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塩見允枝子氏による特別授業を開催しました

2014.11.28

11月21日(金)の2講時,美術学部の「造形計画2B」(担当:井上明彦教授)において,本学芸術資源研究センター特別招聘研究員の塩見允枝子氏による特別講義を行いました。

この「造形計画2B」では,「読めるものと読めないもの」をテーマに,学生たちにAritist Bookの制作が課題として与えられており,今回の特別講義では,これまで多様な冊子形式の作品を発表してきた塩見氏を講師に迎え,その主な作品などについて紹介していただきました。

塩見氏は,1960年代以降に国際的に展開された前衛芸術運動・フルクサスの日本国内における中心メンバーであり,塩見氏の作品をはじめ,このフルクサスにおいて生み出された冊子形式の作品はスコアと呼ばれています。スコアの特徴は,一般的な本のように読者に知識などを与えるものではなく,読者に何らかの行為を指示する内容が記されているという点にあります。講義では,こうしたスコアと呼ばれる作品の紹介の他,一本の紐を材料に,造形とテキストとのバランスを踏まえた架空の本作り(ブレインストーミング)が学生を交えて行われました。

最後に塩見氏は学生たちに対し,一つのコンセプトや内容を多様な形態で表現するトランスメディアの手法を用いて,新しいArtist Bookを作ってもらいたいと期待を寄せていました。

なお,この特別講義の詳細については,後日芸術資源研究センターのホームページで紹介する予定です。

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○講師紹介

塩見 允枝子 (しおみ みえこ)

音楽家。1938年,岡山県出身。

1961年,東京藝術大学音楽学部楽理科を卒業。大学在学中より,小杉武久らと「グループ・音楽」を結成,即興演奏やテープ音楽の制作を行う。1963年には,ビデオアートの開拓者として知られる現代美術家・ナム・ジュン・パイクよりフルクサスを紹介され,翌年ニューヨークに渡る。1965年,メールによるイヴェントシリーズ「スペイシャル・ポエム」を開始し,同年帰国。1969年,音楽や映像,美術,舞踊など多様なジャンルを融合させる実験として開催された,クロストーク・インターメディアに参加。

1970年より活動の拠点を大阪に移し,言葉と音を軸にした室内楽や劇場的な作品を発表。1990年代から電子テクノロジーへの関心を持ち,詩的な発想と独自の方法論で,音と視覚的要素を結合したパフォーマンスを編み出す。1995年にパリ,1998年にケルンにて個展を開催。その後も国内外で数々のフルクサス展に参加し,多様な作品や出版物を出品する他,各地で演奏会やワークショップを開催している。

2005年11月には,本学の大学会館において大規模なワークショップを開催。2014年4月より,本学芸術資源研究センター特別招聘研究員。