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指揮者 佐渡裕さんが本学オーケストラを指導

2013.10.28

9月26日に,本学の卒業生で,国内外で活躍されている指揮者 佐渡裕さんを招いて,本学講堂において,特別授業を行いました。

特別授業では,音楽学部・音楽研究科81名を対象に,J.ブラームスの「交響曲第1番ハ短調作品68」のオーケストラの指導を行っていただきました。

 

   

 

特別授業の様子

 

佐渡裕さんインタビュー

― 母校でオーケストラを指導した感想はいかがですか。

佐渡 京都芸大は,自分にとって特別な場所で,久しぶりに大学に来て,専門のことや友達のことなど学生時代の感覚が甦ってた。学生達は,僕にとってとりかえせないところにいる。だからこそ,彼らに伝えておきたいことがある。今日,母校で指導をして,胸がいっぱいになった。

 

― 京都芸大の学生の印象はいかがですか。

佐渡 京都芸大の学生は,バランスが取れている。ただ,悪く言えば,優等生過ぎる。もう少し「野性味」を忘れずにやってほしい。音楽は美しいだけではなく,激しいものでもある。もう少しスケールの大きさが出てくれば良いと思う。僕が学生時代にもそう言われていたけど。(笑)

 京都芸大は,少人数制の学校で,学生が先生と,1対1で指導を受けることができる環境がある。貴重な環境であることに気づいてやっていかないといけない。

 

― 音楽家を目指す学生にメッセージをお願いします。

佐渡 僕は,世界中のいろんなまちで音楽をやってきた。それで感じたことは,日本の文化の中心地,京都は,すごく恵まれているということ。京都は,京都市立堀川音楽高校,京都市立芸術大学,京都市交響楽団,京都コンサートホールなどがあり,音楽を学ぶ環境が整っている。僕はその全てに関わっており,市の税金で指揮者にならせてもらった。戦後大変な時に,京都市は文化に力を入れた。パリやベルリンにも行ったが,京都で十分勉強できる。ここ,京都で良いと信じられるものは,どこに行っても良いものであり,世界に通用する。それは音楽だけに限らない。学生には,この世界に誇れるまち,京都で学び,自分の信じるものを続けていってほしい。

 

受講した学生のコメント

藤村知史さん(弦楽専攻4回生,ヴァイオリン)

僕は,堀川音楽高校の出身なので,佐渡さんには,高校の頃から指導していただいていました。僕は,弦楽専攻なのですが,指揮者になりたいと思っていて,佐渡さんが学生時代にフルートと指揮で迷われたというお話は,自分と重ね合わせて聞くことができました。

佐渡さんの指揮は,爆発的なエネルギーが演奏者に降り注いでいる感じで,心から音楽を楽しまれているということを感じました。

大谷麻由美さん(指揮専攻4回生)

佐渡さんは,音楽に対する熱意,パワーが違うと思いました。本当に音楽を愛されている。また,音楽に対する覚悟も感じました。私は指揮を学んでおり,佐渡さんの「腹を決めろ」「覚悟をもって指揮台に上がれ」という言葉は,心に刺さりました。今日いただいた言葉を一生持って,歩んでいきたいと思います。