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京都市立芸術大学連続シンポジウム「創造のためのアーカイブ」Part1
「未完の歴史」

 京都市立芸術大学では、本学および本学が位置する歴史文化都市・京都が生み出してきた豊かな芸術文化資源を、未来の創造活動を触発する「創造のためのアーカイブ」としてとらえ直す連続シンポジウムを開催します。多くのみなさまがご参加くださるようお願いいたします。

 

フライヤー[PDF:2.67MB]

 

日時

平成24年10月7日(日曜日)

午後1時から4時10分まで

会場 京都市立京都堀川音楽高校ホール
住所 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1
出演者

特別ゲスト

 森村泰昌(美術家)

 塩見允枝子(音楽家)

パネリスト

 加治屋健司(広島市立大学芸術学部准教授)

 加須屋明子(本学准教授)

 石原友明(本学准教授)

入場料 無料
定員 300名(先着順)
主催

京都市立芸術大学「創造のためのアーカイブ」研究会

(京都市立芸術大学特別研究助成事業)

共催 京都市立芸術大学
問い合わせ先

京都市立芸術大学教務学生支援室

TEL:075-334-2231

交通・アクセス

地下鉄:「二条城前」駅(2番出口)南東へ徒歩約3分

市バス:「堀川御池」バス停下車すぐ

 

Kyoto City University of Arts A series of symposium "Archive for Creation" part 1 "Unfinished History"

October 7, 2012, PM1:00 – 4:10

Music Hall, Kyoto Municipal Kyoto Horikawa Senior High School of Music

Special guests :

 MORIMURA Yasumasa (artist)

 SHIOMI Mieko (artsit)

Panelists :

 KAJIYA Kenji (associate professor, Hiroshima City University)

 KASUYA Akiko (associate professor, Kyoto City University of Arts)

coordinator :

 ISHIHARA Tomoaki (artist / associate professor, Kyoto City University of Arts)

organized by Research Society of "Archive for Creation", KCUA

 

 歴史は未完のままにおかれている。歴史と私たちの間には未だに往還可能なパサージュが開かれていなければならないのだ。歴史が単なる原因と結果の系列であるならば、現在とは玉突き式に継起される時間の先端であるに過ぎず、そこからの過去の眺めは“私たちの現在”を正当化するためのパースペクティブをなしているだけのことになってしまうだろう。ドイツの哲学者、ヴァルター・ベンヤミンは文化財の歴史を野蛮の記録と呼んだが、それは自らが勝利者であるという立場から歴史を捉えることが、一方的な眼差し(閉ざされたパサージュ)によっていかに歴史を歪ませてきたかをいうものである。

 私たちはここで文化財ではなく、あえて文化資源という言葉を用いることにしたい。これまでは“財”(勝利者の遺産)と見なされてこなかったものも含めてさまざまな事物や情報が、時間的なパサージュの向こうで、未だ可能性の状態において私たちを待ち受けていると思うからである。今回のシンポジウムでは、二人のアーティストを囲んだ討議を通じて、独創的な表現とは実のところ歴史への新たな眼差しの産物でもあることが明らかにされることになるだろう。私たちが掲げた「創造のためのアーカイブ」というタイトルは何ら逆説ではない。アーティストが一種本能的に過去を参照するのは、繰り返すためではなく、新たな光のもとに蘇生させるためなのである。このシンポジウムが、まさに文化資源の宝庫である京都の市民の方々の多数のご参加を得ることを願う次第である。

建畠晢(京都市立芸術大学学長)

 

予告

京都市立芸術大学連続シンポジウム「創造のためのアーカイブ」part2 「物質と記憶」

2012年11月7日(水曜日)午後3時から6時30分まで

京都芸術センター(フリースペース)

レクチャー:下条信輔(カリフォルニア工科大学教授)・篠原資明(京都大学教授)・建畠晢(京都市立芸術大学学長)

実験プレゼンテーション:高橋悟(本学教授)