輝く晴々とした顔で参加されていました。

 新入生の皆さん,御入学おめでとうございます。皆様の大学生活が,実りある人生の1ページとなりますように。教職員一同,心よりお祝い申し上げます。

取組の様子 取組の様子 取組の様子 取組の様子

2022年度 入学式式辞

 (※2部制での式辞を一部編集し,掲載しています。)

 本日ここに集われた美術学部135名,音楽学部65名,大学院美術研究科修士課程58名,博士課程10名,大学院音楽研究科修士課程23名,博士課程1名,合わせて292名のみなさんのご入学,誠におめでとうございます。
 門川大作京都市長をはじめご来賓のみなさまには,ご多用の中,ご臨席たまわりましたことに,教職員を代表して深く感謝申し上げます。

 この2年間,新型コロナウイルス感染症のパンデミックの中で,自分の将来を考え進路を決めて大学受験の準備してこられた学部生の皆さん,また大学や社会ですでに芸術の道を歩みながら大学院を目ざしてこられた皆さんは,先が見通せず活動が制限される日々であったと思います。また,今年に入ってからの爆発的な感染状況に緊張を強いられ,きっと大きな不安やストレスを感じてこられたことでしょう。そのような中でもずっと,芸術の道に夢を持ち続け,京都市立芸術大学に入学されました。またそれぞれの大学で学士課程を卒業され,あるいは社会人として活動を続けながら,大学院修士課程,博士課程に入学されました。皆さんに改めて敬意を表し,そして心から歓迎いたします。

 いつの時代も,芸術は時代や社会の動きから敏感に影響を受けるものですが,コロナ禍や今般の国際情勢により,現在は世界の変化,複雑化がより加速しています。この節目の時代に,将来の芸術を担う者,それを支える者にとって,芸術大学・大学院での教育研究は,より重要なものになっており,豊かな成果を生むことが期待されています。そして芸術分野における研究や作品,演奏は,人々の幸福や平和につながっています。こうした混沌とした時代だからこそ,ぜひ芸術の研究成果が充実したものとなるよう邁進していただきたいと思います。

 京都市立芸術大学は開学以来142年という長い歴史を持ち,また音楽学部は今年で創設70周年という記念すべき年を迎えました。そしていよいよ来年2023年の秋に,京都駅近くへのキャンパス全面移転という,大きな節目を迎えます。この移転は,コンセプトとして「テラスのような大学」を掲げています。「テラス」とは,外に向かって開かれ多様な人々が往来できる場所です。従来の自由でオープンな大学の学風を守り,大学間や産業・地域との連携を充実させます。さらには社会の多様性にも積極的に関わり,「芸術」をエンジンにした創造的な交流によって,皆さんの学びがさらに充実するように,現在も検討を続け,準備を進めています。小さい規模の大学でありながら,真に多様な価値観を認め合う寛容な大学においてなされる芸術,研究,教育こそが,京都芸大が社会に還元できる最も大きな公共の利益であると考えています。
 来年秋のキャンパス移転,皆さんにはぜひそれまでの1年半の間,この自然豊かな沓掛ならではの環境でじっくりと芸術の基礎を身につけ,制作や研究をすすめていただき,新しい校舎でその成果発表をしていただきたいと思っています。

 さて,京都芸大には教育の一環として,また研究成果の発表として開催される展覧会や演奏会,セミナーなど,様々な企画があります。皆さんには,自らの成果発表はもちろんですが,大学で出会った仲間たち,先生方,先輩たちの作品や演奏,また研究にたくさん触れてほしいと思います。授業や試験,単位とは別に,人との出会いや体験も大学で得られる大切なものです。また,美術の皆さんには音楽の演奏会,音楽の皆さんにはギャラリー・資料館での作品展や展覧会も,ぜひ訪れてほしいと思います。ジャンルが違っても,自分の興味の対極にあるものでも,新しい出会いは視野を広げてくれ,インスピレーションを与えてくれることでしょう。オンラインが当たり前の今だからこそ,出かけて行くことで,人と人が繋がりやすくなることは,皆さんが身をもって知っているはずです。
 そしてまた,京都には溢れるほど芸術を体験する機会があります。学外に出かけるたびに,街や自然の豊かな色や音,奥深さや新鮮さを発見できるでしょう。学内外で吸収したものを新たな作品や演奏に展開できることが,京都芸大で,京都という街で,芸術を学ぶ者の特権です。そしてテラスのように自由に開かれた空気の中で,学生時代という得難い時間の中で,どうか京都市立芸術大学のよさを存分に生かして,お一人お一人のかけがえのない大学生活が充実したものになりますよう,心から願っています 。

 最後になりましたが,入学式をご視聴いただいているご家族の皆様,関係者の皆様,これまでコロナの影響で予断を許さない状況が続く中,学生たちをそばで支え続けていただいたことに感謝いたします。芸術や研究の道を極めようとするものにとって,見守ってくださる家族の存在はこの上ない励ましです。今後も引き続きよろしくお願い申し上げます。
 本日は誠におめでとうございます。 

 これをもって,私からのお祝いの言葉とさせていただきます。

令和4年4月8日
京都市立芸術大学学長
赤松玉女