京都市立芸術大学 共創・連携ポリシー
2024年12月
京都市立芸術大学
京都市立芸術大学は2023年10月に京都市下京区の京都駅東部地区に移転した。本学では、この新しい場所でスタートを切る京都市立芸術大学の目指す大学像を「TERRACE(テラス)」と定めた。テラスは、外に向かって開かれ、地面から少し浮いた「場所」であり、そこでは日常や当たり前とは違う視点を持つことができる。社会に向かってテラスのように張り出した大学は、地域の歴史や文化と緩やかに繋がりながら、様々な人が出会い、交流や交差が芸術を原動力にして活発に行われる場である。そして、そこから得た刺激や情報を教員や学生が吸収し、作品や研究、演奏などに昇華させ、クリエイティブで国際的な文化芸術都市の交流拠点となること、それが本学の目指す「テラスのような大学」である。
今日、大学には「教育」、「研究」、「社会貢献」の3つが求められている。京都市立芸術大学が提唱する「テラスのような大学」とは、社会と有機的につながることで、「教育」や「研究」の質を高め、同時にそうした取組を通して未来を共創し、社会に貢献しようとするものである。
京都市立芸術大学では、「テラスのような大学」を目指す上で、以下6つの方針に則って社会や地域との共創・連携を進めていく。なお、この6つの方針のうち5、6については、本学の共創・連携の取組全体に通底する大切な考え方(精神)として常に留意するものとする。
1 教育研究への効果
芸術分野における学び(教育)や研究に資するような共創・連携に積極的に取り組むとともに、その成果を発表することで我が国の芸術教育や芸術研究の発展に寄与することを目指す。取組にあたっては、関係者相互の意見が尊重され、互恵的な関係が構築されることを心掛ける。
2 キャリア支援
他機関との共創や連携を通して、在校生のキャリア形成を支援するとともに、卒業生の芸術家としての継続的な活動への支援、また就職・起業などにつながる機会を提供することを目指す。支援に際しては、芸術を取り巻く動静や社会・経済環境に常に気を配り、芸術の健全な成長・発展を損なうことのないよう留意する。
3 社会還元と未来共創(「社会の課題解決」の先を見据える)
本学に蓄積された教育や研究における有形無形の資産を広く社会に還元することで、芸術への理解を深め、芸術のすそ野を広げ、もって文化や芸術を軸とする社会の発展に貢献することを目指す。また、芸術が有する新しい価値や可能性を生み出す力を活かし、より良き未来、より良き社会の実現に寄与することができるような取組を推進していく。さらに、海外の様々な機関との交流を積極的に推進し、国や国境を超えて世界の未来創造にも資することを目指す。
4 地域への貢献
本学が立地する近隣地域に愛着を持ち、ともに社会生活を営むものとして協働することを大切にする。また、公立大学としての公的な役割を充分に認識し、京都市が目指す文化芸術を軸としたまちづくりに貢献するよう努める。
5 ダイバーシティの尊重
学生・教職員はもとより、大学の諸活動に関わるすべての関係者の人権が尊重されるよう配慮する。個々の「違い」こそ、芸術の創造力の源泉と捉え、国籍、性別、年齢、ルーツや背景、生活文化の違い、障害の有無の垣根を超えて共創、連携することを通して、自らの表現力に磨きをかけ、ひいては芸術を通して豊かなコミュニケーションができる社会をつくることを目指す。
6 公開と透明性
本ポリシーを基に取り組む共創や連携の成果を可能な限り公開し、学術、産業、生活文化など様々な分野に新しい視点や活力をもたらすことを目指す。共創や連携に際しては常に透明性を確保し、法令や守秘義務を順守するとともに、知的財産や著作権の保護にも十分留意する。また、金銭の受け入れがある場合は規則等に則った適正な取り扱いを行う。