京都芸術センターと京都市立芸術大学が連携し,国際的に活躍するアーティストを招へいするアーティスト・イン・レジデンスプログラム。2015年度に招へいするのは,バルセロナを拠点に活動するアーティストであり研究者でもあるマルティ・ルイツ氏です。
ルイツ氏は,フランソワ・バシェとベルナール・バシェ兄弟による音響彫刻(バシェ音響彫刻)の研究者であり,これまでにも世界各国のバシェ音響彫刻の修復を手掛けるとともに,自身もオリジナルの音響彫刻を制作してきました。
本プログラムにおいてルイツ氏は,新たに2基のバシェの音響彫刻を,京都市立芸術大学美術学部彫刻専攻の協力を得て修復し,11月4日から12日まで京都芸術センターのギャラリー北で展示します。その後,11月15日のコンサートでは,武満徹がバシェ音響彫刻のために作曲した『四季』を上演します。
なお,本学芸大祭期間中に,関連コンサートが開催されます。
みなさま,ぜひご来場ください。
※バシェの音響彫刻について詳しくは,チラシまたはページ下部をご覧ください。
展覧会
日時 | 平成27年11月4日 (水曜日) ~11月12日 (木曜日) |
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会場 | 京都芸術センター ギャラリー北 (京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2) |
コンサート&映画上映会
日時 | 平成27年11月15日 (日曜日) |
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会場 | 京都芸術センター フリースペース (京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2) |
演奏者 | 中谷満,永田砂知子,マルティ・ルイツ,宮本妥子,山口恭範 【特別ゲスト】ツトム・ヤマシタ |
プログラム | 15時~ 映画上映 ”Structures, Sculptures, Sonores Baschet” (ジャック・バルザック,1982) 15時40分~ 休憩 15時50分~ 演奏会 武満徹『四季』ほか 16時40分~ アフタートーク(永田砂知子,山口恭範,ツトム・ヤマシタ) |
曲目 | 武満徹『四季』ほか |
申込み |
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料金 |
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主催 | 京都芸術センター,京都市立芸術大学 |
助成 | 平成27年度文化庁文化芸術の海外発信拠点形成事業,公益財団法人野村財団,公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団 |
協力 | 大阪府,(株)サウンド・コア(Sound Core., Ltd.) |
問い合わせ | 京都芸術センター
電話 075-213-1000
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交通・アクセス | 京都芸術センターホームページをご覧ください。 |
関連コンサート
京都市立芸術大学 芸大祭の情報をご覧ください。
彫刻作品によるコンサート
- ◇ 10月31日(土曜日)開演 15時
- ◇ 11月1日(日曜日)開演 18時
- ◇[会場]大学会館ホワイエ
- ◇[入場料]無料
バシェの音響彫刻とは・・・
音響彫刻とは,その名が示すとおり,楽器であると同時に彫刻作品でもあるバシェ独特のオブジェであり,音を発生させる振動部と,円錐形の音響増幅装置から主に成り立っています。1970年の大阪万博では,鉄鋼館のプロデューサーであった武満徹がフランソワ・バシェを招聘し,17基の音響彫刻が展示・演奏されました。ところが,現在ではそのほとんどが解体され,錆びたり変形したり損傷を受けたままの状態で保管されており,当時どのような姿で人々の目と耳を楽しませていたのかは,写真から想像するより他はありません。
すでにルイツ氏は2013年に大阪の万博公園内でバシェの音響彫刻2基を修復し,EXPOパビリオンと京都芸大でレクチャー・コンサートを行いました。このとき修復したのは川上フォーンと高木フォーン(関根フォーンという説もある)で,このふたつは現在,鉄鋼館のエントランスホールに展示されています。今回,京都芸術センターには,ルイツ氏が今回の滞在で修復した桂フォーンと渡辺フォーンの2基を展示します。
なお,コンサートで演奏する『四季』は,1970年大阪万博での演奏が初演であり,今回は,この初演時に演奏した山口恭範氏をお迎えして上演します。