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学長メッセージ:在学生のみなさんへ 「キャンパスを創る」

2023.10.01

本日、10月1日に京都市立芸術大学は崇仁地域の新キャンパスで 活動開始の日を迎えました。夏休みに、旧キャンパス新キャンパス両方での活動ができなかったみなさんにとって、待ちに待った後期授業が明日2日から始まります。

新キャンパスの教室、施設、空間。建物のあちこちが作品や演奏の発表の場にしたくなるような魅力で溢れています。ここ数日、手続き等で登校したみなさんの明るい表情を見て、準備を進めてきた教職員も嬉しく安堵しています。ぜひ、まっさらなキャンパスで意欲的な活動を始めてもらえたらと願っています。

とはいえ、大学にとって移転とはゴールではなく、ここからスタートさせていく未完なものでもあるのです。足りないものや慣れ親しんだ沓掛での作法が通用しないなど、困難や憤る場面もあるでしょう。私が経験した40数年前の沓掛へのキャンパス移転の時も、整えられたものもあるけれど、失ったものもありました。私は美術学部の3回生でしたが、それまでの環境に慣れていて、新しいルールに堅苦しさや不自由を感じもしました。沓掛のキャンパスは、その後学生と教職員が工夫しながら長い時間をかけて、より京都芸大に相応しいキャンパスに創りこまれてきたのです。

新キャンパスは、ここからがスタートです。新しいキャンパスをみんなで創っていく。移転の時期に学生である皆さんには、そんな面白さも、ぜひ知恵を出し合いながら存分に経験いただきたいと思います。

この移転の準備期間には、思いもよらなかったコロナ禍や世界情勢による資源価格の高騰など、様々な困難が続きました。この移転は、崇仁地域、下京区の人々、京都市民のご理解とご協力がなければ、予定通りには成し遂げられなかったでしょう。さらには、芸術を学んで未来を切り拓いていく芸大生や今後の京都芸大の発展に、多くの人々の期待が寄せられたからにほかなりません。

どうか、このキャンパスを慈しみ、大切に活用し、学び、時に悩み、身につけた成果を作品や演奏、論文を通して精一杯発信してください。それが、これまで私たちに届けられた全てのものへの感謝や報いになるのです。

私も、この移転を経験するみなさんに、自分の学生時代を重ね、大いに期待しています。

 

京都市立芸術大学
学長 赤松玉女