2014年度 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート/イギリス 村井陽平
氏名 | 村井陽平 |
---|---|
学年 | 1回生 |
学部 | 美術研究科修士課程 |
専攻等 | プロダクト・デザイン |
留学先 | ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(Royal College of Art)/イギリス |
留学先専攻 | Deign Products |
留学期間 | 2014年9月~12月 |
留学行動記録
9月5日 | 日本出国 |
---|---|
9月5日~22日 | 旅行(中国・北京,ドイツ・フランクフルト,ベルリン,デッサウ,スペイン・バルセロナ) |
9月23日~26日 | フラット探し |
9月28日 | フラットに移動 |
9月29日 | オリエンテーション |
9月30日 | 授業スタート 週に1,2度のチュートリアル/その他は主にスタジオで制作 |
9月30日~10月16日 | 第一課題 |
10月20日~11月20日 | 第二課題 |
11月24日~25日 | 短期課題 |
11月26日~12月17日 | 第三課題 |
12月26日 | アパートを引き払い,イギリス出国 |
12月26日~1月18日 | 旅行(オランダ・アムステルダム,チェコ・プラハ,スウェーデン・ストックホルム,カタール・ドーハ,タイ・バンコク) |
1月18日 | 日本帰国 |
授業や制作について
Design Products専攻は,専攻のトップの交代により転換期にありました。欧州の大学に多くみられることですが,トップが代わると教授陣も入れ替わるので,教育方針やカリキュラムも以前に比べて大幅に変わっています。理論展開やコンセプトメイキングを重要視するようになっており,エンジニアリングやマーケティング,企画といったバックボーンを持った生徒も多く在籍しています。よりデザインの現場環境に近い実践的なプロダクトデザインとしての専攻になったと言えるのではないでしょうか。
イノベーションデザインの要素を取り入れる事を目指している様子で,以前は入学して最初のタームからプラットフォームに分かれていましたが,M1の間はグループワークに専念し,M2からプラットフォームに分かれるシステムに変更されています。グループでディスカッションを繰り返して問題を発見し,異なるバックボーンを持つ人と共同作業をする事で様々な困難を乗り越え,チームで一つのモノを作り上げる事で多くのことを学べると考えられているからです。交換留学の在籍期間中の課題は,すべてグループワークとなったことから,これまで以上にハイレベルな語学力を求められます。課題は,それぞれに週1,2度のチュートリアルと,その課題に合わせたゲストの講義や,課題に必要なスキルのワークショップも用意されていました。
現地の暮らし・語学について
ロンドンは物価が高く,全てのモノが日本の2~3倍するといった印象です。ヨーロッパの中では比較的に様々なものが容易に手に入り,夜遅くまで営業しているコンビニのような店もあります。交通機関はバスが発達しており,中心エリアなら24時間バスもあるので大変便利です。
語学に関しては,課題の期限に追われる事から,英語学習の時間を確保する事は難しい現状にあります。ディスカッションやチュートリアルの場が多く用意されているので,専門用語のボキャブラリーを事前に増やしてから行くことをお勧めします。
留学を終えての感想
私がこれまで勉強してきたプロダクトデザインを根底から覆された感覚でした。日本では,最終アウトプットに向けてどのように短期間で効率的にデザインをまとめていくのかを求められる場面が多い傾向にありましたが,RCAでは最終アウトプットの完成度よりも,コンセプトメイキングやプロセスの中で何を発見する事が出来たのかを課題での最大の成果としており,それが社会に出てからのオリジナリティーやデザイナーとしての基盤になると考えられているようです。
新入生が入学して最初に迎えるオータムタームでは,プロダクトデザインの様々な分野の課題に挑戦しますが,あまりにも範囲が広すぎるため,幅広い知識と教養が必要になります。また,グループワークを通して,日本と海外とでの常識や価値観,自己主張の強さの違いなどにも大きなカルチャーショックを受けており,日本の常識が世界のスタンダードではないのだと思い知らされました。しかし,この経験が逆に自分が何を疎かにしてきたのかを痛感する非常に良い機会だったように思います。