京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)では,本学創立140周年記念ならびにギャラリー@KCUA開館10周年記念展として,アーティストにとっての異文化との接触やコミュニケーションをテーマに,京都市立芸術大学芸術資料館収蔵品活用展/横内賢太郎「誰もに何かが」を開催します。
本学芸術資料館には,明治期から現在まで歴代の卒業・修了作品が収蔵されています。これらの作品を順に辿ると,時代を追うごとに表現の傾向が移り変わっていくのに気づかされます。最初期の特筆すべき変化としては,明治36年の京都市紀念動物園(現在の京都市動物園)開園以後,動物が積極的に描かれるようになったことや,欧州視察で知見を得た竹内栖鳳をはじめとする当時の教員から学んだ西洋画表現からの影響などが挙げられます。本企画では,これらの「出会い」が作家たちにもたらしたものとその受容のあり方を,入江波光,渡辺与平,村上華岳の3名の画家の卒業作品から考察します。
また現在,非常に多くの本学卒業・修了生が,海外を拠点に活動しています。本企画では,「文化的接ぎ木」をキーワードに絵画作品を制作してきた,本学大学院美術研究科博士(後期)課程修了生の横内賢太郎の作品と活動に焦点を当てます。横内は本学修了後,数年間日本で作家活動を続けたのち,2014年にインドネシアに移住します。また,2020年春からはオランダに拠点を移し,新たな課題に取り組んでいます。本展では,各地で制作した作品に加え,横内がインドネシアで運営するアートスペース「Artist Support Project」での活動資料なども展示し,異文化に属する文物の接続,人々の交流についてどのように思考を巡らせているのかを包括的に提示します。
皆様の御来場をお待ちしております。
(参考作品画像:横内賢太郎《cultural grafting – study rh》2016年、プリントバティック布にシルクスクリーンインク、30×30cm)
会期 |
2020年9月12日(土曜日)~10月25日(日曜日) 午前11時~午後7時 (月曜休館,9月21日(月・祝)は開館,翌平日の9月23日(水)を休館/ 10月3日(土)はニュイブランシュ KYOTO 開催のため22:00まで延長開館) |
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会場 | 京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA(アクア)
(地下鉄東西線「二条城前駅」2番出入口を南にすぐ) ※入場無料 |
参考 |
企画:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア) 企画協力:長坂有希 協力:ケンジタキギャラリー
出品作家経歴: 入江波光(いりえ・はこう) 1887年京都生まれ。京都市立美術工芸学校・京都市立美術専門学校卒業。京都市絵画専門学校教員。1948年没。
渡辺与平(わたなべ・よへい) 1889年長崎生まれ。京都市立美術工芸学校卒業。1912年没。
村上華岳(むらかみ・かがく) 1888年大阪生まれ。京都市立美術工芸学校・京都市立美術専門学校卒業。1939年没。
横内賢太郎(よこうち・けんたろう) 1979年千葉県生まれ。本学大学院美術研究科博士(後期)課程油画領域修了。 |
主催 | 京都市立芸術大学 |
問合せ先 |
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イベント会場
日本、京都府京都市中京区押油小路町238−1 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA