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池上健一郎

  • 役職:教授
  • 専攻:音楽学専攻
  • 専門:西洋音楽史、音楽学

コメント

古典派・ロマン派時代のドイツ音楽が専門。アントン・ブルックナーの交響曲研究をひとつの軸としつつも、近年はヨーゼフ・ハイドンとその時代の音楽の研究を通じて、古典派時代における創作と受容の様態を18世紀的な視座から見つめ直すことに関心を寄せています。ハイドンのオラトリオ《天地創造》を、当時のさまざまな音楽史的、文化史的、思想史的潮流の交点として描き出すことを長期的な目標に掲げていますが、その一環として、現在は18世紀後半に流行した〈音楽的絵画〉と呼ばれる手法の歴史的意義の検証に取り組んでいるところです。

略歴

1978年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部史学科日本史学専攻を卒業後,同哲学科美学美術史学専攻に学士入学し,音楽学を志す。同大学院文学研究科を修了後,ドイツのヴュルツブルク大学音楽研究所に留学し,2014年に同大学で博士号取得。2007~2010年ドイツ学術交流会(DAAD)奨学生。現在、京都市立芸術大学准教授。ほかに慶應義塾大学非常勤講師、NHK文化センター京都教室講師も務める。日本音楽学会、美学会、日本18世紀学会、三田芸術学会会員。

最終学歴及び学位称号

博士(Ph. D.)

研究業績

(※詳しい業績はこちらを参照 → https://researchmap.jp/ikegami-k

著書

論文 ※すべて単著

  • 「視覚芸術としての音楽?――ゲオルク・ヨーゼフ・フォークラーにおける〈音楽的絵画〉をめぐって」京都市立芸術大学音楽学部・大学院研究紀要『ハルモニア』第51号(2020年)、3-28頁。
  • 「ハイドンのシンフォニーにおける変奏反復と管弦楽法のストラテジー」『音楽学』第65巻第2号(2019年)、122-136頁。
  • 「C.P. E. バッハの『変奏反復』――定義と射程をめぐる考察」京都市立芸術大学音楽学部・大学院研究紀要『ハルモニア』第47号(2016年)、3-22頁。
  • 「『二重の存在』としてのブルックナー――《交響曲第9番》第3楽章(アダージョ)における自律性と標題性をめぐって」三田哲学会『哲学』第132集:特集 論集 美学・芸術学(2014年)、309-341頁。
  • “Möglichkeiten und Unmöglichkeiten der musikalischen Analyse ‒ Am Beispiel von Beethovens Fünfter Symphonie.” In  Deutsch-japanisch-koreanisches Stipendiatenseminar (9. Treffen von DAAD-Stipendiaten)(2009), S. 62-69.
  • 「『おお巨匠よ、貴方を崇拝しています』?――ブルックナーの《ワーグナー交響曲》」日本ワーグナー協会編『年刊ワーグナー・フォーラム2006』所収(東海大学出版会、2006年)、93-108頁。
  • 「ブルックナーの交響曲における『漸次的結合の構想』と総休止」『音楽学』第51巻第3号(2005年)、161-174頁。
  • 「モティーフとしての総休止――A.ブルックナー《交響曲第3番》第1稿の第1楽章をめぐって」『慶應義塾大学三田哲学会大学院生論文集』第14集(2003年)、29-48頁。

翻訳

  • メンデルスゾーン『厳格な変奏曲 作品54M・クーベ校訂、P・ロッゲンカンプ演奏法・運指(音楽之友社,2014年)。

書評

  • ハンス=ヨアヒム・ヒンリヒセン『ブルックナー交響曲』高松佑介訳(春秋社、2018年)『図書新聞』3355号(2018年6月)、6頁。

学会発表・講演

  • 「1780年頃のウィーンにおけるメロドラム受容の諸相――ゲオルク・ベンダとアントン・ツィマーマンを手掛かりに」日本音楽学会第72回全国大会(信州大学)、2021年11月13日。
  • 「1778年、マンハイムの邂逅――モーツァルトの《ツァイーデ》(K. 344)とメロドラム」モーツァルティアン・フェライン第389回例会(お茶の水クリスチャンセンター)、2019年2月23日。
  • 「ヨーゼフ・ハイドンの後期作品における変奏反復のストラテジー」日本音楽学会第69回全国大会(桐朋学園大学)、2018年11月3日。
  • 「モーツァルトのパストラーレ――シーンとしての田園、シンボルとしての田園」モーツァルティアン・フェライン第373回例会(ルーテル市ヶ谷センター)、2017年9月23日。
  • 「演奏指南から作曲原理へ――ヨーゼフ・ハイドンの『変奏反復veränderte Reprise』をめぐって」日本音楽学会第65回全国大会(九州大学)、2014年11月8日。
  • 「ヨーゼフ・ハイドンにおけるトポスと個人様式――シチリアーノを例に」美学会第63回全国大会(京都大学)、2012年10月7日。
  • 「古典派時代におけるシチリアーノ――作曲実践に基づく考察」日本音楽学会第62回全国大会(東京大学)、2011年11月5日。
  • “Siciliano als musikalischer Topos und die Kompositionspraxis der Wiener Klassik.” Absolventenseminar für Stipendiatinnen und Stipendiaten aus Japan, Korea, Australien und Neuseeland (Humboldt-Universität zu Berlin), 13. September, 2010.
  • “Siciliano in der Instrumentalmusik Joseph Haydns und seiner Zeitgenossen.” Jahrestagung der Gesellschaft für Musikforschung (Eberhard-Karls-Universität Tübingen), 18. September 2009.
  • “Möglichkeiten und Unmöglichkeiten der musikalischen Analyse − Am Beispiel von Beethovens Fünfter Symphonie.” 2. Deutsch-Japanisch-Koreanischen Stipendiatenseminar (Japanisch-Deutsches Zentrum Berlin), 10. Juli 2008.
  • 「絶対音楽か、標題音楽か?――ブルックナーの《交響曲第9番》アダージョ」美学会第56回全国大会(慶應義塾大学)、2005年10月8日。
  • 「ブルックナーの《交響曲第5番》における『漸次的結合の構想』と総休止」日本音楽学会第314回関東支部定例研究会(お茶の水女子大学)、2005年5月14日。
  • 「ブルックナーの《交響曲第3番》第1稿における『ヴァーグナー引用』の再検討」美学会第55回全国大会(京都工芸繊維大学)、2004年10月9日。

研究プロジェクト

  • 文部科学省科学研究費 若手研究(2020~2022年度) 研究題目:「古典派時代のウィーンにおけるメロドラム受容に関する研究」(研究課題番号: 20K12846)
  • 稲盛財団研究助成金(2018~2019年度) 研究題目:「18世紀後半のドイツにおける〈描く音楽〉の研究:古典派時代の多元的な音楽文化の解明に向けて」