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2014年度 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート/イギリス 本田彩乃

氏名 本田彩乃
学年 2回生
学部 美術研究科修士課程
専攻等 彫刻
留学先 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(Royal College of Art)/イギリス
留学先専攻 Sculpture
留学期間 2014年9月~12月

留学行動記録

9月17日 日本出国
9月18日 ロンドン到着,ホテルに滞在
9月19~21日 家探し
9月23日 友人の家に移動
9月24日~25日,29日~30日 オリエンテーションなど
10月1日 授業開始 ドローイングショーの準備
10月3日 ドローイングショー講評
10月5日 自分の家に引っ越し
10月10日 スタジオスペースで各々自由に制作開始
10月16日 Paintingワークショップに参加/ボザールへ留学中の人たちとロンドンで会う。翌日は一緒にFrize LONDONへ行く。夜はRichard Tuttleのアーティストトークへ参加。
10月29日 Paintingの学生と学校のギャラリーで展示をする話になって,プロポーザルを作成
10月30日 初チュートリアル
11月16日 ヴィクトリア時代のドローイングルームを見学に行く
12月4日 池田亮司のアーティストトークに参加
12月11日 critに参加
12月12日 サウスケンジントン校舎のHockney Galleryへ搬入。テク二シャンに2tトラックを運転してもらう。ケンジントンでは天牛さん,村井君に手伝ってもらう。
12月14日 設置
12月15日~19日 展示/作品写真撮影
12月18日 Sculpture Christmas Party
12月19日 搬出
12月23日 ロンドン出国
12月24日 日本帰国

授業や制作について

学校が始まってすぐに彫刻学科のドローイングショーがありました。ドローイングといっても解釈は幅広く,彫刻,写真,映像,テキストなど様々な形式のものがありました。チュートリアルは,自分のチューター以外に,外部の作家を呼んで行う時もありました。メールで日程が送られてきて,その時間に自分の制作スペースで30分~1時間程度,一対一で話します。印象的だったチュートリアルは,チューターに廃材を作品に取り入れてみたらどうかという指導を受け,廃材置き場へ一緒に素材を見つけに行った事です。私の作品にとって異質なものを取り込む事に挑戦させようという指導だったので,その一例として廃材をすすめてくださったのだと思います。

設備について,機材や技術が必要であれば,相談すれば他学科のものでも使えるようでした。また技法ごとにアドバイスをくれるテクニシャンがいることはとても助けになりました。彫刻棟には木・鉄・鋳造を扱うための部屋があり,私は主に木部屋を利用していましたが,充実した機材と安全性の確保もきちんとなされていました。パソコン室もあり,よく利用していました。

学校は平日8:00~00:00まで,土日10:00~22:00まで開いていました。彫刻棟は人の出入りが多いので,落ち着いて作業を進められるのは朝早い時間か授業後と,土日でした。その他アーティストトークや映画,ワークショップなども頻繁に行われていました。それらの情報は,個人のメールに何度もお知らせがくるし,スタジオにはポスターも貼ってあるので,忘れることなく参加できて便利でした。

現地の暮らし・語学について

District LineのTurnham Green駅から徒歩3分のところに住んでいました。スーパーやカフェ,銀行やレストラン,ドラッグストアなどが連なっている通りでとても便利でした。画材店や小さなホームセンターもあったので,制作の時は非常に助かりました。

語学については,駅で無料配布される新聞をもらって,読み書きの訓練をしたり,週1回の英語の授業で美術に関係したテキストを元に行われるディスカッションに参加したりしました。語学の準備が万端だったら,より多くのことを学べるし,有意義に過ごせたかもしれないというのは現地で何度も感じました。言葉はかなり不自由でしたが,その一方で,ポートフォリオや日々の制作物がコミュニケーションツールとして役立ちましたし,他の学生の助けも借りながら,なんとかやっていくことが出来ました。しかし今後も,海外で制作できる機会を持ちたいと考えているので,高いレベルの語学力は必要だと感じています。

留学を終えての感想

短期間ではありましたが,色々な国から集まった学生と共に制作できたことや,チュートリアルや講評ではこれまで言われることのなかった意見もいただく事で,自分の作品の特徴を改めて発見することになりました。 制作や展示の際,実践的なアドバイスをくれるチューターもいて,そのような状況で自分がどう反応していくかは人それぞれだと思いますが,私の場合は,面白そうだからとりあえずやってみようかなという感じでした。学校内の空気だけでなく,ロンドンで見たもの,体験したことの全てが,何か面白いこと,新しいことに挑戦してみたいというテンションを保つのに十分なものでした。もちろん制作の面だけでなく生活する中で感じたことも数多くあり,今思い返してみても大変素晴らしい経験だったのは間違いありません。留学して得たものは,これから先,制作を続けていくうえでも良い励みになると思います。