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公開特別講義 第5回《イブニング・テラス》「宙漆プロジェクト報告会」を開催しました。

2024.05.27

2024年5月9日(木曜日)、京都経済センター3階KOINにおいて、公開特別講義・第5回《イブニング・テラス》※1を開催しました。

今回は、本学美術学部の教員で宇宙物理学者の磯部洋明准教授が進行を務め、「宙漆(そらうるし)プロジェクト」※2に参加した学生・卒業生をはじめとする登壇者が、高度30,000mの成層圏で撮影された漆造形作品の映像を鑑賞しながら、アートとテクノロジー、そして伝統産業の関わりについて意見交換を行いました。

「宇宙を感じたい」という想いと「宇宙時代の芸術はどうなるのだろう」という興味からスタートした本プロジェクトにおいて、アート系学生と工学系学生が「言語」や目標の違いを乗り越えて、お互いが成長していく様子が手に取るように伝わってきました。

最後に会場からの意見や感想もいただきました。

※1 京都市立芸術大学の教育や研究を公開することで、京都の知恵、文化、技術と融合し、さらなる京都の発展につなげていただこうと企画した連続講座です。

※2 ひとりの工学部の学生が、未知に溢れた宇宙への憧れを芸術作品として表現することで、宇宙を真に感じたいと願ったところから始まったプロジェクトです。メンバーはその想いに賛同した美術学部と工学部の学生を中心に構成されており、各分野で学んでいる知識を持ち寄り、作品制作から機体開発まで分野横断的に行っています。

磯部洋明准教授からのコメント

2022年春にスタートした宙漆プロジェクトは、その年の秋に最初の放球を行いましたが、作品と映像データの回収を達成することができませんでした。しかし学生たちはそこでくじけず、機体や通信機器の改良を重ね、美術作品としてのコンセプトもさらにブラッシュアップして、2023年秋のえひめ南予成層圏気球共同実験で目標としていた成層圏での漆造形作品の撮影とデータの回収に成功しました。地上に戻ってきた機体から映像データを取り出して、現場にいたプロジェクトメンバーみんなで漆に映る地球の光を見たときの感動は今もはっきりと覚えています。 イブニング・テラスの中で学生たちが話してくれたように、美術の学生と工学の学生が協同するにあたっては、多くのコミュニケーション上の困難がありました。しかしそこを乗り越えてお互いのことをより深く知るようになったことが、大きな学びだったように思います。宙漆プロジェクトに触発されて、異分野との協働に積極的に取り組む学生がこれからどんどん出てきてくれると期待しています。

当日の様子

取組の様子
取組の様子