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芸術資源研究センター 第3回アーカイブ研究会を開催しました

2014.10.08

9月30日(火),本学第1会議室において,芸術資源研究センター主催の第3回アーカイブ研究会を開催しました。 センターでは基礎研究として,専門家を講師に招き,アーカイブについての理解を深めるための研究会を随時開催しています。(これまでのアーカイブ研究会の内容については,こちらをご覧ください)

第3回目は,京都工芸繊維大学美術工芸資料館准教授の平芳幸浩氏を講師に迎え,「記憶/記録/価値  ミュージアムとアーカイヴの狭間で」というテーマでお話しいただきました。

平芳氏の所属する京都工芸繊維大学美術工芸資料館(以下「資料館」)では,京都工芸繊維大学の前身である京都高等工芸学校時代に教鞭をとっていた洋画家の浅井忠(1856-1907),建築家の武田五一(1872-1938)が渡欧中に蒐集したポスター,学生の図案模写,図面等の教育資料などが所蔵されています。また,資料館の英語表記は「MUSEUM AND ARCHIVES」となっています。一般的に「MUSEUM」は作品展示のための美術館施設を,「ARCHIVE」は文書等の資料保管施設を指しますが,平芳氏はこの両者が併記されていることに表記に着目し,近年は美術作品と美術資料との境目が曖昧になってきていることを指摘されました。

そして,演題にある「美術をめぐる価値」の問題について,特に現代美術において表現形式や保存方法,解釈図式が多様化しているため,価値は美術に内在するものから,文脈やナラティブ(語り),鑑賞者との関係で生み出されるものへと変容したと指摘し,そのため記録と記憶のあり方について改めて考える必要があると述べられました。

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研究会の最後には,知覚・感覚とアーカイブの関係,デジタル化による可視化がもたらすもの,教育資料の活用方法について意見が交わされました。

この研究会の詳細については,後日芸術資源研究センターのホームページに掲載予定です。