在学生の皆さまへ
5月11日から,2020年度の前期授業が始まりました。学生の皆さんが,戸惑いや困難もある中,遠隔授業に熱心に向き合っておられると先生方から聞き,安心すると同時に感服しています。五芸祭や演奏会など様々なイベントが中止になりましたが,今向き合っておられる,学習,練習,制作,読書,考えることや空想に費やす時間全部が,皆さんの将来を作る大切な礎になります。自分の場所で,授業や課題に丁寧に取り組むことを,どうぞ倦むことなく続けてください。
さて,これまでに大学のホームページや学生ポータルサイトでお知らせしてきましたが,新型コロナウイルス感染症に係る影響を受けて,京都芸大から経済的な理由での退学者・休学者は出さないために,家計が急変した学生に対する支援策として前期の授業料の納期を延長し,また本学独自の授業料減免措置の二次募集を行いましたところ,多くの相談や申請を受け付けました。
さらに遠隔授業を受けるための通信環境のサポートについては,すでにご自身で環境整備をした学生に不公平にならないよう慎重な調査をし,順次対応を進めているところです。そのほかにも,今後登校が可能になれば,感染防止対策をとりながら学内での必要な準備や作業に学生アルバイトを雇用することなども検討しています。
先日も「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』についてホームページでお知らせしました(※1)。文部科学省からの支援策ですが,要件の記述等でややわかりにくい部分があります。迷っている方はどうぞ躊躇せずに教務学生課(学生・国際担当※2)に相談してください。もちろん応募者が多ければ,残念ながら全員に給付されませんが,本学の学生は授業料以外にも材料費や発表のための準備,書籍の購入など,学びを継続するために自分の力で賄うものがたくさんあります。申請される学生,留学生を分け隔てなく大学が総合的な判断をして,応援したいと考えています。
経済的支援以外にも,この状況に不安を持つ学生の皆さんの悩みにお答えするため,保健室や学生相談室,キャリアデザインセンター(就活支援)が相談に応じています。ぜひご活用ください(※3)。誰も経験したことのないこの困難な時期を,学ぶ意欲のあるすべての学生に乗り越えてもらうために,本学ができる様々な支援の方法を今後も探っていきます。
本日,京都府からの大学に対する施設の使用制限の協力要請が解除され,大学施設使用の際のガイドラインも示されています。本学では,学生の皆さんの健康や安心・安全を第一に考え,このガイドラインを基に,教室や施設の利用を認めていくためのマニュアルを検討しています。すでに,前期の授業は遠隔で実施することを決定していますが,安全が確保できるようになれば,どうしても大学の施設を使わなければならないような実技授業など,三密防止対策を義務付けながら少しずつ大学を開いていきます。引き続き登校禁止は続きますが,前期の遠隔授業を新しい学びととらえて,前向きに取り組んでほしいと思います。
キャンパスに皆さんをお迎えする日が少しずつ近づいています。皆さんと会える日を心から楽しみにしています。頑張りましょう。
京都市立芸術大学
学長 赤松玉女
※1 学生支援緊急給付金給付事業(「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』)について
※2 教務学生課(学生・国際担当) student@kcua.ac.jp 電話 075-334-2211