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境谷小学校の土曜チャレンジ教室で芸大生による工芸ワークショップを開催

2012.07.14

「ポンポン♪すいすい~作って遊ぼう~」

 京都市立芸術大学と境谷小学校の連携事業として,芸術大学の学生の指導・助言のもと,児童と保護者が一緒に参加できるワークショップを開催しました。

 この取組は,本学美術学部の授業の一環として行われ,美術学部3回生5名が中心となり企画しました。(指導教員:横田学教授安井友幸准教授森野彰人准教授

 このようなワークショップの企画・運営は,日常的に作品を「制作する」ことが当たり前になっている学生にとって,人に「ものづくり」を働きかけたり,教えたりする経験を通し,社会と美術・工芸の関わりをあらためて考えたり,自分自身の創作活動を見つめ直す良い機会となります。

 今回制作したのは,パイプの下部をろうそくで加熱し,水蒸気の圧力で前に進む,いわゆるポンポン船です。

 学生は,このワークショップを開催するにあたり,境谷小学校の先生と打ち合わせを重ね,作品制作の場を親子共同での取組とすることで親子の絆を深めてもらい,また,本来捨てるものである廃材(食品トレーやペットボトル等)を用いることで「環境を大切にする心」を養ってもらうことを目的としました。

 当日は,小学1年生から5年生まで,児童14人,保護者8人が参加。学生の助言のもと,児童と保護者が一緒に夢中になって制作されていました。

 児童が作品を制作するにあたり,船に固執しないよう作品テーマを「浮かべて遊ぶもの」としたため,「夏」をテーマに花火や水族館を作る児童や,「泳ぐ生き物」をテーマに魚やカメを作る児童,自分の大好きなものとして仮面ライダーを作る児童の姿まであり,個性豊かな作品が並びました。

 制作途中で,ビニールプールに浮かべて試運転をしてみると,児童は,火をつけてパイプが熱せられるにつれ自分の作品が徐々に動き出す様子に驚き,興奮していました。

 制作終了後は,みんなでそれぞれの船のモチーフや,苦労した点などを発表しました。多くの児童は,水に浮かべても沈まないような装飾に苦労したようでした。

 この取組を行った学生は,「人に伝える難しさを知った。」「小学校の先生は大変な仕事だと感じた。」と話しつつも,「児童の,また,親子共同での純粋に制作を楽しむ姿を見られたことはとても良い経験だった。」と,充実した様子でした。

 最後に,児童は,境谷小学校の中庭にある池に各々作品を浮かべ,広いところで自分の船が進む様子を楽しみました。